巨人は昨年、開幕投手に大方の予想を覆して高橋尚成を起用する“奇襲”を仕掛けたが不発。スタートダッシュに失敗した。その反省もあってか、今年は2年連続の最多勝投手グライシンガーを起用する。
打線も先発が予想されるルイスの速球対策として、練習で低反発球(飛ばないボール)を使用するなど準備に余念がない。
広島攻略に躍起になるのも無理もない。過去5年間で3度、負け越しているからだ。昨年も10勝12敗2分けだった。そればかりか、2005年の開幕戦では3連敗を喫し、5位に沈んだ苦い過去があるのだ。
今後のペナントに弾みをつけるためにも重要な開幕3連戦。上田武司氏も「2勝1敗でいくのと、昨年みたいに3連敗でいくのとでは大違い。スタートダッシュするにこしたことはない」と開幕3連戦の重要性を説く。
ルイスには1勝3敗と抑え込まれている。それでも「今のジャイアンツ打線であればルイスでも怖くない。去年の打線とは違う。李承(イ・スンヨプ)が調子いいからね。1、2点勝負の投手戦じゃなく、5点以上取れる」と自信たっぷりにルイスKOを断言した上田氏だが、攻略の糸口はどこか。
「1、2番の亀井、鈴木の出塁率、これがキーポイントになる。ランナーを置いて3、4、5番を迎えることになれば、必然的にクリーンアップと勝負しなければならない」(上田氏)
3連戦は俊足コンビの出塁がカギを握るという。
2日は、開幕戦が行われる東京ドームで汗を流した巨人。原辰徳監督は「守るのではなく、挑戦するつもりで戦う」と必勝を誓った。
「同じ相手に何度もやられていては不甲斐(ふがい)ない」と檄(げき)を上田氏は飛ばした。
果たして、“鯉料理”は完成するのか。勝負のカギは1、2番コンビが握っている。