「俺の進化が止まんねぇ!」。世界屈指のレスリングエリートを学生プロレス出身のIWGP王者がねじ伏せた。
五輪金メダリストのテクニックに翻弄された序盤戦。グラウンドの攻防では歯が立たず、ロープエスケープするしかなかった。それでも強引にヘッドロックでアングルの弱点の首を絞めあげ、劣勢の局面を打開。さらにスリングブレイドで首を破壊しにかかった。
だが世界最高峰レスラーの牙城を崩すことはできない。息を吹き返したアングルから雪崩式の五輪ピックスラムで投げ飛ばされ、意識を失いかけた。防戦一方。アンクルロックで捕獲されて絶体絶命のピンチを迎えたが、この窮地を、体を入れ替え、テキサスクローバーホールドで切り返して嫌な流れを断ち切った。
スリングブレイドで反逆。試合の流れを引き寄せると、最後はハイフライフロー3連発で、世界最高峰レスラーから3カウントを奪い、15分11秒の熱戦に終止符を打った。
試合後はマイクを握って「ヤバい。まだまだ進化している」と自画自賛だ。
絶対的エースとして威厳を示す勝ち星。日米エース対決を制し、自らの力で至宝流出も阻止した。「カートに勝って、きょう、俺が何者かってことがわかった。ハイフライフロー、フロムジャパン。これで世界一と言えるでしょう」と、世界レベルの実力を確信した。
「これからのタイトルマッチは相手がどうこうよりも俺が中心。100回以上防衛する」。5・3福岡大会で行われる春のG1覇者・後藤洋央紀とのV3戦に死角は見当たらない。