今シーズン「25試合・8勝5敗・防御率4.01」といった成績を残した33歳の美馬は、先月27日に国内FA権の行使を表明。現在は獲得に名乗りを挙げた巨人、ヤクルト、ロッテの3球団に、宣言残留を認める現所属の楽天を加えた4球団が争奪戦を展開している。
報道によると、宮崎で行われている秋季キャンプを所用のため抜けて帰京していた原監督は、12日に予定していた宮崎へのUターンを13日夜に変更し、同日昼に行われた球団と美馬の4回目の交渉に同席。その席上で「ジャイアンツで一緒にやろう」と、自身の口から直接美馬へラブコールを送ったという。
原監督が球団のFA交渉に同席したのは、2006年オフの小笠原道大(当時日本ハム)、2018年オフの丸佳浩(当時広島)に次いでこれが3度目。なお、過去2回はいずれも獲得に成功している上、どちらもその翌年にセ・リーグ優勝を果たしている。
そのため、今回の一件を受けてネット上のプロ野球ファンからは、まだ獲得が確定していないにもかかわらず「原監督が出てきたってことは巨人で決まりかな」、「結局巨人の勝ちか、相変わらず争奪戦には強い球団だな」というコメントが多く寄せられ、楽天ファンからは「原監督まで出てこられたらもう残留の可能性は無さそう」、「今までありがとう、巨人に行っても頑張って」といった声が上がっている。
「今シーズンの美馬は143.2回を投げ、パ・リーグでは他に到達者が5名しかいない規定投球回(143回)に到達。また、昨シーズンは8月に右ひじを手術した影響でクリアとはなりませんでしたが、それ以前も2年連続で規定投球回をクリアしています。今シーズンの規定到達者が山口俊1人だけだった巨人からすると、安定して投球回を稼いでくれる美馬は是が非でも欲しい人材なのかもしれません」(野球ライター)
巨人、そして原監督が、美馬の獲得へ本気であることがうかがえる今回の一件。ただ、33歳という年齢や人的補償が必要なBランクの選手であること、さらに2017年オフに西武からFAで獲得した野上亮磨(当時30歳/移籍後2年間で5勝・89.1投球回)が結果を出せなかったことなどから、巨人ファンの間では「そこまでして獲りにいくような選手じゃないだろ」、「野上の二の舞になりそうだから今からでも考え直せ」、「美馬を獲得するくらいなら今いる若手を使うほうがよっぽどマシ」といった否定的な見方もくすぶっているが…。
文 / 柴田雅人