勝ち星のないまま敵地に乗り込んだ巨人。開幕3連敗と同じく波に乗れない横浜と対戦した。
1点リードで迎えた5回に打者一巡の猛攻で4点を奪取。投手陣も高橋尚が6回を1失点と先発の役目を果たすと、継投策で乗り切り、5-1で勝利を収めた。
ようやく強力打線が目覚めた巨人だが、手放しでは喜べない。本来ならクリーンアップを打っている5番・李が、途中交代させられたからだ。
李はWBC韓国代表を辞退。オープン戦では、本塁打&打点の2冠王に輝くなど、不振にあえいだ昨シーズンの汚名を返上すべく、今シーズンに再起を懸けていた。
ところが、シーズンが始まるやオープン戦の好調がウソのように大ブレーキ。開幕3連戦を終えて10打数2安打。開幕2戦目で本塁打を放ったものの、三振4はリーグワーストタイ、得点圏打率は0割と役割を果たせずにいた。
この日も2三振を喫し、ついに原辰徳監督の我慢も限界。途中交代を告げた。指揮官は「勝負は流れが大事になってくる。ベストの布陣で相手チームと戦いたかった」と理由を明かした。
確かにチャンスの場面で5番が打てなければ得点力は半減する。それだけに、篠塚和典打撃コーチも「今日の使い方をみればわかるでしょう。やっぱり5番のところで(ヒットが)出ないと」と打線のテコ入れを示唆した。
李本人も「(気持ちに)余裕が足りなかった。上半身のバランスが崩れて引っ張ってしまう。やっぱり結果を出さないと」と焦りを感じている。
昨年はケガの影響で調整が遅れ、開幕から打撃不振に陥り2軍落ちした。その後、長らくファーム生活が続き「野球人生で最悪の1年だった」と嘆いていたが、今年も再び悪夢がよみがえりそうだ。
「まだ、いろいろ考えながらやっていく」(原監督)。開幕から4試合目で、早くも昨年悩まされた“5番問題”が浮き彫りとなってきた。今シーズン初勝利を挙げたとはいえ、首脳陣の悩みは尽きない。