ただ、球史の中ではこれ以外にも、様々な形の登録名が登場している。本稿では、そんな球界の“珍”登録名のパターン5つを、順を追って以下に紹介していきたい。
まず最初に紹介するのは、登録名が下の名前のみのパターン。大和(前田大和)、由規(佐藤由規)、銀次(赤見内銀次)など、該当する現役選手も少なくない。ちなみに、今をときめく“甲斐キャノン”こと甲斐拓也も、2016年までは登録名が「拓也」だった。
次に、下の名前がカタカナ、もしくはアルファベットとなっているパターン。前者はイチロー(鈴木一朗)やサブロー(大村三郎)、後者はSHINJO(新庄剛志)やTSUYOSHI(西岡剛)がこれに該当する。
冒頭の金子も含まれるのが、本名の漢字を変更したパターン。現役では中島宏之(中島裕之)、亀井善行(亀井義行)、今江年晶(今江敏晃)、監督・コーチ陣では井口資仁(井口忠仁)、矢野燿大(矢野輝弘)、松井稼頭央(松井和夫)が具体例といったところだ。
ここまでのパターンは全て本名が派生した形となっているが、ニックネームが派生したパターンもある。古くはカズ山本(山本和範)やG.G.佐藤(佐藤隆彦)、現在ではT‐岡田(岡田貴弘)やK‐鈴木(鈴木康平)といった選手がその好例だろう。
最後に紹介するのが、本名とは全く違う名前を用いたパターン。達川晃豊(達川光男)、石井琢朗(石井忠徳)、雄太(川井進)といったOBが該当するこのパターンは、球史を見ても非常に稀なパターンとなっている。
以上が、球界の“珍”登録名における5つのパターンである。昨今は一目で読めない“キラキラネーム”を持つ子供が増えていることを考えると、ゆくゆくは「本名が読みにくいため変更した」パターンなども登場するのかもしれない。
文 / 柴田雅人