最多勝右腕が、広島の呪縛から抜け出せない。
巨人は、広島先発のルイス対策として練習に低反発球を導入、先発にチームの勝ち頭であるグライシンガーを起用し、万全の態勢を整えた。
3年ぶりに東京ドームで迎えたホームでの開幕戦。1点を追う3回に小笠原の2点本塁打、ラミレスのソロ本塁打で逆転に成功した。だが、直後の4回、シーボルに2点本塁打、赤松の2点タイムリーヒットなどで再び逆転を許した。その後は広島投手陣を打ち崩すことができず、3-6で敗戦。2年連続で黒星スタートとなった。
試合後、原辰徳監督は勝敗を分けた4回を振り返り、「重要なイニングだったでしょう。(逆転に成功して)守り切れなかった」と悔やんだ。
長いペナントレース、144試合の中の1敗だが侮れない。昨年まで小笠原、ラミレスがアベック本塁打を放った試合は17戦負けなし。だが、OR不敗神話が途切れた。
小笠原、ラミレスは「記録はいつか途切れるもの」と口をそろえたが、必勝パターンが崩壊したことは今後のペナントレースに影を落としそうだ。
そればかりか、不名誉な記録を更新した。グライシンガーの対広島連敗記録だ。昨年4月29日に勝利して以来、現在、3連敗中。この日の敗戦でその記録を4とした。
グライシンガーは「きょうの配球に関しては、自分で考えて相手を打ち取る確率が一番高い球種を選択した」と弁明したが、3回途中6失点でKOされた男の言葉には説得力がない。
V3を目指す巨人の歯車が狂い始めている。開幕3連戦の残る2試合で巻き返せるのか、不安が残るスタートとなった。