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新たなスター誕生か? 新日本プロレスの“TIME BOMB”高橋ヒロムが1・4ドームに凱旋帰国

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(C)新日本プロレス

 今年の「G1クライマックス26」最終戦、8・14両国大会の休憩が明けると、スクリーンに「TIME BOMB」なる映像が流れ、映し出されたカウントダウンの数字を計算すると、時限爆弾は11・5大阪大会に仕掛けられていることがわかった。大会毎に流されていくカウントダウン映像に、ファンは一体何が起こるのか気分を高まらせていたに違いない。

 そして迎えた11・5大阪大会。IWGPジュニアヘビー級選手権試合で、BUSHIからKUSHIDAが王座を奪還すると、場内が暗転。最後のカウントダウン映像が流れ「0」と同時に爆音が響き、入場ゲートに無期限の海外遠征中だった高橋ヒロム(以後ヒロム)が現れた。この映像には何バージョンかあったが、大阪の街をバックにヒロムの遠征先だった、イギリスやアメリカ、そして日本の国旗がフラッシュするなど、いくつかのヒントが隠されていたと思われる。

 大ヒロムコールの中、リングに上がったヒロムはマイクを持ち、「KUSHIDA、おまえに用はねえ。俺はこのベルトに用があるんだ。東京ドームでこのベルトに挑戦させてもらう。おまえはかわいそうな男だよ。ドームでおまえは終わりだ!」と叫ぶとベルトを舐め回すように見てからリングを後にした。刺激のある挑戦者の出現に、王者のKUSHIDAも断る理由がない。来年1・4東京ドーム大会での対戦が決定した。コメントブースに現れたヒロムは、「さあ、東京ドームに集まる5万人の皆さん、最高のもの、見せてやるよ。俺のIWGP初戴冠。そして! KUSHIDA! おまえの終わりの日だ!時限、TIME BOMB!」とまくし立てた。

 ヒロムは、2010年8月24日に本名の高橋広夢でデビュー。身体能力の高さから将来のスター候補生として期待されており、ベスト・オブ・ザ・スーパーJr.(BOSJ)に2年連続で出場するなど、ヤングライオン時代から注目されていた。2013年6月から無期限の海外遠征へ出発。イギリスからメキシコに渡ると、CMLLではマスクマンのカマイタチ(後に覆面剥ぎマッチで敗れ素顔になる)として活躍。今年1月23日の後楽園ホール大会に乱入しドラゴン・リーを急襲すると、リーが保持するCMLL世界スーパーライト級王座に挑戦表明。翌24日の後楽園大会でリーへの挑戦が急遽決定すると、ファンが大熱狂するほどの激戦を制し、王座を奪取。一気に帰国への期待値が高まったが、本人は「IWGPヘビー級王者に負けないIWGPジュニア王者になる」ことを掲げて、再び海外遠征を続けた。4月頃からはメキシコからアメリカに闘いの場を移し、新日本と提携しているROHを中心に活動し、ヘビー級の選手とも数多く対戦した。ジュニアヘビー級の祭典である、BOSJやスーパーJカップでも凱旋帰国を果たすことなく、ヒロムはヘビー級王者にも勝てるジュニア戦士になるための最終調整を、アメリカマットで仕上げたのかもしれない。

 1・4ドームという大舞台での凱旋帰国。しかも新日本は時限爆弾“TIME BOMB”として、この夏からずっと煽り続けてきた。“レインメーカー”オカダ・カズチカも1・4ドームで凱旋試合を行っているが、“レインメーカー”として認知されたのは、棚橋弘至からIWGPヘビー級王座を奪取してからである。これはヒロムに対する期待の表れであり、1月の試合で強烈なインパクトを残したことで、ファンの支持を得ているのも大きい。苦労して新日ジュニアのトップに上り詰めたKUSHIDAの壁は簡単に崩せるはずもないが、もし1回で崩すようなことがあれば、KUSHIDAが築いてきたものを全て消してしまうかもしれない。この時限爆弾はそれくらいの破壊力がある。

 来年の1・4ドームは、ひさびさに新たなるスター誕生の可能性を秘めた大会となった。

 (どら増田)
(C)新日本プロレス
【新日Times Vol.46】

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