新日本プロレス11・5大阪大会のメイン終了後、IWGPインターコンチネンタル王座を防衛した内藤哲也の前に現れた棚橋弘至はこう言い放った。
既に来年1・4東京ドーム大会のメインイベントはオカダ・カズチカ対ケニー・オメガのIWGPヘビー級選手権試合に決定し、発表されている。しかし1・4ドーム“7年連続メインイベント”という記録が掛かっている棚橋は、10・8魚沼大会で「必ず東京ドームのメインにたどり着いてみせます!」とファンの前で宣言。1・4ドームのメインに立つ“希望”を内藤に託す形で、挑戦表明を行ったのだ。
2017・1・4「レッスルキングダム11 in 東京ドーム」第2弾決定カード
▼IWGPインターコンチネンタル選手権試合
<王者>内藤哲也 対 棚橋弘至<挑戦者>
「俺と絡めば、“7年連続・東京ドーム大会メインイベント”が見えて来る。そんな棚橋ファンと棚橋本人しかこだわってない、非常にくだらない記録のために、俺の前に出て来たんだなと」
7日に行われた会見で、内藤は棚橋の気持ちを見透かしたように話を続ける。
「ファン投票をしたあのときと同じですよ(2014年1・4ドーム大会のメインをファン投票によって決定した)。あのときも彼はインターコンチネンタル王座戦だったはずなのに、誰の意思かわからないけど、ファン投票という意味のわからない制度をいきなり持ち出して、インターコンチネンタル王座戦をメインイベントにしたと。僕はあのとき思いましたよ。なんで新日本プロレスはIWGPヘビー級王座に誇りを持たないんだと。東京ドームのメインイベントはIWGPヘビー級王座戦であるべきだと。やっぱりこの考えは変わらない。なので、皆様は僕がここで『ファン投票しましょう』と言うと思うでしょう? 僕の答えは逆ですよ。ファン投票は、僕は望みません」
内藤自身が望んでいると思われた“ファン投票”のリベンジは、あくまでも「IWGPヘビー級王座戦」というのが大前提だったのだ。これにはさすがの棚橋も言い返すことができなかった。内藤の正論攻勢はまだ続く。
「1年前に僕が言ったことを覚えてますか? 『この新日本プロレスは棚橋が言ったことがすべて。棚橋の言いなりである』と。いま棚橋が『ファン投票をやりたい』と言えば、きっとこの会社、動きますよ。この会社はすぐ変わりますから。あのときの発言が、正しかったのか? いまハッキリわかりますよ。7年連続メインイベント、出たいんだろ? じゃあ、お前の口から『ファン投票やろう』って言ってみろよ」
ファン投票提案を突きつけられた棚橋はこれについて質問されると…。
「返す言葉がない…。(内藤は)ベビーフェイスだなと。それはまだ保留にしておきましょう。あのファン投票が動いたのは、棚橋対中邑だったからだと思うんですよ。そのカードに神通力があったところで、ファンの投票も動いたと。ニコイチの問題だったので。棚橋が1人で騒いでどうなる問題でもないかなと。それだったら、7年連続、東京ドームメインイベントっていうのは、実現したら凄い誇れる記録ですけども、それ以上に大切なモノがあるんじゃないかって、今気付きかけてますね」
と話し、内藤の攻勢を保留という形でかわした。しかし、ここまで論破された棚橋というのは見たことがない。棚橋は「闘わずして世代交代された気分」と話していたが、内藤は「今年の1・4ドームでオカダに負けた時点で棚橋の時代は終わり。この1年間彼が何かやりましたか?」と正論を投げかけると「トドメを刺す」とコメント。棚橋も「トドメを刺されるようならそれまで」と語り背水の陣で挑む考えを示した。
次期シリーズの「ワールドタッグリーグ2016」でも内藤(パートナーはX)と棚橋(パートナーはジュース・ロビンソン)は同じブロックに入っており、11・18後楽園大会で対戦することが決定している。内藤は棚橋に対してよりファン投票実施の圧力をかけてくるのは間違いないだろう。棚橋はファン投票を提案するのか? もしそうなった場合、新日本は提案を受け入れるのか?
このカードに関しては年末にかけてまだまだ一悶着ありそうだ。
(どら増田)
撮影/広瀬ゼンイチ
【新日Times VOL.43】