日高は、1972年8月5日、島根県益田市生まれ。一度は就職したが、レスラーへの夢を諦めきれず上京し、アニマル浜口道場を経て96年4月に格闘探偵団バトラーツに入門。97年1月21日に船木勝一(現・FUNAKI)を相手にデビューしたプロレスラーだ。
6日、神奈川・横浜市の「トータルシアター」で行われた会見には、発起人の澤宗紀(元・バトラーツ)ほか、日高と親交のある電撃ネットワークの南部虎弾やパンクラスの伊藤崇文が出席。日高は、「ゴールと言ったらおかしいけど、よくここまでやったかな」と20周年を迎える心境を語った。
特別ゲストで登場した南部は、「3・15、これはサイコーなのか最後なのか。どうなるのか。電撃も参戦できるのか」とコメント。「今回は、できるだけリングには上がらないところで参戦したい」と笑わせた南部は、看板芸のひとつである禅パワーの「缶ビールを額にくっつける芸」で日高に祝福のビールを注ぐなどして会場を盛り上げる。
会見では前代未聞の発表も。おそらくプロレス史上最高額となる2000万円席(限定ペア1組2席)の発売だ。東京・町田市の土地付き一戸建て住宅か、埼玉・東武動物公園駅近くの3LDKマンションのいずれかが特典としてついてくるという仰天チケットとなる。「駅から迷わずに行ったら20分」(日高)と、これも20周年にちなんだ企画だという。「町田市で一戸建てが2000万円はあり得ない」という日高だが、新築なのか中古物件なのか…詳細は不明だ。
そのほかにも、200万円席は行き先不明の南国ツアー(限定ペア1組2席)、20万円席は、日高の出身地・島根ツアー(限定ペア5組10席)がプレゼントされる。また、大会に向けて20周年記念テーマソングの制作や、20歳前後の美女サポーター「日高ガールズ」を20人募集し、ラウンドガールなどでPR活動を展開するという。
メーンの「20人掛けマッチ」について聞かれた日高は、「藤田ミノルとの相方タッグで試合したいと言ったのに、なんで20人と試合になっているの?」と発起人の澤にかみつく。澤は「ご安心ください。ちゃんと藤田ミノルとの試合も用意しています」と応えた。これには、「知ってる? オレ44歳なんだよ。20人掛けは、戦いやすい相手でお願いしますよ!」と懇願する日高。どうやら本人には優しくない興行になりそうだ。
記念興行にいちはやく参戦の名乗りを挙げたのは、パンクラスの伊藤崇文。「よくここまできた。がんばってきたからこそ。なので素直に『おめでとう』と言わせてもらう。当日の試合も誰と当たるかわからないが、勝って日高を喜ばせたい」とコメント。「同い年の伊藤選手とは、大阪でプロレスラーを目指して練習していたときに出会った。一緒にトレーニングして切磋琢磨した仲」と説明する日高。記念興行に当たり同じ釜の飯を食った伊藤に一番に出てもらおうと団体の枠を越えたオファーとなったという。
「20年はひとつの目標だった。昔はちょっとでも動きが落ちたら引退するべきじゃないかなと思ったときもあったけど、40代半ばにして体力が全く落ちない。これは練習のたまものでしょう。21年目以降もいいコンディションでリングに上がり続けたい」と抱負を語る日高にとって、記念興行はひとつの通過点に過ぎないのかもしれない。なお、チケットは10月20日からe+(http://eplus.jp/scapture/)から発売予定だ。
■オフィシャルHP http://hidakamatsuri20.wixsite.com/event
*写真 20周年記念興行を発表した日高郁人(左から3人目)は南部虎弾に首を絞められ祝福された。左は伊藤崇文、右は澤宗紀