スポーツ
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スポーツ 2010年01月11日 12時00分
新55番・大田泰示が原巨人の命運を握る?
どうやら、原巨人の4連覇のカギを握っているのは、2年目の大田泰示(19)のようだ。 「8番三塁で、新しい選手が出て来てほしい」−−。原辰徳監督は元旦付けの系列新聞インタビューで、2010年のチーム構想をそう語っていた。具体的な選手名こそ出さなかったが、大田の抜擢を直感した野球関係者は少なくない。 「大田? 使わざるを得ないでしょう」 巨人関係者の1人がそう言う。 使わざるを得ない理由とは、『背番号55』を与えたように、大田を将来のスター候補、打線の中核を担う逸材と見ているからだ。 「松井もプロ2年目にレギュラーポジションを獲得し、3年目にはベストナインに選出されています。ONはもちろんだが、清原、松坂などスターになる選手は1年目からそれなりの成績を残している。イチローは例外中の例外!」(前出・同) つまり、球界のスターは“早熟”だというわけだ。大田をスターに育てたいのだろう。昨秋、その大田に「セカンドの練習をさせる」との情報も飛び交っていた。セカンドは選手層の厚い巨人において、唯一、レギュラーが決まっていないポジションだ。近代野球において、「二塁手の守備力はチームの勝敗に直結する」とも言われている。守備面での負担、打撃への悪影響を考えれば得策ではないが、「大田の二塁挑戦は本当に検討されていた」というから、巨人首脳陣がいかに早く使いたいと思っているかが分かる。 その大田がジャイアンツ球場で小笠原道大を質問責めにしていた。詳細は聞き取れなかったが、グラブを指して話し込んでいた。大田は『小笠原モデル』の新グラブ(三塁手用)をこの自主トレから使用しているともいうので、三塁守備に関する助言も仰いでいたのだろう。 「原構想では小笠原を一塁に固定するつもりです。ラミレスは『一塁も守れる』程度にしておき、状況に応じて、出場選手の守備位置を替えていくのでしょう」(前出・同) 大田が三塁で使えるメドが立てば、原監督の選択肢は確実に増える。ラミレスが一塁の守備に入るとき、ドライチの長野義久を使うつもりなのだろう。大田は原巨人の起爆剤になれるか…。言い方を変えれば、ラミレス(35)、小笠原(36)のクリーンアップの後継者育成が遅れているからだろう。
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スポーツ 2010年01月09日 15時00分
巨人が斎藤佑樹に1位公約できない裏事情
早稲田大学・斎藤佑樹(21=新4年生)が始動した(1月5日)。都内の同大学グラウンドでの初練習に9球団21人のプロ野球スカウトが集まったのは既報通りだが、巨人スカウトだけは慎重な言動を見せていた。千葉ロッテが1位指名を明言し、ヤクルト、ソフトバンク、広島、西武もその最有力候補であることを話してくれたが、巨人だけは「(昨秋の)リーグ戦のときよりも、いいボールが来ていた」と言うに止まった。 言動がかなり慎重だった…。 「桑田(真澄)の引退で、エースナンバーの18番が『空席』となって、今年で4年目。後継を決めないで来たのは、斎藤指名後に備えているからだとも聞いています。日本テレビが東京六大学リーグ戦の放映権を獲得したのも、斎藤指名を有利に進めたいからでしょう」 大多数のメディア陣がそう捉えている。 斎藤にラブコールを送り続けてきた読売グループ(巨人)が『1位指名』を明言しなかったのは、何故か…。超高校級右腕が出現したからである。東海大相模・一二三(ひふみ)慎太だ。一二三は昨年の秋季高校野球・関東大会4試合を全て完投し、失点は「4」。その驚異的なスタミナとキレのある直球に、関東地区担当のプロ野球スカウトは「10年に1人の逸材!」と、将来性に太鼓判を押していた。 しかし、ちょうど昨年の今頃だった。巨人・清武英利代表が長野義久外野手に「1位指名の確約」をした。菊池雄星がブレークしたのは、その1カ月後のセンバツ大会だった。一部の巨人OBは「長野は他球団の指名を2度も断っている。もう何処も指名して来ないから、下位指名でも大丈夫。1位指名発言を撤回しろ!」と“助言”したそうだが、 「夏の都市対抗野球の最中、巨人関係者は社会人野球の要人に『長野を1位指名するのか、しないのか!?』と迫られ、イエスと言わざるを得なかった。今後の社会人野球界との関係もあるし…」(関係者) と、『菊池1位』に切り換えるタイミングも逸してしまった。 早過ぎる1位指名宣言は、ロクなことがない。巨人は身を持ってそれを知ったのだ。 人気の斎藤か、将来性の一二三か…。『斎藤詣で』に出向いたスカウトのなかには「大石達也(早大・新4年生)の方が、斎藤よりも上」と評する者もいた。 「早大・応武篤良監督も今季で任期満了です。その応武監督の再就職を保証すれば、斎藤は簡単に囲えるかも」(前出・同) そんな“悪い冗談”も飛び交っていた。巨人を始め、千葉ロッテ以外が『斎藤の1位指名』を明言しない理由は、一二三の出現だけではなさそうだ。
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スポーツ 2010年01月09日 13時30分
「時代」を彩った男と女・あの人は今 レスリング・小林孝至さん
オリンピックで金メダルを獲得することは並大抵のことではない。日本全国、いや世界中で注目を浴びることになる金メダリストであるが、その金メダルを置き忘れ、さらに注目を集めた人物がいた。 1988年に開催されたソウル五輪のレスリングフリースタイル48キロ級で金メダルに輝いた小林孝至がその人である。 小林は、土浦日大高校時代からレスリングを始め、在学中に高校三冠を2年連続で達成した。そして日大に進学、ロサンゼルス五輪の選考会で、高校の先輩であった入江隆に敗れて出場の機会を逃した。 大学を卒業後は会社員として、先のソウル五輪の日本代表に選ばれ金メダリストとなった。そのことが勤め先で評価され社内で3階級の特進も果たした。 そして、事件は起こった。ソウル五輪が終わった88年10月29日、小林は足利工大付高校レスリング部のインターハイ出場20回記念パーティにゲストとして出席した帰り、上野駅構内の公衆電話に持っていたセカンドバッグを忘れた。その中には、ソウル五輪の金メダルが入っていたことで大騒ぎ、話題となった。幸いにも拾った人が警察に届け、小林の手元に戻った。 この事件がきっかけで、小林はテレビ出演が多くなり、ある番組で「腹筋は何回?」と聞かれ、「回数はわからないが、約4時間」と、天然な答えをしたことでバラエティ番組に登場するようになった。 現在プロレスラーで、3度の五輪出場、8度の全日本選手権優勝の本田多聞とは高校、大学の同期である。 最近では、スポーツコメンテーターのほか、日本レスリング協会広報委員も務めている。また、総合格闘技PRIDEのジャッジも担当している。 そして、小林は講演などに出席する場合、二度と落としたり忘れたりしないように必ず金メダルは肌身離さず持ち歩くようにしている。
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スポーツ 2010年01月08日 15時00分
中田翔『看板外野手の放出』でチャンス到来!
今シーズン、ビッグチャンスが到来しそうなのが、3年目の大器・中田翔(20=北海道日本ハムファイターズ)だ。 昨季は二軍で本塁打、打点の二冠王に輝いたが、一軍での安打数はたった10本(36打席)。チーム打率2割7分8厘(リーグ1位)を誇る一軍の強力打線に割って入るはできなかった。 「09年は一塁にコンバートされたものの、守備難は解消されませんでした。何よりも、必死さが伝わってこないんだよね…。精神面での甘さを克服しないといけない」 在京球団の二軍コーチがそう酷評する。 そんな中田になぜ、『一軍定着の好機』がやって来たと言うと、日本ハム球団の“合理主義”的な発想があるからだ。 こんな“ウワサ”も広まっている。非公式を含め、数球団が日本ハムにトレードを持ち掛けている。日本ハム側は慎重ではあるが、「放出できる選手」として、森本稀哲外野手の名前をチラつかせているというのだ。 昨季、森本は打率2割4分7厘と低迷し、契約更改後の会見でも、「FA権を取得した? こんな成績では恥ずかしい」と、再起を誓っていた。 このオフの日本ハムの戦力補強を見て、分かったことが1つ。チームトップの打点88を稼いだスレッジを失ったにも関わらず、打撃陣の補強に動いていない。そのうえ、森本の放出も視野に入れているということは、「中田を使うから」と見て、まず間違いないだろう。中田は昨秋から外野の練習も始めている。09年のレギュラー外野手は、稲葉、糸井、スレッジ。スレッジがDHの場合は森本、村田、紺田などが左翼に入っていた。一塁には4番・高橋信二がいるだけに、中田にとっては外野手に専念した方が出場のチャンスも広がるだろう。 「今季、38歳になる稲葉をDHに固定する戦略も考えられる。対戦投手によって、高橋をDHにまわし、『一塁・中田』で右打者を揃えることも考えられる」(前出・同) 日本ハムは「現有戦力は必ず使う」の方針。FAや米挑戦にしても「選手の意志を最優先させる」合理主義的な発想である。 中田の飛躍に期待したいところだが、レギュラーポジションは「与えられるもの」ではなく、「奪い取るもの」だ。「そうやって甘やかすから…」と、批判的な声もチーム内部で囁かれていた。
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スポーツ 2010年01月06日 15時00分
箱根駅伝の裏舞台! 瀬古が失言で箱根駅伝から抹殺
柏原竜二の激走で見事、東洋大学が2連覇。改めて「山登り」がクローズアップされた『東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)』だが、解説・瀬古利彦の「問題発言」が大破紋を呼んでいる。 ここ数年、5区・山登りの走りが優勝に直結する奇妙な展開が続いている。今年の柏原も例外でなく、実にトップとの差4分26秒をひっくり返し、さらに後続を3分36秒も引き離すミラクルぶり。彼の快走が優勝を生んだというのは、紛れもない事実である。 実際、柏原を除いた東洋大9人の区間順位(20人中)は1区5位-2区10位-3区10位-4区4位-6区9位-7区1位-8区2位-9区10位-10区7位…7区の田中貴章(2年)と8区の千葉優(3年)以外はパッとしていない。まさに、“山の魔人”サマサマなのだ。 この結果を踏まえ、復路が終了した後に“敗者”の監督から噴出したのが「5区の距離」について。06年(今年で5年目)から、2.5キロ延伸し現状の23.4キロと「最長区間になっている距離を改善すべき」の声が出たのだ。 「試合後、山梨学院大の上田誠仁監督、東海大の新居利広監督、上武大・花田勝彦監督らが主催の関東学生陸上連盟の青葉昌幸会長に“山登りだけでもキツイ。それなのに最長区間というのは選手の負担が大きく、選手は壊れてしまう”と旧来の長さ(20.9キロ)に戻すよう要請したのです」と、語るのはスポーツ紙記者。 新規格になってから、5区には“山の神”今井正人(順大)が2年連続で区間記録を樹立し卒業。間を1年空け、その後を受けたのが件の柏原で2年連続区間新。しかも、この5年で今井、柏原を擁した順天堂大、東洋大が3度、覇権を制している。 確かに、この事実を鑑みれば上田監督らの“イチャモン”も理解できる。が、監督が半ば「負け惜しみ」で口を突くのはいいとしても、テレビ中継の解説者が同様の意見をしてしまったら大問題だ。「箱根駅伝そのものを否定している」と、受け取られても仕方ないところである。 一体、何のことか−−というと、試合後にあろうことか瀬古までも山学大監督らと同調して「こうなったら1〜4区はいらない」と喋ってしまったのだ。 もちろん、軽薄な瀬古が後先考えず、口にした冗談だが、関係者にとってはシャレで済む問題ではない。5区の距離延伸は、箱根駅伝を運営していくに当たって重大なポイントになっているからだ。 「かつて5区・小田原中継所は蒲鉾の『鈴廣』本社前でした。が、現在は『めがねスーパー』前に移転したのです。『鈴廣』は箱根駅伝がメジャーになる前からバックアップしていた有力企業だったのに…。一部では、『鈴廣』と陸連幹部との確執が距離延伸につながった、と囁かれています」(学生連盟関係者) 資金はもとより試合当日は従業員にボランティアをさせるなど『鈴廣』の箱根魂は、想像を絶するものがある。にもかかわらず、距離が伸びる前までは、これだけの貢献企業をテレビではスポット的にしか紹介してこなかった。どうやら、こういった“配慮の無さ”が重なり陸連幹部との衝突になったようなのだ。 「距離延伸は(1)小田原中継所(『鈴廣』前)は道幅が狭く交通渋滞を招く。(2)1区間を18キロ(18.5キロ)にすることで、中距離選手にも活動の場が与えられる。(3)タフなコースを経験する事により“箱根から世界へ”羽ばたけるマラソン選手の育成…以上3つの点が要因と言われていますが、場当たり的な理由づけとしか言えないです」(前出・学生連盟関係者) その通り、全て矛盾だらけである。 (1)に関しては「それなら復路は何なんだ」となる。7区の小田原中継所は相変わらず『鈴廣』前だ。復路6〜7区のたすきリレーは瞬間視聴率33.5%と同駅伝中継で最も数字が高かったポイント。4〜5区のリレーより人気がある訳だから交通渋滞も5区以上だろう。 (2)と(3)について。(2)の中距離云々はナンセンス。18キロは立派に長距離で800メートル、1500メートルを主戦としている中距離選手には酷な距離だ。(3)については、マラソンは42キロで23キロ走ったところでマラソン力には結びつかない。第一、42キロ山登りのマラソン大会など無い。 場当たり的な表向きの理由からも想像出来るように5区の中継所変更は非常にナーバスな問題が隠れている。一朝一夕の思いつきで解決するような話ではないのだ。 解説の瀬古もその辺の事情は分かっているだろうに…。事情通が語る。 「瀬古は去年の中継も往路で早稲田贔屓の解説をし、制作の『博報堂』からお叱りを受けた。で、懲りもせず今回はこの失言。一部関係者などは“あまりに能天気な瀬古を来年から外せ”とまで言っている。もし、そうなったら、瀬古の今後の活動にも影響を与えないとも言えない話になってくるのです」 国民的スポーツの裏に蠢く政治力。これが“オトナのハナシ”と片付けてしまえば、それまでだが“オトナに成り切れなかった”元・トップアスリートがその煽りを喰うとは何とも不幸(?)である。 まあ、これだけの波紋を呼んでしまったのだから、彼にはしっかり反省をしてもらわなくてはいけないところだが…。 「身から出た錆」とでも言うべきなのか−−。
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スポーツ 2010年01月06日 14時00分
プロ野球新監督 期待度1位は横浜・尾花監督?
『週刊ベースボール』2009年12月28日号にこんなアンケート結果が載った。これは読者ページのアンケート調査で、この週のテーマは「2010年から指揮を執る新監督で、あなたが最も期待しているのは?」というものだった。 ちなみに2010年の新監督は広島・野村謙二郎、横浜・尾花高夫、楽天・ブラウン、ロッテ・西村博文、オリックス・岡田彰布の5人。アンケート結果は順に、横浜・尾花44%、広島・野村22%、オリックス・岡田17%、ロッテ・西村10%、楽天・ブラウン7%と、横浜・尾花監督が、2位の広島・野村監督に倍の差をつけての1位。2年連続ダントツ最下位の横浜だけに、投手コーチとして有能な尾花新監督の手腕にプロ野球ファンも大いに期待しているようで「打線はいいだけに、投手陣を立て直せば優勝を狙える」という意見が多かったようだ。中には、「ここまでの低迷はもう飽きた。優勝時とまではいかなくても、もう一度横浜の街を盛り上げて欲しい」という他球団のファンからのエール(?)まであった。 意外に期待度が低いのが、2009年まで広島の監督だった楽天・ブラウン監督。2009年終盤、広島にもAクラス入りのチャンスがあったが結局は5位に終わり、就任以来Bクラス続き。楽天前監督の野村克也氏が、すっきりしない退団劇もあって世間から同情されているだけに、今期大躍進した楽天の監督にブラウン氏が就任しても、存在感が霞んでしまったのだろうか。 それにしても、このオフは例年にない補強を続け、他球団関係者も驚いているといわれる横浜ベイスターズ。親会社のTBSはとっくに球団経営の熱意をなくしていると囁かれているが、期待の新監督を迎え、ここ数年のツケを取り返すような補強策を進めた。オバマ大統領ではないが、ようやく「イエス、ウィ、キャン!」の精神に目覚めたか。もっとも、強くなったとたん身売りして「チェンジ!」なんてことはしないで欲しいが…。(横浜六太 山口敏太郎事務所)参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」http://blog.goo.ne.jp/youkaiou
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スポーツ 2010年01月05日 17時00分
日本球界は大恐慌時代を乗り越えられるのか? 日本代表効果の限界(下)
日本代表が連覇して盛り上がったWBCに関しても、実は、楽屋裏では「4年後の大会はもういいんじゃないか。優勝しても、結局、主催の大リーグ機構(MLB)を儲けさせるだけ。ばからしい」という本音が聞こえてくる。優勝賞金310万ドル(約2億7900万円)といっても、選手との折半だから、NPB側には半額しか入らない。来年6月に行われるサッカーワールドカップ南アフリカ大会の優勝賞金が3000万ドル(約26億5000万円)というのと比べれば、ひとケタ違う。 「サッカーのワールドカップだって最初から今のような世界的人気のビッグイベントだったわけではない。何十年もかけてああなったんだ。MLBの独断専横とか、いろいろ問題はあるが、WBCも時間をかけてサッカーのワールドカップのように育てる必要があるんだ」とは、第1回日本代表監督を引き受けた王氏の持論だが、第2回大会を終わっても変わらない目に余るMLBの独断専横ぶりに、日本球界関係者の多くが爆発寸前なのが現実だ。大会を盛り上げるのに欠かせないテレビ局の不満も増すばかりだ。 韓国との決勝戦のテレビ視聴率が36.4%(ビデオリサーチ調べ)を記録するなど、中継したTBS、テレビ朝日はヒーロー扱い。巨人・原監督が日本代表監督、しかも東京ラウンドは読売が主催なのに、最初から放映権争奪戦から撤退してしまった日本テレビへの風当たりは強かった。身内の巨人・渡辺恒雄球団会長も「TBSは損得抜きに日本代表戦を中継するという局全体としての意気込みがあった。だから成功した。日本テレビには気概がない」と批判したほどだ。 が、テレビ局関係者は意外な事実を明かす。「視聴率だけ見れば、大成功のTBS、テレビ朝日vs大失敗の日本テレビという図式だが、現実はそうではない。何十億円というバカ高い放映権料だから、TBS、テレビ朝日は儲かっていない。高視聴率のおかげで局のモチベーションが上がっただけだろう。最初から高すぎる放映権料に嫌気がさしてWBCは中継しないと決断していた日本テレビはむしろ賢明といえる。東京ラウンドを主催した読売だって、損はしなくても、せっかく集めた莫大なスポンサー料をMLBに吸い上げられるだけだったんだから」。MLBによるMLBのためのWBCというのが、ウソ偽りのない実態なのだ。それだからこそ、「もうWBCなんかやる必要はない」という恨み節が聞こえるのだ。 「3年、4年に1回のWBCよりもペナントレースの方が重要だろう」という声は、12球団、労組・日本プロ野球選手会双方の間からもあがっている。12球団に対し、「WBCに出場した選手のペナントレースの成績が悪くても査定で考慮して欲しい」と要求を出していた選手会は自ら撤回してみせた。「毎日、ファンが球場にきてくれるペナントレースの方がやはり大事ですから」と。 12球団側も足並みを揃えた。当初、WBC祝勝会とMVP、新人王などを表彰するコンベンションを一緒に開催する予定を変更。それぞれ別の日に行われたのも「一緒の日にやると、WBC祝勝会の方が突出してしまい、せっかくのMVP、新人王、ベストナインの表彰がかすんでしまう。それは本末転倒だ」という配慮からだった。 12球団、選手会のWBC離れは、MLBの利権独占だけが理由のすべてではない。出場した選手に想像を絶する負担がかかり、満身創痍の現実があるからだ。準決勝、決勝戦で日の丸守護神を務めた日本ハム・ダルビッシュ有はペナントレースの大詰めで故障して戦線離脱。日本シリーズで強行登板して1勝をあげたものの、来季に不安を抱えている。球界参入して以来、初のクライマックスシリーズ出場を果たした楽天の両輪、岩隈久志、田中将大もケガに苦しんだ。首位打者争いの常連のヤクルト・青木宣親は2割3、4分台で苦悩、シーズン終了間際にようやく駆け込み3割を達成する始末だった。 投打のチームリーダーになった日本人メジャーリーガーコンビ、レッドソックス・松坂大輔、マリナーズ・イチローも例外ではなく、アクシデントに見舞われている。松坂などは故障の繰り返しを「WBCで投げすぎたのが原因だ」と決めつけられ、しかもメジャー流の球数制限調整を批判したと、米メディアからバッシングされ、懲罰トレード情報まで流されている。イチローも開幕直前に胃潰瘍になり、戦線離脱した。災い転じて福となすで、結果的には日米通算で張本勲氏の持つ日本記録の3085安打を超え、9年連続のシーズン200本安打のメジャー新記録を達成している。が、「イチローも生身の人間だった」と言われ、WBCで日の丸を背負う、想像を絶するプレッシャーを証明する形になった。 唯一無事だったのは、内海哲也を「ニセ侍」呼ばわりした原監督だけだった。興行収入の大半はMLBに持って行かれ、主力選手は燃え尽き症候群では、踏んだり蹴ったりだ。「日本代表を常設して年間20試合やれば、10億、20億円の収益がある」というNPB救済案が、見た目はドリームプランでも、実際はいかに実現困難なものか、WBC日本代表を見てもよくわかるだろう。日本代表の集客力にオンブにダッコした結果、Jリーグの試合にファンがそっぽを向き、そのうちに日本代表の商品価値まで暴落したサッカー界は、対岸の火事ではない。(了)
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スポーツ 2010年01月04日 17時00分
日本球界は大恐慌時代を乗り越えられるのか? 日本代表効果の限界(上)
11月18日のオーナー会議で財政危機の日本野球機構(NPB)救済策として、日の丸を背負った日本代表の常設プランが議題にあがった。事業検討委員会の下部組織としての新規事業立ち上げプロジェクトチームからのこういう報告があったのだ。 「報告によるとペナントレースに影響しない開幕前の2月、3月、7月のオールスター休み期間中、日本シリーズの終わった11月の4回に分け、年間、合計20試合の日本代表試合をやれば、10億円から20億円の収益があるらしい」と、ある球団のオーナーは日本代表常設案の内容を明かしながらも実現への数々の高いハードルを指摘している。「常設するのはいいが、それでは実際に日本代表の監督を誰にするのか、選手はどうするのか。年齢面もフル代表にするのか、サッカーのようにアンダー20とかにするのか。難題が山積しているよ」と。 他のオーナーが「まあ、夢のような計画ですな」と漏らしたように、机上論としては素晴らしいドリーム・プランだが、具体的な実現性になると、夢の計画止まりになってしまうのだ。 確かに結果オーライだったが、第2回WBC日本監督代表人事のドタバタ劇を思い起こせば、常設日本代表の難しさがわかる。北京五輪日本代表監督・星野仙一氏がWBCまで続投する予定だったが、まさかのメダルなしの結果に世論が猛反発。加藤良三コミッショナーは、王貞治コミッショナー特別顧問を中心にしたWBC体制検討会議まで新設。王氏の他に前北京五輪日本代表監督としての星野氏、最年長監督の楽天・野村克也監督、現場の監督と同時にフロントとしてGMも経験しているヤクルト・高田繁監督、選手として五輪を経験している若手OBの代表、野村謙二郎氏(現広島監督)。バラエティーに富んだメンバーで検討した結果、星野監督続投というシナリオが描かれていた。 が、自らが日本代表監督就任に色気があった楽天・野村監督が「星野で決まっているようや。出来レースや」と暴露発言。呼応するかのように、「WBCは五輪の雪辱の場ではない。最強チームを作ると言いながら、現役監督を排除するのはいかがなものか」とマリナーズ・イチローが爆弾発言。星野監督続投が吹き飛び、消去法で日本代表・原辰徳監督が誕生。結果的にWBC連覇を達成したので、ハッピーエンドになったが、第1回WBC日本代表・王監督から3年後の監督人事一つでさえ、この有様だったのだ。常設となれば、どんなドタバタ劇になるか、想像がつかないだろう。 かといって、常設日本代表案には、あっさり諦めきれない魅力がある。オーナー会議の2日後の11月22日に「セ、パ誕生60周年記念イベント」として東京ドームで行われた史上初の『U26NPB選抜対大学日本代表』が大成功したのだ。「3万人入れば御の字だろう」というNPB関係者の予想を大きく裏切り、前売り券が完売で当日券なし、なんと4万人を超える大観衆が集まった。「これならば、何年かに一度はやる価値がある」とプロ、アマ関係者共に色気を見せた。 が、単純に喜ぶわけにはいかない理由がある。最大の集客源は、来年のドラフトの超目玉になる早大・斎藤佑樹だったからだ。斎藤に対する携帯カメラのフラッシュ攻勢のすさまじさは、WBC日本代表・イチローに負けないくらいだった。 「今年はプロ対大学の試合が初めてという話題性、さらには斎藤という超人気スターがいたから、4万人を超えるファンが押しかけてきたが、毎年、斎藤がいるわけではない」。テレビ局関係者の言葉は核心を突いている。スポーツ紙が1面に飛びついた、「高校の同期対決の早大・斎藤vs巨人・坂本」という看板対決も今年だからこその売り物だった。 大成功の裏には、表面化しなかった問題点もあった。北京五輪日本代表を務めた星野氏がテレビ放送のゲスト解説で厳しく指摘した。「マー君(楽天・田中)が出てこないのは大いに不満だ。頭に来る。今年はWBCから始まり、ペントレースでも大活躍したから、確かに疲れはあるだろう。が、投げなくてもいいから出てこなければいけない」と。 ファンが一番注目していた、甲子園を沸かせたハンカチ王子、早実・斎藤佑樹vs駒大苫小牧・田中将大のドリームマッチ再現に、田中はハナから背を向けていた。プロ入り3年で順調にエース格に成長した田中にすれば、今さら斎藤との甲子園対決を蒸し返されることに不快感を隠せなかったのだ。が、「日本代表ならば誰もが喜んで参加しなければいけない」と星野氏は改めて訴えたのだ。もちろん第2回WBC大会での中日勢の全員辞退という異常事態が念頭にあってのものだろう。前述したように、「常設はいいが、監督をどうするんだ。選手はどうするんだ」という、あるオーナーがズバリ切り込んだ日本代表常設の最大の難題は、大成功裏に終わったU26NPB選抜対大学日本代表戦でも無縁ではなかった。(つづく)
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スポーツ 2010年01月04日 14時00分
楽天2位躍進でも観客動員数はワースト!
09年、パ・リーグの観客動員数に『意外な結果』が表れた。トップはソフトバンクの224万5969人だったが、リーグワーストは何処か…。2位躍進を果たした東北楽天ゴールデンイーグルスだった。総観客動員数は120万3169人。1試合平均1万6711人、1試合の最多観客数も2万901人で、これは同部門トップの日本ハムの半分以下の数値である。 なぜ、楽天の観客動員数が突出して少ないかといえば、本拠地・クリネックススタジアム宮城の集客人数が2万2000人と小さいためだ。 「検討課題として、できるだけ前向きに取り組んでいく」 去る12月8日、プロ野球・実行委員会を開かれ、楽天・井上智治オーナー代行はそう釈明したが、「2万2000人くらいがちょうどいい」ともこぼしていた。 そもそも楽天は、04年オフに新規参入する際、06年までに本拠地座席数を「2万8000席まで増設する」と約束しており、それが履行されていないために同委員会が問題視したのである。 座席数を増設しなければ、どうなるか。楽天が日本シリーズに進出した場合、当該チーム、出場選手への分配金が減り、NPBも減収を免れなくなる。 井上オーナー代行の「2万2000人くらいがちょうどいい」発言は、仙台市民の野球熱を疑うものではない。そう言わざるを得なかったのではないだろうか。5万人強の収容可能な本拠地を持つ球団は、阪神、巨人だけ。セ・リーグ1位の300万7074人の総観客動員数を集めた阪神でさえ、1試合の最多観客数は4万6893人。甲子園球場の最大収容人数は5万454人だから、3000人強の「空席」を出した計算になる。 座席数を増やせば、その改修費用は球団の負担だ。球場維持費の出費も増える。座席数を増やさなければ、増収の可能性も否定することになるが、プロ野球が絶対的な人気を誇る時代ではなくなった。クリネックススタジアム宮城の座席数を詰るだけではなく、NPBはオールスター戦、交流戦、クライマックスシリーズなど、興行形態についても同時検討すべきではないだろうか。(スポーツライター・美山和也)
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スポーツ 2010年01月02日 13時00分
次期監督候補・井口に『監督代弁者』は務まるのか!?
新生ロッテは大丈夫だろうか。 去る12月6日、井口資仁内野手(35)の後援会パーティーが都内ホテルで行われた。挨拶に立った瀬戸山隆三・球団社長は「近い将来、監督としてロッテを率いて」と“リップサービス”をし、出席者を驚かせた。 「西村(徳文)さんが監督に昇格したばかりなのに…。瀬戸山社長と井口はダイエー時代からの付き合いで、08年オフのロッテ入りの際に交わした『3年契約』が『5年』だったことも判明しました。将来、本当に井口はロッテ監督に就くと思う」(関係者) 千葉ロッテマリーンズが日本一、アジアシリーズ制覇に成功したのは、05年。その影の功労者は、昨シーズン限りでの引退を表明した小宮山悟投手(44)だと言っていい。04年、ロッテ指揮官に復帰したバレンタイン監督と救援投手陣の間には、溝が出来掛けていた。 「メジャーでは、本当にこんな調整をやっているんですか!?」 救援投手陣は同監督の継投策に対する疑問を、小宮山にぶつけた。 「投手の肩は消耗品」と思っていたボビー・バレンタイン監督は、「ワタシが指示した投手以外、ブルペンでの投球練習を禁止する」と通達した。救援投手は試合経過を見ながら、投球練習を開始し、“お声”が掛かるのを待つのが一般的だ。また、日本球界には「試合登板がなくても、ブルペン待機すればプラス査定が付く」という悪しき伝統もあった。同監督は、そこにメスを入れたのである。 だが、実際に指示が出たから「5分」と経たないうちにマウンドに送り込まれるなどし、04年の救援陣の成績は散々な結果に終わった。「メジャーでは本当にこんな調整をしているのか!?」の疑問をぶつけられた小宮山は、ストレッチやアップ運動だけで体を温め、ギリギリまで投球練習をしないメジャー流を説明した。野茂英雄の成功以来、メジャーが遠い存在ではなくなった。 「世界で通用する投手になりたいんだったら、オレたちがボビーに合わせるしかないよね?」 メジャーで救援も経験した小宮山の言葉には説得力があった。 05年優勝の牽引役となったのは、後に『YFK』と称された救援投手陣たちである。ベテランの域に達した井口に求められるのは、指揮官と選手を繋ぐパイプ役だ。それが出来なければ、ロッテの浮上はないだろう。瀬戸山社長の発言はリップサービスではなく、井口に対する檄であったのかもしれない。(スポーツライター・美山和也)
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