スポーツ
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スポーツ 2010年04月10日 14時30分
「時代」を彩った男と女・あの人は今 元自転車選手・長義和さん
長義和の名をご存知だろうか? もし、この人が競輪界に入っていたら中野浩一の世界選手権10連覇はなかっただろうといわれる超実力者でありながら、悲運に泣いた伝説のスプリンターだ。モスクワ五輪に関する悲劇の選手としてこれまで数々の書物で語り継がれた他、NHK朝の連続テレビ小説「やんちゃくれ」にも長役が登場するなど日本の五輪の歴史を語る上で欠かせない選手である。 53年、大阪府で生まれた長は自転車競技で頭角を表し、72年、ミュンヘン五輪に出場。4年後のモントリオール五輪ではスプリント(当時はスクラッチ)で日本人選手初の6位入賞を果たした。翌77年、日本競輪学校第41期に合格したが、モスクワ五輪への夢が捨てきれずに競輪学校を辞退して五輪に照準を絞った。 「ちなみに、この時の同期合格者には中野、滝沢正光、井上茂徳という後の競輪界大スターが名を連ねていました。その中でも長の実力はずば抜けていたんです。まさに日本一のレーサーでした。それでも長に迷いはなかったんです。長はこの時すでに競輪学校受験資格上限の24歳であったため、競輪学校を辞退したらその後の競輪界への道は閉ざされることは覚悟していました。プレオリンピックでも3位に入り、モスクワでのメダルは確実視されていました。まさか、そのモスクワがボイコットされるとは…」(当時の自転車関係者) ソ連のアフガニスタン侵攻問題でアメリカが西側諸国にモスクワ五輪ボイコットを呼びかけたことを受けて日本も同調し、長の夢は無残にも打ち砕かれたのだった。柔道の山下泰裕、マラソンの瀬古利彦、レスリング・高田裕司らと並んでモスクワのメダル候補だった長にとっては最悪の事態となった。 競輪界に行く道も閉ざされた長はその後は、島野工業(現シマノ)に入社。一社員として、デュアルコントロールレバー開発に携わり、「世界のシマノ」ブランド確立を影で支えた。 「本人は現役に未練はなかったように振舞っていましたが、競輪学校同期生の活躍を見るのはつらかったと思いますよ。長がモントリオール後に競輪界入りしていれば、中野の世界自動車選手権10連覇はまずないだろうと言われてましたしね」(前出関係者) さらにその後は、意外な道に進む。現在、和歌山県田辺市にて自営でパン屋を経営し始めたのだ。天然酵母の国産小麦を使ったパンを自ら焼くというこだわりように長らしさが伺える。しかし、昨年4月、サイクリング中に自動車にはねられ、肋骨を折る重傷を負う不幸に見舞われた。自転車競技の歴史人ともいえる長がサイクリング中に事故とはとても皮肉なものだ。
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スポーツ 2010年04月10日 11時00分
世界に拡散する地下プロレス…ネパール、香港で繰り広げられた“世界地下行脚”を追う!(3)
3月13日、カトマンズ。市内の試合開場は、4000人とも5000人ともつかぬ大観衆で埋め尽くされていた。 ここで『プロレスEXPO 2010』が開催される。 否、このイベントの正体は、『プロレスEXPO』の仮面を被った“地下プロレス”なのであるが…! この“ネパール地下プロレス”に招かれたメイド・イン・ジャパンの地下戦士・富豪2夢路と梅沢菊次郎も、試合開場で手厚い歓迎を受けた。二人が試合開始時刻ギリギリに会場入りすると、 「日本からやって来た“頭突き世界一”フゴフゴユメジと、“アンダーグラウンドスモーヨコヅナ”キクジローが到着しました!」と、ご丁寧にも場内アナウンスがされる。この異例の扱いに、二人は目を丸くした。 特に“スモー・キク”の異名がネパールで定着しかけている梅沢菊次郎は、「ヨコヅナ」という響きの 国籍を問わない説得力に、新鮮な驚きを感じていた。 この日夢路と梅沢は、スペインのマーク・ハニバル相手の3WAYマッチに出場。しかし参加選手の中で、夢路と対戦予定だったイタリアのフェンリズ・ヘルストームは、直前になってから脚の骨折を理由に出場をキャンセルした。このドタキャンにも「何かある」と勘ぐりたくなってしまうのも、やはり地下の業の深さなのだろうか…。 3WAYマッチは結局、梅沢がハニバルをボディプレスでピンフォールし快勝。詰めかけた4000人強のネパールっ子たちは、彼らのこれまでの人生では遭遇し得ない「125キロの大男」のファイトに大興奮。「ヨコヅナ!」の声援が鳴り止むことはなかった。やはり「スモー」「ヨコヅナ」の響きと、そこから生まれる畏敬の感情は、万国共通のものなのだ。 しかし、事件はメインイベントで勃発した。 メインのカードは、“ネパールの力道山”ヒマラヤン・タイガーに、元WWEスーパースターのビッグ・ヴィトー。言うまでもなく、リング上で繰り広げられるアメリカとネパールの“戦争”である。 ここで夢路と梅沢は、ヒマラヤン・タイガーの真のカリスマぶりを知ることとなる。 ヒマラヤン・タイガーの一挙手一投足に、大観衆から地鳴りが沸き起こる。 「地鳴りのような大歓声」などとという生やさしい比喩ではない。 人々の裸の感情が、文字通りの地鳴りと化しているのだ。 日本のプロレスが完全に忘れ去ってしまった光景が、このネパールの地に存在した。 国民の娯楽の王様としてプロレスが君臨し、リング上のトップスターは、国民の代弁者として、彼らの激情を表現する。 まさにヒマラヤン・タイガーは、ネパールの力道山だったのだ。 その国民の英雄を、“悪いアメリカ人”が痛めつけにかかる。 ビッグ・ヴィトーが凶器を持ち出し、レフェリーのブラインドをついて殴りかかる。 その時。 大観衆が、一斉にペットボトルとイスを、リングめがけて雨あられのように投げ入れた。 完全なる暴徒と化した群衆に向かって、ついに軍隊が出動する。 警棒を持った兵士が、暴れる観客めがけて次々殴りつける。 軍隊と民衆が殴り合う、ニュース映像でしか見たことがない風景。 この修羅場のきっかけを作ったのは、紛れもなくヒマラヤン・タイガー。 日本のサムライ・夢路と梅沢は、“ヒマラヤの力道山”の真の恐ろしさを、この瞬間に初めて知ったのだった。カトマンズの暴動を伝える現地ニュース(YouTube)http://www.youtube.com/watch?v=AC-LqblIjuo&feature=player_embedded そしてこの未曾有の大暴動の中、闘う男たちの国境を超えた友情が芽生えていた。 飛び交うイスの雨の中、“国民の敵”ビッグ・ヴィトーを、夢路と梅沢が身を挺して守り抜いたのだ。 自らの命を救ってくれた(間違いなく、その瞬間ヴィトーは死を意識したはず!)このサムライたちの男気にヴィトーはいたく感激し、命からがら辿り着いたホテルで、夢路と菊沢を酒の席に誘った。 「今すぐ飲もう!」 なんと、三人とも試合コスチュームのままである。ビッグ・ヴィトーは、命の恩人たちを前にして、そこまで感極まっていたのだ。 「カンパーイ!」 そして、コスチュームのまま杯を交わした三人。その瞬間、日本のサムライタッグ・富豪2夢路&梅沢菊次郎のチーム名が決まった。 その名も「カンパイ・ボーイズ」。地下プロレス『EXIT』公式サイトhttp://www7.plala.or.jp/EXIT/梶原劇画で伝承された「地下プロレス」が、この日本に存在した! 闇の闘いを伝える『EXIT』とは何か!?http://npn.co.jp/article/detail/97320773/世界に拡散する地下プロレス…ネパール、香港で繰り広げられた“世界地下行脚”を追う!(1)http://npn.co.jp/article/detail/54205265/世界に拡散する地下プロレス…ネパール、香港で繰り広げられた“世界地下行脚”を追う!(2)http://npn.co.jp/article/detail/71648266/(山口敏太郎事務所)参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」http://blog.goo.ne.jp/youkaiou
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スポーツ 2010年04月09日 17時00分
あらまあ! 菊池雄星、二軍でもお荷物
西武のゴールデンルーキーのはずだった菊池雄星(花巻東)なのに、今や二軍でもお荷物になっている。当てはずれに悲痛な声をあげているのは、日本プロ野球組織(NPB)関係者だ。 8日の社会人野球チーム・日本通運相手の試合でも、3イニング投げて無安打とはいうものの、内容は7四死球、1失点の大乱調。小野二軍投手コーチから居残り練習を命じられ、20分にも及ぶ説教までされている。視察した渡辺監督が「あんなもの」と突き放せば、潮崎一軍投手コーチも「停滞前線まっただ中」と一刀両断。このままでは一軍昇格どころか、二軍でもローテーション入りの見通しが立たない。 「いや、二軍でもローテーションに入れなかったら、困りますよ。なんとか頑張ってくれないとね」と、悲痛な声でエールを送るのは、NPB関係者だ。というのも、7月22日に長崎で行われる二軍のオールスター、『フレッシュオールスター』の超目玉が、菊池雄星だからだ。二軍でも満足に登板できない状態ではSOSだ。フレッシュオールスターにさえ選出されない、まさかの非常事態到来の危機に直面する。 オリックス時代のイチローをはじめ、このフレッシュオールスターはスター選手の登竜門になっている。人気先行の雄星だが、この舞台を飛躍の足がかりにしてくれれば、興行的にも大成功間違いなし、将来のプロ野球界にとっても万々歳になる。が、現状のままでは絵に描いた餅の危機だ。 「将来的に大きく育ってくれればいい。あわてることはない」と、西武・後藤オーナーは明言、熟成栽培方針を明かしているが、そんな悠長な事を言っている場合ではない。開幕早々だというのに、1万人も入らない日がある西武ドームのお寒い現実を見たら、経営者として、危機感を覚えなければいけないだろう。どこか他人事のように論評している現場首脳に対しても、オーナーから活を入れる必要がある。 松坂大輔(現レッドソックス)以来の人気沸騰したゴールデンルーキーとしての入団時には、「ナイター終了後に西武球場前から池袋への直通の電車を増やす」という“雄星特別列車ダイヤ”まで語られていたのに、閑古鳥が鳴く西武ドーム。ファンを球場に呼ぶには、雄星の一軍昇格、ローテーション入りしかない。 NPB関係者が切実な危機感を抱いているように、西武球団、現場首脳は、雄星英才教育の特別プロジェクトを、早急に立ち上げる必要がある。
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スポーツ 2010年04月09日 13時00分
緊急トレードで露呈した日本ハムの内部亀裂
開幕4カードを終え、2勝8敗1分け。昨季のパ・リーグ覇者、梨田日本ハムは最下位である。この時期に順位を語るべきではないが、横浜ベイスターズとのトレードをまとめたところからして、チーム内に「このままではマズい」という焦りもあったのは明白だ。その「江尻慎太郎−石井裕也」のトレードについて、日本ハムの現場とフロントで考え方が合致していなかったのは、各メディアも伝えている。 梨田昌孝監督(56)が横浜から来る石井について「まずは二軍で様子を見てから」と即戦力として見ていないことを明かせば、チーム編成を預かる山田正雄GMは「リスクは承知で行ったトレード」と言い切った。梨田監督が「江尻の放出に最後まで反対した」とされ、フロントと現場の関係亀裂を伝える声もないわけではない。 プロ野球OBの1人がこう分析する。 「梨田監督を昨季、チームを優勝に導き、再契約を勝ち取りましたが、フロントとの関係亀裂を囁かれてきました。たとえば、中田翔の起用法です。フロントは『将来のため、我慢して使ってくれ』という考え方。梨田監督は『レギュラーは与えるものではなく、奪うもの』と考えています。この程度で衝突することはありませんが、いろいろなことが積もり積もって…」 放出された江尻だが、ある意味で「梨田イズムの象徴的選手」とも目されていた。江尻は故・小林繁投手コーチの勧めでサイドスローに転向している。この投球フォームの改造についてはチーム内にも賛否両論があったが、梨田監督は故・小林コーチの今季からの一軍昇格を決めていた。その背後には吉井理人・前一軍投手コーチとの衝突も重なっており、『反乱分子』を遠ざけ、シンパの故・小林コーチを呼び寄せることで自身の発言力を増そうとした。 同じ近鉄出身の吉井コーチと衝突した理由は、以下の通り。 「ひと言で言えば、捕手目線(梨田監督)と投手目線(吉井コーチ)の違いですよ。吉井コーチは攻めていて出してしまった四球は仕方ないとし、梨田監督はその考え方に真っ向から反対でした」(球界関係者) 小林氏の急死後、日本ハム球団内には吉井コーチの一軍再登録を押す声も多かったが、梨田監督が反対した。 「吉井コーチは派閥を作るタイプではありません。一匹狼的なところもある」(同) どの球団も必ずしも一枚岩ではない。対立した者同士が裏で悪口を言い合ったり、監督やフロント有力者に媚びたりと醜い争いごとが繰り返されている。 「日本ハムは小笠原(道大)のFA退団を引き止めなかったように、ドライなチーム編成を行います。5月GW明け、あるいは交流戦あたりをメドに浮上のきっかけも掴めないようなら…」(前出・同) 梨田監督にも“ドライな措置”を下されるだろう。そのとき、フロントが現場の中核に据えるのは二軍コーチに“左遷”されていた吉井コーチだという。開幕序盤で焦る必要はない。繰り返しになるが、球団フロントは「このままでは…」の危機意識があるから、トレードに動いたのである。 「オフにまとめたトレードにしても、梨田監督が放出に反対した選手がいました。現場コーチスタッフのなかには『放出要員を見誤ったフロントにも責任はある』との声が出ています」(前出・プロ野球OB) 昨季の覇者・日本ハムの亀裂は深刻だ。この手のわだかまりは勝つことで払拭されるのだが…。
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スポーツ 2010年04月09日 11時00分
主役・松井vs脇役・イチロー
ツインズとの開幕戦で決勝タイムリー、だめ押し本塁打を放ったエンゼルス・松井秀喜は、第3戦でも猛打賞を記録。8日(日本時間9日)第4戦ではいよいよ2年ぶりに左翼の守備につく。 DH以外の起用法を拒否したヤンキースとの再契約をあきらめ、エンゼルス入りしたのは、ソーシア監督が「外野も守ってもらう」と、松井が希望する外野手のポジションも用意してくれたからだ。それだけに、どんな守備を見せるか、バッティング同様に注目される。 このツインズとの4連戦後のヤンキースタジアムの古巣・ヤンキース戦では、松井に対し、昨年のワールドシリーズ制覇の記念品・ワールドチャンピオンリングが贈られることになっている。WシリーズMVPの松井にとっては、生涯の思い出になるイベントだ。 「ヤンキースのピンストライプのユニホームを着てワールドチャンピオンになるのが夢」だったが、自らのバットで実現したのだから当然だろう。同時に、手にしたワールドチャンピオンリングはヤンキースとの決別セレモニーになる。 「今度はエンゼルスでワールドチャンピオンになれたらいい」と、新たな目標を口にする、新天地での松井の一挙手一投足にファンの熱い視線が注がれる毎日で、衛星第一で中継するNHKは大喜びだろう。対照的に、脇役に回され、影が薄くなっているのがマリナーズ・イチローだ。 「NHK衛星第一は松井、松井だから、イチローを見るにはハイビジョンしかない。いってみれば、裏番組だね。プライドの高いイチローには我慢ならない事態だろう」。テレビ局関係者はこう楽屋裏を語る。 常に主役でいなければ気の済まないイチローにとって、内心の怒りをぶつけるのは、松井との直接対決の場しかないだろう。「さすがイチロー。松井よりも上だ」というパフォーマンスをみせつけるしかない。 対決はさらに盛り上がる。 それでなくとも松井vsイチローの激突を楽しみにしているファンにとってはたまらない。イチローの怒りの反撃は、ますます興味を倍加してくれることになるだろう。
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スポーツ 2010年04月08日 17時30分
伝統の一戦も吹き飛ばすエンゼルス・松井秀喜
ツインズ相手の開幕戦でいきなり決勝タイムリーとだめ押し第1号本塁打。エンゼルスの新4番・松井秀喜の衝撃デビューの余波は、日本球界にも及んでいる。 甲子園での今季初の伝統の一戦、阪神対巨人戦はモロに影響を受けた。「松井に日本プロ野球は吹き飛ばされてしまった。スポーツ紙の1面、テレビのスポーツニュースのトップを奪われてしまった。でも、あの活躍では仕方ないか」。日本球界関係者はため息をついた。 阪神、巨人球団トップはスーパースター・松井秀喜の偉大さを、改めて思い知らされると同時に、地団駄を踏む思いだろう。というのも、松井がヤンキースとの3年契約が終わる昨年のシーズン中、阪神と巨人は松井に対し、ラブコール合戦を展開しているからだ。 いち早く獲得に名乗りを上げたのが阪神。「日本球界への復帰を決めたならば、ぜひ阪神へきてほしい。甲子園の天然芝はヒザに優しいですから」と、決めぜりふを口にした。松井が「日本球界復帰を決めたわけではないですが、そう言ってくれるのはうれしいこと」と応じたものだから、巨人はビックリ仰天。 「背番号55は大田君に預けてあるだけ。日本に戻るのならば、巨人に復帰して欲しい」と、滝鼻卓雄オーナーは熱烈なカムバックコールを送ったのだ。巨人時代の松井の背番号55を大田泰示(東海大相模)に与えたことから、古巣・巨人への不快感を示していた松井への懐柔策まで口にした。 番外の巨人対阪神戦だ。最終的には、ここ一番に強い松井が奇跡を起こし、ヤンキースをワールドチャンピオンに導く、日本人メジャーリーガー初のワールドシリーズMVPを獲得。日本球界復帰話は自然消滅してしまったのだ。阪神、巨人球団トップは、今さらながらだが、幻の松井獲得劇を悔やんでいるだろう。
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スポーツ 2010年04月08日 13時30分
古田が古巣ヤクルトに出馬挨拶!?
神宮球場で“奇妙な光景”が見られた。4月4日、東京ヤクルトスワローズは尾花ベイスターズとの一戦を控え、軽い練習を行っていた。そこへ、意外な珍客が現れたのである。それも、アポなしで…。 「ビックリしましたよ。チームとの縁が切れたわけではありませんが、昨年、一昨年は意図的にこちらを避けていたように聞いていたので」(チーム関係者の1人) ヤクルトナインを驚かせた珍客とは、古田敦也・前監督(44)である。これまで、古巣との接触を避けていたように見えたのは成績不振による退任劇もあったからだろう。もちろん、双方にわだかまりはないが、古田氏のヤクルトナインとの接触は久々の実現だった。 そのときの古田氏だが、ユニフォームを着ていたころとは大違いだった。愛想が良く、球団、球場の裏方スタッフにも自ら声を掛けまわり、再会の握手を差し伸べていた。 「現役、兼任監督時代はピリピリしていて、近寄りがたい雰囲気もありました。当たり前といえば当たり前だけど」(前出・同) しかし、その愛想の良さにヤクルトナインは一歩退いてしまった。 「握手の手を差し出す姿というか、そのときの笑顔がサマになりすぎていて(笑)」 神宮球場の一塁側ベンチからはそんな声ももれていた。 古田氏は横浜ベイスターズ側のベンチも足を伸ばし、尾花高夫監督とも暫し談笑。高田繁監督、旧知のベテラン・宮本慎也(39)とも長く話し込んでいたが、前出の関係者によれば、「野球の話はほとんど出なかった」という。一体、何の話をしていたのか−−。 「古田サン、選挙にでも出るんじゃないの? 握手する姿もサマになっていたし」 ヤクルト側ベンチから、そんな“冗談”も聞かれた。 古田は若手与党議員とも親しく、東京五輪の招致大使も務めた。兼任監督時代、IT企業の有力者、起業人との親密ぶりも報じられ、「野球選手ではなく、まるで実業家」と、皮肉られたこともあった。 「近鉄とオリックスの合併騒動のときも、選手会長として奔走した人ですからね。古ダヌキのような球団経営者を向こうにまわし、議論を繰り広げています。司法方面にも知人が多く、法律に関する知識も豊富です」(在京球団職員) 現在、古田氏は野球の底辺拡大のため、地方での少年野球教室にも出掛けているが、こうした政財界にも広がるネットワークにより、「出馬は時間の問題」とも言われる。当の古田氏はそんな関係者の反応を一笑するかもしれないが、当日のヤクルトは野球に専念できず(?)、横浜に敗退。突然の神宮訪問の目的は誰にも分からない。
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スポーツ 2010年04月06日 15時30分
「時代」を彩った男と女・あの人は今 元小結・智乃花伸哉さん
「センセイ」の愛称で親しまれ技能相撲で魅了した元小結・智乃花伸哉。現在は年寄り・玉垣を襲名し、友綱部屋で後進の指導にあたっている。 まったく異色づくしの大相撲力士だった。175センチ115キロと力士としては小柄な体格ながら、安定した教職の座を投げ打って27歳で角界入門した。しかも妻子持ちだったこともあってマスコミでもこぞって特集が組まれるなど日本中の注目を浴びた。もともと、法政大学相撲部出身だった叔父の影響で相撲を始めた智乃花は、日本大学時代には主将も務め数々の大会で活躍し、卒業後も山口県で教諭を務めながらアマチュア横綱のタイトルも獲得するなど、実力はあった。その頃、大相撲も若貴ブームで黄金期を迎えており、日大の後輩・舞の海の活躍も大きく報道されていた。まさにその勇士に刺激され、念願だった大相撲への入門を決意したという。 「とはいえ、智乃花には奥さんと当時2歳の息子さんがいました。でも、日大時代から付き合ってきた奥さんは特に反対もせずに智乃花の意思を尊重したといいます。当時は智乃花の活躍ばかりが報道されていましたが本当に、この奥さんなくして彼の活躍はなかったと思います。大相撲入門時の月給は6万円。健康保険の切り替えも済んでおらず、当時、息子さんの通院にも困ったのですが、奥さんは智乃花には一切の心配をかけず、相撲に専念させてあげたのです」(夫妻の知人) 智乃花は歴代最高齢の27歳で初土俵を踏み、周囲の心配をよそに、スピード出世する。入門から4場所目で幕下優勝し、十両に昇進。9場所目で幕内に上がり、11場所連続勝ち越しし、12場所目で新小結に昇進した。1場所で平幕に陥落したものの舞の海と並ぶ小兵の技能力士として世間の注目を集めた。ちなみに決まり手は34種で技のデパート・舞の海(33種)よりも多かった。 01年9月場所で5勝10敗と負け越し幕下陥落となり、37歳で現役引退した。その後は準年寄・智乃花から年寄・浅香山を襲名し立浪部屋で指導を続け、06年には玉垣を襲名。指導方針の違いで立浪部屋から同門の友綱部屋に移った。春場所からは審判長も務め審判デビューをしたが、長い相撲の取り直しを休憩なしで取らせてしまうという規則の運用ミスをしてしまった。そこは素直に反省し謝罪した「センセイ」だった。余談だが、かつて教諭を務めていた山口・大津高校の卒業生にはあの金子みすゞがいる。代表作『わたしと小鳥とすずと』の「みんなちがって、みんないい」の詩が智乃花の人生とも被る気がする。
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スポーツ 2010年04月06日 12時30分
岡田オリックスの好スタートで、あの人が泣いている!?
オリックスが開幕ダッシュに成功した。4月2日からの千葉ロッテ3連戦こそ“惨敗”だったが、岡田彰布監督(52)は「いずれ反動は来る。そう巧く行くかな?」と対戦前から語っており、これからの巻き返しにも期待できそうだ。しかし、その好調さにガッカリしている(?)関係者もいた。昨季までオリックスに在籍していたタフィ・ローズ外野手(41)だ。 岡田監督はオリックス入りが決まった直後、それも、09年のシーズンが終了しない時点から「4人もいらんやろ?」と、ローズ、カブレラ、フェルナンデス、ラロッカで作られる『ロケットボーイズ』の解体を明言。故障で2カ月半の戦線離脱があったとは、打率3割8厘、本塁打22本、打点62(84試合)の高い数値を残していた。『ミスター・バファローズ』とも称される人気ぶりからして、「年俸でもめるかもしれないが、球団も折れるのではないか。他の外国人選手を切るのではないか?」との見方もされていた。 結果は2010年に契約最終年を迎えるカブレラと、ラロッカが残留し、ローズ、フェルナンデスが“解雇”となった。 「昨年10月の時点で、ローズは『オリックス残留が第一希望』とし、お金は二の次と言っていましたが」 在阪メディア陣の多くがそう証言する。 千葉ロッテとの3連戦を終え、7勝4敗(2位)となった時点で、そのローズに関する興味深い情報が飛び込んできた。オリックスとの交渉決裂後、他球団にも売り込みを掛けていたのである。在京球団職員の1人は「どこまで本気で交渉したのかは分からないが」と前置きしつつも、「ローズ側は日本ハム、西武、横浜、ヤクルトなどにもアプローチをしていた」という。 「横浜、ヤクルトは本拠地球場が広くないし、本塁打量産も可能です。巨人に移籍した1年目に45本の本塁打を打っているので、あのクラスになればリーグの違いなんて関係ないんでしょう」(前出・在京球団職員) 交渉が進まなかったのは、『年俸』だったようだ。オリックス最終年の昨季の推定年俸額は3億2000万円。外国人選手の不振に泣かされた球団にすれば、今季42歳になるとはいえ、ローズは確実に計算の立つ選手だ。 「現オリックスはカブレラの年俸だけ突出していますが(推定年俸2億8000万円)、1億円プレーヤーは他に1人もいません。人件費でリストラされたわけで、ローズ自身も『お金は二の次』と言ってたものの、1億円以下で自分を安売りする気にはなれなかったはず」(球界関係者) まだ開幕序盤だが、日本の野球に適応できそうにない外国人選手も見えてきた。同時に下位に沈んでいるチームは起死回生の起爆剤として、緊急補強せざるだろう。ローズは日本での現役続行を希望しており、途中入団できそうな球団を見定めているというのだ。まして、ローズには1年のブランクがありながら、07年オリックスに復帰(07年)。08年までの2年間連続40アーチを放った実績もある。2、3カ月のブランクなら、影響はないだろう。 「本心は、オリックスが開幕からコケて自分が必要とされ、有利な条件で復帰する青写真を描いていたのでは?」(前出・同) ローズに近い米国人関係者が日本球界をウロウロしている…。自分を見限ったオリックスの好調ぶりをどう報告したかは分からないが、ローズは日本帰還をまだ諦めていないようだ。
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スポーツ 2010年04月05日 15時30分
評論家のペナント予想
パ・リーグの1位がロッテ。セ・リーグも大本命の巨人、対抗馬の中日と並んでヤクルトが首位タイ(5日現在)。まだペナントレースは始まったばかりとはいえ、ダークホースが飛び出すと、俄然面白くなってくる。 評論家諸氏の開幕前のペナントレース予想でほとんどノーマークだったロッテ、ヤクルトだが、「ロッテVある」と大胆予想をしていた人がいる。元V9巨人の一員であり、巨人、ダイエーなどでコーチを歴任、現在日本プロ野球OBクラブ(社団法人全国野球振興会)会長の黒江透修氏だ。 スポーツ紙上で「昨年は5位だったが、今年は躍進すると見ている。金泰均の加入が大きい。4番を十分任せられる。3番は実績のある井口がいる。5番に座るであろう大松も成長しており、クリーンアップがしっかりして打線が良くなった。順位予想は2位としたが、好スタートを切って勢いに乗っていけば、優勝もある」と断言。このスポーツ紙の見出しも「黒江氏が大胆予想」となっていた。もっかのところを見れば、堂々たる予想だろう。 が、慧眼の黒江氏でも1位に日本ハムをあげており、ロッテに次いで2位にいるオリックスは最下位予想にしている。ここ数年のパ・リーグのペナントレースは、監督時代のソフトバンク・王貞治球団会長の言葉通りになっている。「パ・リーグはどこのチームも1位から6位の可能性がある。良い言葉で言えば実力伯仲のペナントレース、悪く言えばダンゴレースだからね」と。お説の通りだ。 王監督最終年の一昨年のソフトバンクは最終戦で負け、最下位。対する勝った野村監督率いる楽天が5位。が、昨年は楽天2位、ソフトバンク3位。対照的に一昨年、日本一の渡辺西武が4位に転落。同じく2位と大躍進したオリックスは最下位。こう見てくると、パ・リーグの場合は、前年度下位に沈んだチームは買いになる。昨年最下位のオリックス、5位のロッテの大躍進も、過去の裏付けのある王理論からしても、何の不思議もないことになる。 もう一つ、面白いのは評論家予想の裏読みだ。自らが在籍した古巣チームへの配慮から優勝予想するのは日常茶飯事だし、過去の恨みからの下位予想まである。監督を解任された野村克也氏の楽天に対する「最下位と言いたいところを5位にした」はその典型だし、黒江氏の大胆予想「ロッテの優勝もあり」も勘ぐると、意味深長ではある。 というのも、バレンタイン第1次政権下(1995年の1年間)で、二軍監督を務め、優勝した黒江氏は、最初で最後の悲願の一軍監督就任を逃しているからだ。バレンタイン監督が広岡達朗ゼネラルマネージャーと正面衝突して退団。球団側からの呼び出しに「後任はオレだろう」と担当記者を引き連れ、胸を張って球団事務所に行くと、まさかの解雇通告だった。「ケンカ両成敗で、広岡体制も一掃することになったので、黒江さんには申し訳ないが」という理由だった。「コーチとして巨人、中日、西武、ダイエーと優勝してきた。ロッテで二軍監督としても優勝した。あとは1度だけで良いから、一軍の監督をやってみたい」というのが、黒江氏の悲願だ。 あと一歩だったロッテ監督の夢。そして、バレンタイン前監督との因縁。それだけに、「同じ九州出身の後輩の西村徳文新監督体制にエールを送っているのは、いまだにバレンタイン憎しがあるのでは…」という怨念説まで出ている。
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野球人生“燃え尽きた”元プロ野球選手・宮國椋丞氏 今後は「周りの人に頼られたり、笑顔にしたい」
スポーツ
2025年07月25日 23時30分
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豊ノ島、YouTubeチャンネルで若乃花とコラボ熱望 タレントとして相撲番組で「冠番組」持ちたい
芸能
2025年07月21日 12時00分
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宮迫博之「雨上がり決死隊」再結成は「蛍原さん次第」 ドジャース始球式の裏話も明かす
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2025年07月14日 17時00分
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元ザブングル松尾陽介、沖縄で芸人のセカンドキャリアサポート 芸人引退に「心境の変化」
芸能
2025年04月28日 19時03分