岡田監督はオリックス入りが決まった直後、それも、09年のシーズンが終了しない時点から「4人もいらんやろ?」と、ローズ、カブレラ、フェルナンデス、ラロッカで作られる『ロケットボーイズ』の解体を明言。故障で2カ月半の戦線離脱があったとは、打率3割8厘、本塁打22本、打点62(84試合)の高い数値を残していた。『ミスター・バファローズ』とも称される人気ぶりからして、「年俸でもめるかもしれないが、球団も折れるのではないか。他の外国人選手を切るのではないか?」との見方もされていた。
結果は2010年に契約最終年を迎えるカブレラと、ラロッカが残留し、ローズ、フェルナンデスが“解雇”となった。
「昨年10月の時点で、ローズは『オリックス残留が第一希望』とし、お金は二の次と言っていましたが」
在阪メディア陣の多くがそう証言する。
千葉ロッテとの3連戦を終え、7勝4敗(2位)となった時点で、そのローズに関する興味深い情報が飛び込んできた。オリックスとの交渉決裂後、他球団にも売り込みを掛けていたのである。在京球団職員の1人は「どこまで本気で交渉したのかは分からないが」と前置きしつつも、「ローズ側は日本ハム、西武、横浜、ヤクルトなどにもアプローチをしていた」という。
「横浜、ヤクルトは本拠地球場が広くないし、本塁打量産も可能です。巨人に移籍した1年目に45本の本塁打を打っているので、あのクラスになればリーグの違いなんて関係ないんでしょう」(前出・在京球団職員)
交渉が進まなかったのは、『年俸』だったようだ。オリックス最終年の昨季の推定年俸額は3億2000万円。外国人選手の不振に泣かされた球団にすれば、今季42歳になるとはいえ、ローズは確実に計算の立つ選手だ。
「現オリックスはカブレラの年俸だけ突出していますが(推定年俸2億8000万円)、1億円プレーヤーは他に1人もいません。人件費でリストラされたわけで、ローズ自身も『お金は二の次』と言ってたものの、1億円以下で自分を安売りする気にはなれなかったはず」(球界関係者)
まだ開幕序盤だが、日本の野球に適応できそうにない外国人選手も見えてきた。同時に下位に沈んでいるチームは起死回生の起爆剤として、緊急補強せざるだろう。ローズは日本での現役続行を希望しており、途中入団できそうな球団を見定めているというのだ。まして、ローズには1年のブランクがありながら、07年オリックスに復帰(07年)。08年までの2年間連続40アーチを放った実績もある。2、3カ月のブランクなら、影響はないだろう。
「本心は、オリックスが開幕からコケて自分が必要とされ、有利な条件で復帰する青写真を描いていたのでは?」(前出・同)
ローズに近い米国人関係者が日本球界をウロウロしている…。自分を見限ったオリックスの好調ぶりをどう報告したかは分からないが、ローズは日本帰還をまだ諦めていないようだ。