闘うフリーターの3年連続となる大みそか出撃に大きな試練が課せられた。
約1年9カ月ぶりとなるホームリングZSTへの凱旋試合が決まった所。この日は同団体の旗揚げ5周年大会「ZST15」(23日、東京・ディファ有明)のメーンで新Uの異端児こと稲津航(U-FILECAMP登戸)と対戦することが発表された。
年内最終興行の大トリに登場することになったエース所だが、その一方でこの一戦は大きな意味を持つことになった。というのも、ZST上原譲広報が「ここで負けたら今年の最後の試合になります」と意向を示したから。もし敗北を喫することがあれば、2年連続出場している大みそか「Dynamite!」の参戦を見送るという。
ここにきて、急きょZST凱旋マッチは大みそかの査定マッチとなってしまったが、実は所にとってこのサバイバルマッチは「Dynamite!」出場権以外にも今後の格闘人生を左右する命運が懸かっているのだ。やや青ざめた顔の所がそっと打ち明ける。
「いままで口外しなかったっすけど、7月にブラック・マンバに負けて原点回帰するというか、頭を切り替えるためにクリーニング店でアルバイトをしようとしたんです。ただ、そのときはなんとなく思いとどまりました。でも今回ばかりは負けて『Dynamite!』に出れなければ、お金のこともあるので来年は生活のためにアルバイトをしなければなりません」
果たして30歳でバイト生活に逆戻りという危機を回避し、所はこの正念場を乗り切ることができるのか。2年前にシンデレラボーイとモテはやされ、スターダムを駆け上がってきた闘うフリーターが、大きな岐路に立たされた。