スポーツ
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スポーツ 2010年03月29日 11時00分
甲子園ダークサイド情報 カントクはつらいよ(2)
全国区の知名度を誇る某監督は甲子園での試合前、必ず「あること」をするという。鏡の前に立ち、『笑う練習』をするのだ。 「試合中、いつテレビカメラに映されているのか分からないしね」 試合の一部始終を全国ネットで生中継されているわけであり、グラウンドに立つ球児の側にすれば、「怒られる」よりはずっといい。監督もそう思っている。叱って萎縮されるより、球児たちの本領を発揮できる状況を作ってやりたい。しかし、監督も人間だ。いつもの練習試合のように、ゲーム中に「コラッ!」と怒鳴ってしまうかもしれない。それをテレビカメラに抜かれたとき、どうなるか…。 「監督によっては普通の顔をしていたのに、テレビ視聴者から『怒っている』と苦情があったそうです。勝つことだけが教育ではないし、甲子園に行ったら、ノビノビとやらしてやりたい」(某監督) そのための『笑う練習』というわけだ。 テレビカメラは“残酷”である。失策で窮地が拡大したとき、必ずと言っていいほど守備側チームのベンチを映す。好機をミスで逸した攻撃側のベンチも瞬時に抜く。別の有名監督が言う。 「下半身は映らない。だから爪先で椅子を蹴っていたら、足の親指の爪が割れた。ストッキングが赤く染まっていたんで、自分でもビックリしたよ(笑)」 島根県代表校・開星の野々村直道監督(58)が敗戦後、21世紀枠出場校を見下す暴言を吐き、問題視された。『暴言』は決して許されるものではないが、スポーツの指導現場では活字にできないような叱責の言葉が飛び交う。一般論として、指導者たちは『厳しく言う場面』と『おだてる場面』を使い分けている。名将の1人、阪口慶三監督(64)は大垣日大に移ってからは『熱血漢』『鬼』と称された指導法を改めた。今では冗談も言い、球児たちを笑わせている。阪口監督の率いる同校は昨秋の神宮大会で征し、今センバツでは優勝候補の一角と目されている。 「阪口監督は怒るところではきちんと怒るし、球児たちをリラックスさせるべき場面ではそうしています。その絶妙な人心掌握術はさすがです」(関係者) だが、大多数の高校監督は、まだその域に達していない。そのストレスが顔に出てしまうから、テレビカメラのアップに怯えているのだろう。 「試合中、ちょっとイライラさせられたことがあってね。宿舎に帰ったら、学校長から電話がありましたよ。『もっと穏やかな表情でやれないか?』って。勝つことが全てではない。でも、最初から負けるつもりで臨む試合なんてないんだし…」(中堅監督) 阪口監督を始め、甲子園歴代1位の59勝目を挙げた高嶋仁監督(智弁和歌山)、前田三男監督(帝京)など、有名指導者も試合中に厳しい表情を浮かべることはある。しかし、ベテランの監督の喜怒哀楽はそれだけで『絵』になる。名将には名将の悩みはあるはずだが、「カメラのアップが怖い」と怯える監督はかなり多いそうだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2010年03月27日 13時30分
プロ野球12球団、監督達の天命やいかに!
一足遅れてセ・リーグも開幕して、日本プロ野球は約4か月間の長丁場のペナントレースに突入した。12球団監督にとっては、自らの進退をかけた戦いになる。 リーグ4連覇、2年連続の日本一を目指す巨人・原辰徳監督は、3年契約の2年目で来季まで契約が残っている。4年ぶりのリーグ優勝、3年ぶりの日本一奪回を目論む中日・落合博満監督も来季までの3年契約だ。ともに、今季優勝できなければ、来季正念場を迎えることになる。というのも、藤田第二次政権、あわや森新政権誕生の危機があった長嶋第二次政権のように、2シーズン優勝できなければ、進退問題が浮上するのは巨人の不文律になっている。これまで後任難というお家の事情もあり、今季7年目の長期政権の落合監督にも、ファン、OBが待望する、ポスト落合の大本命の立浪和義氏が控えている。 今季限りで契約が切れる阪神・真弓明信監督は2年連続Bクラスならば解任。後任には星野仙一シニアディレクターの復帰がウワサされている。ヤクルト・高田繁監督も優勝でもしない限り、退団するだろう。最初から3年間でチームを再建して次世代の監督にバトンタッチすることを条件に、高田監督は引き受けているからだ。荒木大輔投手コーチへの禅譲が既定路線といわれている。 新任の広島・野村謙二郎、横浜・尾花高夫両監督は、チームを浮上させられなくても、1年目での解任はないだろうが、来季は待ったなしの勝負の年になる。パ・リーグの新監督トリオの楽天・ブラウン、ロッテ・西村徳文、オリックス・岡田彰布監督も同じような立場になるだろう。 リーグ連覇、4年ぶりの日本一奪回に挑む日本ハム・梨田昌孝監督には、球団からもう一つ、3年目の中田翔の一本立ちという課題が与えられている。3つのテーマがすべて失敗に終わると、一気に足下が危うくなる。 就任1年目の昨年、3位になったソフトバンク・秋山幸二監督だが、ソフトバンク創業30周年に当たる今季は、孫正義オーナーから優勝の至上命令を受けている。もしV逸してもAクラス入りならばもう1年、3年目の来季が勝負の年になるだろう。が、Bクラス転落の惨敗ならば、進退問題浮上は避けられない。 就任1年目の一昨年、いきなり日本一になり、株を高騰させた西武・渡辺久信監督も、昨年は4位に終わり、3年目の今季は正念場を迎えている。しかも、即戦力ルーキーと期待されていたゴールデンルーキー・菊池雄星が二軍スタート。菊池雄星の育成とV奪回という二大テーマがキーポイントだ。短期で終わるか、長期になるか、渡辺政権の命運を握る。
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スポーツ 2010年03月27日 08時00分
甲子園ダークサイド情報 カントクはつらいよ(1)
甲子園球場がリニューアルされる前、ベンチ裏には“高校野球の裏名物”があった。一、三塁側両ベンチの奥に『素振り室』がある。そこに、ほんの少し水を入れたバケツが置かれていた。「愛煙家の監督は、ここで吸いなさい」という意味だ。なぜ、それが“裏名物”なのか? ベスト8が出揃ったころ、そのバケツは新品と交換される。そう、カチンと来た監督がバケツを蹴飛ばすのだ。試合を重ねるにつれ、バケツの蹴飛ばされる回数も増え、新品と取り替えざるを得なくなるのだ。 「新しいバケツを見て、何とか勝ち進むことができたなと実感するときもあります(笑)」(関西圏の監督) 高校野球の監督は、愛煙家と嫌煙家の両極端に別れる。意外ではあるが、前者の数はかなり多い。 「これしか、逃げ道がないんだよ…」 “自己弁護”にすぎないが、その気持ちは分かる。このご時世である。ちょっとでも、手を挙げれば大問題に発展してしまう。自分の子供の進学により、『親子野球』を経験した某監督がこうこぼす。 「マジメに練習しないグループがいて、全体に士気にも影響を及ぼしていた。いくら口で注意しても改まらないので、手を挙げてしまった」 ビンタを貰ったのは、我が子。翌日以降、練習に緊張感が戻ってきたが、その息子はこの不良グループとは全くの無関係だった。正当な理由があっても『体罰』は許されない。やむを得ず、我が子をビンタしたのだが、「息子さんがかわいそう」なる苦情が寄せられたという。 「他人サマの子供を殴ると問題になる。だから、我が子を殴ったんだ。自分の子供を殴ってお叱りを受けるとは…」 同監督は苦笑いしていたが、それ以来、怒りたいときはいったんグラウンドを出て、タバコを吸うことにした。冷静さを取り戻し、説教の言葉を整理する。タバコの本数が増えたことは言うまでもない。 北海道日本ハムファイターズのダルビッシュ有(23)も、入団1年目の喫煙を告発された。その後の改心が今日の活躍を繋がったわけだが、タバコに手を出した理由は「好奇心」と語っていた。タバコの害を知らないはずはないが、その言葉は「田舎のヤンキー」といっしょだ。周囲に、タバコに逃げる大人がいたことを示唆している。 近年、甲子園出場校にも30、40代の若い監督が増えてきた。前時代の名将たちが熱血漢と評されるのに対し、彼らは球児たちの兄貴といった雰囲気である。球児たちに混じり、一緒に弁当を食べ、練習メニューを変更するときなどは同じ目線に立って話し合う。 「球児を大人扱いしすぎるのも良くない」 年長の先輩監督たちは若い指導者たちをそう諫めるが、彼らも叱ることで統率していたこれまでのやり方に限界を感じている。 「授業も担当する教員監督はまだマシ。野球指導だけで雇用された『職業監督』は結果を出さなければ…」(前出・同) 桑田、清原の時代の球児はミスを叱られると、「チキショー、この次は」と捉えたが、平成の球児たちはシュンとなって落ち込むか、フテ腐れるかのいずれか。変わらないのは、学校、父兄、地元住民の『勝利への期待』だけだ。タバコに逃げる監督が減らないのはそのためである。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2010年03月26日 14時00分
本日26日開幕! セ・リーグ因縁の3カード
パ・リーグから一足遅れて、26日開幕するセ・リーグだが、いきなり因縁カードばかりだ。 巨人対ヤクルト(東京ドーム)。中日対広島(ナゴヤドーム)。阪神対横浜(京セラドーム)。昨年、主催3球団がカモにした相手と3連戦だ。今季も大口貯金先にできるか。ビジターチームが意地を見せて、昨年の借金を返済するのか。興味津々だ。 東京ドームでは、巨人が昨シーズン、18勝5敗1分と貯金「13」もした、カモネギのヤクルト相手に3連戦だ。2年連続最下位独走の横浜ですら対巨人戦は1つ多く勝っており、6勝18敗なのだから、ヤクルトの惨状がわかるだろう。巨人のリーグ3連覇の最大の協力者と言われても反論の余地はない。 一昔前に、「巨人に勝つとヤクルトが売れなくなるから、巨人には負けていい」と言った元オーナーがいたが、巨人戦のテレビマネーも入らず、巨人人気にオンブにダッコの時代ではない。一昨年も対巨人6勝18敗の屈辱を味わわされている、3年契約の最終年のヤクルト・高田繁監督は、3度目の正直での雪辱を求められている。「巨人に勝つには、球威のある投手、由規、村中が力で封じ込めないといけない」と宣言。開幕戦のエース・石川に続いて由規、村中を先発させ、3連勝ローテーションで背水の陣だ。 ナゴヤドームでの中日対広島も昨年は、中日が16勝8敗のダブルスコアで圧勝している。原巨人のリーグ4連覇阻止を公約している中日・落合博満監督とすれば、相性を生かし、一気に開幕ダッシュにつなげたいところだ。一方、12年間Bクラスに低迷している広島を率いる野村謙二郎新監督も、カモ返上を迫られる。Aクラス入りどころか、一気に19年ぶりのリーグ優勝を宣言しているからだ。苦手チームを作れば、優勝など夢物語だ。 センバツ大会のために甲子園を明け渡し、京セラドームで横浜との開幕3連戦の阪神・真弓明信監督にしても、昨年4位、今季は2年契約の2年目で進退がかかっているだけに、負けられない。15勝9敗と昨年唯一6つも貯金できた横浜相手に取りこぼしは許されないだろう。逆に横浜・尾花高夫新監督にすれば、開幕から負ければ、3年連続最下位独走へまっしぐらになりかねない。「尾花新監督で横浜は変わった」と5球団へ強烈に印象づけるには、開幕での虎刈りしかないだろう。 「優勝への近道は、弱い者イジメと言われようと、下位のチームから一つでも多く貯金することだ。どこに勝っても1勝に変わりはないのだから」というのは、世界の王ことソフトバンク・王貞治球団会長の監督時代の金言だ。弱肉強食のペナントレース、さて、セ・リーグの今季の天敵関係はどうなるか。開幕3カードの行方に注目だ。
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スポーツ 2010年03月26日 10時30分
センバツ特集(4) 特待生問題「越境入学生は今…」
センバツ大会が開幕する約1カ月前の2月24日、日本学生野球協会は「特待生制度を事実上容認する」と決めた。 特待生制度−−。この問題は07年、プロ野球・西武ライオンズによる裏金疑惑に端を発し、入学金・授業料、寮費などが免除され、『支度金』を貰って他県の高校野球部に進学した球児たちの是非が問われていた。ここに、甲子園に勝ち進んだ郷里の代表校メンバー見たら、他県からの他県の越境入学者ばかり。応援できない」といった声も重なり、大騒動に発展した。高野連は『3年間の暫定措置』として、事前に申告のあった高校に対し、一定の条件を満たしていれば、「1学年5人以下」で認めることにした。 越境入学の是非を含め、最終結論が出たわけではない。同協会の指す『特待生』は文武両道の模範学生を指しており、支度金の授受や「野球部を強くするためだけに集められた有望選手」のことではない。 高校野球ファンに限らず、世論の大多数は「他県の出身者で郷里の代表校が構成されている現状」に批判的である。では何故、『暫定措置』なる“折衷案”が出されたかというと、強豪校に限らず、私立高校の多くが「特待生を認めてほしい」と訴えたからだった。 「少子化が進むなか、特徴のある授業、制度を設けなければ私立の学校は生き残れない」 騒動の真っ只中にあった07年当時、経営難を吐露する私立高校の校長も少なくなかった。しかし、『特待生制度』を“大義名分”に、他県から有望選手を集めていた私立高校の存在は否定できない。おそらく、公立高校の無償化が実現されれば、私立高校の経営難はさらに深刻なものとなるだろう。 今回、日本学生野球協会がわざわざ評議員会まで開いて、「高校、大学の各連盟が定める基準に基づく入学費や授業料の免除を認め…」と明言した理由だが、学生野球憲章が『時代』にそぐわなくなってきたことにある。同憲章では「金品の授受を完全禁止」している。その精神はともかく、野球以外のスポーツ学生は入学金・授業料免除の『特待生』の選考対象になれるが、甲子園大会のように「越境入学者」の是非が問われることはほとんどない。むしろ、他競技のスポーツ学生は特待生に選ばれたことを励みにしているような雰囲気さえある。 「何故、野球だけがダメなんだ!?」 こういった疑問に対し、「学生野球憲章で禁止されているから」では納得できないだろう。 私見になるが、『特待生制度』の基準がさらに厳しくなっても、越境入学者はなくならないだろう。他県からの越境入学者を受け入れている私立高校野球部を取材したことがある。「彼らは甲子園に出場したい」という夢を語るだけではなく、明確な人生の目標も持っていた。 「将来は高校か、中学の野球部の監督になりたい。そのために野球レベルの高いこの学校に来たんです」 コンビニの前でたむろしている高校生と比べれば、15歳で親元を離れ、厳しい練習に明け暮れている彼らを応援してやりたくなる。 また別の高校野球部寮にいったら、玄関に宅配の小さな段ボールが積み重ねられていた。荷物はほぼ毎日、届けられるという。子供を送り出した両親が、食材や菓子などを定期的に送ってくるのである。 こんなこともあった。07年5月、福岡県の某公立高校に高野連からの電話が入った。学校側から学生憲章に抵触するかどうかを問い合わせた件に対する回答だった。「抵触していると言わざるを得ない」−−。同校には「越境入学者」は1人もいない。地域振興の一環で地元経済人、同窓会有志等による組織が、文武両道の模範学生に『奨学金』を支給していた。各学年10人に『月1万円ずつ』。3人の野球部員がそのなかに含まれていたのだ。 高野連は一連の騒動をおさめるため、「授業料、寮費を払えない特待生は奨学金を持って救済する」(当時)と発表したが、学業と部活を両立させ、地元制度に受かったこの公立校の奨学金生徒への処分は取り消さなかった。 これも、特待生制度を隠れ蓑に有望選手を全国からかき集めた一部私立高校が招いた混乱だろう。 高野連が今も真摯に『特待生問題』の解決に取り組んでいることは強調しておきたいが、『暫定措置』の期限は今年度まで。暫定措置によって他県の私立高校に進んだ球児も、新3年生としてセンバツを戦っていた。(了/スポーツライター・美山和也)
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スポーツ 2010年03月25日 12時15分
卒業・桑田真澄の進路は
25日、早大大学院スポーツ科学研究科の卒業式に出席の前パイレーツ、元巨人の桑田真澄氏。卒業後の進路が早々と注目されている。 桑田氏は、これまでも口にしているように、「プロ野球界の改革は、なにもユニホームを着なくてもできる」と繰り返している。早大大学院スポーツ科学研究科から最優秀賞論文賞、日本スポーツ産業学会から学術的に価値の高いものに贈られる「濱野賞」にも認定された卒業論文『野球道の再定義による日本野球界のさらなる発展策に関する研究』。A4のレポート紙96枚。「野球道」を追求し、現役プロ選手約300人にアンケートして「体罰」の実態まで探っている。 こういう熱の入った独自の研究を見ると、背広姿での球界改革にも、口先だけではない現実味が感じられる。が、球界OB、関係者たちは、「どこの監督になるのか。巨人復帰か、楽天か、それとも横浜か」と、早くもどの球団の監督になるのかを話題にしている。 「原の後の監督候補の人材不足に頭を悩ます巨人が囲い込みをしようとしている」という情報が、テレビ局関係者の間で流れている。「視聴率の取れない巨人戦離れを加速している日本テレビが、最後の頼みの綱として、将来の巨人監督を視野に入れ、桑田を専属解説者にしたがっている」というのだ。 「メジャー帰りの監督第1号」「日本プロ野球界初の大学院出身の監督」という斬新な称号をセールスポイントにできる桑田氏に対し、日本テレビがご執心だというのだ。かつては元祖・怪物投手の江川卓氏が「視聴率の取れる男」として君臨、日本テレビが巨人監督に猛烈プッシュしたことがある。が、今や万年候補に終わり、手あかが付いた状態で、商品価値はなくなっている。 江川氏に代わるフレッシュさで、桑田氏がポスト原の有力候補として躍り出ているというのだ。巨人を現役引退する際に、シーズン中にブログで引退表明、寝耳に水の原監督を激怒させた経緯があるが、ネックにはならないという。「巨人・桑田新監督が誕生する時には、原はお払い箱になるのだから、何の影響力もない。いまだに読売グループに君臨するナベツネさん(巨人・渡辺恒雄球団会長)の覚えはめでたいし、ポスト原の最有力候補といえる」と巨人関係者も認める。 が、監督候補の人材不足は巨人に限らない。日本テレビとライバル関係にある、横浜の親会社のTBSも桑田氏獲得には重大な関心を持っているという。 「巨人を辞めてメジャー挑戦する際もTBS関係者が何かと世話をしている。パイレーツに昇格、その後、現役引退を表明した時もTBSがその場になっている。桑田とTBSのパイプの太さを考えると、横浜・桑田監督の可能性はかなりあるのではないか」。こう断言する球界関係者もいる。 さらには、楽天が中継ぎ役のブラウン監督の後の本格政権として桑田氏を招請するという情報も浮上している。早大で特別講師を務めた楽天・三木谷浩史球団会長の講義を、桑田氏が受講するなどの関係で、2人は親交があるという。桑田氏本人も「三木谷さんとは親交があります」と漏らしている。今季で球団創設6年目と若い球団の楽天にとって、今年4月1日の誕生日で42歳の桑田氏は魅力たっぷりだろう。IT革命の旗手を自認する三木谷球団会長としても、球団のフレッシュなイメージに合う知名度、新鮮さを考えれば、桑田氏は最高の候補と言ってもいいだろう。 古巣・巨人復帰、親会社のTBSのラインから横浜、さらには三木谷会長とのホットラインから楽天。桑田氏が監督就任を決断すれば、引く手あまたになることは間違いなく、売り手市場の大争奪戦が起こるだろう。
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スポーツ 2010年03月25日 10時00分
センバツ特集(3) 公立・無名校の逆襲「野球一辺倒の高校生活はイヤだ!」
2004年、アマチュア野球組織に関する拙著をまとめた。小学生を対象とした市井の少年野球チームから、世界大会に参画する小・中学生の硬式野球組織、高校、大学までに分け、「どんな野球指導が行われているのか」を主テーマにしたものだが、その際、甲子園を夢見る中学生たちから『衝撃的なコメント』も寄せられた。 「強豪・有名校に行かなくてもいい」 理由は「野球一辺倒の高校生活を送りたくないから」だと言う。あくまでも筆者がインタビューできた限りだが、強豪・有名校への憧れを語った中学生の方が少なかった。同時期に激戦区の1つである東東京大会を征し、甲子園初出場を果たした都立雪谷高校も取材したが、主力メンバーのなかには強豪・有名校からの誘いを断って同校に進学した生徒も何人かいた。99、01年、甲子園に勝ち進んだ公立の城東高校(東東京)も同様である。07年、公立の佐賀北高校が夏の甲子園大会で優勝したように、「私立=強豪」の図式は崩壊したと見ていいだろう。 甲子園大会の大きな転換期となったのは、駒大苫小牧(南北海道)の全国制覇である。「私立=強豪」のイメージ同様、「積雪のため、グラウンドを使える時間が短い北国は不利」なる指摘もされてきた。しかし、青森県代表・青森山田も甲子園の上位進出の常連となり、岩手県の花巻東からは菊池雄星が輩出された。北海道、東北勢の奮闘に加え、雪の新潟県代表校・日本文理も昨夏の甲子園決勝戦を善戦。地元島民で構成された沖縄県代表・八重山商工(06年)が旋風を巻き起こしたように、地域格差は完全になくなった。 しかし、公立高校の躍進、地域格差の解消は強豪・有名校の地盤低下によるものではない。彼らは「どうやったら勝てるか」を真剣に考え、密度の濃い練習を追及してきた。 雪谷高校は野球部がグラウンドを占拠できる日は少ない。使用できたとしても、外野の一角で他の部活動が練習しているときもある。だが、工夫すれば練習の仕様はいくらでもある。たとえば、フリー打撃はバックネットに向かって打つ。また、甲子園出場を果たしたころの城東高校では捕手がトスを挙げ、それを打つ『変則シード打撃』も行われていた。飛距離は出来ないが、強い打球が内野に転がる。走者を付けるので内野守備陣は併殺プレーの練習にもなる。雨の日は校舎の登下校口(下駄箱)にゲージを運び、必死にバットを振っていた。 まだ雪の降る2月に青森山田の練習を取材したこともあるが、室内の限られたスペースでノックを受けていた。同時に、捕球の基本姿勢をチェックしていた。グラウンドを自由に使えないが、彼らには『基本』を見つめ直す時間が十分にあった。 関東圏の私立高校監督がこう言う。 「今の子供たちは長い時間、練習をさせると、集中力が途切れてしまう。いかに集中させ、効率の良い練習をするかも重要な指導テーマです。ある有望な中学生が私立高校に進んだものの、その子は伸び悩んでしまいました。監督に注意されると、フテ腐れたような態度を取るんです。『自分は天才だ、誘われたからこの学校に来てやったんだ』みたいな奢りがあったんですよ」 もちろん、明確な人生の目標を持って、強豪私立校に飛び込んだ球児も多い。一般論として、公立校は設備等の問題で練習時間が短い。強豪・私立校の練習時間は確かに長いが、「週1回のペースで休日を」という高野連の指導に従っている。「野球以外の趣味にも時間を割きたい」とする現代っ子の気質も理解できる。彼らは「公立校と強豪・私立校のどちらが自分に適しているのか」を冷静に選択しているようである。 強豪私立校のPL学園だが、その練習時間(全体練習)は、決して長くない。午後の授業が終了した16時ごろに練習が始まり、19時すぎには終わっている。ランニング、キャッチボール、打撃・守備練習等の一般的なメニューだけだ。合宿所での夕食後、部員たちは自主的に室内練習場に集まり、バットを振る。各位が全体練習で「足りない」と思ったメニューを補っていた。監督もコーチも、個人練習は強要していない。この個人練習の差がレギュラーと補欠を分けていた。 公立も私立も関係なく、部員たちが自主的に動いた学校は強い。春のセンバツとは、冬場に積み上げた基礎練習の成果と、夏に向けてチーム強化を目指している過程が交錯する大会でもある。(スポーツライター・美山和也)
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スポーツ 2010年03月24日 18時45分
ナベツネ節全開! 原監督にノルマ『V10』
23日に行われた財界G党の『燦燦会』主催の激励会で、巨人・渡辺恒雄会長が久々のナベツネ節全開で原辰徳監督に対し、過酷なノルマを科した。しかも、高橋由伸へ将来の監督のお墨付きを与えるような言動があり、原監督にプレッシャーをかけたのだ。 「愚かなタレント出身の女性議員が、なんで1番じゃないといけないのか、2番じゃダメなのかとバカは発言をした。国民の働く人々の気持ちを傷つけた。バカな女がいるもんだ」。昨年行われた民主党の事業仕分けの主役・蓮舫参議院議員を一刀両断したナベツネ節は、返す刀で原監督をバッサリ。 「原監督の名監督ぶりは去年開花した。巨人を2位じゃいかん。1位じゃないといかん。これは巨人に与えられた宿命。川上監督を超えるにはあと9連覇しないと」。なんとV9川上巨人を超える10年連続の日本一という、実現不可能なとんでもないノルマを科したのだ。 しかも、その前段が強烈だった。壇上に上がるや、原監督を無視して、いきなり高橋の所に歩み寄り、握手するという、周囲が唖然とするパフォーマンスを見せたのだ。さらに、故障の繰り返しで引退間際まで追いつめられていた高橋のオープン戦での奇跡的な復活アピールを手放しで絶賛した。 07年に高橋と4年契約した際に、「将来、監督をやればいい」とナベツネ手形を出したが、それ以来の高橋礼賛だ。将来の監督候補が空手形でないことを、改めて原監督、巨人ナイン、財界G党『燦燦会』のメンバーの前で強調したことになる。 原監督にしたら、内心穏やかではないだろう。10年連続日本一がノルマなのだから、今季からあと9年間も勝ち続けなければならない。しかも、後釜として高橋が控えているというのだから、プレッシャーがかかる。「原監督の名監督ぶりは去年、開花した」という言葉も意味深長だ。というのも、オーナー時代から勝負の結果で渡辺発言は手のひら返しになるからだ。 日本中を激震させた長嶋監督、王監督の電撃解任の後を受け、通算7年間でリーグ優勝4回、日本一2回と、結果を残した藤田元司監督(故人)に対する扱いがその典型だ。「藤田さんは全権監督だ。後任監督人事も藤田さんに任せ、決めてもらう」と公言しながら、完全な空手形。91年に4位、92年2位と2年連続V逸するや藤田監督を解任して、長嶋監督を復帰させている。原監督も2年連続優勝を逃せば、必殺ナベツネ流手のひら返しで、公私にわたる恩師として尊敬していた藤田氏の二の舞になるだろう。
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スポーツ 2010年03月24日 13時00分
2010年プロ野球予想アンケート ペナントレース突入緊急アンケート
日本生命が2008年4月より開設しているWEBサイト「YOU MAY DREAM」にて、「2010年プロ野球」に関するアンケートを行った。 まず、「2010年プロ野球ペナントレース、セ・リーグ、パ・リーグで優勝すると思われるチームは?」との質問ではセ・リーグが読売ジャイアンツ、パ・リーグが北海道日本ハムファイターズとなった。 また「2010年プロ野球の新人王を獲るのと思われるのはどの選手でしょうか?」との質問にはセ・リーグの1位は長野久義選手(巨人)、パ・リーグが雄星選手(西武)となった。<2010年プロ野球ペナントレース、セ・リーグ、パ・リーグで優勝すると思われるチームは?>セ・リーグ1位 読売ジャイアンツ2位 阪神タイガーズ3位 中日ドラゴンズパ・リーグ1位 北海道日本ハムファイターズ2位 福岡ソフトバンクホークス3位 埼玉西武ライオンズ<2010年プロ野球の新人王を獲るのと思われるのはどの選手でしょうか?>セ・リーグ1位 長野久義選手(巨人)2位 二神一人選手(阪神)3位 今村猛選手(広島)4位 岡田俊哉選手(中日)5位 藤原正典選手(阪神)パ・リーグ1位 雄星選手(西武)2位 今宮健太選手(ソフトバンク)3位 中村健太選手(ソフトバンク)4位 古川秀一選手(オリックス)5位 戸村健次選手(楽天)
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スポーツ 2010年03月24日 10時00分
センバツ特集(2) 現場監督の声「2人目の投手が欲しい!」
帝京、大阪桐蔭、花咲徳栄、大垣日大、中京大中京、神戸国際大付、関西…。今大会で、エース投手に匹敵する「2人目の投手」を持つ学校名を挙げてみた。炎天下の夏と、32校で頂点を争うセンバツ大会とでは戦略も違ってくるが、トーナメント大会を勝ち上がっていくには「2人目の投手」が不可欠とされている。不適当な表現かもしれないが、もし彼らが他校に進学していたとしたら、間違いなく、『エースナンバー』を背負っていただろう。 1991年夏の甲子園だが、ある投手の故障が問題視された。同大会で決勝戦まで勝ち上がった沖縄水産のエース・大野倫は4連投を含む6試合に完投し、その代償として右肘を壊してしまった。「県大会から違和感を訴えていた」なる報道と、当時の同校監督の「死ぬ気で頑張ってもらう」なる試合前の発言が一人歩きし、高野連にも「何故、主催者として登板を辞めさせなかったのか!?」なる抗議の声も全国から寄せられた。 「医師と監督、大野本人で話し合い、そのうえで先発マウンドに送りました。ドクターストップを無視するなんてことは絶対にしていません」 当時を知る関係者はそう否定するが、以後、高野連は投手起用される可能性のある全選手にレントゲン検査を要請。医師の診察をもって、再発防止に臨んできた。各高校が「2人目の投手」育成に力を入れ始めたのも、そのころからである。 また、その2番手以降の控え投手もエース投手にも引けを取らない実力を付けたからだろう。近年では、1試合に複数の投手を送り込む『継投策』で勝ち上がる高校も増えてきた。 関東圏の私立高校監督がこう言う。 「できることなら、1人(の投手)に1試合を任せたい。2番手以降の投手が劣る場合、何人かを継投させる戦い方もあるが、何故、継投策を使うかというと、甲子園の試合日程による調整が難しいからなんです。指導者として頭を悩ますのは、交代させるタイミングですね」 甲子園の試合日程は“複雑”だ。極端な話、開会式から3、4日も経ってから初戦を迎えたと思えば、2回戦は「中2日」。ベスト8以降になれば、連戦も避けられなくなってくる。登板間隔が読めない分、エース投手の調整は難しく、監督の立場からすれば、「それだったら、複数制で臨んだ方が安全」と考えるだろう。前述の関東圏の私立校監督は「交代のタイミングを見計らうのが難しい」とこぼしていたが、指揮官として、もっとも悩むのは好投している投手を代える場面だと言う。 「複数の投手を持った学校の球児は『継投策』が当たり前のことのように捉えています。極端な話、リリーフ登板する投手が出てきたら、『勝てる』みたいな感覚に…。先発させた投手が好投していると、交代させるイニングになっても、続投させるべきかどうかで迷ってしまう」(前出・同) 交代、続投のどちらでも、監督が判断を見間違うと、その影響は次年度の新チームにも及ぶ。理由は簡単である。「監督の判断は間違っていないだろうか」と、不安に駆られるからだ。高校野球の監督は投手リレーの成功を積み重ねていかなければ、球児たちとの信頼関係は築けないのだ。 一概に比較できないが、プロ野球の監督も『国際試合』の大舞台で継投策に悩まされてきた。 「北京五輪・星野ジャパンの敗因の1つに、星野仙一代表監督が岩瀬を引っ張りすぎ、継投ミスが挙げられます。第2回WBCの原辰徳監督も決勝戦で急造ストッパーのダルビッシュの投入を急ぎ、延長戦を余儀なくされました」(連盟職員) ペナントレースを戦うプロ野球監督は、負けても翌日にまた試合がある。俗に言う『捨てゲーム』を作ったとしても、それ自体が問題にされることはない。しかし、高校野球などアマチュア野球の監督は違う。一戦必勝のトーナメント大会は負けたら、それで全てが終わりである。1球の怖さを知るアマチュア野球の監督たちは、投手の継投策、その駆け引きにおいては経験豊富だ。プロアマの交流には何かと障害も多いが、自由に意見交換できる機会があってもいいのではないだろうか。(一部継承略/スポーツライター・美山和也)
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