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ナベツネ節全開! 原監督にノルマ『V10』

 23日に行われた財界G党の『燦燦会』主催の激励会で、巨人・渡辺恒雄会長が久々のナベツネ節全開で原辰徳監督に対し、過酷なノルマを科した。しかも、高橋由伸へ将来の監督のお墨付きを与えるような言動があり、原監督にプレッシャーをかけたのだ。

 「愚かなタレント出身の女性議員が、なんで1番じゃないといけないのか、2番じゃダメなのかとバカは発言をした。国民の働く人々の気持ちを傷つけた。バカな女がいるもんだ」。昨年行われた民主党の事業仕分けの主役・蓮舫参議院議員を一刀両断したナベツネ節は、返す刀で原監督をバッサリ。
 「原監督の名監督ぶりは去年開花した。巨人を2位じゃいかん。1位じゃないといかん。これは巨人に与えられた宿命。川上監督を超えるにはあと9連覇しないと」。なんとV9川上巨人を超える10年連続の日本一という、実現不可能なとんでもないノルマを科したのだ。
 しかも、その前段が強烈だった。壇上に上がるや、原監督を無視して、いきなり高橋の所に歩み寄り、握手するという、周囲が唖然とするパフォーマンスを見せたのだ。さらに、故障の繰り返しで引退間際まで追いつめられていた高橋のオープン戦での奇跡的な復活アピールを手放しで絶賛した。

 07年に高橋と4年契約した際に、「将来、監督をやればいい」とナベツネ手形を出したが、それ以来の高橋礼賛だ。将来の監督候補が空手形でないことを、改めて原監督、巨人ナイン、財界G党『燦燦会』のメンバーの前で強調したことになる。
 原監督にしたら、内心穏やかではないだろう。10年連続日本一がノルマなのだから、今季からあと9年間も勝ち続けなければならない。しかも、後釜として高橋が控えているというのだから、プレッシャーがかかる。「原監督の名監督ぶりは去年、開花した」という言葉も意味深長だ。というのも、オーナー時代から勝負の結果で渡辺発言は手のひら返しになるからだ。
 日本中を激震させた長嶋監督、王監督の電撃解任の後を受け、通算7年間でリーグ優勝4回、日本一2回と、結果を残した藤田元司監督(故人)に対する扱いがその典型だ。「藤田さんは全権監督だ。後任監督人事も藤田さんに任せ、決めてもらう」と公言しながら、完全な空手形。91年に4位、92年2位と2年連続V逸するや藤田監督を解任して、長嶋監督を復帰させている。原監督も2年連続優勝を逃せば、必殺ナベツネ流手のひら返しで、公私にわたる恩師として尊敬していた藤田氏の二の舞になるだろう。

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