スポーツ
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スポーツ 2015年01月24日 18時00分
年俸は全盛期の9分の1に… 他に選択肢なかったイチロー
ヤンキースからFAとなり、去就がなかなか決まらなかったイチロー外野手(41)の新天地がマーリンズに決まった。 1月23日(日本時間24日)、MLB公式サイト、複数の米メディアは両者が1年契約で合意したと伝えた。年俸は200万ドル(約2億3600万円)で、2年目のオプションは付かないとみられている。 マーリンズは公式サイトで、「2年契約を準備する用意がある」としていたが、実際の提示は単年。同じくイチローに興味を示していたオリオールズが、狙っていたコルビー・ラスマス外野手(28=ブルージェイズからFA)をアストロズにさらわれたため、獲得に動く可能性も報じられたが、オファーには至らなかったようだ。とどのつまり、イチローにはマーリンズ以外に選択肢がなかったということになる。 イチローは07年オフ、マリナーズと5年9000万ドル(年平均1800万ドル=現在のレートなら約21億2000万円)で契約を延長したが、これが自身の最高年俸。今回、マーリンズと200万ドルでサインするとなると、全盛期の9分の1になってしまう。 しかし、イチローがこだわったのは年俸より出場機会で、レギュラー争いができる球団を探していた。イチローに関心を示したオリオールズやブルージェイズなら、その可能性はあったが、正式なオファーは届かなかったようだ。 マーリンズにおけるイチローの立場は“4番手外野手”という厳しいものとなる。同球団の外野陣は、左翼がクリスチャン・イエリッチ(23)、中堅がマーセル・オズナ(24)、右翼がジャンカルロ・スタントン(25)と固定されており、しかも3人とも25歳以下と若く、伸びしろにも期待できる。 その3人とイチローがレギュラー争いをする余地は残されていない。あくまでも、同球団は“控え”を前提とした獲得であり、ナ・リーグには指名打者制がないため、出番は代打、代走、守備固めに限定される。スタメンで出る機会があるとすれば、3人に故障者が出た時、休養日を設ける時、極度の不振に陥った時に限られそうだ。 昨季、4番手、5番手外野手の位置付けだったイチローだが、主に指名打者を務めたアルフォンソ・ソリアーノ(39)が不振のため7月に戦力外になり、ヤンキース外野陣に故障者も多く出て、それなりの出場機会を得た。その結果、385打席が与えられ、102安打をマークすることができた。 イチローが目指すメジャー通算3000安打を達成するためには、昨季のペースなら2年でクリアできる。だが、今季は昨季以上にベンチを温める機会が増えると予想され、極めて厳しいシーズンとなりそう。ライバル外野手の“故障待ち”では、なんとも寂しい。※年俸は推定。為替は現在のレート(落合一郎)
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スポーツ 2015年01月24日 15時00分
サッチーが箝口令 ノムさん(野村克也氏)重病説を追う! そのときミスターは…(2)
ここで私と野村氏の浅からぬ関係について少し触れておこう。大阪スポニチ記者時代、南海ホークス担当だった私は野村氏の監督解任('77年)をスクープした。要因はサッチーによる球団の私物化だったが、それ以来、野村氏の前に姿を見せるたびに「疫病神。近寄るな!」と言われたものだ。 サッチーが東京地検特捜部に脱税容疑で逮捕('01年)される直前、某出版本のサイン会で「野村さん、またあなたのせいで阪神の監督、解任されますね」と質問。するとサッチーから「あんた! 何しにきたの。また、ロクでもないこと企んでいるの!」と罵声を浴びせられたりもした。 結局、サッチーが逮捕された当日、野村氏は阪神監督の辞任を発表した。 側近のY氏は最近の野村氏の状態についてこう同情していたという。 「現役時代からノムさんは、捕手特有の膝痛はもとより、腰痛も酷くて一人で歩けない。息子の克則くんが『肩を貸して歩いている』と言っていました。ノムさんの腰痛はかなりの人が知っています。講演なんて行ける状態でなかったのは確かです。ノムさん、かわいそう…」 実は、野村氏が倒れて危ないという情報を聞いたのは、昨年12月1日だった。私も、いくつかの野村人脈を知っており、そのルートからも「ノムさんが倒れた」「危篤だ」など危機感がヒシヒシと伝わってきた。 その日は、私が10年以上日課としている長嶋茂雄のリハビリ密着をはじめて3625日目だった。いつもは午前7時5分に自宅近くの多摩川台公園にミスターは来るのに、この日は午前6時半には、次の行程である多摩川台公園から自宅までの一般道路の坂道の歩行を半分ほど終えていた。リハビリの時間を早めたのは、マスコミ取材を含め、公的なパーティーに積極的に出席しているからだろう。 野村邸と長嶋邸は徒歩で約15分と近い。いつもは長嶋茂雄の元気なリハビリを確認したあと帰宅するのだが、この日からは野村邸へも向かうようになった。 長嶋氏、野村氏は現役時代から生きざまがあまりにも違う。私の知る限りでは、2人は犬猿の仲である。 「現役、監督時代は感情のもつれからいろいろあったが、長嶋さんは'04年に脳梗塞で倒れた。王(貞治)さんも胃ガンの手術('06年)をした。王さんの胃ガン手術前、長嶋さんは涙して激励したことでもわかるように、変わりました。今回、ノムさんの容体についても心配しています」(球界関係者)
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スポーツ 2015年01月23日 15時00分
球春ベンチ裏 長嶋・松井VS原・高橋由「巨人監督問題」でドロ沼抗争勃発(3)
主将、4番、正捕手の3役をこなしてきた阿部と話し合い、'15年からは『4番』だけに専念させる。一塁コンバートは年齢的負担の軽減だけが目的ではなく、「もう一度、3割、30本を目指せ」というゲキも込められていた。他選手に対しても同様である。 阿部を継ぐ新主将に、やはり成績を落としている坂本勇人(26)を指名。坂本はどちらかと言えば仲間を引っ張っていく性格ではない。だが、その責任感は感じていたらしく、「阿部さんは皆を納得させる成績を残してきた」と語り、自主トレで例年以上にバットを振っているという。村田修一(34)、杉内俊哉(34)、内海哲也(32)、澤村拓一(26)に対しても同様である。 「澤村はクローザーに転向します。救援に回れば体調管理も難しくなる。夜遊びで乱れがちな私生活を正す目的もあり、また、ドラ1の岡本和真(智弁学園高校)を指して何かにつけ『4番サード』と話すのは、現・正三塁手の村田にプレッシャーを与えるためです。本塁打王のタイトルも獲得したベテランが高卒ルーキーと比較される屈辱は相当なもの。『杉内、内海はアテにしない』なんて言っているのも、奮起を促すためでしょう」(同) ライバルである阪神タイガースの和田豊監督(52)は、関西系スポーツ紙の年始インタビューで「ピンポイントで弱点を補強した巨人は、大物選手が入るよりも怖い」と話していた。原監督は外部補強よりも、「選手の自覚を促す」という最も難しいかじ取りをラストイヤーで選択したわけだ。 この覚悟が評価され、次期監督が決まらなかった際の“再々続投”の根拠ともなっている。 「FA宣言した金子千尋(31=オリックス残留)に巨人が条件提示していたのは本当です。首脳陣が『ウチも…』と話していたのはリップサービスではなかった。ただし、3億円台の年俸しか提示していない。間違いなく、金子に興味を示した球団の中でワーストの条件です。杉内5億円、内海4億円。この2人を超える年俸は出さないとの方針によるもので、原監督の強い意向も影響していました」(前出・ベテラン記者) 自覚を促し、ダメなら自分が責任を取るという覚悟は、嘆き続けてきた選手の“怠慢、肥満”だけでなく、長年課題だった“金満体質”をも変えたようだ。 「原監督は指揮官を退いたとしても、編成担当としてチームに残ると思われます。原監督には日本中のアマチュア野球組織に通じる東海大グループのネットワークがある。今後、長嶋氏以上の影響力を持つかも」(同) 一方、松井氏への正式要請が決まれば、長嶋氏がその役を買って出るだろう。松井本人にすれば本当に断れない状況となるのは必至だ。そしてゴジラ巨人が実現すれば、長嶋氏と現場との関係はより鮮明になる。 この対立構図が巨人の近未来を決める−−。
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スポーツ 2015年01月23日 15時00分
サッチーが箝口令 ノムさん(野村克也氏)重病説を追う! そのときミスターは…(1)
野村克也(79)の極秘入院、危篤情報−−。昨年末、マスコミ報道が飛び交う中、私は昨年12月から正月を返上して、東京・田園調布にある野村克也邸を緊急マークした。 最寄り駅の自由ヶ丘駅周辺は師走の慌ただしさの中、買い物客などでごった返していたが、クリスマスから大晦日、元旦から三が日は、高級住宅地だけに閑散としていた。 この年末年始の野村邸前には、張り込みをする報道陣の姿もなく静かな正月だった。12月26日には、例年通り門松が飾られていた。夕方になると防犯灯が点く邸内には人の気配はするものの、出入りする人はいなかった。 野村氏の重病説が表面化したのは、昨年11月下旬だった。NPB80周年記念企画で往年のベストナインに選ばれた野村氏が、表彰式を欠席したからだ。 私が周辺関係先を取材し得た情報をまとめると、野村氏は過去('10年)に極秘入院して治療を受けた解離性大動脈瘤が再発。昨年10月、都内の病院で手術を行い成功。一時は退院したものの、再入院したというのが一連の流れのようだ。 解離性大動脈瘤は、三層構造を作っている大動脈のうち、なんらかのきっかけで内側の膜が裂けて血液が入り込み瘤ができる疾患。発症から放置すれば24時間で20%、1週間で60%が死亡するともいわれる。 野村氏が体調不良を訴え手術したという一報が入った際には、某スポーツ紙が死亡原稿まで用意するほど緊迫していたようだ。しかし、現在では切羽詰まった雰囲気は消えているが、スポーツ紙は野村氏の動向をあまり触れたがらない。 「確かに、野村さんは9月までは元気な姿を見せていましたが、口癖のように冗談で『(多忙さで)サッチー(沙知代夫人)に殺されるよ』とボヤいていました。昨年10月に入ってからは腰痛が酷くなって、歩くのも一人でできなくなるほど辛そうでした。精密検査をしたら前の病気(解離性大動脈瘤)が再発していて、手術は成功したと聞いています。サッチーは『誰にも言わないでね!』と、親しい側近には口止めしています。年末年始のこの時期、野村ファミリーはハワイに行くのが恒例なんですが、野村さんはまだ一人で歩けませんからハワイには行っていません。大事をとり再入院していると聞いていますが、それをサッチーが隠すのに必死です」 私の知る野村氏と親しい人物も一連の流れをそう話してくれた。 また危篤説には、 「あの病気は一つ間違うと、命にかかわりますからね。万が一のため、用意はしておかないと…」 と某スポーツ紙デスクが語るように最悪の場合を想定して不謹慎ながらも“死亡原稿準備”の体制を取ったことも事実であるが、現在は緊急事態の峠を越えていることも示唆しているのではないか。 昨年12月29日、NHK・BSのインタビュー番組(録画)で野村氏は元気に話をしているが、同30日まで野村邸のインターホンからの返答はなかった。
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スポーツ 2015年01月23日 14時30分
豪栄道 大関陥落に“逆マジック1”が点灯! ワースト記録更新か?
大関・豪栄道(28=境川)が、まさに崖っぷちに立たされた。 大相撲初場所(1月11日〜25日=両国国技館)12日目(22日)、豪栄道は横綱・鶴竜にはたき込みで敗れ、7敗目を喫した。先場所、負け越してカド番の豪栄道は、残り3日間で全勝が必要。1番でも落とせば、昇進からわずか3場所での大関からの陥落となる。 新大関からの最速陥落は、在位2場所の五ツ島(41年夏場所)、武双山(00年名古屋場所=後に復帰=現藤島親方)で、豪栄道が3場所で落ちれば、それに次ぎ史上3番目の最速陥落となる。 ただ、過去の2人の場合は、ケガでの休場が絡んでおり、ケガもなく2場所皆勤での最速陥落となると、魁傑(75年九州場所=後に復帰=先代放駒親方=注)の5場所で、豪栄道はそれを塗り替えて史上ワースト記録を更新してしまうことになる。 昨年秋場所で大関に昇進した豪栄道は、同場所では千秋楽に辛うじて勝ち越し(8勝7敗)。先場所は5勝10敗と大きく負け越して、初のカド番を迎えていた。 そもそも、豪栄道の昇進には「時期尚早」と異論を唱える向きも多かった。直前3場所での勝ち星は32勝で、昇進の目安とされる33勝には星が足りなかった。その3場所の成績は12勝、8勝、12勝で、2場所前の8勝はなんとも印象が悪かった。 しかし、日本相撲協会では14場所連続で関脇の地位を維持した安定感と、将来性に期待して、大甘で昇進させたのだ。 大関のプレッシャーも重くのしかかっているのだろうが、それにしても3場所連続の不振は期待外れで、陥落ともなれば、無理やり昇進させた協会の責任も問われることになりそうだ。 唯一の救いは残りの対戦相手。大関・琴奨菊戦は残っているが、すでに3横綱、大関・稀勢の里との対戦は終わっており、あとの2番は格下相手となる点だ。 来場所(春場所)は地元・大阪。ご当地場所を大関で迎えられるか否かは大きな違いがある。恥をかきたくなければ、残り3番全勝あるのみだ。※注=魁傑は77年春場所で再大関となったが、その際は皆勤で4場所で再度陥落した(落合一郎)
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スポーツ 2015年01月23日 11時45分
鳥谷残留で露呈したトラのコミュニケーション不足(後編)
1月5日の球団年賀式で南信男・球団社長(60)はこう言った。 「結束という意味で、コミュニケーションを大事にしてほしい。1年間のサイクルで先をにらんで、スピード感を持って仕事をしてほしい」 球団創設80周年を迎えた阪神タイガースのスローガンは、『Go for the Top as One』。“一丸となって”、日本一を目指したいという意味が込められている。 コミュニケーションの重視とは、『情報』を共有することでもある。だが、阪神は情報の扱い方が苦手なようにも見受けられる。 今オフの国内FA市場の目玉選手・金子千尋(31)がオリックス残留を正式発表したときのことだ(12月24日)。前日・同23日、阪神はすでにその情報を掴んでいた。代理人から断りの電話が入ったためだ。“補強全敗”の阪神は去就を明らかにしていない金子の獲得に一縷の望みを掛けていただけに、落胆ぶりは想像に難くない。 金子の残留会見と前後し、中村勝広GM(65)が記者団に囲まれた。 金子本人と一度も交渉できなかった旨が質問されると、中村GMはこれまでとは違う表情を見せた。まず、「一度も会っていない」という情報を否定した。一部メディアが「いつ会えたのか?」と質問し直す。 「日時は言えない」 中村GMはドラフト視察などで記者団に見つかると、お目当ての選手に対する評価などでリップサービスをしてくれる。だが、全く違う一面も見せている。昨季終盤、和田豊監督(52)の去就問題が取り沙汰されたときが、とくにそうだった。取材陣を上手にはぐらかしてくれるのだ。どういう意味かというと、取材には対応してくれるのだが、核心に関してはひと言も触れていないのだ。ノーコメントで突き放すだけなら、誰でもできる。だが、阪神は全国区の人気球団であり、メディアとの共存も意識しなければならない。マスコミに対応しながら、『厳守しなければならない情報』や、ナーバスな人事問題に関してははぐらかす…。見識があって、強かな立ち振る舞いもできる人。だから、中村GMはチーム内外で信頼されていた。 普段は感情をあらわにしない中村GMが厳しい表情に一変し、「日時は言えない」と返したのだ。 「金子の代理人が阪神サイドに抗議してきたんです。金子側が各球団から受けた条件提示、とくに阪神とのやり取りがマスコミに漏れている、と」(関係者) 阪神にトップシークレットの情報を売る輩は一人もいない。代理人が憤る気持ちも分かる。だが、金子の去就は日本中のプロ野球ファンが注目していた。中村GMは『金子獲得に失敗した責任』を強く感じ、いつもと違う表情を見せたのではないだろうか。 和田監督は『鳥谷残留』を受け、遊撃コンバートの準備を進めていた大和(27)に『中堅手専念』の意向を正式に伝えた。外野コンバートを拒んでいた西岡剛(30)に対してだが、「二遊間で勝負してダメなら控えでも」発言について聞かれると、「右肘の状態が良くなってきた証拠」と答え、大人の対応を見せた。 これで、15年シーズンの正二塁手を上本博紀(28)と西岡が争う図式になった。和田監督は「1番・鳥谷、3番・西岡」の打順を理想形としている。上本は12球団ワーストの17失策を記録したが、機動力不足の阪神において『チーム最多の20盗塁』をマークした選手だ。高野栄一・球団本部長(51)も「チームを牽引する自覚をもっとも感じた選手」として、上本を挙げていた。 レギュラーの座は与えられるものではないが、上本と西岡の両方を使う布陣は今のところ、聞こえて来ない。 「福留(孝介=)など、今季のセンター・大和が確定した一報を聞いた選手は口を揃えて安堵していました。何故、大和をショートにコンバートしようとしたのか、不思議に思っている選手が多い」(取材陣の1人) チームが本当の意味で一丸となるためには、指揮官が説明しなければならないことも少なくないようだ。(了/スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2015年01月22日 15時30分
2014年ペナントレース総括 数字で分かるアノ補強とドラフト指名(巨人編)
主力選手の大半が成績を落とした。故障者も続出し、先発投手の頭数に悩まされた時期もあった。終盤戦では井端弘和、ロペスらを試合前に外野守備練習をさせるなど“巨大戦力を誇るチーム”とは思えない状況だった。それでもペナントレース3連覇ができたのは、『勝負どころ』を熟知していたからだろうか。 攻撃陣は“歴史的な貧打”だった…。まず、チーム打率だが、優勝が決まった昨年9月26日時点で2割5分6厘。リーグワーストだ。最終的には5位だったが、『リーグワースト打率でのV』で終わっていれば、プロ野球史上5チーム目の汚点となっていた。打率ランキング10傑に巨人選手は一人もいなかった。規定打席に達したレギュラー陣の最終成績を見ても、打率3割に到達した選手すらいないのだ。 だが、広島・大瀬良大地投手がスポーツ新聞の新春対談でこうも話していた。 「巨人は一発(本塁打)のイメージがあったけど、ここぞというときには右方向に打ってきたり、バントも絡めてくるし、勝ちに対する執念が…」 チーム打率・最終成績は2割5分7厘。しかし、チーム得点圏打率はリーグトップの2割9分1厘を残している。広島・大瀬良の語った通りであり、対戦投手に対し、強力打線のヤクルト以上の脅威を与えていた。 2014年の巨人をギリギリのところで支え通したのは投手陣である。前年よりも数値は落ちたが、チーム防御率3.58はリーグトップ。菅野智之(25=12勝)、杉内俊哉(34=10勝)、内海哲也(32=7勝)の3人で貯金『9』を作った。交流戦以降、ローテーション入りした小山雄輝(26)も6勝2敗と健闘し、60試合登板、39ホールドポイント(リーグ2位)の山口鉄也(31)、30セーブのマシソン(30=同2位)で逃げ切る体制に持ち込んだ。救援陣だけで防御率を計算し直すと、4.01まで落ち込む。優勝を決めた9月のみ、2.67と好数値を残しており、こちらも、終盤戦の「ここぞというとき」にチャージを掛けた結果となった。 V9以来となるリーグ4連覇を果たすには、『打線の強化』と『救援陣の再整備』が不可欠ではあるが、原辰徳監督(56)が選択したのは『現状維持』。15年シーズンは、2年契約の最終年でもある。今までの巨人であれば、大型補強も厭わなかったはずだ。 だが、原監督は優勝時のインタビューで主将(当時)・阿部慎之助(35)のキャンプでの練習時間が少なかったことを根拠に、同年の不振を「予測していた」と話していた。同様に、他選手に対しても成績ダウンを予想していた、と…。原監督は『主将、4番、守備の要』の3役をこなしてきた阿部に対し、一塁コンバートを言い渡した。次に『主将』を坂本勇人(26)に引き継がせた。阿部に対しては、「もう一度、3割、30本を目指せ!」とも伝えたそうだが、一塁にコンバートしたのは『4番』の“役どころ”に専念させるためであり、成績を落とした坂本を『主将』に昇格させたのは、「現状に満足するな!」という檄も込められていた。三塁手・村田修一に(34)も“無言の圧力”が掛けられた。ドライチ・岡本和真(18=智弁学園)を指して、「将来の4番サード」と評しているが、本塁打王のタイトル2回、14年シーズンも『通算1500試合出場』を果たしたベテランにすれば、高卒新人を引き合いに出される屈辱は並大抵ではないはずだ。 人員補充が必要な救援陣だが、澤村拓一(26)をコンバートさせる。澤村は先発投手として結果を出し切れないでいる。外部補強ではなく、澤村にチャンスを与えたところに意義がある。原監督が選択した現状維持とは、『レギュラー陣の意識改革』でもある。 「ドラフト2位の戸根千明(22=日大)が面白い。パワータイプの左腕で、内海、杉内とタイプが異なる。先発候補と報じられていたが、中継ぎを予定しているとも聞いている。登板過多の山口の負担を軽減させることができれば」(プロ野球解説者) 注目度は低いが、他球団スコアラーはマイケル・ミコラス(26)、アーロン・ポレダ(28)を警戒している。ミコラスはマイナーでは主にリリーフだったが、昨季、レンジャーズで先発投手としてチャンスを掴んだ。「曲がり幅の小さいスライダーでゴロ・アウトを稼ぐタイプ」(米国人ライター)だという。内海、杉内、菅野、大竹寛、小山ら先発スタッフの調子を見てからの判断になると思うが、先発と救援の両方をこなせる。左腕・ポレダはスライダーには定評があるものの、制球難と球種不足の欠点を持つ。与四球の多い外国人投手は「投球を見極める日本の野球スタイル」に適さない。巧く修正できれば、『160キロ左腕のリリーバー』は大きな戦力になるのだが…。 4連覇できるかできないかは、選手の自覚次第。15年、投手陣を統括することになった斉藤雅樹コーチ(49)も『ポレダの修正』という課題を託されたようだ。
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スポーツ 2015年01月22日 15時00分
球春ベンチ裏 長嶋・松井VS原・高橋由「巨人監督問題」でドロ沼抗争勃発(2)
長嶋氏が指揮官だった時代、高橋由もその薫陶を受けている。だが“親密度”では松井氏の方が「上」だ。 「松井、高橋由は監督だったころの長嶋氏に打撃指導を受けています。試合後、『ちょっと待っていろ』と内々に2人に居残りを伝えることがよくあり、東京ドームの素振り室で待機させていました。松井は素振りをしながら長嶋氏を待っていましたが、高橋由は素振り室の鏡を見ながら眉毛を抜いていたことも。そのとき長嶋氏は怒って、高橋由だけを帰らせました」(同) 当時の高橋由は清原和博氏(47)に“ネオン街”を教わり、遊びたい一心だったという。厳しい巨人OBの中には、今も高橋由が伸び悩んだのは「清原のせいだ!」と言う者もいる。当時、長嶋氏は私生活には口を挟まなかったが、夜の誘惑にも負けずにバットを振り続けた松井氏の方を“真の後継者”と見ていた。 「原監督の指揮官1年目のシーズンに松井はFA権を取得しました。当時、松井の去就は巨人の最重要事項であって、シーズン中も、長嶋氏、原監督が松井を食事に誘い“本心”を聞き出そうとしていました。そのとき、原監督は『残留してくれる』と信じていましたが、長嶋氏はメジャー移籍を覚悟していました。今回の巨人監督の就任要請同様、最後まで松井はホンネを口にしませんでした」(球界関係者) 読売経営陣が『ゴジラ待望論』にこだわる理由は、人気に尽きる。巨人主催ゲームの年間観客動員数は2年連続で300万人を超えたが、地上波テレビの放送回数は回復していない。12球団ナンバーワンの観客動員数も維持している。だが、それは『勝利』(優勝)という厳しい必須条件をクリアして成り立っているものであり、巨人が毎年のように金満補強を繰り返してきたのは、まさにそのためでもあった。 “補強”と言えば、'14年オフはこれまでとは相反する超地味なレベルにとどめたが、それは高橋由を後継者に推す原監督の意向によるものだった。 「シーズン中、原監督は信頼を寄せるプロ野球解説者、OBとの談笑中、『巨人は金満? 違いますよ。怠慢、肥満です』と自虐的に話していました。選手たちがかつてのように練習しなくなったことを嘆いていました」(同) 昨季、リーグ優勝は果たしたが、主砲の阿部慎之助(35)をはじめ、主力選手は全員、成績を落としている。「選手層の厚さで逃げ切った」と言った方が的確かもしれないが、原監督は昨春キャンプ中から苦しい展開になることを予見していたという。高齢のレギュラー選手たちがスタミナバテを恐れたのか、練習量をセーブしていた。それでも原監督は彼らを使い続け、かつ今オフ、大掛かりな補強をしなかったのは次期監督のためだった。 「彼ら自身が危機意識を持たなければ本当の強さではない、と。勝利に対し、貪欲なチームにして、後継者に託そうとしているようです」(前出・関係者)
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スポーツ 2015年01月22日 15時00分
連日満員御礼うなぎ上りの懸賞金も立役者の遠藤に吹く逆風
大相撲初場所もいよいよ終盤戦だが、目を引くのは入場者の多さと、幕内の取組にかかる懸賞の多さだ。 満員御礼の垂れ幕は初日から下がりっ放しで、18年ぶりの15日間オール満員になるのは確実。一方、懸賞も初日からいきなり上限となる50本が結びの一番、史上最多単独33回目の優勝を目指す横綱・白鵬の取組でかかった。 土俵上で受け取る袋の中身は1本3万円だから、現金150万円也。これをたったの4秒で下して受け取った白鵬は「ゴッツアンです。みなさんの期待の大きさを感じる。さすがに片手(で受けとる)というワケにはいかなかったね」とニコニコ顔だったが、この懸賞人気に泣き笑いしている力士もいる。再び幕内上位に盛り返してきた遠藤だ。 日本人力士きっての期待の星だけに、この遠藤の取組にかかる懸賞は平幕力士ではダントツの多さで、かつて平幕の懸賞王といわれた高見盛(現振分親方)をほうふつさせる集中ぶりだ。 懸賞は力士のありがたい副収入源。遠藤も「力になります」と目を細めているが、勝った方がもらえるシステムだけに、対戦相手もそれこそ目の色を変えてぶつかってくる。 「常に剛腕エースと対戦する打者のようなもので、手抜きは一切できない。目一杯の力を出させられた上に、負ければ相手に二重に大喜びされる。全くたまったものじゃありません。つい2場所前も、遠藤に勝って分厚い懸賞の束を手にした常幸龍が『これで嫁が欲しがっていた電動アシスト自転車を買ってやれる』と会心の笑みを浮かべていました」(担当記者) 高見盛の師匠、先代東関親方(元関脇・高見山)が、「ウチの高見盛は懸賞に殺されている。かわいそうで見ていられないよ」とこぼしていた姿が思い出されるが、遠藤もまさに対戦相手のいいエサに…。 八百長はタブー。遠藤が幕内上位で懸賞の束を手にニッコリする日は来るか。
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スポーツ 2015年01月22日 11時45分
鳥谷残留で露呈したトラのコミュニケーション不足(前編)
トラの主将・鳥谷敬内野手(33)の残留が正式発表された。1月9日、各メディアの取材に対応した坂井信也オーナー(66)のコメントによれば、同日午前中に報告があったという。鳥谷から直接、残留の一報を受けたのは高野栄一・球団本部長(51)だ。 その高野本部長がマスコミ各社に話した限りでは、鳥谷から電話があったのは「8日」。補強全敗の状況からして、鳥谷の残留はチームの明暗を決めると言っても過言ではなかった。それほどの重要事項がすぐに『オーナー報告』された点を考えると、鳥谷が高野本部長に電話したのは『深夜』だったのではないだろうか。 「代理人のスコット・ボラス氏が米国内で最終判断したからでしょう。日本との時差に加え、鳥谷自身にも考える時間が必要となり、深夜になってしまったと思われます。ボラス氏の『本命』は、正二塁手として正式オファーを出したブルージェイズではなかったようです。ブ軍のアンソポウロスGMも詳細は発表していませんが、単年契約、2年以降の残留選択権も球団が持つという内容だと聞いています。補強資金が豊富なメッツが獲得交渉から撤退した昨年末時点で、ボラス氏は鳥谷の売り込みに熱意を失ったのでは?」(米国人ライター) ボラス氏は「大型契約にしか興味を示さない代理人」と目されている。彼自身、「もっとも好条件を提示しているのは阪神」とコメントしていた。米挑戦の夢を持つ鳥谷に対し、自身のビジネスポリシーや、『日本人内野手に対する低評価』という現実も伝えていたのかもしれない。 鳥谷の去就が決まらないころ、和田豊監督(52)と首脳陣は、中堅手・大和(27)の『ショートコンバート』を選択した。もともとは内野手だが、秋季キャンプでは守備練習にかなりの時間を割いていた。それも、ショートだけではなく、サードでの守備練習をこなしていた。紅白戦でスローイング・ミスが出るなど不安は残ったが、居残りノックを自ら申し出るなど、必至に努力していた。契約メーカーに「遊撃手用の新グラブを注文した」とも聞いている。また、自主トレ先でのこと。大和は信頼を寄せる一部記者にしか、自主トレ先を明かしていないが、「センター? ショート? 早く決めてもらわないと…」とこぼしていたそうだ。「鳥谷流出の際はショート」という“条件付きコンバート”によって、大和のオフ期間の調整にも大きな影響が出たことは間違いない。 1月5日、西宮市内の球団事務所で年賀式が催された。壇上挨拶に立った南信男・球団社長(60)は「結束という意味で、コミュニケーションを大切にしてほしい」とスタッフを戒めた。 コミュニケーション…。西岡剛(30)に対しては、もっと配慮すべきだったのではなきだろうか。西岡は外野コンバートが伝えられていたが、一貫して「(首脳陣から)そんな話は聞いていない」と言い続けている。和田監督が連絡を遅らせた理由は“鳥谷待ち”だったからだが、12月の契約更改時点で球団スタッフが「いずれ、和田監督から直接連絡があると思うが…」と前置きし、外野コンバートの構想を伝えておいても良かったのではないだろうか。自主トレ初日の1月7日、西岡は「二遊間でレギュラー争いをし、それで負けたら控えでもいい」とまで言い放っている。外野コンバートを正式に聞かされていない憤りもあったのだろう。 フロントが契約更改の時点で外野コンバートの件を伝えなかったのは、和田監督に配慮してのことか、それとも、現場とのコミュニケーョン不足によるものなのか…。 プロ野球選手は、良くも悪くもプライドが高い。仕事始めに出た『コミュニケーション』とは、今季、球団創設80周年を迎える指針というよりも、反省の意味合いの方が強かったようである。(スポーツライター・飯山満)
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