スポーツ
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スポーツ 2019年07月08日 12時00分
広島 緒方監督vs佐々岡投手コーチ「丁々発止」ベンチ裏攻防戦
「もっといいデビューをさせてやりたかった」 ルーキー小園海斗内野手(19)を見たカープファンは、そう嘆いていたのではないか。15年目を迎えたセ・パ交流戦で、最下位に沈んだチームは、一度もペナントレースでは優勝していない。広島のセ・リーグ4連覇に赤信号が灯っている。 交流戦の敗因に、投手陣の調整ミス、継投ミスを挙げる関係者は多い。「カープは3連覇を果たしながら、一度も日本一になっていません。その原因を探っていったら、投手継投策の失敗に辿り着くんですよ。そのことで、緒方孝市監督(50)にアドバイスできる人材をそばに置くべきとなって…」(球界関係者) 投手陣の調整ミス、継投ミスを挙げたが、交流戦最下位の敗因は、それだけではない。好機で「あと1本」が出ない打線、そして、クローザー・中﨑翔太(26)の不振、過去3年、登板過多となっていた救援陣の調整の失敗などがそうだが、未然に防げたものもある。前述の中﨑を始めとする救援陣の不振がそうだ。 「投手陣の調整を一任されていたのは、佐々岡真司コーチ(51)でした」(スポーツ紙記者) 佐々岡コーチは今季から一軍担当となった。「投手継投の助言役」として、それなりの発言力を与えられての昇格だったという。 「2018、2019年オフ、広島は’10年のドラフト1位投手、福井優也を放出し、楽天から菊池保則を獲得しました。登板過多の現有中継ぎ陣だけではコマ不足と判断したからでしょう」(同) 中継ぎ陣の強化と再編。佐々岡コーチはその重要任務を託されたのだが、キャンプで全投手陣にこんな指示を出していた。 「中﨑、一岡(竜司)以外は全員、先発のつもりで調整せよ」 競争意識を高め、ニュートラルな目線でもう一度、投手陣全体を振り分けするつもりでいたようだが、成果は伴っていない。先発陣では大瀬良大地、床田寛樹以外の勝ち星が伸びず、中﨑に至っては、ついに二軍落ちしてしまった。 「一昨年の薮田和樹、昨年のフランスアが好調だったのは佐々岡コーチのおかげと言われています。その実績を買われた部分もあったんですが、投手陣全体を管理するのは初めて。どのチームもそうですが、指揮官と投手コーチは意見が衝突するもの。緒方監督は佐々岡コーチに一任したとはいえ、気が気ではないでしょう」(前出・関係者) しかも、佐々岡コーチは現実的に「ポスト緒方」の一番手と目されていた。メディア的には昨季で引退した新井貴浩氏だが、緒方監督は二軍コーチから指導者人生をスタートさせ、一軍コーチ、参謀役という過程を踏んできた。佐々岡コーチが同じ道程を歩んできたのだから、緒方監督からすれば気になる部分もあったのかもしれない。 「緒方監督のフランスアへの評価は高く、クローザーに抜擢する案を昨季から温めていました。いま中﨑の代わりを務めているのは予定通りとも言えます。でも、フランスア自身は『先発がやりたい』とこぼしています」(スポーツ紙記者) フランスアの望まない配置転換というが、今のところ、不満爆発とまでは至っていない。佐々岡コーチが説得したからか、それとも中﨑が一軍に再昇格してきたときフランスアとの併用が成り立つのかどうか、手腕が試される。 こんな情報も聞かれた。「緒方監督は開幕4カード連続で負け越した時、『優勝確率0%』のピンチに陥りました。その時、緒方監督が相談を持ちかけたのは東出輝裕、迎祐一郎の両打撃コーチでした。中﨑離脱で苦しくなった救援陣について、佐々岡コーチと話し合えるのか…」(同) 交流戦最下位チームは優勝確率0%というジンクスをどう打ち破るのか。開幕4連敗は緒方監督が1人で悩み込まず、話し合って乗り切ったが、2度目の危機脱出については、打開策はまだ見つかっていない。 中﨑が不振に陥った原因は、勤続疲労に尽きる。2015年から69、61、59、68試合に登板。特に、1点を争う場面で酷使されてきたのだから、数字以上の疲労感もあるはずだ。 ほかにも昨季は、一岡が59試合、フランスアは47試合、アドゥワ誠は53試合、今村猛も43試合に登板した。「逆転勝ちの広島」と呼ばれたが、見方を変えれば、先発投手が先に失点しても、打線が爆発するまで中継ぎ陣が耐え、最後は中﨑という総力戦だったわけだ。 緒方監督は期待の新人・小園をついにスタメンで起用した。「時期尚早」の声もあったが、冒険に出たのは停滞するチームの雰囲気を打開したかったからだ。 その小園が冒頭のように6月22日、緊張から守備でミスを連発。自信喪失なんてことになったら、緒方監督は「交流戦最下位」以上のミスをしたことになる。カープは内部崩壊の危機を迎えている。
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スポーツ 2019年07月08日 11時30分
DeNA、3年目細川成也が満を持して1軍へ ムードを変える一打でジャイアンツに一矢報いた!
ベイスターズ期待の大砲・細川成也が、オールスター前の連戦中に一軍に上がってきた。2016年ドラフト5位指名の3年目外野手は、今年はファームでじっくりと力を蓄え、打率.289、ホームラン10本と堂々の成績を残し、7月6日ついに一軍から声が掛かった。 すると、その日にいきなり6番・ライトで先発出場。レフトスタンドを埋め尽くしたブルーのベイスターズファンから大きな歓声が上がった。この日ヒットは出なかったものの、豪快なスイングを見せつけ、1デッドボールで出塁するなど、東京ドームを沸かせた。 翌日もスタメンに名を連ねると、5回に詰まりながらもパワーでセンター前に今シーズン初ヒットを放つと、2-3の1点ビハインドで迎えた6回2アウト1・2塁の場面で、レフトに同点とするタイムリーヒットでチームに勢いをつけ、本人も「チャンスの場面だったので、とにかくランナーを返そう」と思い打席に向かったとコメントを残したが、その通りの結果となった。その後、続く伊藤光がレフトスタンドへ3ランホームランを叩き込み勝利を手繰り寄せた。ヒーローとなった伊藤も「(細川)成也が同点タイムリー打ってくれて気が楽になった」とコメントするなど、連敗中の中、なかなかタイムリーが出ず残塁を重ねる重たい展開のゲームだっただけに、貢献度の大きい一打となった。 6月21日の横浜スタジアムでのファーム戦では、バックスクリーンのメンバーが記してある下の広告にぶち当て、更に左中間の照明塔のポールに設置されているスピーカーに当てる驚愕のホームランを放つなど、とにかくスケールの大きなホームランアーチスト・細川。早ければ今シーズンオフにも、主砲でキャプテンの筒香嘉智がポスティングシステムを行使し、念願のメジャーリーグ挑戦のために海を渡る可能性もある。その場合の穴はとてつもなく大きいが、細川にはその穴を埋めて余りある活躍を期待したい。ベイスターズファンは、来月21歳になる若武者のスイングに夢を馳せる。取材・文・写真/萩原孝弘
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スポーツ 2019年07月07日 07時00分
名古屋場所に白鵬復帰も本命不在 荒磯親方にまさかの“現役復帰”説
7月7日に初日を迎える名古屋場所(名古屋市ドルフィンズアリーナ)を前に、ある親方の“現役復帰”を望む声が高まっている。 「荒磯親方(元横綱稀勢の里)のことですよ。6月26日、弟弟子の大関高安との三番稽古(同じ相手と繰り返し行う稽古)で、なんと7勝6敗と勝ち越してしまったんです。驚いた周囲から、『これなら名古屋場所で復帰しても十分やれる!』の声が上がっているんです」(担当記者) あの涙の引退から半年以上が経ち、荒磯親方は7月3日に33回目の誕生日を迎えた。それが、現役バリバリの大関を相手に、いきなり左四つがっぷりから2連勝するなど、現役時代と変わらない強さやスタミナを見せつけたのだ。 しかし、当の荒磯親方の最大の関心事は、自動車教習所通い。現役力士の運転は禁止されているため、荒磯親方も免許証を持っておらず、引退後にようやく教習所に通い始めたのだ。 番付の最高位を極めた元横綱も、ハンドルを前にしては新弟子状態で、悪戦苦闘しているという。 「大学生たちと机を並べて講義を受けているよ。片手運転をして、『ハンドルは両手で握りなさい』と教官に怒られました」と、苦笑いしながら明かした。 そんな愛すべき荒磯親方に、冗談でも“現役復帰待望論”が出るのは、それだけ名古屋場所の本命が見当たらないことの証でもある。 「名古屋場所も、誰が優勝するか分からない戦国レースになるのは必至です。2場所ぶりに復帰する白鵬には、もうかつてのような絶対的な強さはない。先場所、右ひざを痛めて途中休場した大関2場所目の貴景勝も、いまだ完治にはほど遠く、本格的な稽古ができない状態。そのほかの横綱、大関も年齢的な衰えが目立ち、とても優勝争いをリードする力はない。先場所は西前頭8枚目の朝乃山に優勝を許しましたが、今場所も運のいい力士、調子のいい力士が賜杯を抱くんじゃないか」(前出・担当記者) 荒磯親方に負け越した高安は、ここで優勝でもしないと、それこそ「ハイ、それまでヨ」となりかねない。
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スポーツ 2019年07月07日 06時30分
東京五輪も一要因?カド番大関・貴景勝が無念の休場を選択
事実上の大関陥落となった。 先の夏場所で右ひざを痛め、その後カド番に転落していた大関・貴景勝。名古屋場所への出場に向け回復に励んできたその22歳が4日、無念の休場を選択したことが大きく報じられた。 報道によると、今回の休場は師匠の千賀ノ浦親方が出場を望む貴景勝に「全休した方がいい」と説得し翻意させたもの。今後は名古屋から東京に戻り、早期回復に努めていくという。 新大関から2場所での陥落は、現行のカド番制度となった1969年名古屋場所以降では武双山(元大関/2000年名古屋場所)以来これが2例目。今回の件を受けファンからは、「無理して怪我が悪化するよりはマシ」、「ちゃんと親方の言うことを聞いてくれてよかった」、「まだ若いからいくらでも挽回のチャンスはあるぞ」と励ます声が数多く寄せられている。 一方、中には「東京五輪がなければ…」というコメントもチラホラ。今回の名古屋場所に影響を与えている来年の東京五輪が、貴景勝に休場を選択させた要因の一つと考えているファンも少なくないようだ。 年6場所が開催される本場所は、開催月の第2日曜に初日を迎えるのが慣例となっている。7月開催の名古屋場所も例に漏れず、過去5年はいずれも初日が第2日曜に設定されていたが、今年は第1日曜(7日)が初日となっている。 開催を1週間前倒しした“犯人”は、来年に迫った東京五輪の開会式(2020年7月24日)。これを避けるために来年は初日が1週間早まり、その予行演習として今年も日程が1週間前倒しで組まれている。 もし通常通りに初日が第2日曜であれば、出場可否を決めるのにもう1週間、猶予があったことになる。このことを考えると、前述したファンの嘆きも致し方ないのかもしれない。 足早な初日にペースを乱されたのか、場所前の稽古中に負傷する力士(鶴竜、栃ノ心、炎鵬)も続出している。現時点でこれだと、本割では平幕・朝乃山が優勝した先場所を上回るような予想外の展開が待っているのかもしれない。
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スポーツ 2019年07月06日 11時30分
ロンドン登板は散々だったヤンキース・田中将大 大炎上が“怪我の功名”となり得るワケ
欧州初のMLB公式戦となった先月29、30日(現地時間)の対レッドソックス2連戦(英ロンドン・スタジアム)の1戦目に先発し、「0回2/3、6失点」を喫したヤンキース・田中将大。これを皮切りに両軍の試合は第1戦が「17-13」、第2戦が「12-8」(いずれもヤンキース勝利)と乱打戦となり、最終的に2戦合計で「65安打、10本塁打、50得点」を記録した。 「ロンドン・シリーズ」と銘打たれたこの2連戦は、欧州での市場開拓を狙うMLBが今回初めて取り組んだ試み。しかし、田中の炎上も呼び水となり、第1戦、第2戦ともに締まりのない試合となってしまった。 今回の舞台となったロンドン・スタジアムは、もともとは2012年のロンドン五輪用に造られたスタジアムを野球用に仕立て上げた球場。本来の構造や急造マウンドといった要素を考えると田中の炎上、そしてその後の大乱打戦もある意味当然の結果といえるのかもしれない。 ただ、各メディアによると今回の2連戦にはおよそ12万人もの観客が詰めかけ、両軍の打ち合いに歓声を挙げる人も多かったと伝えられている。また、ネット上に寄せられた現地の反応を見ると、「得点シーンが多く見られて楽しかった」といった内容の投稿も少なからず見受けられた。 同地をはじめとした欧州地域では、サッカー、ラクビー、クリケットといった得点、選手の動きが活発な競技が人気を博している。一方、野球はそれが少ないことを理由に「退屈なスポーツ」と言われることも多い。 しかし、今回の2連戦ではどちらのチームも大量得点を記録。目まぐるしくスコアが変動する展開で、現地ファンを飽きさせなかったことが浮き彫りとなっている。 MLBと同じく北米4大スポーツの一角を担うNFL(アメリカンフットボール)は、2007年のロンドン初開催をきっかけに現地での試合数を増やしている。初開催で人気をつかんだ他競技の例を考えると、今回の大乱打戦、そしてそのきっかけとなった田中の炎上が“怪我の功名”となる可能性も大いにあるだろう。
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スポーツ 2019年07月05日 22時30分
“日米2団体王者”堀口恭司RIZIN凱旋マッチは愛知!「やりたい選手は名乗り上げて!」
総合格闘技イベントRIZINは、史上初の総合格闘技日米2団体王者となったRIZIN&ベラトールバンタム級王者、堀口恭司の日本凱旋試合を『RIZIN.18』(8月18日、愛知県体育館)で行うと発表した。 堀口は日本時間6月15日に、マディソン・スクエア・ガーデン(ニューヨーク、MSG)で開催されたアメリカの総合格闘技団体ベラトールのイベント『ベラトール222』に登場。ダリオン・コールドウェルのベラトールバンタム級王座に挑戦、見事王座奪取に成功していた。 4月に横浜アリーナで開催された『RIZIN.15』の大会終了後、榊原信行CEO兼実行委員長は「地方大会でもRIZINの顔という選手は上げていきたい」と語っていたが、那須川天心、浜崎朱加、浅倉カンナ、山本美憂、山本アーセンらレギュラー陣を惜しみなく投入した『RIZIN.16』6.2神戸ワールド記念ホール大会は大盛況。「もっと関西でもやってほしい」という声が続出した。10月12日には、エディオンアリーナ大阪大会が予定されている。 MSG大会参戦のため、神戸大会への出場は見送られた堀口だが、『RIZIN.17』さいたまスーパーアリーナ大会ではなく、地方大会である愛知県体育館で凱旋試合を行うというのは、普段テレビでしか見られない名古屋のRIZIN、いや、格闘技ファンへのプレゼントと言ってもいいだろう。気になる対戦相手だが、榊原CEOは「誰とやらせようかな」と言葉を濁しているが、堀口はビデオメッセージで「やりたい選手は名乗り上げてほしい」と対戦相手を募っている。『RIZIN.18』の第1弾ポスターは堀口1人だけのバージョンが作られた。 堀口の凱旋試合がメインに組まれるのが濃厚だ。これは神戸でも感じたことだが、強い選手が地方で見られるというのは、地方の子供たちにも夢を与えられる素晴らしいこと。RIZINには今後もこの路線を続けてもらいたい。取材・文 / どら増田写真 / ©︎RIZIN FF
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スポーツ 2019年07月05日 17時30分
今季初完封を遂げたエース・菅野智之、復活はもうすぐ?
今季より背番号「18」を背負う菅野智之はここまで、例年には無いほどもがき続けている。 5月8日、新潟での登板となった対DeNA戦では、初回から本塁打を含む4安打を浴びるなど3失点、その後も2点を奪われ、大きくリードを許したまま6回を投げるとマウンドを後にした。7回表に打線が大量点を挙げ逆転し、試合も巨人が勝利したため、「勝ち投手・菅野」として記録されたものの、初めて目にするような菅野の打ち込まれた姿だった。 続く、5月15日本拠地での阪神戦では、自責点7で今季3敗目。同21日には、3年振りとなる故障での登録抹消も経験している。復帰後の23日の交流戦のソフトバンク戦でも、2回持たずノックアウトを喫した。防御率も3.87(7月3日現在)と、昨年までには見られなかった、ここまでの投球内容だ。日本代表としても活躍し、二年連続の沢村賞を獲得するなど、名実ともに巨人の、そして球界を代表する投手にまで登り詰めた男の深刻とも呼べる不振。 それでも、リーグ最多タイとなる8勝目を手にした先日の中日戦では、今季初完封。試合後には、「結果だけ見たら(相手打線を)0に抑えられたので満足している」と試合を振り返っている。その言葉からは、万全ではない状態ながらも投げ抜くことが出来た満足感が伝わっていた。完封した試合での奪三振6は今季最少、最後に打ち取ったアウトもあわやフェンス直撃の大飛球だった。最終盤まで直球は146kmを記録したものの、本調子は夏を迎えてからになりそうだ。前回ソフトバンク戦での敗戦時、厳しい言葉を投げかけた指揮官・原辰徳監督も、「(復活への)きっかけとして良い一歩を踏み出した。次が重要」と今後への期待を寄せている。 開幕前より「大型補強」と騒がれた自チームは、評判通りの成績で首位を走っている。坂本勇人や丸佳浩らに引っ張られる打線は、チーム打率・本塁打ともリーグトップだ。一方、投手では山口俊が好調、先発の軸として勝ち星を積み上げているとはいえ、トレードで新たに戦力を獲得するなど、テコ入れを図っている。やはり、投手陣の先頭に立つべき菅野の本来の復調が待たれるのは言うまでもない。エースが本来の姿を取り戻したとき、チームの勢いはさらに加速し首位固めへ、そして独走状態へとペナントレースを一気に駆け抜けていく。(佐藤文孝)
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スポーツ 2019年07月05日 11時30分
首位打者タイプ・巨人坂本をホームランアーティストに変えた理由は
「ホームランの光景」が変わりつつある。 坂本勇人(30)の満塁アーチで先制した巨人が、快勝(7月4日)。2位・広島がもたついているため、そのゲーム差は「6」まで広がった。今季、坂本の打撃は絶好調。その勢いがチームも牽引しているようだが、坂本は不思議な進化も遂げている。打率 .302(リーグ5位)打点 56 (同2位)本塁打 24 (同2位) 7月4日時点 打率、打点、本塁打。三冠王と称されるバットマン・タイトルの3部門において、全てトップ争いを繰り広げている。しかし、これまでの坂本という選手のイメージからすると、ちょっとヘンではないか? 坂本は走攻守3拍子揃った好選手だ。2010年シーズンに31本塁打を放ったことがあるが、過去12年間のプロ生活において、年間20アーチ以上を放ったのは、2010年と16年(23本)だけ。打率、出塁率で高い数字を残しており、「本塁打量産」のタイプではなかった。 「ホームランは努力して打てるものではない。遠くに飛ばすことに関しては、天性の素質みたいなものがあって、プロ野球史に名前を残してきたホームランアーティストは、才能に努力を加えて偉業を成し遂げてきました」(プロ野球解説者) ホームランだけは、素質。そういう話はよく聞かされてきた。何が、坂本の打撃を変えたのだろうか。 「2015年にチームの『主将』に選ばれました。奇しくも、彼が主将になって以来、チームは優勝していません。悔しい思いをしていたし、昨年オフから自主トレ期間にかけて、相当量のバットを振り込んできました」 巨人OBの言葉だ。 技術的な進化、打撃フォームにおいて意識して変えた部分もあるのだろう。技術論はさておき、今季のセ・リーグの本塁打王争いを見ていると、ホームランの軌道も変わった様に思う。 1位・ソト(25本)、2位・坂本(24本)、3位・山田哲人(20本)、同・村上宗隆、5位・鈴木誠也(18本)、同・バティスタ、7位・筒香嘉智(16本)、8位・バレンティン(15)、同・岡本和真、同・ロペス。セ・リーグのホームラン王争いの順位はこのように続くが、「高い放物線を描いて、滞空時間の長い打球」のホームランが多いのは、5位のヤクルト・村上と7位・DeNAの筒香、8位・バレンティン、巨人・岡本。あとは、弾丸ライナーの本塁打のほうが多い。坂本に関しては、特にそうだ。 いくつかの球場が外野スタンドのフェンスを前方に押し出し、観客席を少し増やしている。その影響もゼロではないが、弾丸ランナーのホームランは坂本に限らず、スタンドの中段に突き刺さることのほうが多い。 「ひと昔前、ホームランバッターは、ボールの下半分を意識して打ち、広角に打ってヒットを量産するタイプは、ボールの中心をバットの芯で捉えると言われていました。ヒットの延長がホームランなんて言葉もありましたが、今、セ・リーグで本塁打王争いをしている選手は、ヒットとホームランの打ち方が同じなんです」(前出・プロ野球解説者) 滞空時間の長いホームランも良い。だが、弾丸ランナーのホームランには、スピード感がある。どちらの打球を見せられても、「プロってスゴイよな」の言葉しか出ない。「フライボール革命」「打球の角度から逆算し、レベルスイングがどうの」という理論も流行のようだが、ホームランには観客を驚かす説得力がある。プロ野球の凄さを伝える、もっともシンプルなファンアピールだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2019年07月05日 06時00分
阪神・藤浪晋太郎と楽天・オコエ瑠偉「仰天トレード」浮上
昨年、最下位に終わった楽天と阪神が、サプライズの“日本シリーズ対決”へ向けて蜜月関係を強めている。過去、「闘将」こと故・星野仙一氏は両球団で監督を務め、阪神・矢野監督はその教え子。しかも仙台に本部を置く東北福祉大の出身と、縁は深い。 その両球団が画策するのが、二軍でくすぶる“未来のエース”と“韋駄天外野手”の仰天トレード。仕掛け人は、あの石井GMだ。 開幕前の下馬評を覆してパ・リーグは楽天が首位、セ・リーグでも阪神が首位巨人に2差の3位に付けている(6月25日現在)。両球団とも昨年は屈辱の最下位だっただけに、前例のないビリチーム同士の“日本シリーズ対決”へ向けて鞭を入れ始めた。 とりわけ阪神は今年のオールスター戦ファン投票の中間発表で12球団トップの5人(西勇輝、ジョンソン、梅野隆太郎、大山悠輔、近本光司)が選ばれ、士気が上昇中。そんな中、矢野燿大監督(50)が腐心しているのが、入団1年目から3年続けて2桁勝利しながら、精神的なストレスで制球を乱し、ここ3年は7、3、5勝に終わっている藤浪晋太郎投手(25)の再生だ。 昨季は9月29日の中日戦で2年ぶりに完封勝利を上げるなど復調の兆しを見せたが、一方で四死球を乱発。キャンプでもサイドスローを試すなど試行錯誤が続き、オープン戦でも思うようなピッチングができず、今季は開幕から二軍スタート。くすぶったままだ。「原因は自信喪失です。2012年のドラフト1位は当たり年で、藤浪は大谷翔平や菅野智之と同期入団でした。大阪桐蔭高の3年時には史上7校目の春夏制覇を果たし、最速153キロの直球を武器に準決勝、決勝で完封。それが今や、大谷は二刀流でMLBのスター選手。菅野も巨人の絶対的エースとなり、年俸はかつての佐々木主浩と並ぶ日本人選手トップタイの6億5000万円。『虎ファンに申し訳ない、チームを支えなくては』という重圧がイップスとなって表れているのです。そこで球団は、水面下で非公式にトレードの可能性を探っています。いったん旅に出し、環境を変えることが本人のためになるという判断でしょう」(阪神OBの野球解説者) そんな情報をキャッチし、素早く動いたのが、楽天の石井一久GM(45)だ。仙台とは縁浅からぬ関係を持つ矢野監督から“未来のエース”を一定期間預かり、いずれ阪神にカムバックさせる「レンタル移籍」を持ちかけているという。厳密に言えば野球協約に抵触するが、珍しいことではない。 問題は、選手層が薄い楽天に、藤浪に見合う交換要因がいるかということだ。 阪神が欲しいのは外野手。ベテランの糸井嘉男と’16年の新人王である髙山俊は好調だが、両足ふくらはぎに爆弾を抱える福留孝介は、戦線離脱中。早急の補強が急務になっており、そこで用意した隠し球がかつての甲子園のアイドル、オコエ瑠偉外野手(21)である。 オコエは関東一高3年時に甲子園に出場。走攻守の活躍で一躍名を売り、’15年ドラフト会議で楽天に1位指名された逸材だ。1年目から代走などで活躍。今季は開幕戦に8番ライトでスタメン出場したが、大卒ルーキーの台頭で、現在は二軍で打撃強化に励んでいる。「スポーツ界は女子テニスの大坂なおみに始まり、陸上のサニブラウン・ハキーム、NBAの八村塁と、日系選手がブレーク中です。ナイジェリア人の父と日本人の母を持つオコエにもブレークする要素は十分ある。足と肩はイチロー級で、集客力は藤浪に匹敵する。ともに二軍でくすぶっているところも一緒で、たとえトレードされても戦力的に影響は少ない。浪速の商人商法で、十分算盤に合うという判断でしょう」(大阪のテレビ局幹部) 一方、楽天はエースの則本昴大が不在ながらもリーグ首位で、交流戦も勝ち越しを決めた。平石洋介監督の采配とともに石井GMの手腕が冴え渡っている。 6月22日のDeNA戦では敵地横浜スタジアムで、渡辺元智横浜高前監督の孫でドラフト6位ルーキーの渡邊佳明内野手をここ一番の代打で起用。石井GMが発掘したこの“良血”の2点タイムリーツーベースなどで11対9で制し、首位を守った。「今季の楽天の外野陣はブラッシュ、島内宏明のレギュラーに加えて辰己涼介、小郷裕哉の大卒ルーキーが活躍中。渡邊佳明も芽を出し始めたところで、オコエの使いどころが正直、ありません。かたや、離脱した嶋基宏捕手の代役をルーキー太田光が務めるなど、編成面を仕切る石井GMの目利きのよさが際立ちます」(楽天担当記者) GM就任1年目の昨年秋には西武からFA宣言した浅村栄斗内野手をソフトバンク、オリックスを押しのけて獲得し、菊池保則投手とのトレードで広島のドラ1投手の福井優也投手、金銭で巨人の橋本到外野手を獲得。さらにヤクルトを戦力外となっていた仙台出身の由規投手を育成契約でゲットした事例は記憶に新しい。 それだけにとどまらない。今季の開幕3日前にはDeNAの熊原健人投手を濱矢廣大投手との交換トレードで獲得。かつての星野氏が阪神時代に見せた果敢な血の入れ替えを行っているが、まだ完結ではない。今季のトレード期限となる7月末を照準に進行中なのだ。「元スペイン代表のイニエスタ、ビジャ、さらにはバルセロナでプレーしたサンペールを獲得したにもかかわらず、サッカーJ1ヴィッセル神戸は12位に低迷中。同じオーナーの三木谷浩史楽天会長としては、今年10月に携帯電話事業者としてサービスを開始することから、是が非でもプロ野球で優勝したい。その切り札こそ、阪神の迷えるエースなのです」(楽天担当記者) 体育会系指導で知られる金本知憲前監督、褒めて能力を引き出す矢野監督をもってしても再生できない“未来のエース”を覚醒させるには、のらりくらりと育てる石井GMに預けるのも一計……。そんな声がトラの内部で高まりつつある。
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スポーツ 2019年07月04日 22時30分
KUSHIDAがNXT無傷の5連勝!スピード出世なるか?戸澤陽がNXT王座挑戦へ!
世界最大のプロレス団体WWEは4日、ファームブランドNXTを世界配信した。 今年1月末に新日本プロレスとの契約満了に伴い単身アメリカに渡り、4月にトリプルH立ち会いのもとWWEと契約をしたKUSHIDA。5月のNXTデビュー戦から4連勝中の日本人スーパースターが、ジェフ・パーカーと対戦した。 試合は序盤からグラウンドテクニックで相手をコントロールしたKUSHIDAが、ヘッドロックからハンドスプリング・エルボーを放ち、さらにホバーボードロックを狙うもパーカーがロープエスケープ。この隙にKUSHIDAは顔面にパンチ一撃を食らったものの、ドロップキックからマサヒロ・タナカを相手の顔面に放ち反撃すると、最後はホバーボードロックを決めて完勝。KUSHIDAはNXTで無傷の5連勝を飾り、その実力を会場にアピールした。 KUSHIDAの新日本時代のライバルだったリコシェは、先日US王座を獲得したばかり。KUSHIDAもこれを意識しないはずがない。中邑真輔、リコシェら新日本からWWEに移籍した選手は、まずNXTでしっかりと実績を残してから、ロウやスマックダウンに昇格を果たしている。KUSHIDAも順序を踏んで行くことになるが、このまま行けばスピード出世も夢ではない。 軽量級ブランド205Liveでクルーザー級戦線を盛り上げている日本人スーパースター “スタミナモンスター”戸澤陽は、NXT王者アダム・コールに挑戦することが決定した。この一戦はWWEが提携しているアメリカの団体・EVOLVEの10周年記念公演の中で行われる。また、クルーザー級王者ドリュー・グラックとNXTのマッド・リドルの対戦も決定している。試合の模様は日本時間14日に世界配信。NXTを卒業した選手がNXT王座に挑戦するのは極めて異例のことである。文 / どら増田写真 / ©2019 WWE, Inc. All Rights Reserved.
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星野楽天の余波で『ポスト原』も発覚?
2010年10月30日 08時00分
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指名会見ナシ! 斎藤佑樹は「プロの洗礼」に耐えられるのか…
2010年10月29日 19時11分
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衝撃の人間風車! 現世に蘇った「猪木vs.ロビンソン」の片鱗を北千住に見た!
2010年10月29日 16時00分
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ソフトバンク・王会長が原巨人を後方支援
2010年10月29日 11時30分
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【ドラフト会議速報】 ハンカチ王子は日ハム
2010年10月28日 18時00分
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日本シリーズの全国中継NG?
2010年10月28日 08時00分
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2010年10月27日 16時00分
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横浜売却破談…そして球団に誰もいなくなる
2010年10月27日 12時00分
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スポーツ
阪神・坂井オーナー爆弾発言
2010年10月27日 12時00分
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スポーツ
横浜買収問題が外部OBにも飛び火…
2010年10月27日 10時00分
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スポーツ
ビックネームを獲れ! オリックス1位指名に注目が…
2010年10月26日 15時30分
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スポーツ
「毎週火曜日はTruthの日」。明と暗、くっきり分かれた吉野とダイスケ!
2010年10月26日 13時30分
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スポーツ
巨人のピンボケ粛清人事
2010年10月25日 17時00分
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スポーツ
田中正直のウェブランニングクリニック 「第55回 エアラン東京の現状」
2010年10月25日 11時00分
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スポーツ
高田馬場に誕生した格闘新空間『ALAISE』に、地下プロレス三度目の上陸! 10・24『EXIT-54 MOTHER』迫る
2010年10月23日 16時30分
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スポーツ
ドラフト情報で浮上してきた『ポスト川崎』
2010年10月23日 11時30分
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スポーツ
星野vs岡田注目の遺恨戦開始
2010年10月23日 09時00分
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スポーツ
巨人『外れ1位』候補に長野の後輩が浮上!
2010年10月22日 14時30分