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衝撃の人間風車! 現世に蘇った「猪木vs.ロビンソン」の片鱗を北千住に見た!

 格闘探偵団バトラーツの10月大会、24日の昼間に北千住・シアター1010ミニシアターのメインイベントとして行われた石川雄規vs.鈴木秀樹戦。9月大会でタッグ対決している両者、その時は石川が腕ひしぎ逆十字により勝利しているのだが、両者共にまだまだ物足りなかったと語っていた。
 待ちに待ったシングル対決。それは次元を超えた「闘魂vs.人間風車」の闘いだった。

 序盤戦は静かな立ち上がり。動きを見せたのは鈴木が一発の払い腰を見せた瞬間からだった。
 投げられてもグラウンドで上手く鈴木をコントロールする石川。クロック・ヘッドシザースからアームロックと流れるように極めていく。鈴木も腕を取ろうと反撃するが、逆に石川は空いている鈴木の足を極め脱出、上半身に体重を乗せるとワキ固め。序盤のグラウンド勝負は石川が優勢のまま試合は続く。
 スタンドに戻り石川はスタンディング・アームブリーカーを決めるが、鈴木はボディーシザースで反撃する。後々このボディーシザースが石川にとって地獄の責め苦となる。足首の取り合いからスタンドに戻り、石川は一瞬の間合いを見計らって延髄斬り! ローキックで鈴木を倒すが、逆に足を極められてしまう。しかし石川もアキレス腱固めで反撃。
 グラウンドで上に乗った状態になった鈴木。肩固めのような体勢で石川をコントロールし、背中に膝を突きつけていく。石川も反撃しようとするが、鈴木は構わず弓矢固め。うつ伏せの状態となった石川の背中にジャンピング・ニードロップを落とした鈴木は逆エビ固めからSTFへ。必死にもがいてロープに手を伸ばす石川。ブレーク直後、またもやボディーシザースで石川の胴をぐいぐい絞め上げる鈴木。「次にやる時はスタミナを殺す」と言っていた鈴木の秘策はこれだったのだ。長くて太い鈴木の両足で絞め付けられたらさすがの石川でもひとたまりもない。
 鈴木が攻勢に出る。見事なブリッジを描くサイド・スープレックス。叩き付けた直後に逆片エビ固め。ロープに逃げられ、コブラツイストのかけ合いとなるが、鈴木はノーモーションのダブルアーム・スープレックスで石川を投げ飛ばす。もがく石川にキャメルクラッチ、そしてワンハンド・バックブリーカー。若い鈴木の力が徐々に石川を追い込んでいく。
 戦慄が走ったのはその後だった。エルボーで石川をぐらつかせた鈴木は二度目のダブルアーム・スープレックス! 石川は頭から真っ逆さまにマットに叩きつけられる。この一撃で石川は口の中を切ってしまう程の威力だった。そこからもう一度石川を地獄へ誘うかのようにボディーシザースで絞め上げる鈴木。だが、その一瞬を石川は待っていたのだった。ボディーシザースを決める鈴木の足首をぐいっと捻り上げると、途端に鈴木はギブアップの意思表示。石川は薄氷の勝利をものにする。
 互いに健闘を称えあう両者。試合後のコメントでもお互いを評価していたが、まだまだ闘いは続く。両者の闘いは更に高みを目指して進化していくのか。

 セミファイナルでは澤宗紀と矢野啓太がタッグを組み、臼田勝美&佐々木恭介組と対戦。前回の大会でシングルマッチを行った澤と佐々木。結果はお卍固めからのレフェリーストップにより澤が勝利したものの、佐々木にとって澤は願ってもない好敵手。両者共に「やりすぎ」に近い展開を繰り広げていく。
 バトラーツのファンの前で「ワラビーTVチャンピオン」のベルトを初めて披露した矢野。人を食ったような試合中の動きは相手を幻惑させる。その隙を狙って流れるような関節技に入っていく矢野の戦法。百戦錬磨の臼田ですら矢野には手を焼いているようであった。
 一本足頭突きを打ち合う臼田と澤。「自分の得意技故に弱点も知り尽くしている」とばかりに澤の一発をワキ固めに切り返していく。脱出した澤がフラッシング・エルボーを出すがこれをかわして再度ワキ固めに入る臼田。ベテランの繰り出す一つ一つの技は試合を緊迫したものに変えていく。
 このタッグマッチの中心となったのはやはり澤と佐々木の対戦。卍固めのかけ合い、伊良部パンチの打ち合い、ハイキックの打ち合い等、毎回スリリングな展開を見せる。負けてはいられない臼田と矢野。矢野がワンハンド・バックブリーカーから啓ちゃんボンバーを狙うが、ワキ固めで切り返して行く臼田。その間澤と佐々木は場外でやりあう。臼田のハイキックでよろめいた矢野だったが、ロープに飛んでカウンターの啓ちゃんボンバーをヒットさせた! ダウンする臼田にジャンピング・ニードロップ、エルボースマッシュとストマックへのヘッドバットを叩き込み、肩固めの体勢からブリッジをして更に絞り上げる矢野。カットに入ろうとした佐々木に対しては、矢野のブリッジを踏み台にした澤のシャイニング・ウィザード! サンドイッチ・ドロップキックを臼田に決め、コブラツイストからローリング・クレイドル。そのままレッグロックを極める矢野。しかしこれをロープに逃れた臼田が、今度は矢野にアンクルホールドを極める。執拗に矢野の足首を極めた臼田が矢野からギブアップを奪った。
 勝ち誇る臼田&佐々木。臼田は矢野の目前でベルトを腰に巻くポーズ。照準を矢野の保持するワラビーTVチャンピオンに絞ったか。

 8月の蕨大会でタイガーシャークと対戦したチーム竜司の成田吉駿改めNARITA。不本意なTKO負けを喫してしまったあの日。悔し涙に暮れたあの日を払拭する為、竜司ウォルターとタッグを結成しスーパータイガー&タイガーシャークの「Wタイガー」と対戦した。闘志に火が付いたNARITAは喧嘩腰で二人のタイガーに向かっていく。WタイガーはそんなNARITAの闘志を見たのか、より一層厳しい打撃を放っていく。最後はシャークがNARITAを仕留めたが、まだまだ収まらないNARITAは来年2月に新宿FACEで行われる竜司興行での一騎打ちを要求。実はまだリリースされていなかった竜司興行だが、この時点で開催が発表された。
 第2試合ではグラップリングのみ、打撃なしのBルールで西口プロレスの焙煎TAGAIと三州ツバ吉が対戦。何と芸人でありながらツバ吉からエスケープを立て続けに奪ったTAGAIがアームロックで勝利を挙げた!
 バトラーツの若手、竹嶋健史は山本裕二郎と第1試合で対戦。羽根折り十字固めの前に動けなくなってしまいTKO負けを喫してしまう。当日は夜も試合が組まれていた竹嶋、不安を残す一戦となった。

 注目されないのが嘘のようなバトラーツ。この日もマスコミとして取材を行ったのはリアルライブのみ。旗揚げ当初からの根強いファンがこの日も大勢集まり、会場を賑わしていたのであるが…もっと注目されてもおかしくない。
 実は9月大会終了時、石川はマスコミに対して自身の意見を赤裸々に語っているのだ。その言葉は改めて公開させて頂く。「タカをくくって見に来なかった奴、他と天秤にかけて来なかった奴。ざまあみやがれ!」とブログで告げている石川。その自信は、あまりにも激しかったこの試合で証明している。
 飽くなき探訪を続ける格闘探偵団は、もう次のターゲットに照準を絞っているのだ−。
(Office S.A.D. 征木大智(まさき・だいち))

◆格闘探偵団バトラーツ10月大会
2010年10月24日(日) 
会場:東京・北千住『シアター1010ミニシアター』(観客150人)

<メインイベント バトラーツルール シングルマッチ 30分1本勝負>
○石川雄規(15分22秒 アンクルロック)●鈴木秀樹

<セミファイナル バトラーツルール タッグマッチ 30分1本勝負>
○臼田勝美【ビッグマウス】&佐々木恭介(20分22秒 アンクルホールド)澤宗紀&●矢野啓太

<第3試合 バトラーツルール タッグマッチ 30分1本勝負>
スーパータイガー&○タイガーシャーク(18分16秒 シャーク・デス・バイ・ロック)竜司ウォルター&●NARITA【チーム竜司】

<第2試合 Bルール シングルマッチ 15分1本勝負>
○焙煎TAGAI【西口プロレス】(12分21秒 アームロック)●三州ツバ吉【BUMPMAN】
※両者合計5回のロープエスケープまで許される。奪ったエスケープはTAGAIが5。

<第1試合 バトラーツルール シングルマッチ 30分1本勝負>
○山本裕二郎【チーム太田光】(5分55秒 TKO勝ち)●竹嶋健史
※羽根折り十字固め→レフェリーストップ

◆格闘探偵団バトラーツ12月大会
2010年12月26日(日)開場:16:30/開始:17:00
東京・北千住『シアター1010ミニシアター』
チケットお問い合わせは believers_sc@yahoo.co.jp まで。

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