試合前に決勝進出の可能性が残されていたのは、6勝1敗のオカダ・カズチカ、5勝2敗の飯伏幸太、4勝3敗の棚橋弘至、EVIL、KENTAの5選手だ。
まず棚橋が登場。やや苦手なタイプのバッドラック・ファレと対戦した。2勝のファレだが、KENTA戦ではまさかの丸み込みで白星を挙げている。ファレ対策をしてきたのだろう。棚橋はインサイドワークでファレの桁外れのパワー殺法をうまくいなしていくが、セコンドの邪道がたびたび介入し、勝機を見いだせない。
ならばと逆さ押さえ込みで巨漢退治に挑むが、これを逆にファレに決められてしまいカウント3。連覇の道が途絶えてしまった棚橋はしばらくコーナーに座り呆然とするほかなかった。8.10東京・日本武道館でのウィル・オスプレイ戦を待たずに棚橋の夏は終わった。
続いて4連勝から3連敗のKENTAが、オスプレイと対戦。KENTAは今年2月までヒデオ・イタミのリングネームでWWEの軽量級ブランド205Liveに所属していただけに、IWGPジュニアヘビー級王者のオスプレイとは予想通りの好勝負に。KENTAの打撃やgo 2 sleepをしのいだオスプレイはオスカッターを決めたがカウント2。KENTAもこれ以上負けられない。
しかし、オスプレイはトラースキックからがヒドゥン・ブレイドを決めると、最後はストームブレイカーを炸裂させてカウント3。KENTAは4連敗で決勝進出から脱落した。試合後、オスプレイがKENTAに敬意を払う様子を見せると、KENTAはオスプレイと握手を交わして引き揚げた。
セミファイナルでは飯伏がザック・セイバーJr.と対戦。飯伏はザックに苦手意識を持つ。この日もザックは飯伏が痛めている右足首に、バラエティに富んだサブミッション攻撃を仕掛けて苦しめていく。足に踏ん張りがきかなくなった飯伏は得意の立体殺法を封じられてしまい大ピンチに陥った。
しかし、シットダウン式のパワーボムで形勢を逆転させると、カミゴェを封じられながらもハイキックからボマイェを決め、膝をむき出しにしてカミゴェを命中させてカウント3を奪った。ボロボロの飯伏だが、8.10武道館大会でオカダとの公式戦に勝てば2年連続の決勝進出が決まる。それまでにはできる限りのケアをしたいところだ。
メインイベントではオカダと、飯伏の勝利で決勝進出が絶望となったEVILが対戦。盟友のSANADA同様、ここで勝っておけばIWGPヘビー級王座への挑戦をアピールできるとあって、EVILは気合十分。持ち前のパワーでオカダを追い込んでいく。このEVILの猛攻を受け切ったオカダもすごいが、オカダのエグい攻撃をしのいだEVILもすごかった。迫力満点の攻防に、浜松のファンは大いに熱狂。最後はEVILのEVILを徹底防御したオカダがレインメーカーを決めて大熱戦に終止符を打った。
試合後、1敗を守ったオカダは『ニュージャパンカップ』、IWGPヘビー級王座、そしてG1の3冠奪取を高らかに宣言。最終戦で飯伏に敗れても7勝2敗で並ぶが、同点の場合は直接対決に勝利した方が決勝に進むため、オカダは飯伏戦に勝つか引き分ける必要がある。果たして決勝に進むのは史上3人目のIWGPヘビー級王者によるG1優勝を目指すオカダか、それとも2年連続で飯伏となるのか。8.10武道館でその答えが出る。
(どら増田)