発端は埼玉・入間市で合宿中の12日のことで、幕内・栃ノ心、幕下の栃飛龍、栃矢鋪の3人が、協会が定める着物・浴衣ではないジャージー姿で外出。栃ノ心は門限の午前0時を守らなかった。栃ノ心はこれまでも度々、生活態度の乱れで注意されていたという。
これを知った春日野親方は指導の一環として、14日、部屋の力士らの前で、げんこつ、平手、ゴルフクラブのグリップで3力士を殴った。16日に警察に匿名でタレコミがあったため、警視庁本所署の捜査が入ったが、殴られた力士に大きな外傷は認められなかった。
春日野親方は翌17日に協会に報告。19日に理事会で協議されたが、「悪いことをしたら、殴られるのは当然」といった親方擁護論も多く、3力士が被害届を出す意思がないことから、処分なしの厳重注意で収まった。放駒理事長(元大関・魁傑)は「程度の問題だろうけど、ゴルフクラブで殴るのは行き過ぎだということ」と語り、春日野親方は弟子の前で「もう、げんこつも入れない」と約束したという。
相撲界では07年に時津風部屋で力士死亡事故が起きてから、体罰は自粛する流れにある。しかし、その反動として、規則を守らない力士も増えており、指導する立場の親方としてはもどかしいところだ。
ところで、この問題。警察だけではなく、協会や報道機関にもタレコミがあって発覚した。その内容は「死亡者が出るかもしれない」といった大げさなもので、春日野親方は「誰がやったか目星はつけた。証拠を集めている」と発言。状況から見て、部屋関係者でなければ知り得ない情報で、内部告発の可能性が高いようだ。
(落合一郎)