提出された診断書によると、ケガの状態は右ヒジ内側側副じん帯損傷及び右膝蓋(しつがい)大腿関節症で、全治2週間の軽症。これは、琴欧洲にとっては古傷。どの力士も、この程度の故障は大なり小なり抱えており、これ以上、格下相手に醜態をさらさないための休場ともいえる。おそらく、関脇以下の力士であれば、1番でも多く勝つために、軽症で休場はしないであろう。
かねて、琴欧洲は一部メディアで度々、八百長疑惑が報じられてきた。八百長調査ではクロ認定されなかったものの、疑惑の目は向けられ続けてきた。八百長問題収束直後の5月技量審査場所(両国国技館)では、平幕相手に5連敗を喫するなど、10日目まで3勝7敗の惨状で、11日目から休場した。休場理由は今場所と同じであった。カド番となった先の名古屋場所(9月)は、9勝6敗で辛うじて勝ち越して、大関の座を死守した。
そして、今場所の不振。元々、大関昇進後の琴欧洲は1ケタ勝利で終わることが多く、「やはり、琴欧洲はガチンコでは弱かった。八百長相撲で大関を守ってきた」との疑惑も再燃しかねない。その風評を払しょくできるのは、もはや土俵の上しかない。来場所、8勝7敗とか9勝6敗ではなく、優勝争いに加わるような活躍を見せれば、疑惑の声も少しは収まるだろう。琴欧洲には土俵で結果を出して、疑惑を払いのけてほしいものだ。
(落合一郎)
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