G1は最終的に、得点が並ぶと直接対決の勝敗で決勝進出選手が決まる。オカダとの直接対決に敗れている棚橋とKENTAは残り全勝しても“直接対決の壁”にぶち当たる公算が大きい。棚橋は「オカダとKENTAに負けたのは痛い」とこしつつも「ちょっくら2連覇してきます」と最後まで全力で闘うことを誓った。
この3人の中でオカダとの直接対決を残しているのは飯伏だけだが、飯伏が勝ってもあと1回は誰かがオカダを倒さないと決勝進出はできない。逆に飯伏がオカダ戦まで連勝を続けて、オカダが飯伏戦の前に1敗でもすると、8.10日本武道館に組まれた両者の公式戦が決勝進出者決定戦になるのだ。ただオカダの残る公式戦の相手はSANADA(8.3エディオンアリーナ大阪)、EVIL(8.7静岡・浜松アリーナ)。この中で2年前に6連勝中のオカダをストップさせた男がEVILだ。EVILは今年のG1にかける気持ちは強いが、ここまで3勝3敗と思うような成績は残せていない。
そんなEVIL以上にオカダに黒星をつけたいのが、いまだにオカダから勝利を奪えていないSANADAだろう。オカダから「ライバル」と認められている存在で、G1でも全試合名勝負を繰り広げているが、2勝4敗と決勝進出は絶望の状況。オカダに初勝利を収めることで、IWGPヘビー級王座への挑戦権をアピールできればG1優勝はできなくても収穫のあるシリーズになるはずだ。
果たしてIWGPヘビー級王者によるG1優勝を阻むのは、この3人なのか?それともBブロックの決勝進出者なのか?今年のG1のテーマは「誰がオカダを止めるのか」がテーマになってきた。昨年の今頃はキャラクターをアレンジし、年末にかけて失速したオカダだが、今年は以前よりも強くなっている。倒した選手は大きな価値を得ることだろう。
取材・文・写真 / どら増田