「1位指名を誰にするのか、ギリギリまで決まらなかったようです。大石(達也)、沢村(拓一)を含め、ドラフト2日前まで4、5人から1人に絞りきれない状況だったと聞いています」(ライバル球団スカウト)
近い将来、ダルビッシュ有(24)の米挑戦(ポスティング)が現実になるかもしれない。球団は『新しいチームの顔』が欲しかったのかもしれない。
斎藤は特定球団への入団希望は持っていなかった。おそらく、正式契約までさほど時間も掛からないだろう。だが、斎藤に限らず、アマチュア選手が“敬遠していた”チームはあった。
「高校、大学で国際試合を経験した選手が多くなっています。国際試合に選ばれなかった選手も、次回WBCには出場したいと思っています。それと同時に、将来のメジャー志望を持つ選手も多いので…」(球界関係者)
国際試合に選手を派遣しないチーム、プロアマ交流戦で主軸選手を出さなかったチームは好印象を持たれていないようである。この思いは、来年以降のドラフト候補選手も同様だという。要するに、国際試合に非協力的なプロ野球チームに入ると、「WBC出場」、「将来のメジャー挑戦」などの夢が途絶えると映るのだろう。
選手派遣を拒否する側にも、正当な理由がある。特定球団の親会社が主催を務める現実も、もう1度考え直す必要がありそうだ。
ドラフト会場では、こんな声も聞かれた。
「斎藤クンの会見がなかったのは残念ですね。週末(10月30日〜)の早慶戦に備えたいとする指導者側の考えも分かりますが、共同会見(TV中継用)は指名された斎藤、大石(達也)、福井(優也)の3投手への取材が混乱しないための措置でもあって、興味本位だけで要望したわけではないんですが…」(メディア陣の1人)
ドラフト前の秋季リーグ戦では、斎藤側はマスコミ各社に「取材はFAXで」との要望を伝えている。本人の意思ではないのかもしれないが、リーグ戦中は取材陣やファンを無視する場面も見られた。それに加えて、異例の「共同会見ナシ」である…。
「プロに入れば、その注目は早大時代の比ではありませんよ」(前出・スカウト)
衆目の目線に晒されるのも、スター選手の宿命であり、「プロの洗礼」だ。
「会見ナシ」が事前通告されていたからだろうか。ドラフト会場の裏では、「日本ハム入団後、斎藤は先輩選手と巧くやって行けるのか?」「注目度の高さに耐えられるのか?」と、心配する声も飛び交っていた。