すると、その日にいきなり6番・ライトで先発出場。レフトスタンドを埋め尽くしたブルーのベイスターズファンから大きな歓声が上がった。この日ヒットは出なかったものの、豪快なスイングを見せつけ、1デッドボールで出塁するなど、東京ドームを沸かせた。
翌日もスタメンに名を連ねると、5回に詰まりながらもパワーでセンター前に今シーズン初ヒットを放つと、2-3の1点ビハインドで迎えた6回2アウト1・2塁の場面で、レフトに同点とするタイムリーヒットでチームに勢いをつけ、本人も「チャンスの場面だったので、とにかくランナーを返そう」と思い打席に向かったとコメントを残したが、その通りの結果となった。その後、続く伊藤光がレフトスタンドへ3ランホームランを叩き込み勝利を手繰り寄せた。ヒーローとなった伊藤も「(細川)成也が同点タイムリー打ってくれて気が楽になった」とコメントするなど、連敗中の中、なかなかタイムリーが出ず残塁を重ねる重たい展開のゲームだっただけに、貢献度の大きい一打となった。
6月21日の横浜スタジアムでのファーム戦では、バックスクリーンのメンバーが記してある下の広告にぶち当て、更に左中間の照明塔のポールに設置されているスピーカーに当てる驚愕のホームランを放つなど、とにかくスケールの大きなホームランアーチスト・細川。早ければ今シーズンオフにも、主砲でキャプテンの筒香嘉智がポスティングシステムを行使し、念願のメジャーリーグ挑戦のために海を渡る可能性もある。その場合の穴はとてつもなく大きいが、細川にはその穴を埋めて余りある活躍を期待したい。ベイスターズファンは、来月21歳になる若武者のスイングに夢を馳せる。
取材・文・写真/萩原孝弘