スポーツ
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スポーツ 2017年06月06日 16時00分
「名古屋場所は全休すべき!」手負いの獅子、稀勢の里に異例の“休場勧告”
5月29日、横綱審議委員会が東京・両国国技館で開かれ、左上腕付近の負傷で夏場所11日目から途中休場した横綱・稀勢の里に対し、名古屋場所は全休すべきという意見が出た。 「稽古十分とは言えない状態で、痛みが残っていると見られる中で頑張って出場したが、無理だったのかなと。委員の中には名古屋を休場しても治してもらわないと、という意見もあった」(北村正任委員長) 横審は成績不振の横綱に対し「激励」「注意」「引退勧告」を行うことができるが、今回の“休場勧告”は異例と言える。 それにしても、五月場所の終盤は完全なトーンダウン状態だった。 新横綱人気で沸きに沸いた大相撲夏場所(東京・両国国技館)だったが、さあこれから、という5月24日の11日目。話題の中心だった横綱稀勢の里(30)が先場所で痛めた左肩などが完治していないことを理由に休場。まるで冷水を浴びせられたようにしぼんだ、後味の悪い場所になった。 「まあ、やむを得ない判断でしたね。相手のレベルが上がった9、10日目はまったく相撲にならず、連敗して4敗目。あれ以上、土俵に上がり続けていたら何敗するか分からない感じでした。これまで横綱が皆勤して負け越したのは、大乃国、若乃花(3代目)の2例があるのみ。もし稀勢の里もそうなったら、せっかくの大相撲人気に水を差しかねないところでした。協会関係者も休場の報にホッとしていましたよ」(担当記者) 先場所、ケガを押して奇跡的な逆転優勝をやってのけ、日本中を熱狂させた稀勢の里だったが、その代償は決して小さくはなかった。場所後の春巡業を全休し、治療やリハビリに専念したが、いかんせん、時間が足りなかった。もともと出場するのが無理だったのだ。 「まだ始めたばかりだし、本調子じゃないので」 番付発表後も、そう言って稽古は非公開。初日の8日前から5日連続の出稽古で仕上げたが、見るからに付け焼刃的で、普段の力強さは戻らなかった。 「左を全然使っていない。万全にはほど遠い状態だ」 稽古を取材した元横綱でNHK解説者の北の富士さんも、そう言ってクビをひねり休場を勧めていた。 しかし、稀勢の里は初日の3日前、「出ます。休みません」と慌ただしく出場を宣言。周囲の異常な盛り上がりを潰すようなマネはできなかったのだ。 「先場所も優勝できたのだから、今場所もなんとかやれるのでは…」 そんな安易な考えがあったのかもしれない。 だが、それはなんとも甘い判断だったことが証明された。2連覇して自分の力を過信したのかもしれない。これで来場所は一段と厳しくなった。同じ失敗はできないので、プレッシャーも大きくなるからだ。 果たして、来場所までにちゃんとケガは治るのか。名古屋場所の初日は7月9日。春場所から夏場所までよりも間隔は短い。稀勢の里が早くも窮地に陥った。 この様子だと、4横綱時代は長くは続きそうにない。鶴竜、稀勢の里と2横綱が休場し、日馬富士も安定していない。全勝優勝した白鵬もかつての“鉄板の強さ”は見られないし、名古屋場所の4横綱の序盤戦が心配だ。
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スポーツ 2017年06月05日 18時00分
Bリーグ盛況でも川淵EAを悩ませる“東京五輪アドバンテージなし”
日本のバスケが東京五輪に出場できない? バスケットボールのプロ組織『Bリーグ』が盛況だ。初代優勝チームを決めるプレーオフはもちろん、B1(1部)生き残りを賭けた入れ替え戦も、チケットはほぼ完売だという。 「一番の功労者は何と言っても、日本バスケットボール協会エグゼクティブアドバイザー(EA)の川淵三郎氏(80)。就任当初は“バスケの素人”とバカにされていましたが、敵対していたスタッフもシンパになったことで状況が変わったのです」(体協詰め記者) 日本バスケ界と言えば、「“一国1リーグ”の原則に反する」と、国際バスケットボール連盟(FIBA)から警告を受けた過去があり、JBLとbjリーグ分裂の溝は深かった。その“手打ち”をさせたのが川淵氏。しかし、積み残した難題もあった。 「東京五輪への出場権です。そもそも五輪ホスト国は自動的に出場できたのですが、FIBAから警告を受けた際に命じられた“'14年10月までの統合”に関して、川淵氏はその期限を守れなかった。さらに、五輪開催国のアドバンテージについても、“W杯で実力を見ての判断”と、突き放されている状態なのです」(同) その東京五輪出場権もかかった'19年W杯のアジア地区予選は、11月に始まる。先頃発表された組み合わせで、日本は世界ランク10位の豪州、同27位のフィリピン、48位の台湾と戦い、3位以内に入らないと二次予選に進めない。日本のランクは台湾と並ぶ48位タイで、一次予選での苦戦は必至だ。 「リオ五輪では、ブラジル女子のフィールドホッケーが出場できなかった。つまり“一定以上のレベルになければホスト国でも出場できない”という前例ができてしまったのです。そんな中、協会の要人が2月に極秘渡米し、アドバンテージが認められなかった場合の戦力補強のために日系人選手の発掘を試みている。ただ、W杯の成績いかんによっては、川淵氏が功労者でありながら追い詰められるかもしれません」(JOC関係者) W杯に注目だ。
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スポーツ 2017年06月04日 16時00分
東京六大学史上最強 法政三羽ガラス裏面史(2)
法政大学の黄金時代を彩った武勇伝は山ほどあるが、その中心にはいつも田淵幸一と富田勝がいた。2年生になった春、富田と山本浩二もベンチ入りを果たし、同期の“三羽ガラス”が合宿所に勢ぞろいした。 中でも、気が合ったのが田淵と富田だ。田淵はすでに東京六大学野球のスターとして注目を集めており、スタイルもモデル並みで今で言うイケメン・プレーヤー。無口さもプラスに作用し、世間では“貴公子”なるキャッチフレーズで呼ばれるようになっていた。 対する富田は一般部員から猛練習でレギュラーをつかんだ野武士のごとき雰囲気を持つ男だ。仲間思いで一本気な親分肌。ケンカっ早く何事にもすぐ熱くなるところがある、まさに法政版の“燃える男”だった。 対照的な性格ではあったが、2人は不思議とウマが合った。熱血漢の“トミ”が率先して動き、“ブチ”がその後を悠々とついていく姿は法政大野球部の名物になった。2人はお互いを認め合っていた。 酒好きで、毎晩のように門限を破って朝まで飲んでいた富田は、罰としてよくノックでしごかれたものだが、すでにこの頃から、富田と田淵は門限破りの常習犯だった。 合宿所の門限は午後10時で、それまではじっと部屋に待機する。10時になると、松永怜一監督が点検のためマネージャー室に「全員いるか?」と電話を掛けてくるからだ。 当時の池田周弘マネージャーが「はい、全員います」と答えるのだが、時折、松永監督は用もないのに「田淵を電話口に出せ」などと言い出すため、この電話が来るまでは部屋にいなければならない。 それが終わると、ようやく“自由時間”だ。上級生の目を盗んで外出すると、寮の近くにあったレストランまで行き、ステーキやカツライス、スパゲティなど寮ではめったに出ないようなごちそうを腹いっぱい詰め込んだ。私も何度か一緒に食事をしたものだ。 今となってはかわいいものだが、軍隊並みに厳しい環境下で練習に明け暮れていた学生にとっては、本当に楽しみな時間だった。 もっとも、富田と田淵は富田が合宿所に入る前から一緒に遊んでおり、よく2人で新丸子や武蔵小杉の安い居酒屋やスナックに飲みに出掛けていた。 この頃、田淵には第6回アジア選手権大会の歓迎パーティーで出会った彼女もいた。日本の貿易会社の令嬢・Kさんで、帰国後、神宮球場のネット裏で隠れるように田淵を応援するKさんの姿をよく見掛けたが、不思議と彼女が球場に来ていると、田淵はホームランを打っていた。 富田が合宿所入りする直前にはこんな事件があった。ある夜、田淵と飲んで別れた富田が下宿に帰って来ると、1階にある自分の部屋の窓の前に1人の女が立っている。その女は手に包丁を持っていた。 「トミ! 出てこい!」 「殺してやる!」 自分の部屋に向かって物騒な叫び声を上げていたのは、新丸子でよく行くスナックで田淵のファンだと言っていたホステスだった。 「おい、何をそんなに怒ってるんだ?」 そんなことをされる身に覚えのない富田は、理由を問いただしたが、女は答えようとはせず、ただ執拗に、 「殺す! 殺す!」 と迫ってくる。 いい加減、頭に血が上った富田はバットを振り回して女を追い払った。 深夜だったこともあり大事にはならなかったが、偶然、近所に住んでいた先輩がこの現場を目撃しており、翌日には「トミが痴話ゲンカで、女をバットで殴ろうとしていた」と噂になった。困った富田は田淵に問いただした。 「ブチ、深夜にいつも行く新丸子のスナックの女が家まで来てな。ブチがなんか言ったのか?」 「ああ、トミから『付き合いをやめろ』と言われたから、『これからはもう会わない』とその娘に言ったよ」 どうやら、富田もこのホステスを憎からず思っていたようで、モテる田淵にそれとなく別の女にしてくれと伝えていたのだ。人のいい田淵が富田の望み通り女に別れ話を切り出したため、怒った女がトミの所に押し掛けてきたというわけだ。 これが田淵と富田の女が絡む最初のケンカだった。結果的には、この女が包丁を振り回すような気性の激しい性格だったことが分かり、田淵は怖い女と手を切らせてくれた富田に感謝し、2人の友情の絆はさらに固くなった。 ただし、富田は私にこんなボヤキを漏らすこともあった。 「ブチはモテるからいくらでも恋愛が楽しめる。俺は童貞おろしも大阪の遊郭だ。不器用だから恋愛もできない。一流企業のお嬢さんとプラトニックな恋愛もできるんだから、ブチが羨ましい限りや」 富田と田淵はよく飲んだが、実は酔い方でタチが悪かったのは田淵だった。 練習休みの前日、田淵と富田、同級生の阪本健('67年秋の東京六大学ベストナイン・遊撃手)の3人が朝まで飲んでベロベロになった。寮に帰る途中で田淵がダウンしてしまい、路上に転がったまま動かなくなった。しばらくすると、どこかから「助けてくれ!」と声がする。富田が声の主を探すと、田淵を背負ったはずの阪本が田淵の巨体の下敷きになって唸っていたそうだ。 私もベロベロになった田淵に痛い目に遭わされたことが何度もある。 優勝祝賀会でしこたま飲み続け、合宿所の前でダウンした田淵を、居合わせた私と2年下の加茂真樹マネージャーの2人で部屋に連れていこうと抱え上げたのだが、その瞬間、田淵が急に暴れ出し、私たちは強烈なひじ鉄を食らって吹っ飛ばされ、路上に叩きつけられてしまった。 法政のスターに怪我をさせてはいけないと、守ろうとしたこちらが負傷してしまったのは不覚だった。 世間では“貴公子”のイメージだった田淵だが、素顔は意外にお茶目でイタズラも大好きだった。 田淵がマネージャーの加茂と花札をしていたときのこと。先輩風を吹かせた田淵は「負けたらマジックで顔に書く」というルールを作った。負けが続いた加茂の顔はマジックで真っ黒。たまに勝っても大先輩の田淵の顔に書けるはずもない。 そのうち睡魔に襲われ、加茂はそのまま寝てしまった。翌朝、寝坊した加茂は大慌てで学校に向かったが、顔はマジックで真っ黒のままだったという笑い話もあった。 田淵のイタズラには一風変わったものもあり、夜中に全員が寝静まった頃を見計らい、後輩の山中正竹や江本孟紀の部屋に忍び込むと、糸をつけたニンニクを天井から吊るして後輩たちの鼻先にぶら下げた。後輩たちは異様なニオイに悩まされ、寝不足者が続出した。 また、痛め止めのサロメチールを男のイチモツにタップリ塗り込まれ、カッカして眠れなくなった者も大勢いた。 風呂場では「背中を洗ってやるよ」と後輩の背後に立ち、そのまま背中に温かい尿をかけるという必殺技も有名だった。後輩は気づかずにそのまま湯船に入るのだが、その横では富田が湯船につけたタオルで顔を気持ちよさそうにゴシゴシ拭いていた。 イタズラの標的になったのは、やはり後輩たちが多かったが、あるとき、親友の富田も標的になったことがある。 武蔵小杉に小泉診療所という医院があった。小泉院長はほがらかな人柄のおばさんで、その人柄を慕って人生相談にのってもらう選手も多くいた。 腰痛持ちだった三羽ガラスもここに通っていたのだが、この医院には私たちの2歳年上で法政二高から巨人に入団した柴田勲も通っていた。当時、その柴田が交際していたのが人気女性歌手の伊東ゆかり。実は、富田も伊東ゆかりの大ファンだったのだ。 そんなある日、「伊東ゆかり本人から(法大の)合宿所に電話があったぞ。小泉院長から聞いたそうで、『トミさんと会いたい』って言ってたよ」と同級生の苑田邦夫('68年春の東京六大学ベストナイン・外野手)が富田に伝えた。 純情な富田は舞い上がってしまったが、実はこれが田淵の仕組んだイタズラだった。それを知った富田は見たこともないほどカンカンになっていた。 お侘びというわけではないが、後に田淵の阪神入団が決まった際、私が企画した激励会のゲストとして本物の伊東ゆかりを小泉医院長の紹介で呼んでもらい、富田にも会わせることができた。 とにかく、やられるほうはタマったものではないが、それでも最後には「ブチならしょうがないか」と許されてしまう男だった。 そんな素顔とは裏腹に、グラウンドでの田淵は凄味を増していく。大学1年の春のリーグ戦から出場し、同年秋のリーグ戦までに4本のホームランを放っている。2年生の秋には、長嶋茂雄が持っていた東京六大学野球の通算本塁打記録8本に早くも並んでいた。 '67年5月、記録更新のかかった対明治戦ではこんなことがあった。田淵の放った打球が神宮球場の右中間を深々と破った。外野がもたつく姿を見た富田がベンチから「ランニングホームランだ!」と叫んだ。 三塁コーチだった岡本道雄(高知高校監督として'75年選抜甲子園優勝)も、記録を破らせるために左腕を大きく回した。生還できるタイミングだった。 ところが、田淵は三塁であっさり止まってしまったのだ。三塁コーチの岡本は「ブチ、行けたぞ。何でいかんのや!」と怒ったが、田淵はすまし顔で「やっぱり長嶋さんの記録を超えるのなら、スタンドに入れないと」と言ってのけた。 しかも次の対慶応戦、田淵は藤原真投手(元ヤクルトアトムズ)の球をレフトスタンドに運んで新記録をあっさり達成してみせた。この試合は延長戦までもつれ、田淵は10号も放ってさらに記録を伸ばしている。 「ブチのすごいところは翌日にすぐ打てるところだ」 富田はそう言って田淵の勝負強さに驚嘆した。 長嶋茂雄と並ぶ通算8本の記録は富田も浩二も達成しているのだが、田淵が22本というとてつもない記録を出したため、ほとんど話題にはならなかった。 田淵が手の届かないスターになっていくことは、少し怖くもあった。(次号に続く)****************************************【スポーツジャーナリスト:吉見健明】1946年生まれ。スポーツニッポン新聞社大阪本社報道部(プロ野球担当&副部長)を経てフリーに。法政一高では田淵幸一と正捕手を争い、法政三羽ガラスとは同期で苦楽を共にした。『参謀』(森繁和著、講談社)プロデュース。著書に『ON対決初戦 工藤公康86球にこめた戦い!』(三省堂スポーツソフト)等がある。
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スポーツ 2017年06月04日 12時00分
オカダ対ケニー再戦、6.11大阪城指定席完売!世界よ、これが新日本プロレスだ!
新日本プロレス毎年恒例、初夏のビッグマッチ『DOMINION 6.11 in OSAKA-JO HALL』6.11大阪城ホール大会のチケットが好調だ。既に指定席は全席完売。急遽、立ち見を前売りで販売しているが、こちらも若干数であり、早期の完売が予想される。 『DOMINION』はリターンマッチが行われることが多い大会だが、東京ドーム級の好カードが大阪でも見られるというプレミア感が人気を集めてブランド化していった。今年は年間ベストバウトの呼び声高い、1.4東京ドーム大会のオカダ・カズチカとケニー・オメガによるIWGPヘビー級選手権の再戦がメインイベントにラインナップされた。大阪のファンにとってこのインパクトは計り知れないものがあったのではないだろうか。 実際、大阪のプロレスファンに話を聞いてみると「僕は1.4ドームをCS(テレ朝チャンネル)で見たんですけど、放送時間の関係でオカダ対ケニーを最後まで見られなかったんですよね。なので、それを大阪でやってくれるというのはすごく嬉しいです」「僕は新日本プロレスワールドで最後まで見ました。1.4ドーム以降のオカダ選手やケニー選手の試合や、コメントを見たり聞いたりしていると、ドームよりスゴイ試合を大阪城でやってくれる気がするので、今からワクワクしてますよ」「G1(クライマックス)前にオカダ対ケニーを出し惜しみなく組んでくる新日本は勢いがありますね。大阪のファンとしては大阪も大事にされてるなって(感じた)。『DOMINION』は毎年カードに関係なくチケットを買ってますが、今年が一番お得な気分ですね(笑)」などなど、ファンの言葉からは興奮とワクワク感が十分に伝わってくる。 それはメインに出場するオカダとケニーからも感じる。前哨戦が行われた5.31大阪府立体育会館・第二競技場大会の試合後のことだ。 コメントブースでケニーが「楽しいね。俺の心と魂をすべて注ぎ込むような闘いだ。まだ彼との闘いは始まったばかりなのにね。オーサカジョーホールでは、俺の身も心もすべてくれてやるよ。トーキョードームがそうであったようにな。このまま突っ走っていくぞ。ケニー・オメガのファンのみんなよ、しっかりとついて来るんだぞ。なんたって年間最高試合候補の闘いだからな。それはこのケニー・オメガによるところが大きいけどね。レスリングはまだ2週間ほど続くけどな。オカダ、決戦の時を楽しみにしてるよ。メインイベントを心ゆくまで楽しもうぜ。バレットクラブとCHAOSの頂上対決をな。1対1で。最高のドリームマッチを!」と言うと、オカダも「ケニー!前哨戦なのに、だいぶ疲れさせてくれるよ。懐かしいよ。まるで(1.4)東京ドームのような感じだ。もう、前哨戦の時点で、東京ドームのような闘いできてるんだからね。大阪城、楽しみに待ってるよ」とコメント。奇しくも、2人のコメントからは「楽しい」という言葉が聞かれた。ファン同様、選手も興奮とワクワク感が抑えられないのが伝わってきた。 「世界中の人たちが、オカダ対ケニーをまた見たいと言ってるらしいぞ!」 オカダが5.3福岡国際センター大会のエンディングで、ケニーを次期挑戦者に逆指名した時に発したアピールは、SNSなどを通じて瞬く間に拡散され世界へ発信されたという。この試合は単なる再戦ではなく、7月に開催されるアメリカ・ロサンゼルス大会を観戦するファンも注目する一戦という意味合いもあるのだ。ロサンゼルス大会ではIWGPヘビー級選手権も予定されているだけに、どちらが王者として防衛戦を行うのかという点も興味深い。1.4ドーム大会のオカダ対ケニーが世界のプロレスファンの心を動かしたのは、各国のSNSのトレンドに上位でランクインしたことからも明らかで、新日本のグローバル戦略においても“黄金カード”なのは間違いない。 大阪城から世界へ。なにわのファンには、東京ドームよりもグレードアップされるであろう最高の闘いに酔いしれてもらいたい。(どら増田)【新日Times vol.70】
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スポーツ 2017年06月02日 11時20分
巨人対オリックス前日、ドーム初の路上プロレスで、高木三四郎と鈴木みのるが大暴れ!
▽DDTプロレス『路上プロレス in 東京ドーム』6月1日 東京ドーム観衆 0人 プロ野球はセ・パ交流戦が5月30日にパ・リーグの本拠地で開幕。各地で激戦が繰り広げられている。交流戦は、2カード6連戦ずつ日程が組まれているのだが、東京ドームを本拠地としている巨人は、1日まで仙台で楽天戦を行っており、2日から東京ドームで開催するオリックス戦は、移動日なしの当日移動となるため、1日の東京ドームは空いていた。 前代未聞の東京ドーム全域を使用した試合を実現させるため、東京ドーム側に打診をし続けていたDDTに吉報が届いたのは、3月中旬だったという。3月20日にさいたまスーパーアリーナで開催された旗揚げ20周年記念大会『Jugement2017』で、高木三四郎社長が自らの引退を10カウントゴングの途中で再撤回(15周年記念の日本武道館大会のときも同じ手法で撤回している)すると、場内の特設ステージに設置されたスクリーンに『路上プロレス in 東京ドーム 決定』の文字が映し出され、10,702人の大観衆からどよめきが起こった。 DDTにとって20周年記念イヤーでの東京ドーム大会開催は、15周年記念大会の試合後に引退を撤回した高木と裏切られた形になったみのるによる、以下のようなやり取りから“公約”されたことである。 高木「俺と勝負しろ! ただし今日じゃない。1年後……いや、5年後! 俺がDDT20周年興行をやろうと思っているここで闘え! 両国(国技館)もやった! 武道館もやった! もうここしか残ってない!」 ※武道館の特設スクリーンに東京ドームが映し出される 高木「5年後、東京ドームで高木思案四郎vs.鈴木みのる決定だ!」 鈴木「何でもかんでも勝手に決めるんじゃねぇよ!(中略)5年後の東京ドーム、日付決まったら教えろ。ただし今日は武道館級の痛みだったが、次は東京ドーム級の痛みを味わわせてやるよ。DDTの大人気なさ、とことん付き合ってやるよ!」 あれから5年が経ち20周年記念大会は、さいたまスーパーアリーナのメインアリーナで開催されたが、高木は昔から“有言実行”してきた男なだけに、東京ドーム大会の実現を信じていたファンも少なくない。結果、通常のドーム興行ではなく、観客も入れずリングも組まれないワンマッチという形式になったが、“東京ドーム史上初”の路上プロレスは世界のプロレス史に残るインパクトを与えたと言ってもいいだろう。 試合は、先に高木が入場し、各ベースでファイヤーポーズ。決めのファイヤーはホームベース上で決めた。続くみのるはNEVER無差別級王座のベルトを片手に、誰もいない客席を煽りながら入場。「風になれ」とともにエアロープを跨いだ。 アジャ・ゴングによる国歌斉唱の途中から、2人が小突きあいを始め、国歌斉唱が終わると同時にゴング。最初の10分は1〜3塁ベースに触ると「セーフ」(ロープエスケープと同じ扱い)という松井レフェリーだけが知っていたルールに翻弄されつつ、グランド内での攻防が続く。 高木が連れ出す形で、2人は1階スタンドを駆け上がると、そこに現れたスーパー・ササダンゴ・マシンとみのるがやり取りをしている隙をついて、高木が消火器を噴射。「鈴木みのるバーカ! バーカ!」と言いながら、赤井沙希扮するビールの売り子が待ち構える2階スタンドへ逃走。階段の途中に現れた伊橋剛太をボコボコにしながらみのるも追いつき、高木をスタンドから落とそうとするが、赤井が邪魔をする。 そこから1階スタンド上にあるコンコース経由で、1階スタンド下段の飲食物販広場に闘いの場を移す。そこに清掃員に扮した葛西純が現れ、高木とみのるが1階コンコースで拉致をした大家健をテーブルにセットし、葛西が自らセットしたラダーに登り、ダイビングボディプレスを放ち、テーブルクラッシュ。倒れた大家を放置しながら、普段はカーテンでガードされている禁断の巨人側バックステージへ。 そこには男色ディーノや楽しんご率いる二丁目軍団が待ち構えており、カオスな状況。ここは「エイドリアーン」と叫ぶロッキー川村を生贄にして3塁側のバックステージへ移動すると、中邑珍輔と棚ボタ弘至が試合をしている。みのるは中邑を、高木は棚ボタをKOしてからブルペンに移動。 ここでは西武ファンの石井慧介や、オリックスファンの中津良太らがそれぞれ好きなチームのユニフォームを着ながら投球練習をしている。それを見守るのは、天龍源一郎監督! ブルペンで大暴れした後、グランドに出るとマウンド上にはコスチューム姿の里村明衣子が「私と勝負しろ!」と2人を挑発。両ベンチにはDDTの所属選手やゲスト選手、タレント、お笑い芸人たちがズラリと顔を揃えて野球対決が行われた。不甲斐ない高木に天龍監督はみのるを代打に送ると、里村がみのるにデッドボール。両ベンチから選手が総出でグランドに飛び出し大乱闘。これには天龍監督が一喝し、事態は収集した。 再び2人での闘いになるとダウンしたみのるを見た高木が勝負にでる。しかしスーパーランニングラリアットを狙うも、見事に交わされ、スリーパーからのゴッチ式パイルドライバーをホームベース上で決めて万事休す。高木はリベンジを果たすことができなかった。 試合後、高木はみのるを呼び止めると 「今日来てる、ここにいる、DDTの選手たち、そして、うちの所属の人間、BASARA、DNA、東京女子プロレス、ガンバレ☆プロレス、俺達が、育て上げたレスラーが、必ずお前の首を獲りに行く! これ以上の舞台はない! だから、高木三四郎、今日で、引退します。鈴木さん、俺の最後の対戦相手になってくれて、ありがとう」 とまたもや引退宣言。しかし10カウントゴングのカウント7で、「馬鹿めー!」と叫ぶとみのるにスタナーを放ち「嘘じゃー! 俺が引退するとでも思ったか! 嘘じゃー! 5年経ってもまだあんたに勝てなかったよチキショー! 俺は、まだまだ諦めねーぞ。あんたと次に闘うのは、ここだ!」と叫ぶとドームのビジョンに“無人島”が映る。「無人島で、路上プロレスだ!」 これに対してみのるは「やってやるよ! 巌流島を用意しとけ!」と受諾した。 みのるが引き上げると高木は「これで次の闘いは決まったぞ。次は鈴木みのると無人島で勝負してやる。いいか?俺は引退なんかしねーよ! 栄光のDDTは永久に不滅です! ありがとう!」と絶叫すると高木のテーマ曲「Fire」が流れ、同時に再び選手たちがグランドになだれ込み大乱闘。みのるは高木をセンターの前まで連れ出し、サッカーボールキックを叩き込むと、2人とも大の字になり大会は幕を閉じた。 大会終了後、高木はビジョンに映し出されたDDTのロゴを指差しながら「終わったよ! 見てくれ! DDTのロゴマークがついてるこの東京ドーム! 誰がなんと言おうと、今日の東京ドーム大会は、DDTのみんなの東京ドーム大会だ。配信を見てた人間も、今日集まってくれたみんなも本当に感謝します。そして、今日の大会を実現するために色々動いて頂いたスタッフの皆様、東京ドームの皆様、本当にありがとうございました! 次またここに戻ってくるときは、ノーピープルじゃなくて、お客さんを入れた大会にしたいと思います。鈴木みのるとの戦いは、終わらない。無人島で、無人島でやってやる!本当にこの大会ができて感謝致します。DDT20周年の集大成でした。でも、これで終わるんじゃなくて、次は、満員の東京ドームでDDTの大会をやってやる! 以上!」とマウンド上でコメントすると、土塗れになったまま記念撮影に応じた。 この試合を見たDDTの選手はかなり刺激を受けたようで、各自がSNSで感想などをしっかり発信していたのが印象的だった。男色ディーノは東京ドームに来場すること自体が初めてだったとのこと。今大会が社長自らが身体を張った甲斐のあるものだったかどうかは、観客を入れた形での東京ドーム大会が実現したときにわかることだろう。 やはり、東京ドームには夢が詰まっている。そう思わずにはいられない画期的な大会だった。▼メインイベント 東京ドーム全域を使ったノーピープル路上プロレス 時間無制限一本勝負●高木三四郎 (33分54秒 片エビ固め) 鈴木みのる○※ホームベースでのゴッチ式パイルドライバー◆主な登場人物男色ディーノ / スーパー・ササダンゴ・マシン / 坂口征夫 / 石井慧介 / 大家健 / 赤井沙希 / 伊橋剛太 / 中津良太 / 葛西純 / レディビアード / アジャ・コング / 里村明衣子 / 中邑珍輔 / コレステロールタクヤ / ロッキー川村 / 天龍源一郎 / 棚ボタ弘至 / 楽しんご / ムエタイ戦士 他(取材・文 / どら増田)
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スポーツ 2017年05月31日 18時00分
熱き侍たちが躍動!! メジャーリーグ Times 「変則7人ローテ」採用で前田健太はどうなる?
ドジャースの前田健太は、今季開幕から4試合連続で冴えない投球を続け、4月下旬には防御率が8点台まで上昇しローテ落ちの危機に瀕していた。しかし、土俵際で甦り、4月28日のフィリーズ戦以降は、3試合連続で好投し完全復活をアピールした。 その上り調子のマエケンを、ドジャースはどこにも故障がないのに故障者リスト(DL)に入れた。表向き大腿二頭筋を痛めたことにしているが、本当の理由は先発投手の頭数が過剰になったため、マエケンを短期間休ませて他の投手に先発登板の機会を与えることにあった。 メジャーリーグ随一の金満球団で先発投手8人を擁するドジャースは、開幕時は1番手・カーショウ、2番手・マエケン、3番手・ヒル、4番手・マッカーシー、5番手柳賢振(ユ・ヒョンジン)でローテーションを組みシーズンに入った。 その後、3番手のヒルが指先のマメを潰して4月半ばにDL入りし、代わりにロングリリーフに回っていたアレックス・ウッドが入った。さらに、調整が遅れていた将来のエース候補フリオ・ウリアスが4月下旬、ローテに復帰。5月半ばには指のマメを潰して戦列を離れていたヒルが復帰したため、定員5人のローテに7投手がひしめくことになった。 そこでドジャースのロバーツ監督はハニカット投手コーチと相談の上で、大エースのカーショウはこれまで通り中4日で起用するが、それ以外の6投手に関しては、順番に休みを取らせながら起用することにした。実際にはどこも悪くないマエケンが、好投した翌日にDL入りしたのは、休む順番が回ってきたためだ。 メジャーの球団はどこもローテを5人で回すことにこだわるため、それなりの実績を持つ先発要員が7人いても、成績がよくない2人は容赦なくマイナー落ち、あるいはリリーフに回す措置を取る。ドジャースがそれをしなかったのは、以下の3つの事情がある。 (1)先発要員8人中6人が高額年俸の長期契約選手で、契約に「本人の同意なしにマイナー落ちさせることはできない」という項目があるため、成績が悪くてもマイナーに落とせない。 (2)2年目のウリアスは将来のエース候補で、球団が今季はリリーフでは使わないという方針を固めていた。 (3)8人の先発要員の中で最も実力が下だと思われていたA・ウッドがローテ入りした後、目を見張る好投を続けたため、リリーフに戻せなくなった。 このような事情があったため、ドジャースは「変則7人ローテ」を採ることになったのである。 この変則的な投手起用は、ローテに故障者が2人出れば自然消滅する。しかし、休ませながら使うと、先発投手はなかなか故障しなくなるので、しばらく続く可能性が高い。 この「変則ローテ」だが、マエケンにとって、どんなメリットとデメリットがあるのだろうか?■メリット (1)シーズン中、数回短い休みが入るので、昨年のようにスタミナ切れを起こしてシーズン終盤に失速するようなことはなくなる。 (2)疲労が蓄積された状態での登板が大幅に減るため、ゲーム中盤に球威が落ちて失点するケースが減り、QS(クオリティー・スタート)が多くなる。■デメリット (1)先発登板数が26〜28試合に減少。投球イニング数も規定投球回数(162イニング)に届かない可能性がある。 (2)収入が大幅に減る。その理由は、契約で基本年俸が低く抑えられ(300万ドル=3.3億円)、登板試合数とイニング数が多くなればなるほど、多額のボーナスが支払われる方式になっているからだ。具体的には、登板試合数は、15試合、20試合をクリアすると各100万ドル、25試合、30試合、32試合をクリアすると各150万ドル支払われることになっている。 イニング数の方は90イニングをクリアすると25万ドル。それ以降は180イニングまで10イニングごとに25万ドル加算され、さらに190イニング、200イニングをクリアすると75万ドルずつ加算される。マエケンは昨年32試合に登板し173イニング投げたので、ボーナスの総額は、開幕時に登録メンバーに入っていると支給される15万ドルを加えて890万ドルになった。これに基本年俸300万ドルが加わり、昨年、ドジャースから受け取った金額は1190万ドル(13億円)に達した。 しかし、「変則7人ローテ」が続いた場合、今季は登板試合数、イニング数が大幅に減り、ボーナス総額は400〜500万ドルになる可能性が高い。これは年収が400万ドル以上減ることを意味する。「変則7人ローテ」のおかげで防御率がよくなったとしても、それほど年収が減ってしまっては元も子もないように思えるが、日本人大リーガーは金銭に執着しない人物が多い。マエケンもその1人なので、不満を唱えるようなことはないだろう。スポーツジャーナリスト・友成那智(ともなり・なち)今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は大リーグ関連の記事を各媒体に寄稿。日本人大リーガーにも愛読者が多い「メジャーリーグ選手名鑑2017」(廣済堂出版)が発売中。
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スポーツ 2017年05月31日 16時30分
次期監督の選出よりも難航しそうな、侍ジャパンのチーム改造案
侍ジャパンの新監督選出が難航している。熊崎勝彦コミッショナーが『侍ジャパン強化委員会』で代表チームのゼネラルマネージャー制(以下=GM制)を提案してから、1か月余が経過した。そのGM制の是非はともかく、『改革案』を訴えたということは、代表監督候補とは就任後のチームプランまで話し合っていたと見るべきだが…。 「原辰徳氏が固辞したとする報道もありましたね。その話が本当だとしても、GM制導入をコミッショナーが単独で提議したとは思えません。有力な現場経験者(元プロ野球選手)のアドバイスがあったのでは。でなければ、こんな具体的な改革案を提議できるはずがない」(ベテラン記者) 熊崎コミッショナーはこの発言を事実上、撤回。監督問題も進展が見られない。こちらはそう遠くない時期に決定するだろう。だが、侍ジャパンのチーム編成についてはGM制を含め、再検討すべきである。 「次のWBC、第5回大会が重要になってきました。世界一を逃し、ファンをシラケさせてしまいました。3大会連続で世界一を逃したとなれば、(国内の)協賛企業も離れてしまうかもしれない。次はどうしても勝たなければ…」(NPB関係者) 参考事項とされているのが、第4回大会の覇者・アメリカ代表チームだという。 アメリカ代表チームと侍ジャパンが対戦したのは、準決勝。その試合直前に、パイレーツ、ナショナルズで活躍した好投手、メランソンが追加招集された。メランソンは昨季、47セーブを挙げたクローザーである。侍ジャパンからすれば、難敵が現れたということになるが、準決勝の前日練習でのことだ。ジム・リーランド米代表監督が米メディアに囲まれ、“奇妙な質問”を受けていた。 「また、制約が増えたんでしょ?」 制約? リーランド監督は不機嫌そうな表情を浮かべ、記者団に色々と反論していたという。 「今回、米代表チームは招集された選手と、あるいは所属球団との間に『契約』が交わされました。たとえば、リリーフ投手なら、イニング跨ぎをさせないとか、スタメン捕手は交互に使うとか、なかには代打を送られるのを禁じた選手もいます」(米国人ライター) こうした制約だらけのなかで、リーランド監督は采配の選択肢を狭まれたものの、アメリカを初優勝に導いた。勝因はリーランド監督の手腕だが、今回のアメリカ代表はベストメンバーではないかもしれないが、それなりの実力派を招集することができた。 それに対し、侍ジャパンは小久保裕紀監督(当時)が自ら渡米し、日本人メジャーリーガーに代表入りを訴えてまわっていた。侍ジャパンがGM制になった場合、その者が日本人メジャーリーガー、もしくはその所属球団との条件交渉に臨む。所属球団は起用法について、口うるさく注文を付けてくるはずだが、今大会のように「青木宣親だけ」なんてことにはならないだろう。 大会中に現地入りしたNPBスタッフ、関係者は代表監督に全てを一任する今のやり方に限界を感じたという。 ひょっとして、有力候補と報じられた原氏が固辞したのは、采配に制限が加わる可能性を察したからかもしれない。だが、NPBは今、水面下で次期監督の選出よりも難航しそうな代表チームの改造案に頭を抱えているそうだ。(スポーツライター・飯山満)※有力候補と噂されながらも固辞した原辰徳氏
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スポーツ 2017年05月30日 21時00分
清宮幸太郎の進路問題に異変 関東大会敗退よりも深刻だったあのシーン
清宮幸太郎(早実3年)が関東大会準々決勝で散った(5月22日)。昨夏甲子園大会の覇者・作新学院との一戦で、早実が終始追い掛ける展開となり、清宮は最終の第4打席で通算95号アーチを放ったが、チームは敗退した。 その清宮を巡って、スカウトの動き方が“ビミョ〜に”変わってきた。 早大進学は、ほぼ確実。各球団とも、密着調査をフェードアウトしつつある。そう告げるメディアも少なくない。本当に、そうだろうか。早実のHPを見れば分かるが、学生387人中377人が早大に進学している(昨年度)。「この流れにやはり逆らえない」というのがフェードアウト説の根拠ともされている。しかし、ネット裏のスカウトの動き方を見ると、「指名を諦めた」とは思えない。しっかり、見ているからだ。 知名度の高いドラフト候補は、過去にも大勢いた。12球団が総チェック、複数体制、密着…。そんなスポーツメディアの見出し通りの大フィーバーとなるのだが、12球団全てが1位入札に参加した前例はない。実は、スカウト同士にしか分からないシグナルが交わされているのだ。そのシグナルとは、お目当ての選手の試合中に発信される。指名から下りる球団のスカウトは“見ているフリ”をするのだ。顔見知りの年長記者や他球団スタッフを見つけ、しばらく話し込む。また、調査書のようなものを広げ、しばらく見入っていて、肝心の試合のほうは上の空なのだ。 「ドラフト候補の在籍する側(学校、社会人チーム)に対する後のお付き合いもあるからね。チームの戦力状況で他ポジションの選手を指名しなければならない場合、あるいは、プロ入り後の伸びしろに確証が持てないときは指名から下ります。将来、その学校、社会人から本当に欲しい選手が出現したときに備えて、露骨に『指名から下ります』とは言えないんです。だから、見ているフリを続けるんです」(在阪スカウト) 清宮を追い掛けるスカウトだが、誰も“見ているフリ”をしていなのだ。 また、こんな情報も交錯している。 「熊本RKK招待試合で、秀岳館と対戦しましたときです。地元ファンに見せるため、そして、夏の甲子園での対戦を想定し、秀岳館は清宮の前打者を敬遠する作戦に出ました。力の入りすぎた清宮は凡打に倒れましたが、これを機に、清宮の顔つきが変わりつつある」(在京スカウト) これまでの清宮は、敬遠されることはあっても、敬遠後の打席に立ったのは初めての経験であり、「屈辱」と解したはずだ。地元関係者によれば、同日の清宮は試合後の整列でも相手選手たちに向ける目はうつろだったという。 「かつて、松井秀喜氏が甲子園で5打席連続敬遠され、プロで勝負したいと思ったように、清宮も高いレベルを意識するようになったのではないか。あの敬遠は清宮の気持ちに大きな変化を与えたと思う」(同) 複数体制ではなく、目利きのベテラン、もしくは長く清宮を担当してきたスカウトに一任し、真相を確かめているということだろうか。いずれにせよ、夏の甲子園予選も清宮一色となることは間違いないようだ。
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スポーツ 2017年05月30日 18時00分
千葉ロッテが身売り説「最終局面」〜売却先はあのIT企業〜
今季の千葉ロッテは、オープン戦を13勝2敗3分、勝率8割6分7厘とぶっち切りで優勝し、ペナントレースでも優勝候補の一つに数えられていた。しかし、蓋を開けてみれば、11勝30敗1分け、勝率はなんと2割6分8厘。借金もすでに19を数え、すでに首位戦線から遠く引き離されている(数字は5月22日現在)。 この急降下劇の背景に見え隠れするのが、ロッテの球団身売り説だ。 「韓国ロッテグループは、昨年からの首脳陣による背任・横領の容疑で、逮捕、在宅起訴されたりで大混乱をきたしています。日本と韓国で事業を展開するロッテグループを傘下に置くロッテの親会社、ロッテホールディングス(ロッテHD)の社内は大荒れの模様で、同HD副会長で韓国ロッテグループ会長、かつ千葉ロッテマリーンズオーナー代行の重光昭夫氏もその渦中にあります。'15年以来、創業者・重光武雄氏(ロッテHD名誉会長)の後継経営権をめぐって長男・宏之氏と次男・昭夫氏による骨肉の争いが表面化したのです」(経済誌記者) 一昨年1月、ロッテグループ副会長だった宏之氏が父親の信頼を失って解任され、昭夫氏が副会長に就任。しかし、宏之氏が父親との関係を修復して巻き返し、6月下旬に予定されている株主総会では、大株主の立場から経営陣の刷新を提案。自身を含め4人の取締役の選任を求めるという。 「この提案は、過去にも3回討議され、いずれも退けられています。しかし、今回は昭夫氏が前大統領の朴槿恵被告への贈賄罪で韓国検察から起訴され、これまでとは状況が違うのです。もっとも、宏之氏もロッテグループ内から不当に報酬を受け取ったとして横領罪で起訴されており、こちらも立場は微妙。いずれにしても、韓国新大統領の文在寅氏は財閥解体に力を入れており、同グループの体質改善、スリム化は避けて通れない。千葉ロッテを含む赤字セクションの整理、見直しを迫られることになるでしょう」(同) 広告効果を理由に、毎年千葉ロッテに20億円近く補てんし続けてきたロッテHDだが、一昨年は10億円に減らし、昨年は過去最低の5億円。今年は「0円=球団売却」のシナリオも十分予想される。 「オープン戦のぶっち切り優勝」と「公式戦に入ってのぶっち切り最下位」は、実は球団売却を念頭に置いた「作業工程表に沿った流れ」という見方もある。スポーツ紙デスクが解説する。 「球団売却説が、いよいよ最終局面を迎えたということでしょう。ロッテが高値で球団を売却するために総力を挙げた結果が、オープン戦の優勝。この作戦が奏功し、買い手のメドが立った。そこで今度は『選手の年俸カット』にとりかかったという構図です。ペナントレースで最下位になれば、選手の年俸は下げやすくなる。現在のロッテの負けっぷりのよさは、作業工程表通り、実に見事と言えます」 売却先として噂されているのが、千葉市に本社を構えるアパレルのオンライン通販サイト『ゾゾタウン(ZOZOTOWN)』を運営するスタートトゥデイ社だ。'12年に東証一部に市場変更した同社は昨年12月から年間3億1000万円の契約で千葉マリンスタジアムのネーミングライツ(命名権)を獲得。一足先に『ZOZOマリンスタジアム』をスタートさせ、ロッテ球団との関係を強めている。 スタートトゥデイ社の創業者である前澤友作社長(41)は、米経済誌フォーブスが毎年発表する「日本の富豪50人」で、昨年は日本で14位。推定資産は3300億円といわれ、孫正義氏(ソフトバンク会長)や柳井正氏(ファーストリテイリング会長)とともにやり手経営者と評される人物だ。 「その前澤社長と恋愛関係にあるのが、ダルビッシュ有の前夫人でモデルの紗栄子です。前澤氏はこれまで2人の女性との間に3人の息子をもうけていますが独身。同社が千葉ロッテを買収すれば、紗栄子はオーナー夫人となる可能性もあり、『前夫に対する最高の逆襲』と話題になっています。紗栄子もダルビッシュとの間に2人の男の子があり、将来はプロ野球選手に育てたいと考えている。度を超すお金持ちアピールでネット炎上することの多い女性ですが、息子のために球団オーナー夫人になるという話なら自分の株も上がる。2人には千葉に大豪邸を建設中という情報もあります」(芸能レポーター) 売却先には、DeNAと横浜ベイスターズ買収を競ったLIXILの名も囁かれているが、パ・リーグはソフトバンク、楽天のIT企業がけん引していることから、同じIT系企業で年商2000億円のスタートトゥデイ社が最有力だ。横浜ベイとほぼ同額の65億円程度で譲渡交渉が最終局面に入ったという情報もあり、この額なら前澤氏のポケットマネーで賄えるという。 '13年シーズンから采配を振るう伊東勤監督は、チームを3度クライマックスシリーズに進出させるなど評価は高い。今季は、西武時代に培った“ダイヤ通り”の運行で親会社の思惑を忖度。これで解任どころか、信頼が一層強まった。
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スポーツ 2017年05月30日 11時20分
巨人のエースに異変 菅野智之が魅せた「脱エリート投法」
巨人・菅野智之(27)が順調に勝ち星を伸ばしている。防御率、勝利数、完投、完封、無死球はリーグトップ。奪三振数こそ他投手に1位の座を明け渡しているが、今年は絶好調である。 「昨季も防御率と最多奪三振のタイトルを獲りましたが、味方打線の援護に恵まれず、2ケタ勝利もできませんでした。WBC招集選手の多くがペナントレースで調子を落としているので、菅野の好調さは際立ってよく見えます」(プロ野球解説者) どちらかと言えば、菅野はマウンドで感情を出さないタイプだ。しかし、チーム関係者が「殺気立っていた」とまで語る登板があった。去る23日の阪神戦だ。 その2週間前の5月9日、菅野は開幕4試合連続完封をかけて同じ阪神戦に投げている。しかし、結果は4失点で敗戦を喫している。相当、悔しかったのだろう。関係者によれば、バッテリーを組む小林誠司と阪神対策を何度も話し合っていたと言う。スコアラーが集めたデータを凝視し、対戦バッターの「苦手コース」とされるものが前回マウンドで感じたものと異なれば、自分の意見をぶつける。また、スコアラーとも相談し、23日のマウンドを迎えたそうだ。 「23日、菅野と投げ合った阪神の秋山とは、9日に続いて2度目の対戦。負けたくないとする気持ちはほんとうに強かったと思います」(前出・関係者) 菅野がプロ野球投手として秘めている言葉は、「力で見返す」。これは、13年3月の新人研修会で聞いたものだそうだ。 プロ野球の新人研修会では、プロ野球OBが「先輩」として、後輩たちに自身の経験談を語る時間がある。この年、菅野たち新人選手を前に「力で見返す」のハングリー精神を語ったOBとは、金本知憲監督だったのだ。 不思議な巡り合わせである。金本監督は12年シーズンで現役を退き、「時の人」として、NPB側が特別講師を要請した。菅野もまた、ドラフト浪人を経験しているので、1年早くプロ入りしていれば、金本監督の「見返す論」を聞くことができなかったわけだ。 「菅野は東海大グループの至宝のように見られています。祖父は原貢氏(故人)、伯父が原辰徳前監督。大きな怪我もなく、東海大相模、東海大のエースとして10代から表舞台で活躍してきました。ただ、『あと一歩で優勝に届かない』など、不遇な一面もあります」(球界関係者) 不遇な一面。ドラフトで意中の巨人に引き当ててもらえなかったのもそうだろう。端から見れば、野球エリートだが、本人は苦しんできたのかもしれない。だからこそ、ドラフト下位から這い上がってきた金本監督の言葉が胸に響いたのかもしれない。
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