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巨人のエースに異変 菅野智之が魅せた「脱エリート投法」

 巨人・菅野智之(27)が順調に勝ち星を伸ばしている。防御率、勝利数、完投、完封、無死球はリーグトップ。奪三振数こそ他投手に1位の座を明け渡しているが、今年は絶好調である。

 「昨季も防御率と最多奪三振のタイトルを獲りましたが、味方打線の援護に恵まれず、2ケタ勝利もできませんでした。WBC招集選手の多くがペナントレースで調子を落としているので、菅野の好調さは際立ってよく見えます」(プロ野球解説者)

 どちらかと言えば、菅野はマウンドで感情を出さないタイプだ。しかし、チーム関係者が「殺気立っていた」とまで語る登板があった。去る23日の阪神戦だ。

 その2週間前の5月9日、菅野は開幕4試合連続完封をかけて同じ阪神戦に投げている。しかし、結果は4失点で敗戦を喫している。相当、悔しかったのだろう。関係者によれば、バッテリーを組む小林誠司と阪神対策を何度も話し合っていたと言う。スコアラーが集めたデータを凝視し、対戦バッターの「苦手コース」とされるものが前回マウンドで感じたものと異なれば、自分の意見をぶつける。また、スコアラーとも相談し、23日のマウンドを迎えたそうだ。

 「23日、菅野と投げ合った阪神の秋山とは、9日に続いて2度目の対戦。負けたくないとする気持ちはほんとうに強かったと思います」(前出・関係者)

 菅野がプロ野球投手として秘めている言葉は、「力で見返す」。これは、13年3月の新人研修会で聞いたものだそうだ。

 プロ野球の新人研修会では、プロ野球OBが「先輩」として、後輩たちに自身の経験談を語る時間がある。この年、菅野たち新人選手を前に「力で見返す」のハングリー精神を語ったOBとは、金本知憲監督だったのだ。

 不思議な巡り合わせである。金本監督は12年シーズンで現役を退き、「時の人」として、NPB側が特別講師を要請した。菅野もまた、ドラフト浪人を経験しているので、1年早くプロ入りしていれば、金本監督の「見返す論」を聞くことができなかったわけだ。

 「菅野は東海大グループの至宝のように見られています。祖父は原貢氏(故人)、伯父が原辰徳前監督。大きな怪我もなく、東海大相模、東海大のエースとして10代から表舞台で活躍してきました。ただ、『あと一歩で優勝に届かない』など、不遇な一面もあります」(球界関係者)

 不遇な一面。ドラフトで意中の巨人に引き当ててもらえなかったのもそうだろう。端から見れば、野球エリートだが、本人は苦しんできたのかもしれない。だからこそ、ドラフト下位から這い上がってきた金本監督の言葉が胸に響いたのかもしれない。

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