スポーツ
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スポーツ 2018年03月27日 06時35分
中田翔 球界の主役であり続ける為に
「リベンジ」のシーズンが幕を開ける。 北海道日本ハムファイターズの中田翔はオープン戦で快音を響かせている。チームのキャプテンにも選ばれ心機一転、新たなシーズンの開幕へ向け、牙を磨く。■屈辱に塗れた昨年 激闘を繰り広げた昨年のワールドベースボールクラシック。大会開幕直前までは日本代表の4番候補に挙げられながらも結局、一度もその座を得ることはなかった。大会中には成績が振るわずスタメンから外れる試合もあるなど悔しさの残る結果に終わる。 その後、シーズンではさらに「屈辱的」ともいえる一年を送った。チームは春先より低迷し、投打ともまるで噛み合わずに復調の兆しがみられないまま試合を重ねる。そして、主軸でありチームの顔でもある中田自身の成績も不振を極め、連敗が続くチームの起爆剤になれなかった。 また、シーズンが進むにつれ成績もさることながら、存在自体が霞んでしまったのも事実である。好機では凡打を繰り返し、かつて放ち続けていた威圧感も薄れ、眼光もどこか力ないものに。あきらめのようなネガティブな空気が中田を覆っているようにも感じられた一年だった。打率はリーグワースト(規定打席以上)と散々な結果となり、シーズンを通し、前年チャンピオンチームの低迷の要因として常に中田の名前が挙がり続けた。■失った多くのものを取り戻すために 2018年、中田はキャプテンを任され、オープン戦でもここまで4番での出場を続けている。栗山監督からの信頼も厚いままだ。3月4日、本拠地で行われたロッテとのオープン戦、第一号となるホームランを放ち、「まだまだこれから。チームが開幕に向けて勝てるように」と語り、新キャプテンとして結果を残す覚悟が窺える。チームを勝利に導き個人タイトルも争うような活躍を、そして、もう一度あの強烈なオーラを取り戻さなければならない。 29歳を目の前にし、残されている時間もそう多くはない。ファイターズの4番として、パリーグの顔として、主役であり続ける為にも昨年の不振を払拭させるほどの成績が求められる。それらの結果を手にするためには選手生命を懸けて挑まなければならないだろう。 そして、もうひとつ。2年後、再び日の丸を背負い、日本の4番の座を得る為にも。(佐藤文孝)
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スポーツ 2018年03月27日 06時23分
不振の表れ?浦和レッズが大学生相手の練習試合で引き分ける
25日、サッカーJ1の浦和レッズが順天堂大学相手にトレーニングマッチを敢行。45分の試合を3本行うという形式で試合が行われたが、合計スコア4‐4と引き分けに終わり、勝利を掴むことはできなかった。 1本目は開始2分にいきなりゴールを許すなど、苦しい立ち上がりとなった浦和。9分にDFの岩波拓也が得点を挙げ、試合を振り出しに戻したものの、その後はお互い無得点に終わり、1−1の引き分け。2本目は9分にFW武藤雄樹がゴールを決めたものの、その5分後に順天堂大に得点を奪われるという1本目とは逆の展開で、こちらもドローに終わった。 2戦合計2‐2で迎えたラストの3本目は3分にMF上野夏輝(浦和ユース)、11分にFW李忠成がゴールを決めるなど攻撃陣が働きを見せた浦和。しかし、その後27分と36分に立て続けに失点するなど守備陣が踏ん張り切れず、この試合も2‐2でドロー。結局、大学生相手に3本とも引き分けに終わるという結果になってしまった。 現在ベルギーに遠征している日本代表チームにDF3選手(槙野智章・宇賀神友弥・遠藤航)が選出されていることからも、完璧な陣容ではなかった浦和。しかし、それを抜きにしても、今回の試合内容はお世辞にもいいとは言えないだろう。 そもそも、今シーズンの浦和はJ1開幕から今一つピリッとしない試合が続いている。7日のルヴァンカップのグループリーグ第1節(対名古屋グランパス)では勝利しているものの、今季の公式戦で挙げた白星はこの1つだけ。リーグ戦では開幕から4試合で未勝利(2分2敗)と出だしから躓いている状況だ。今回大学生相手に引き分けに終わってしまったのも、チームの調子が今一つだということの表れなのかもしれない。 今後の戦いに不安が残る浦和だが、幸か不幸か現在リーグ戦は代表戦が行われている関係で中断中。次の試合(対ジュビロ磐田)が行われる4月1日までに、どこまで調子を戻すことができるだろうか。
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スポーツ 2018年03月26日 21時45分
篠塚辰樹に工藤政英がキックの洗礼!藤田大和快勝に天心パパ「強いねぇ」【RISE】
『RISE123』▽24日 後楽園ホール 観衆 1,800人(超満員札止め)▼第7試合 第3代RISEフェザー級(-57.5kg)王座決定トーナメント準決勝 3分3R延長1R○工藤政英(2R 1分34秒 KO)篠塚辰樹●※3ダウン。工藤が決勝進出 同い年の盟友で、同じTEPPEN GYMに所属する“神童”那須川天心とこの春から二人暮らしを始めたという篠塚辰樹。先月のデビュー戦に続いてこの日も天心がセコンドに付き、サポートした。 1R、戦前に放ってきたビッグマウスを有言実行するべく、元プロボクサーの篠原は重く鋭いパンチを繰り出した。これが工藤の顔面とボディを捉え、会場からどよめきが起こる。余裕の表情を見せ、時には蹴りも繰り出しながら工藤との距離をキープしていたようにも見えたが、工藤は1R終盤、ガードしながら三種の神器のひとつ「きもロー」(ローキック)を打ち始めてこれを凌ぐと、2Rは一転して篠塚が工藤のローキックに苦悶の表情を浮かべた。篠原は3回ダウンし、規定により試合終了。デビュー2戦目にしてKO負けを喫した篠塚は天心の肩を借りショックを隠せぬ表情で、控室に戻った。 戦前、散々挑発してきた篠塚に対して「パリピ感がある」と切り返していた工藤。篠塚にキックで文字通り洗礼を浴びせた形となったが、「今までたくさん試合をしてきたが、あんなパンチを食らったのははじめて。ズバ抜けていた」と篠塚のパンチの強さに驚いた様子。ただ試合に関しては「完全なる作戦勝ちですね」と満足げだった。 今回はひたすらローを練習していたという。「パンチの練習はしませんでした。『きもロー』があって良かった。でもその代償で今、僕の足は西野カナみたいに震えてます」と最後は足を指さし、報道陣の笑いを取っていた。決勝はライバル森本“狂犬”義久と6.17幕張メッセ大会で対決する。 KO負けを喫した篠塚は「まだ生の足の免疫がないのでは」と関係者は分析している。さらに関係者は「工藤はくるぶしのあたりに蹴ってくるので、キックがかなり痛い」と試合を分析していた。 天心のような不敗神話を頭に描いていたであろう篠塚にとっては悔しい敗戦になったが、19歳とは思えぬ色気や、新星の到来を感じさせる独特のオーラ、そしてあの強力なパンチは天心が言う「キックを広めるため」に必要な選手だ。幕張メッセ大会で王座を獲得する目標は流れてしまったが、1年はまだ長い。年内の王座戴冠に向け、今回の敗戦を前向きに捉えてもらいたい。▼第3試合 (-58kg契約) 3分3R延長1R○藤田大和(1R 2分18秒 KO)泰良拓也●※右ストレート 那須川天心と闘いたいと公言する日本人選手がたくさんいる中、昨年2回も天心と対戦し、両試合とも地上波ゴールデンタイムで放送され注目を浴びた男がいる。藤田大和だ。アマボクシング全日本選手権バンタム級優勝(2011年)の肩書きを持つ藤田は、昨年10月にRIZINマリンメッセ福岡大会で、MMAルールで天心と対戦。最後は判定で敗れたものの、天心が5分3Rで仕留められなかったことや、試合後に天心が「藤田選手は強かった」と発言したことから、注目度、知名度は一気に上がった。入場テーマ曲が、高田延彦統括本部長が現役時代に使用していた『トレーニングモンタージュ』だったことも格闘技ファンから好意的に見られている。 2度目の対戦は昨年の大晦日にさいたまスーパーアリーナで行われたRIZINキックトーナメントの決勝戦。1回戦で砂辺光久をKOし、再び天心の前に立ったが、「何もさせてもらえぬまま」1RでKO負け。完敗だった。この悔しさを胸に、天心の主戦場であるRISEへの参戦を決めた藤田。対戦相手はRISEフェザー級7位の泰良拓也だ。 藤田は序盤からパンチで試合の主導権を握り、右フックで最初のダウンを奪うと、続けて繰り出した右ストレートが泰良を捉えてダウンを奪った。キック団体のデビュー戦で見事なKO勝ちを収めた。完勝である。 「今年はしっかりキックをやって天心君に追いついて、追い越すまで頑張りたいと思います」 リング上でこう叫ぶと客席からは大きな拍手と歓声が上がっていた。藤田は退場する際、すれ違った「天心パパ」ことTEPPEN GYMの那須川弘幸会長から「強いなぁ」と声をかけられた。コメントブースに現れた藤田は「もう少し軽い感じでパンチを打ちたかった」と反省しながらも「ジャブが当たった時点で『いけるな』と思いました。被弾したけれど、効いてなかった。自分の持ち味のパワーと強さは出せたと思う。(天心に関しては)もうあんな悔しい思いはしたくないので、やり返したいと思います」とリベンジ宣言。初のRISEマットに関しては「後楽園ホールは最高でした。お客さんの顔が近かった。ここから1個ずつ勝ち上がっていきます」と笑顔で前を向いた。 天心との対戦が地上波のゴールデンタイムで放送されたこともあり、藤田はRISEにとって大きな新戦力と言ってもいいだろう。幕張メッセ大会に出場するかはまだ未定だが、天心と三たび遭遇するのか?篠塚も含めて、天心とゆかりのある2選手を長い目で見守りたい。取材・文・写真 / どら増田
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スポーツ 2018年03月26日 21時30分
「大雅も殴らないと」森本“狂犬”義久激勝!清水は大物ヘビー級選手との対戦を要望【RISE】
『RISE123』▽24日 後楽園ホール 観衆 1,800人(超満員札止め)▼セミファイナル 第3代RISEフェザー級(-57.5kg)王座決定トーナメント準決勝 3分3R延長1R○森本“狂犬”義久(判定 3-0)宮崎就斗● 工藤政英が篠塚辰樹をKOした余韻が冷めやらぬ中、宮崎と森本が入場。場内は早くも“狂犬”コールの大合唱だ。1Rから宮崎が得意としているローに森本はローを返して、スパートをかけた。森本は2R、左ストレートからのパンチのラッシュでスタンディングダウンを奪う。その後、宮崎、森本ともに鼻血を出しながらも、最後まで見応え十分の大激戦を繰り広げ判定にもつれ込んだ。間違いなくこの日のベストバウトだ。結果はダウンを奪っていた森本が3-0で勝利を収め、決勝に駒を進めたが、宮崎の今後にも期待したい。 「生意気なガキ(篠塚)が来るかと思ったけど、うさぎ(工藤)が上がってきた」 試合後に森本は“狂犬節”を爆発させたが、コメントブースでは「きょうはスタミナが切れて万全な状態じゃなかったけど、やってて途中から楽しくなってきました」と試合を振り返ると、決勝の相手について「どっちでも良かったけど、篠塚より工藤選手の方が良かったかな」と語った。 森本にとって工藤は昨年5月20日に対戦し、延長でも決着が付かず、11月23日に行われたDoAトーナメントの決勝で対戦する約束をするも、お互いに決勝まで進めず対戦できなかったライバルだ。工藤と6.17幕張メッセ大会というRISE史上最大のビッグマッチで拳を交わすことに、素直に喜びを爆発させていた。工藤も「森本戦は引くつもりはないので、かなり面白い闘いになります」と約束した。 またK-1との契約問題から、RISEへの参戦が噂されている大雅が後楽園ホールに来場し、森本の試合を観戦した。大雅が来場していたことに気づいていたという森本は「あいつはいつか殴らないといけないですね。『殴りたいリスト』に入りました」と宣戦布告。獲物に階級は関係ないようだ。▼メインイベント SuperFight!(-92kg契約)3分3R延長1R○清水賢吾(2R 1分27秒 KO)“Hitter”デビッド・トラレッロ● メインでは貴重な日本のヘビー級選手である極真会館の清水が登場。全身タトゥーのトラレッロと対戦した。肉を切らせて骨を断つスタイルの清水だが、序盤はトラレッロのゆったりとしたペースに合わせ、様子を見る。1R、トラレッロが清水の左フックをもらいダウンすると、逆にトラレッロはギアを一気に上げ怒涛の攻撃を見せる。これには清水も「焦った」ようだが、一気に攻めては休み、一気に攻めては休むトラレッロのスタイルを見切ると、2R、左フックでダウンを奪いレフェリーが試合を止めた。 しばらく納得がいかない様子だったトラレッロだが、まもなく35歳になるヘビー級戦士は健在。6.17幕張メッセ大会では「知名度の高い大物選手とやりたい」とアピール。RISE関係者も「これまでヘビー級戦線を引っ張って来られた功労者。期待に応えられるように交渉したい」とコメントした。 この日が娘の卒園式だったという清水は、卒園式に参加し娘の晴れ姿に号泣してから試合に臨んだという。「きょうは娘のために勝ちたかった。勝ってリング上で写真を撮れば記念になるじゃないですか」。そう笑う清水の顔はファイターからパパの顔に戻っていた。 6.17幕張メッセ大会は日本キック界最高クラスのビッグマッチとして、世間からの注目度も高い。日本人ヘビー級選手と、RISEだから提供できる名勝負、そして那須川天心兄妹の参戦で動員8,000人を目指す。取材・文・写真 / どら増田
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スポーツ 2018年03月26日 18時30分
センバツ甲子園 王者・大阪桐蔭の連覇を阻む有力出場校の戦力
球春到来――。90回目の記念大会となるセンバツ高校野球。注目は甲子園大会で初めて導入される「タイブレーク制」と、史上3校目となるセンバツ連覇を狙う大阪桐蔭だろう。 「今年の大阪桐蔭は、とにかく選手が揃っている。投打ともにスターが多く、同校史上最強とも称される学年が最年長となったチームです。個人的には、投手、内野手、外野手の“三刀流”根尾昂が楽しみ。足も速く、スケールの大きい松井稼頭央といった感じです。『野手・根尾』をたくさん見たいと思いますが、本人は『ショートを守ることで投手のコツが掴めた』と話していました。自身は投手中心で考えているみたいですね」 高校野球に関する著書を多く持つスポーツジャーナリスト・手束仁氏がそう語る。根尾は昨秋の近畿大会・準決勝で、今大会にも選ばれた近江(滋賀)相手に完封勝利を収めている。それも、16Kという奪三振ショー付き。プロ12球団のスカウトも、「マルチな才能がどこまで伸びるのか?」と、“最優先チェック”であることを伝えていた。 「1チームから同時にドラフト指名された最多人数は、'77年の法政大など5人でした。当人の進路希望はともかく、それを上回る可能性もあります」(スポーツライター・美山和也氏) 外野手・藤原恭大もすごい。走攻守3拍子揃った左のスラッガーで、前述の近畿大会・履正社戦では2本塁打を放ち、「本当に高校生か?」とスタンドをどよめかせた。また、守備も巧いため、「プロですぐ通用する」との声も聞かれた。 「昨秋の神宮大会で背番号1を付けた柿木蓮も注目です。スライダーと落ちるボールを駆使し、それと手首の使い方がいいのでしょう。ボールに伸び、キレがあって、球速以上のスピードを感じさせます。また、控えの左腕・横川凱が駒大苫小牧戦に投げたのも見ましたが、身長190センチの長身から投げ下ろすボール、カーブのキレは一級品でした」(スポーツライター・豊島純彦氏) 内野手の山田健太と主将の中川卓也、そして、強肩捕手・小泉航平もドラフト候補だ。当人たちの希望もあるだろうが、プロ予備軍7人を擁するスター軍団を破るのは並大抵ではない。 「7年ぶり10回目出場の東海大相模(神奈川)もいい。森下翔太は昨秋5本塁打と評判通りの活躍でしたが、遊撃手の小松勇輝に注目しています。神宮での作新学院戦の初回、小松はやや中堅寄りの右前打を放つと、躊躇することなく一気に二塁まで走りました。普通ならシングルヒット。足が速く、積極的な走塁が大量4得点の契機になりました。理想的なリードオフマンである小松が打てば、東海大相模は勝ち上がっていくと思います」(豊島氏) 昨秋の神宮大会の覇者・明徳義塾(高知)や静岡、東邦(愛知)、聖光学院(福島)、創成館(長崎)、明秀日立(茨城)も前評判が高い。 「明徳義塾は相手のミスに付け込み、スチールやエンドランを仕掛けてきます。エース・市川悠太は強気のピッチングで試合を作ってくれます」(同) 手束氏は新2年生ながら伝統校・東邦の4番を任された石川昂弥をポイントゲッターに挙げる。さらに、 「ダークホース的存在なのが日本航空石川。打撃のチームです。昨秋11試合で96得点と破壊力も抜群。一気に波に乗るかもしれません。近江も面白いですよ。新3年生のエース左腕・金城登耶も好投手ですが、神奈川県に遠征した試合では同じ左腕の林優樹が投げていました。スリークオーター気味のフォームで、いわゆるムービングボールを投げてくるんです。実力なら創成館。エースの川原陸はプロ注目の左腕です。少ない投球数で完投でき、それでも奪三振数が2ケタに届いています」 東北の雄・聖光学院は右肘故障から這い上がったエース衛藤慎也がカギを握る。打線は「同校史上最強」といわれ、東北大会4試合で1試合平均13安打、11得点の破壊力を持つ。神宮4強の静岡は、鈴木翔也、春翔一朗の二枚看板がウリだ。 「明秀日立のエース細川拓哉はDeNA細川成也の弟。1番・遊撃の増田陸は走攻守3拍子揃っていて、ソフトバンクの松田宣浩に似ています。金沢成奉監督は光星学院時代に坂本勇人(巨人)、北條史也(阪神)らを育てており、能力の高い選手が多い。初出場とはいえ侮れません」(美山氏) また、明徳義塾と初戦でぶつかる中央学院(千葉)には“大谷”がいて、関東圏では注目度も高かった。 「大谷拓海は投手で4番、投げない日は外野を守ります。『大谷』がコールされるだけでスタンドから拍手が沸くんです。こういう選手は貴重ですよね。相馬幸樹監督は社会人・シダックスで野村克也さんの薫陶を受けており、チームもまとまっています」(手束氏) 明徳義塾の馬淵史郎監督も大谷には一目置いていた。すでに神宮大会で対戦しているが、左打者の大谷が左翼席に運んだ一撃を見て、「あそこまで飛ぶとは…」と驚いていた。星稜・松井秀喜、早実・清宮幸太郎とも対戦してきた名将は、彼らに勝るとも劣らない逸材に警戒を示す。 「大谷のマイナスを挙げるとしたら、左バッターに投げにくそうにしている点。ボールがシュート回転するので痛打される。でも、右打者には得意のスライダーを外角に決めていました。スリークオーター気味の投球フォームをオーバースローに改造したようですが、シュート回転の悪癖が克服されれば…」(豊島氏) 中央学院の試合を見た美山氏は“同校2人目の二刀流”西村陸もポイントとなる選手に挙げていた。 「右サイドスローで、技巧派ではなく、スピードでも勝負できるタイプ。大谷だけではなく、他にも好投手が控えています」 馬淵監督は「甲子園通算50勝」に王手を掛けている。二刀流退治で、節目の勝利を飾れるかにも注目が集まる。 16日に行われた組み合わせ抽選会では“身内対決”も話題になった。順調に勝ち上がればの話だが、準々決勝で智弁学園(奈良)と智弁和歌山の“同門”が激突するかもしれない。 また、今大会では新ルールのタイブレーク制がいきなり見られるかもしれない。過去10年、甲子園大会808試合を調べ直したところ、延長戦にもつれ込んだのは78試合。うち、タイブレーク制の対象となる13回以降に突入したのは10試合。つまり、1.2%の割合でしか新ルールは適用されないことになる(本誌調べ)。 しかし、そのタイブレーク制となる10試合の内訳は、春9試合、夏1試合。つまり、センバツはタイブレーク制に突入しやすい大会ともいえる。 「昨年のセンバツでは、『延長15回引き分け再試合が2回もありました。これにより、導入が加速されました』(手束氏) タイブレーク制は延長13回に突入した場合に行われる。「無死一、二塁」から開始され、前イニングに7番バッターで攻撃を終了させたら、「6番打者が二塁走者、7番打者は一塁走者」となり、8番バッターが打席に立つ。人為的な措置のため、それまでの試合の流れを遮ることが、導入反対の主な理由だった。 「センバツは投手力の大会といわれています。無死一、二塁からの試合再開となれば、作戦の選択肢が広がります。重盗、エンドラン、バントで好投していた投手が一気に打ち崩されてしまう事も。守る側もバント処理、牽制、守備位置を変えるサインプレーなど基本的な動きが問われます」(美山氏) 90回目の記念大会は、新たなドラマを生みそうだ。
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スポーツ 2018年03月26日 17時50分
オリックス担当記者が分析する開幕展望〜開幕ローテ編〜【オリックス】
オリックスは25日、本拠地でのオープン戦で阪神と引き分け、全日程を終了した。14試合を戦い、7勝5敗2分。5位というまずまずの成績を収め、レギュラーシーズンを迎えることになった。 「いよいよ3月30日より2018年シーズンが始まります。われわれ選手一同、優勝目指して、熱く、強く、気持ちを持って試合終了まで全力で戦います。皆さんの声援が力になります。2018年シーズンも熱い声援をよろしくお願いします」 試合後にファンクラブ会員をグラウンドに招いて行われた出陣式で、選手会長のT-岡田がこのように挨拶すると、ファンは期待を込めて大きな拍手を送った。 「今年こそ…って毎年言ってるんですけどね」 エースの金子千尋は自虐気味に話していたが、チームもファンも「今年こそ」優勝したい、してほしいと思う気持ちは強い。それは取材している私たち「オリックス番」にとっても同じ思いである。球団統合後、優勝は2010年の交流戦のみ。金子はオリックス・バファローズの1期生ということもあり、優勝したい気持ちは強いし、ファンの悔しさも肌で感じている。 ケガによる出遅れがあった年を除けば、ほぼ毎年開幕投手を務めてきた金子。実際、2016年からは2年連続で務めてきた。しかし、今年は登板数を抑えて登板間隔を維持するため、高卒10年目の西勇輝に大役を譲ることになった。西は初の開幕投手を務める。現時点での開幕ローテーション予想は次の通りだ。3月30日(金) 西勇輝(対ソフトバンク/ヤフオクD)3月31日(土) 田嶋大樹(対ソフトバンク/ヤフオクD)4月1日(日) 山岡泰輔(対ソフトバンク/ヤフオクD)4月3日(火) 金子千尋(対千葉ロッテ/京セラD)4月4日(水) 山本由伸(対千葉ロッテ/京セラD)4月5日(木) ディクソン(対千葉ロッテ/京セラD) 新外国人アルバースとローテーションの残り1枠を争う高卒2年目の“オリの神童”山本だが、23日のファームの広島戦(舞洲)で最速157キロを記録し、8回を3安打無失点の好投。球数も103球と100球を超えた。福良監督は昨年から「由伸は100球投げさせたときどうなるか」と課題を口にしていただけに、ファームとはいえ課題をクリアしたことは大きい。スタミナ面で監督の信用を勝ち得てないアルバースをロングリリーフもできる中継ぎに回し、山本を先発で起用する可能性が高まっている。 「上で何かあったときのために、準備はしてもらわないと困る」 オープン戦の最後に支配下登録されたばかりの高卒2年目、榊原翼が阪神の上位打線を三者凡退で打ち取る好投を見せると、福良監督は榊原の投球を称賛するとともに、ファームの選手にメッセージを送った。ファームでは吉田一将、松葉貴大、山崎福也、山田修義、東明大貴、吉田凌、佐藤世那ら、1軍の試合で先発可能な選手が声がかかるのを手ぐすねを引いて待っている。佐藤達也、塚原頌平、比嘉幹貴、齋藤綱記、鈴木優、ルーキーのK-鈴木ら中継ぎ陣も同じだ。投手層の厚さはソフトバンクに引けをとらない。 オープン戦では防御率1位の好成績を収めた。今シリーズから3年ぶりにチームに復帰した高山郁夫投手コーチのもと、「投手王国復活」に向けて期待がかかる。シーズンが始まり、ルーキーの田嶋や2年目の山本にある程度計算できるようになれば、ソフトバンクともいい勝負ができるはずだ。田嶋と山本がローテの鍵を握っていると言ってもいいだろう。 ソフトバンクとの開幕3連戦は投手力で強力打線をねじ伏せたい。取材・文・写真 / どら増田
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スポーツ 2018年03月26日 17時45分
センバツで再注目 ノムラID野球を巡るNPBの裏話
高校球界にも「ノムラID野球」が浸透――。甲子園球場では第90回記念大会のセンバツ高校野球大会が繰り広げられている。大会3日目の3月25日、明徳義塾(高知県)が中央学院(千葉県)にサヨナラ勝ちした。同校を率いる馬淵史郎監督(62)は、これで甲子園通算50勝である。劇的なサヨナラ3ランアーチで節目を飾ったわけだが、両校の対決は異様な盛り上がり方を見せていた。「馬淵監督は冬の期間、基礎体力面で徹底的に選手を鍛え上げます。対する中央学院の相馬幸樹監督は社会人野球・シダックスの出身、野村克也氏に薫陶を受けた若い指導者です」(アマチュア担当記者) 馬淵監督はやみくもに選手を鍛えているのではない。また、中央学院の練習量が少ないという意味でもない。ノムラID野球とは,平たく言えば、対戦チームの傾向をまとめ、それに応じて作戦を立てていく。ID野球と名将がぶつかったら、どんな試合になるのかが注目されていたのである。 野村氏に学んだ選手のなかには指導者となった者も多い。氏が専任監督を務めたヤクルト、阪神、楽天以外にも散り、ID野球は現プロ野球の戦力の礎となったと言っても過言ではない。「ID野球は各球団でさらに改良されています。今日ではメジャーリーグ式のデータ収集法、選手能力の分析法も広まっていて、各球団とも、事細かな戦略を立てています」(プロ野球解説者) ID野球は監督・野村のミーティングで説明されていったという。そのせいだろう。こんな声も聞かれた。「今さらだが、そのミーティングノートがほしい」――。それも、一部のプロ野球関係者、現役の球団スタッフからそんな声が出ているのだ。「実は、ミーティングノートのオリジナルを持っていないのは、ヤクルトなんです」(球界関係者) ヤクルトはID野球を提唱した最初のチームでもある。野村氏がヤクルトの指揮官を務めたのは1990年から98年、その後、阪神、シダックス、楽天を渡り歩いているが、ヤクルト球団だけがミーティングのオリジナルノートを持っていないそうだ。 ヤクルトOBの一人がこう言う。「その通りですよ。野村さんが監督を務めていらした9年間のミーティングノートのオリジナルはヤクルトにはありません。だって、個人財産ですから」 この「個人財産」なる言葉が意味深い。同OBによれば、当時の野村氏のミーティングはホワイトボードで行われたという。学校の授業のように野村氏がボードに書き、それを選手たちがノートに書き記していく。話に熱が入ると、ボードを消してすぐに次のことを書きなぐっていく。そのスピードに付いていけない選手も出て、隣の席に座っている者のノートを覗いて書き足していくという、まさに学校の授業のようなミーティングがされていたそうだ。 この話を阪神OBの元プロ野球選手に聞いてみた。「阪神でのミーティングはちょっと違いました。プリントが配られ、それを教科書のように使って野村さんが説明してくれました」 阪神に詳しいプロ野球解説者によれば、当時のナインから、「野村さんの筆記が早すぎる」との苦情が出て、球団スタッフがプリント物を作成することに改められたのだという。阪神指揮官に就任した1年目の途中からそのように変更されたという。また、シダックス、楽天の関係者にも確認してみたが、「メインは野村氏の話」としつつも、ノート記述以外にも、プリント物やプロジェクタースクリーンなどが使われていたそうだ。 つまり、ヤクルトだけは”ミーティングの副教材”を作らなかったため、結果的にIDノートが残らなかったわけだ。「野村さんがヤクルトで指揮を執られた9年間でIDノートが完成するとすれば、そのミーティングに皆勤賞で出席できた選手だけが『原本』を作ることができたと言えます。その間、トレードなどで移籍してしまった選手もいれば、9年間在籍したとしても二軍降格で野村さんのミーティングに出られなかった選手もいます。でも、苦労してノートを書いた甲斐もあって、だいたいのことは記憶しています」(前出・ヤクルトOB) 戦略の説明、選手に喝を入れる、スケジュールの伝達、ミーティングにはいろいろな要素があるが、プロ野球各チームに「副教材作成」が定着しなかったのは、「有効な戦略」を作れる指揮官が現れなかったためか…。30日にプロ野球ペナントレースが開幕する。12球団の指揮官は試合前のミーティングでどんな言葉を掛け、選手をグラウンドに送り出すのだろうか。
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スポーツ 2018年03月26日 17時24分
それでも中日は一軍で使う? オープン戦登板も結果が出ない松坂大輔の起用法は…
25日、ナゴヤドームで行われたプロ野球オープン戦中日対ロッテに、松坂大輔が登板した。 先発を任された松坂だが、かつてのような速球は鳴りを潜め、スライダーなど変化球を中心。それでも3回までは走者を出しながらも無失点に抑える。 ところが、打線が一巡した4回に捕まる。先頭の藤岡にストレートを弾き返され二塁打を許すと、続く中村もセンター前ヒット。4番井上は三振に抑えたが、5番鈴木大地に真ん中に入ったスライダーをライト線に運ばれ、2失点。 さらに、6番のベテラン福浦には、外角140キロのストレートをレフトフェンス手前まで運ばれ、二塁打でまたも失点。その様子に、かつて「平成の怪物」と言われた面影はまったくなかった。 それでもなんとか後続は抑え、5イニングを3失点にまとめた松坂。メジャーリーグでは「クオリティスタート」と呼ばれ、一定の評価が与えられる投球だけに、地元テレビ局の中継では、「4月4日巨人戦は松坂投手が投げるかもしれません」とアナウンスし、登板を煽る。 試合中にもかかわらず、インタビューを受けた森繁和監督は、松坂の投球について「いい場面もあったけど、まだまだというところもあったし、いろんなやらなきゃいけないことがたくさんあると思いますよ」とコメント。 そして、松坂の先発ローテーション入りについては、「今はそこにあてはまるかどうかは。彼もリハビリ中っていうか、状況を見ながら投球してますから。これから本人がどの程度まで持っていくか」と冷静に分析する。 今日の試合で「ローテーション確約」とまではいかなかった松坂。この様子にネットユーザーからは「二軍に行くべき」「勝てる気がしない」などと厳しい声が。その一方で、「今の中日では使わざるを得ない」「人気だけで十分」など、擁護する意見もあった。 「現在の中日には、全国的に知名度が高く客を呼べるようなスター選手がいません。松坂の獲得は、戦力というより、客寄せという側面が強い。 実際、名古屋のマスコミは盛んに松坂を取り上げ、盛り上げに躍起になっている。なんとか目玉を作りたいのでしょう。 しかし、松坂はオープン戦3試合すべてで失点し、かつてのようなストレートの勢いもなく、コントロールもアバウトで、勝てる内容ではない。 営業側としては松坂で盛り上げたいのでしょうが、若手投手の士気を考えると、二軍スタートが妥当。首脳陣もそのあたりはわかっていると思いますが、巨人相手に公式戦で松坂が投げるとなれば、そこそこ注目もされるはず。 勝負度外視で、4月4日の巨人戦に先発させるのではないでしょうか。本来なら、若い選手を投げさせ、育成させるべきなのですが」(野球関係者) 厳しい声の多い松坂大輔。今シーズン、かつてのような輝きを取り戻すことができるのだろうか?
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スポーツ 2018年03月25日 18時00分
プロレスラー世界遺産 伝説のチャンピオンから未知なる強豪まで── 「上田馬之助」日本プロレス界の発展に尽くした“金狼”
日本人では初の本格ヒール(日系レスラーを除く)として新日本、全日本、国際プロレスの各団体で暴れ回った上田馬之助。悪逆の限りを尽くしながら、日本マット界への思い入れは人一倍であったという。 「悪役の方が、実は裏ではいい人」というのは、プロレス界においてよく言われることだが、確かにそうした傾向はあるようだ。 誰もがスターを目指す中にあって、ベビーフェイス(善玉)を盛り立てる憎まれ役をあえて引き受けるのだから、お人好しとすら言えようか(もちろん例外はあるのだが…)。だいたい根っからの悪人が凶器攻撃などの反則を犯した日には、どんな大事故が起きるか分かったものではない。 そんな“悪役=善人”をまさに地で行ったのが、上田馬之助であった。 「生前の上田は『悪役のイメージが崩れるから』と公表を拒んでいたが、障害者施設への慰問などボランティアに熱心だったことは、関係者の間ではよく知られた話でした」(スポーツ紙記者) インディー団体IWAジャパンの巡業中、自動車事故に遭った際には、自身が全身麻痺の重傷を負ったにもかかわらず、運転していた営業部員が亡くなったと聞くと「なんで若い者が死ななきゃいけないんだ。俺が死ねばよかった」と、人目もはばからず号泣している。 日本プロレス時代に“裏切り者”の汚名を着せられた件も、そうした人の好さに起因している。アントニオ猪木が腐敗した会社幹部の一掃を画策した際、当初は賛同していた上田が密告し、それが猪木追放につながったという事件である。 しかし、のちの関係者の証言によれば、猪木の“日プロ乗っ取り”を幹部に伝えたのは、上田を詰問してその計画を吐かせたジャイアント馬場だったという。これについて上田は「(馬場をエースに担いでいた)当時の社内状況ではとてもそのことを言える状態ではなく、自分が罪をかぶらざるを得なかった」と、後年に語っている。 日プロ幹部にしてみれば、「上田を悪者にして事態を収束し、これからも馬場と猪木で稼いでいこう」との気持ちがあったのだろう。 しかし、当事者である猪木だけでなく馬場までもが退団していく中で、冷遇された上田は、日プロ崩壊のそのときまでリングを守り続けた。裏切者とのそしりを受けようが、尊敬する力道山が創設した団体を離れることができなかったのだ。 その後、いったんは馬場率いる全日本プロレスの所属となるが、これを離脱して1974年頃からアメリカへと主戦場を移す。東洋人としては珍しく、長身で見栄えのする上田は、アメリカマットで悪役人気を高めることになるが、そうなると放っておかないのが日本のプロレス界である。 当時としては、まず本格的な日本人ヒールというのが珍しく、日プロ仕込みの技術があって仕事はバッチリ。外国人と違って交渉もしやすく、何よりファイトマネーが安くつく。 「安いというのはあくまでも日本の団体の都合で、本来ならフリー参戦の上田には、外国人並みの処遇をするのが当然。しかし実際のところは、団体所属の日本人選手と同等の扱いだったようです」(同) 新日本プロレス参戦時には、主にタイガー・ジェット・シンのパートナーを務めた上田だが、これはまだ粗削りだったシンを手助けする“お守り”の意味も大きかった。それでいてファイトマネーは、シンよりも格段に安かったという。 ならばアメリカで、トップヒールを目指した方がビッグマネーをつかむチャンスはあっただろう。'74年の渡米時には骨を埋める覚悟で、家族も連れていっている。しかしながら、上田は日本での闘いを選んだ。 「その理由は一つではないかもしれないが、上田にとっては“日本のプロレス界のため”という意識が大きなウエートを占めていたことは確かでしょう」(同) 言うなれば、メジャーの契約を蹴って広島カープへ戻った、黒田博樹のプロレス版といったところだろうか。師と仰ぐ力道山がつくった日本のプロレス界、これに対する上田の愛情は深く、日プロ時代に交付されたプロレスラーのライセンス証を終生にわたって肌身離さず持ち続けた。 インディー団体に参戦するようになってからも「力道山先生の頃の本格的なプロレスを復活させたい」と、事あるごとに口にしてきた。 自動車事故で車椅子の生活となった後、自身のリングネームを九州の小さな地域団体の選手に譲って2代目を名乗ることを許したのも、「自分はリングに上がれなくても何か役に立ちたい」との気持ちがあってのことではなかったか。 「力道山の頃とは時代が違う」との声もありそうだが、自身の損得よりも日本プロレス界の発展を願った上田の遺志は、決して軽んじられるべきではない。上田馬之助1940年6月20日〜2011年12月21日。愛知県出身。身長190㎝、体重118㎏。得意技/竹刀攻撃、クロスチョップ。文・脇本深八(元スポーツ紙記者)
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スポーツ 2018年03月24日 06時14分
大不振のロサリオに「開幕4番」を通達 金本監督が企てるシーズン途中のトレード劇
オープン戦の打率は1割5分4厘。「不動の4番候補」として獲得した阪神のウィリン・ロサリオ(29)が不振に喘いでいる。金本知憲監督(49)は「開幕4番」を本人に告げたそうだが、不振が長引けば“アノ話”が再燃してきそうだ。 「金本監督は確信があって、ロサリオに4番を申し渡したわけではありません。打ってもらわなければ困るという喝ですよ」(在阪記者) 推定年俸3億4000万円。近年、阪神は助っ人に対し、「いきなり、3億円」といった大型契約を結んでこなかった。大型契約でなければ来日してくれない一流選手を避けてきたせいもあるが、「活躍できなかったときのリスク」を恐れ、メジャーとマイナーを行き来している選手のなかから日本向きのタイプを見つけてきた。リスクを冒してまでロサリオの獲得を決めたのは、金本監督が強く大砲タイプの補強を訴えたからである。 ライバル球団の関係者がこう言う。 「ボールを遠くに飛ばす力は、たしかに一級品です。詳しくは言えないが、打てるコースと打てないコースがはっきりしています。まあ、2月の練習試合の段階から各球団はデータを取るため、試験的にいろいろなコースを投げていきました」 こういう話を聞かされると、不振脱出には時間が掛かりそうだ。4番を予定していた選手が打てないとなれば、金本監督は苦しい展開を強いられる。 「フロントも『今年こそ優勝』の機運が高まっています。ロサリオが本当にダメなら、シーズン途中でもそれに変わりうる選手を補強してくるでしょう」(プロ野球解説者) とはいえ、金本監督のお眼鏡に適う選手は残っていないだろう。 「国内トレードですよ。阪神のフロント幹部はキャンプが始まったばかりのころ、『もう補強はしない』と言い切っていました。オフの補強に成功したと自負していたためですが、先発投手に不安が残ると見るなり、西武から岡本を獲得するトレードをまとめました。今年の阪神は迅速な補強を仕掛けてきます。その迅速さに他球団も警戒しています」(球界関係者) ロサリオの代役は外国人選手ではなく、国内トレードということになりそうだ。長距離タイプ、相手球団が手放す可能性のある選手…。思い当たる選手は日本ハムの中田翔(28)だけだ。 「日ハムの栗山(英樹=56)監督は中田に主将役を託すなどし、発奮材料を与えています。でも、中田自身、清宮中心のチームを作ろうとしている流れは察しています。一軍戦力の交換要員を挙げられれば、日ハムも前向きに動いてくるでしょう」(前出・同) 日ハムはフロント主導のチームでもある。戦力を「主力、控え、若手、余剰」の4つに分け、高額年俸となったベテランは厳しい立場に置かれる。FA権を取得したチーム功労者が権利行使しても引き止めないできたのはそのためで、また、「メジャーリーグ、他球団が欲しがる選手を育てていく」の方針だ。 「金本監督は昨季20本塁打を放った成長株の中谷(将大=25)を二軍に降格させました。再調整が目的ですが、ロサリオ不振のときに大砲タイプの若手を一軍から外したということは『次の策』があるからでは?」(前出・プロ野球解説者) ロサリオに懸けてみる。不振脱出の兆しがなければ、阪神フロントは“迅速な補強”を仕掛けてくるだろう。 チーム危機は巨人も同じ。そこでシーズン途中でも獲得できる大砲ということで中田が再浮上してきた。 GT争奪戦となるか、それとも、阪神が緊急措置で踏み切るか、日ハムはいずれにしてもウエルカムだ。
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