先発を任された松坂だが、かつてのような速球は鳴りを潜め、スライダーなど変化球を中心。それでも3回までは走者を出しながらも無失点に抑える。
ところが、打線が一巡した4回に捕まる。先頭の藤岡にストレートを弾き返され二塁打を許すと、続く中村もセンター前ヒット。4番井上は三振に抑えたが、5番鈴木大地に真ん中に入ったスライダーをライト線に運ばれ、2失点。
さらに、6番のベテラン福浦には、外角140キロのストレートをレフトフェンス手前まで運ばれ、二塁打でまたも失点。その様子に、かつて「平成の怪物」と言われた面影はまったくなかった。
それでもなんとか後続は抑え、5イニングを3失点にまとめた松坂。メジャーリーグでは「クオリティスタート」と呼ばれ、一定の評価が与えられる投球だけに、地元テレビ局の中継では、「4月4日巨人戦は松坂投手が投げるかもしれません」とアナウンスし、登板を煽る。
試合中にもかかわらず、インタビューを受けた森繁和監督は、松坂の投球について「いい場面もあったけど、まだまだというところもあったし、いろんなやらなきゃいけないことがたくさんあると思いますよ」とコメント。
そして、松坂の先発ローテーション入りについては、「今はそこにあてはまるかどうかは。彼もリハビリ中っていうか、状況を見ながら投球してますから。これから本人がどの程度まで持っていくか」と冷静に分析する。
今日の試合で「ローテーション確約」とまではいかなかった松坂。この様子にネットユーザーからは「二軍に行くべき」「勝てる気がしない」などと厳しい声が。その一方で、「今の中日では使わざるを得ない」「人気だけで十分」など、擁護する意見もあった。
「現在の中日には、全国的に知名度が高く客を呼べるようなスター選手がいません。松坂の獲得は、戦力というより、客寄せという側面が強い。
実際、名古屋のマスコミは盛んに松坂を取り上げ、盛り上げに躍起になっている。なんとか目玉を作りたいのでしょう。
しかし、松坂はオープン戦3試合すべてで失点し、かつてのようなストレートの勢いもなく、コントロールもアバウトで、勝てる内容ではない。
営業側としては松坂で盛り上げたいのでしょうが、若手投手の士気を考えると、二軍スタートが妥当。首脳陣もそのあたりはわかっていると思いますが、巨人相手に公式戦で松坂が投げるとなれば、そこそこ注目もされるはず。
勝負度外視で、4月4日の巨人戦に先発させるのではないでしょうか。本来なら、若い選手を投げさせ、育成させるべきなのですが」(野球関係者)
厳しい声の多い松坂大輔。今シーズン、かつてのような輝きを取り戻すことができるのだろうか?