スポーツ
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スポーツ 2016年02月16日 12時13分
キャンプ番外編 新ルール適用で阪神が逆恨みされる?
2月8日、阪神キャンプでこんな光景が見られた。走者を置いた実戦形式の内野守備練習で、前進守備を敷いていたショート鳥谷が打球を処理し、軽快なフットワークで本塁に送球した。三塁走者は打球が転がるのと同時にスタートを切っていたが、完全にアウトのタイミングだった。しかし、捕手が三塁走者にタッチをした瞬間、ホームベース後方に立っていた審判が「セーフ」をコールした。矢野燿大作戦兼バッテリーコーチが慌てて審判のもとに歩み寄り、“確認”を行う。 捕手の左足がホームベースの一部に乗っていたという。ランナーの走路を妨害したと見なされ、セーフと判定されたのだ。 今シーズンより、プロ野球のルールが一部変更された。守備側の選手がランナーの進路を妨害した場合は「セーフ」になる。本塁ベース上での捕手と走者の激突を防ぐためのルール変更で、今後、捕手はホームベースを完全に空けておかなければならない。したがって、捕手は本塁ベース前に立ち、捕球後、ミットを動かしてタッチすることになる。俗に言う、“追いタッチ”のかっこうだ。 「昨季で退団したマートンが本塁ベース前で相手捕手を何度も突き飛ばし、病院送りとなったケースもありました。スライディングを試みた走者が捕手のブロックに合い、故障することもあり…」(球界関係者) ホームベースを完全に空けておくルールになれば、走者はスピードを緩めずに突っ込むこともできる。ただでさえ、“追いタッチ”では遅れてしまうのに、だ。 キャンプを見ると、どの球団も新ルールの確認を兼ね、本塁送球の連係プレーに時間を割いていた。2月2日、巨人も派遣審判とともに守備練習で確認を行ったが、高橋由伸監督は審判団に「送球が一塁方向に逸れ、捕手がホームベースに寝そべるように戻った場合も適用されるのか」など、実戦で起こりうるケースを具体的に挙げ、長く話し込んでいた。 「審判団は『状況によってはVTRで確認する』とも各球団に伝えています。1点を争う場面になったら、走路妨害かどうかで、相当もめると思われます」(プロ野球解説者) 新ルールでは送球が逸れ、結果的に捕手がホームベースをふさいでしまった場合も「走路妨害」と見なすという。捕逸により、投手がホームベースのカバーに向かったときや、スクイズプレーも同様である。これまでタイミング的に「アウト」だったケースも「セーフ」になるだろう。 内野手はより正確な送球コントロールとスピードが要求される。捕手が追いタッチをやりやすくするため、野手は「向かってやや右側」に狙って投げなければならない。 「審判によって、走路妨害かどうかの判断が異なる可能性も高い。内野手は前進守備の位置も今まで以上に前方に変えなければなりません。そうなると、強い打球を捕球できなかったなんて場面もあるかもしれない。三塁に走者を置いたら、1失点を覚悟するスタイルに変わるかもしれません」(前出・同) 怪我防止は重要だが、各チームとも総失点を増やすのは必至。あくまでもキャンプ第2クールを見た限りだが、この新ルールにまだ適応できない捕手も実際にいた。繰り返しになるが、新ルールの確認プレーの後、どの球団からも退団したマートンを恨む声が聞かれた。冗談だと思うが、憂さ晴らしでセ5球団が「阪神戦で猛打爆発」なんてことにならなければいいのだが…。
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スポーツ 2016年02月15日 17時37分
2016年プロ野球キャンプ情報「混セとパ1強5弱」説は本当か?(巨人編)
2月12日、紅白戦が行われた。白組の2番左翼で出場した重信慎之介(22=早大ドラフト2位)が存在感をアピールした。3安打の猛打賞となったのは既報通りだが、特記すべきはセンター前ヒットで出塁した7回の走塁だ。次打者・亀井の右中間に放った二塁打で、一気にホームまで帰って来た。塁間90フィールド(約27・4m)でトップスピードに入れる脚力は光るものがあった。三塁を蹴った後、普通の選手は遠心力で少し外に流れるが、それがない。しかも、一・二塁間で打球を一瞥した後は、本塁まで前しか見ていない。打球の飛んだ箇所、その勢い、相手の守備位置から、「本塁まで帰れる」と瞬時に判断したのだろう。重信は一流の走塁センスを持っている。 同じく、白組の先発マウンドを託されたドラフト1位・桜井俊貴(22=立命館大)が2回パーフェクトと好投したのは既報通りだが、気になったのは時折、捕手に背を向け、顔をしかめる仕種。今にも降り出しそうな空模様で寒さもあり、思うようなボールが投げられなかったからかもしれない。この日の球速は142キロが最速。本人は「ストライク先行で良かったと思います。コーナーにも投げ分けられ…」と試合後に話していたが、顔をしかめる仕種から察するに「俺の投球はこんなモンじゃない」と、結果に納得していなかったのだろう。この時期、打者は投手に比べ、調整が遅れている。だとしても、桜井は実戦向きであり、試合のなかで投球を修正し、調子が悪ければ悪いなりにまとめる能力を持っているのだろう。 高橋由伸監督(40)は桜井の先発ローテーション入りを計算している。菅野智之、マイコラス、ポレダ、高木勇人。桜井を含め、5人までは先発候補の名前が出てくる。しかし、手術をした杉内俊哉の復活時期は伝えられていない。昨季絶不調だった内海哲也も、ブルペンを見る限り、真っ直ぐにキレが戻っていない。自ら先発転向を志願したマシソンだが、桜井が好投した12日の紅白戦で紅色の先発マウンドに上がった。こちらも2回無失点だが、被安打3。盗塁を2回も許しており、先発投手の必須事項であるクイックができていなかった。昨季までは投げていなかったツーシーム系の変化球(チェンジアップ?)で緩急を付けていたのは良しとしても、及第点は付けられない。 紅組2番手の田口麗斗(20)、紅組3番手の中川皓太(21=東海大ドラフト7位)にもチャンスはあるのではないだろうか。この両左腕が先発争いのダークホース的存在だ。田口は13試合に登板した経験もある。2ストライク後、意識して低めに投げており、この投球スタイルで長いイニングを投げられるのであれば、ローテーション入りできるだろう。新人の中川は紅白戦で4失点と炎上したが、カーブの曲がり幅が大きい。そのカーブが時折、高めに抜けるのが気になるが、スライダー系のボールもあり、そのいくつかの変化球でストライクカウントを先行させることができるのであれば、十分に戦力になる。左腕の振りが強い。ボールをリリースする瞬間、その腕の振りの強さがしっかりと伝わっているので、130キロ台の真っ直ぐでもホームベース手前で伸びているのが分かる。 新外国人のギャレットだが、変化球にも対応できそうだ。しかし、紅白戦で桜井から三振を喫したように、速いボールに差し込まれていたのがちょっと気になる。 おそらく、巨人は昨季とスターティングメンバーがさほど変わらないだろう。高橋監督は「4番阿部」を公言しており、坂本、長野、村田が復調できるかが優勝のカギとなる。新二塁手は前千葉ロッテのクルーズだろう。投手陣だが、菅野智之が順調な仕上がりを見せていた。昨季は勤続疲労で精彩を欠いた山口鉄也のボールにもキレがあった。菅野、マイコラス、桜井はともかく、今年の巨人は先発4番手以降がちょっと弱い。山口、2年目の戸根、澤村の救援陣がフル回転するシーズンになりそうだ。
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スポーツ 2016年02月14日 13時00分
2016年プロ野球キャンプ情報「混セとパ1強5弱」説は本当か?(DeNA編)
2月7日、DeNAベイスターズは初の紅白戦を行った。しかし、アレックス・ラミレス監督(41)は試合後、多くを語ろうとはしなかった。ラミレス監督が挙げるチーム再建策は、主に2つ。1つはセンターラインの強化だが、就任直後から再三繰り返してきたのは、バッテリーに徹底したインコース攻めである。初の紅白戦で、ラミレス監督はベンチから配球サインを出した。全てではないが、これには正捕手候補の嶺井、黒羽根、高城、そして、新人の戸柱もショックを受けたはずだ。本当に力のある者を、ダメ出しされて這い上がってきた者を使うつもりなのだろう。 ラミレス構想もこのキャンプで見えてきた。 11日の紅白戦では、梶谷隆幸を「2番中堅」で使っている。昨季まで3番右翼で使われることが多かったが、攻撃的2番打者とし、強化ポイントのセンターラインの一角も託すつもりなのだろう。その梶谷も攻守の中心選手の自覚からか、体が一回り大きくなっていた。オフの間、相当体を鍛えていたと思われる。 昨季2割7分5厘だった梶谷が『2番』で打率3割を超えてくれば、主砲・筒香の打点も増えてくる。筒香の前後はロペス、新加入のロマックで固めるとすれば、DeNA打線は脅威である。また、紅白戦2試合で頭角を表しつつある若手が2人いた。1人は11日紅白戦で『1番二塁』に入った山下幸輝である。バットが振れており、打球に勢いがあった。同様に、守備、代走で存在感を見せてくれそうなのが渡邊雄貴だ。梶谷の中堅コンバートによって、右翼は荒波、関根、松本らで争われるものと思われるが、渡邊は動きが軽快で、守備範囲も広い。紅組の『2番中堅』(11日)で出場し、快心の一打こそなかったが、一塁ベースまで走るスピードはチームでもトップクラスである。3年目の関根大気ともタイプが重なるが、関根は左打者、渡邊は右打者。打撃力は関根のほうが上だが、紅白戦で使ったということは、ラミレス監督も育ててみたいと一目置いているのだろう。 センターラインだが、固定するに越したことはない。おそらく、二塁手は実績のある石川雄洋が任されるだろう。遊撃手のほうだが、守備能力では新人の柴田竜拓(3位)がいちばん巧い。昨季102試合に出た倉本寿彦、81試合出場の白崎浩之、山崎憲晴などもいるが、彼らは守備で味方投手の足を引っ張る場面も少なくなかった。打撃力に関しては4人ともイマイチ。守備力で柴田がレギュラーに一歩リードとも言えるが、バットの振れている山下もショートでノックを受けるときがあったので、ここだけは“日替わり”になる可能性も高い。 三塁を守る予定の新外国人のロマックだが、低めを捉えるのが巧かった。フルスイングしても、後ろ足にしっかり体重が残っているので変化球にも対応できるだろう。 投手陣だが、昨季の新人王・山崎康晃が自身にブレーキを掛けているような調整をしていた。昨年は先発候補としてプロ生活をスタートさせ、オープン戦が始まったころ、大学時代に経験した救援にまわった。キャンプ序盤にも関わらず、100球前後を投げ続けていたが、今年は走り込み中心の練習で、捕手を座らせての投げ込みを見せたのは2月9日だった。飛ばしすぎないマイペース調整を許したのは、首脳陣も“大人扱い”しているからだろう。2月9日になっての初投球は明らかに遅い。しかし、同日の約40球の投げ込みだが、カーブ、スライダー、ツーシーム系の落ちる変化球も織り交ぜていた。いきなり、変化球を投げてきたということは「肩はできている」わけだ。この山崎がしっかり投げてくれれば、先発陣が多少弱くても逃げ切れる。ラミレス監督は山口俊の開幕投手を予告している。先発ローテーションには新人の今永昇太も加わってくるはず。中畑時代に筒香、梶谷が頭角を表した。ラミレス監督のもとで新たに山下、渡邊、柴田、今永が結果を出せば、Aクラス争いは確実なのだが…。
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スポーツ 2016年02月14日 12時00分
「両国に連れていきます」飯伏、ケニーを撃破! IWGPジュニア王者KUSHIDAのブレない気持ち
今から遡ること2年前の2014年。「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」6.6京都大会でKUSHIDAに敗れた“ジュニアヘビーのレジェンド”獣神サンダー・ライガーはマイクを掴みこう叫んだ。 「オイ、KUSHIDAよ! おまえ、強くなったな〜! おまえ、俺から3カウントじゃなく、タップ(ギブアップ)獲ったんだよ。この調子で、準決勝とは言わねぇよ、決勝まで行って、新日本プロレスのジュニアを引っ張ってみろよ!」 ライガーから新日ジュニアを託されたKUSHIDAは「ライガーさん! 『スーパージュニア』に向けて、『ジュニアが主役の季節』とか言われるのが、僕は悔しくてたまらないです。ジュニアはヘビー級の脇役なんかじゃないですよね? ライガーさんならよく知ってますよね? 僕が代々木の決勝で優勝して、その先の両国国技館にライガーさんをお連れします!」と応え、会場に詰めかけた観客はもちろん、CSの生中継を見ていたファンからも称賛の声が数多く上がった。 決勝では当時ドラゴンゲートから参戦していたリコシェに敗れ準優勝。この流れに乗ることができなかったが、アレックス・シェリーとのタッグチーム「タイム・スプリッターズ」で、タッグ屋のイメージが付きつつあったKUSHIDAがシングルプレーヤーとしてアピールすることに成功した大会だった。 そんなKUSHIDAに早くもチャンスが訪れた。同年6・21大阪でリコシェ相手にベストバウト級の試合を制し、IWGPジュニアヘビー級王座の防衛を果たした飯伏幸太への挑戦が決まったのだ。新日本に所属してからずっと追っかけていた飯伏の存在。2011年に飯伏が王者だったときにも挑戦するチャンスがあったが、飯伏が怪我により欠場。王座を返上したため対戦が流れた経緯がある。 2014年7・4後楽園で行われたこの試合は、途中飯伏の意識が飛ぶアクシデントがあったものの、KUSHIDAが試合の主導権を握り、飯伏からホバーボードロックでギブアップ勝ちを収めて、第68代IWGPジュニア王者になる。KUSHIDAは当時シェリーとIWGPジュニアタッグ王座を保持していたため2冠王となり、試合後改めて「ジュニアをヘビーに負けないものにする」ことと「両国でのスーパージュニア開催」を宣言した。 同年9月の神戸大会で田口隆祐に敗れ王座陥落。チャンピオンとして年を越すことはできなかったが、昨年のスーパージュニアではリーグ単独首位で決勝に進出した。 「去年、準優勝で、代々木からもっと大きな会場でやりたいって言って、それができなくて…もちろん、ライガーさんに誓った。ライガーさんも、それを聞いていたお客さんも、今日見ていたお客さんも、全員。KUSHIDAが代々木よりももっと大きな、もっともっと大きな両国国技館、もっともっと大きな明るい未来に連れて行きたいですね」 こう誓って臨んだカイル・オライリーとの決勝戦は、ライガー戦からちょうど1年後となる2015年6月6日に代々木第二体育館で行われた。試合は前年のリコシェ戦と同じく劣勢の場面が多く見られたが、“ブレない心”が勝り、見事に勝利。初優勝を果たした。続く7・5大阪城ホール大会では、IWGPジュニア王者ケニー・オメガに挑戦。セコンドの介入に苦しむもKUSHIDAの勢いは止められず、王座奪還に成功。KUSHIDAがライバル視しているヘビー級の祭典「G1クライマックス」の優勝決定戦が行われた8・16両国大会では、リコシェ相手に防衛。1年越しのリベンジを果たす。 「ずっと『スーパージュニア』の決勝をね、ここ(両国)にもってきたいと。で『G1クライマックス』は3日間も満員にしちゃったわけで。全国まわって、やっぱりジュニアとヘビー、今日現在とてつもなく大きな差があると、ボクは自覚してますよ。ただ俺がここまでね、新日本プロレスの中で、そして外で、海外で歩んできた道が証明してるでしょ。一歩一歩、一歩一歩、みんなが思ってる価値観を必ずや逆転させます」 満員の両国で防衛を果たしたKUSHIDAはこのように語った。9・23岡山大会では前回以上のセコンドの介入に苦しみ、ケニーのリターンマッチに敗れ王座を陥落してしまったが、今年の1・4東京ドーム大会では再びケニーに挑戦し、しっかりベルトを取り戻している。 「やっぱりもう口では散々言ってきましたから、2016年は実行の年でしょ。2015年言いまくって、言いまくって、ウザいほど言いまくって、それでも実現できなかったから。残すは、皆さんの目に見える形で東京ドームのメインだったり、『スーパージュニア』、去年『G1』の決勝でもできたこと、今年もやりたいですし。ジュニアもKUSHIDAも、可能性の塊ですよ。やっと年が明けました。2015年チャンピオンが前哨戦にいなかったり、タイトルマッチに誰かの介入があったり、ヘビー級使ったり、『スーパージュニア』出なかったり、そんなもんもうクソくらえですよ。新しいスタート、2016年スタートですね。期待してください、これからのジュニア。期待と可能性しかないっす」 KUSHIDAの言葉からは、昨年12月のシリーズにケニーが出場しなかったことではなく、IWGPジュニア王者時代に「スーパージュニア」に出場しなかったプリンス・デヴィットや飯伏への不満も込められていた。KUSHIDA自身もタイム・スプリッターズを主軸に置いていた頃があったように、ここ数年ジュニアは外国人を中心としたタッグ戦線が盛り上がっていた。しかし、パートナーのシェリーが欠場中ということもあり、KUSHIDAはしばらくシングルに集中することになるだろう。 2・14新潟でKUSHIDAに挑戦するBUSHIは、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンに加入したことにより、ジュニアのパートナーがいないことから、新潟の結果に関わらずIWGPジュニア王座に照準を合わせてくるのは間違いない。また、ファンタスティカマニア1・24後楽園で、初代タイガーマスクのデビュー戦を彷彿とさせる衝撃的な一時凱旋マッチを行ったカマイタチ(高橋広夢)も、本格凱旋後はIWGPジュニア王座を一発で獲ると明言しており、KUSHIDAの狙いどおり今年は新日ジュニアのシングル戦線が活発化していくのではないだろうか。 IWGPジュニア王座から陥落した飯伏とケニーは、ともにKUSHIDAに敗れてからヘビー級に転向している。それだけ現在の新日ジュニアは、ヘビー級にも負けない力を持っているのは確かだ。今年の「スーパージュニア」は6・6&7に仙台サンプラザホール2連戦を行う。かつては両国のほかに日本武道館や大阪府立体育会館でも優勝決定戦が行われていた「スーパージュニア」だが、今年は地方での連戦という形で、代々木第二からスケールアップした。本人の考えがブレない限り、必ずやKUSHIDAが両国に連れていってくれる日が来るはずだ。(増田晋侍)<リアルライブ・コラム連載「新日Times」VOL.5>
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スポーツ 2016年02月13日 18時00分
2016年プロ野球キャンプ情報「混セとパ1強5弱」説は本当か?(阪神編)
金本知憲監督(47)は打順を固定できず、投手継投にも頭を悩ますシーズンを迎えるのではないだろうか。 正二塁手争いを上本、大和、西岡剛が繰り広げ、梅野隆太郎と新人・坂本誠志朗が正捕手の座を争う。指揮官の言葉を借りれば、今年の阪神は投手を除く8つのポジションのうち、3つしか埋まっていないという。決まっているのは、遊撃手・鳥谷、右翼手・福留孝介、一塁手・ゴメス。残り5つは力のある者を使う、と…。この横一線の競争は良い意味での副産物を生んだ。しかし、首脳陣もある程度計算していた選手がいたはず。「レギュラーに近い」と目されていた選手の不調がちょっと気になる。 まず、正二塁手争いはオープン戦終盤までもつれ込むだろう。外野でゴールデングラブ賞を獲った大和のコンバートはもったいない気もしたが、内野ノックを見ていると何年も二塁を守っていたような軽快さである。上本博紀もいい。経験値の高い西岡も近年でいちばん動きが良いのではないだろうか。 対照的に、三塁手争いは“本命不在”だ。新外国人選手のヘイグは変化球の多い日本人投手に対応できるのだろうか。紅白戦(2月11日)で2安打を放ったが、打ったのは全て真っ直ぐ。「打ってアピールしなさい」と言わんばかりの真ん中やや外目の投球だった。バットが下から出るスイングで、振り切った後、体重が前に流れる。素人判断だが、高めの速いボール、内角の変化球に苦しむのではないだろうか。 「外国人選手は開幕に合わせて調整する。金本監督はヘイグに評価を下すのはオープン戦終盤」(チーム関係者) 三塁の守備力だが、新井良、今成のほうが巧い。ヘイグの守備練習を見ていると、エラーはしないのだが、捕球がぎこちない。ただ、投内連携プレーでは光るものがあった。短い距離でのスナップスローが物凄く良い。このヘイグのバットが金本監督の期待通り、オープン戦終盤で爆発するのであれば、米国時代と同じ一塁か外野にコンバートしたほうがいい。もっとも、一塁にはゴメスがいて、外野は「ライト福留」以外のセンター、レフトしか空いていない。この2つの外野ポジションを江越大賀、横田慎太郎、伊藤隼太、中谷将大らが争い、かつ二軍には期待の新人・高山俊が控えている。金本監督は今成にも外野の練習をさせている。正二塁手争いを繰り広げている上本、西岡、大和は打撃も好調なだけに、上本は昨秋キャンプから外野の練習もしているので、「二塁・西岡、外野で大和、上本を使う」という展開に変わるかもしれない。 ヘイグは三塁しか守るところがなく、打撃でアピールできなければ、新井良、今成、もしくは、去年と同じ「三塁・西岡」も考えるだろう。金本監督は上本、大和、西岡の3人とも使いたいのではないだろうか。 投手陣だが、藤浪晋太郎がスローペースで調整していた。スピードガンでは156キロをマークした日もあったが、昨季中盤以降に見せた「浮き上がってくる直球」には程遠い。おそらく、昨秋の侍ジャパン招集を辞退した右肩の炎症により、大事を取っているものと思われるが、メッセンジャー、能見がかなりハイペースで仕上げているだけに、一抹の不安は残った。 能見篤史はストレートの質が変わったように思う。ベテランの技巧派投手であり、近年は変化球主体のピッチングを組み立てていた。ストレートも球速を抑え、ストライクコースギリギリを狙っているイメージだったが、強いボールを投げていた。 左腕・岩崎優も良い。キレのあるボールを低めに投げ込んでおり、「何で、去年10敗もしたんだろう?」と不思議に思ったほどだ。 新クローザー候補のマテオだが、こちらも金本監督は開幕直前まで、「本当にクローザーを託せるのかどうか」で悩むのではないだろうか。前評判よりも制球力がある。あくまでもキャンプ前半での投球を見た限りだが、低めに投げるとき、球速が落ちる。一部報道によれば、「スペアとして獲得したドリスのほうが上」とあった。金本監督はゴメス、ヘイグ、メッセンジャー、マテオで外国人枠4人を予定しているそうだが、ヘイグのバットが火を噴かなければ、ゴメスと投手3人の開幕も十分に考えられる。 縦のスライダーがマテオの武器と紹介されているが、そのウイニングショットはコントロールできていないように見えた。縦の曲がり幅は大きく、鋭角だ。しかし、捕手が内角に構えても外角に行ってしまうのだ。制球力はストレートだけではないだろうか。 マテオは入団会見で「160キロを出せる」と話していたが、そんなにスピードは出ないように思う。振りかぶったときに、対戦打者方面にちょっと背中を向ける。その横の遠心力を使ってスリークオーター気味に投げるが、この投げ方からして、160キロは出ないのではないだろうか。但し、右打者は見にくい。1イニングなら十分に通用すると思うが、対戦打者にスライダーを見送られたときにどうなるか、ちょっと不安だ。 福原、安藤のベテランセットアッパーは健在だ。ここにFA補強した左腕・高橋聡文がいて、松田遼馬、歳内宏明も逞しくなってきた。ひょっとしたら、新クローザーの座を射止めるのは、マテオでもドリスでもなく、歳内かもしれない。計7人のリリーフ投手を注ぎ込み、相手チームとの相性で7人のうちの誰かに9回を託す“日替わり”もあり得る。 今年、狩野恵輔(33)が再クローズアップされるのではないだろうか。近年は主に代打。登録は捕手だが、守備に着くとしても外野だった。スイングと打球に鋭くなった。この好調さが本物なら、代打要員ではもったいないと思った。今成は三塁、二塁、捕手、外野と、守備練習で複数のポジションをこなしていた。調子を落とした選手がいたら、そこに今成をはめる構想だとしたら、今成が打のキーマンになるのではないだろうか。
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スポーツ 2016年02月13日 15時00分
俺たちの熱狂バトルTheヒストリー〈神格化されたカール・ゴッチ〉
「カール・ゴッチは本当に強かったのか?」とは、プロレスや格闘技ファンの間でたびたび起こる議論である。ゴッチの技術は“互いに組み合ってから闘う”という、レスリングのグレコローマンスタイルをベースとしたものであった。 よってそれだけを頼りとしたときには、打撃やタックルで相手との間合いを詰めることから始まる総合格闘技において、その技術を発揮する前に制される公算が高い。 だが、仮に全盛時のゴッチが総合に挑むことになれば、これに対応する新たな技術を習得することもあるわけで、結局「ゴッチの技術だけでは勝てないが、ゴッチ自身が通用したかどうかは不明」としか言いようがない。 ゴッチの強さを問うならば、それよりも“同時代における突出性”から見るべきだろう。ルー・テーズが「サブミッション技術では私の上をいく」と認め、力道山はその初来日時に「強けりゃいいってもんじゃねえ」と愚痴りながらも、以後、日本プロレスの若手育成コーチとして招聘した。 一時期はリングを離れてハワイで清掃員として働いていたゴッチを、再び呼び戻したのは国際プロレスの吉原功社長。その理由は「当時、世界屈指のテクニックを誇るビル・ロビンソンを招聘したものの、張り合える強豪がいないから」というものだった。 こうした“状況証拠”からしても、ゴッチの当時における優越性はうかがえるが、それでも疑問の声が上がるのは、良くも悪くもアントニオ猪木との関係によるものではないか。 旗揚げ当時の新日本プロレスは、外国人選手の目玉がいなかったことから、猪木と師弟関係にあったゴッチを“プロレスの神様”と持ち上げた。これは相対的に直弟子である猪木の評価を高めるのと同時に、“世間はNWA王座を最高峰というが本当に強いのはゴッチ”と、間接的に対抗団体の日本プロレスや全日本プロレスの脚を引っ張る意図があってのものだった。 「もちろん、ゴッチ自身は“神様”を自称したことなど一度もなく、新日と猪木を誇大に見せるため、ゴッチを実態以上に神格化して宣伝に使った部分はあるでしょう」(プロレスライター) では、実際の試合ぶりはどうだったか。前出の国際プロレスにおけるロビンソン戦では、現代の視点からするとやや地味ながらも、テクニックを競い合う好勝負を展開。5度の対戦はいずれも時間切れの引き分けに終わっている。 「フルネルソンを力で強引に外したり、逆エビで絞り上げたりと、ゴッチのパワーファイターとしての一面も垣間見られます」(同) 新日での猪木戦はどうか。こちらも5度の対戦で、ゴッチは3勝2敗と猪木に勝ち越している。 中でも有名なのは1972年3月6日、大田区体育館での新日旗揚げ戦で、ゴッチ必殺のジャーマン・スープレックスに対しては、辛うじてロープに逃れた猪木だが、直後の卍固めを力で外したゴッチは、そのまま猪木を持ち上げてリバース・スープレックスで3カウントを奪っている。当時、ゴッチは48歳。猪木は旗揚げによる心身の疲労があったとはいえ、29歳と旬を迎えたレスラーである。 また、自身の伝授したジャーマンを弟子の猪木が返し、直後にやはり自らが伝授した卍固めを破ってみせるという、師弟ならではのストーリーを演じたあたり、決して強さだけを追求する頑固一徹のレスラーではなかったようだ。 続くシングル第2弾、同年10月4日、ゴッチの持つ“世界最強ベルト”を懸けて行われた蔵前国技館での一戦も、場外でゴッチの放ったジャーマンを猪木がかわしてのリングアウト勝ちと、結果こそやや不透明ながら、全体的には見せ場はたっぷりだった。 「激しいバックの取り合いなどレスリングのムーブもありながら、ゴッチとしては珍しいワンハンド・バックブリーカーやダブルアーム・スープレックスなどを披露しています。キーロックを仕掛けた猪木をゴッチがそのまま持ち上げるという、のちにおなじみとなるムーブも見られました」(同) 神格化されたストーリーばかりが後付けで語られるものの、いい意味で“普通のレスラー”の一面も持っていたのだ。
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スポーツ 2016年02月11日 15時00分
新指揮官の注目度ゼロでW杯金欠ピンチの日本ラグビー協会
ラグビー・トップリーグの年間表彰式が行われ、人気の五郎丸歩(29=ヤマハ発動機)が「ベストフィフティーン」のFBに選出された。しかし、ワールドカップの善戦で注目を浴びたものの、同表彰式を取材したメディアはごくわずか。テレビ各局もニュースコーナーで、サラリと触れた程度だった。 「トップリーグの中盤以降、試合会場では閑古鳥が鳴いていました。ファン拡大と人気の安定は今後の課題です」(スポーツ紙記者) 国内リーグの終了と前後して飛び込んできたのは、日本代表ヘッドコーチの後任人事。ニュージーランドの大手新聞ヘラルド紙は“断定形”で「ジェイミー・ジョセフ氏が日本協会と合意した」と伝えた。 ラグビーブームはW杯での善戦によるところが大きい。それだけに次期指揮官の責任は重大で、さらに日本ラグビー協会がクリアしなければならない課題も多い。 「W杯日本大会の会場ともなる5万人収容のエコパスタジアムにリーグ戦の観客は1万余しか集められませんでした。五郎丸が出た試合にもかかわらずです」(TV局スタッフ) ラグビーW杯の大会運営はサッカーとは異なる。大会への協賛金、放映権料はすべて統括団体のワールドラグビー(旧IRB)に入る。そして、試合運営費は開催国の全額負担となっており、試合会場で閑古鳥が鳴けば主催国が赤字を被る。日本は70億円の予算を用意しているが、360億円は必要だという。70億円の出所は税金だ。日本は独自にローカルスポンサーを集め不足分の290億円をどうにかしようとしているが、国内リーグを見せられた後では、各企業も二の足を踏んでしまう。 また、大手企業は「'19年W杯より'20年東京五輪」と考えているという。 「五郎丸は国内リーグ戦で左手を負傷し、途中交代しています。その後、強行出場を続けたのはラグビー界を盛り上げなければ、の使命感からでした」(関係者) その五郎丸は2月から国際リーグ戦『スーパーラグビー』に参戦。選手もファンも、日本は眼中にない?
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スポーツ 2016年02月10日 15時00分
「高橋巨人」開幕ダッシュどころじゃない! 原&江川連合5月“政権奪回”説
阿部慎之助の捕手復帰を手始めに、「原野球全面否定」でスタートを切った高橋巨人。院政を目論んだ原氏の思惑は外れ、江川氏と連携しての政権奪回に動き出した。宮崎キャンプでは早くも「高橋政権5月危機説」が囁かれ始めた−−。 前政権時代の4年間、原辰徳監督は「全選手が横一線でスタートする。主力だろうが特別扱いはしない」と厳しい姿勢で宮崎キャンプをスタートさせた。 ところが、高橋由伸新監督(40)は一転して路線を大幅に変更。阿部慎之助(36)、相川亮二(39)、鈴木尚広(37)らベテラン組を「スペシャル(S)班」に組み入れ、別メニューで調整を実施している。 「新監督の阿部への気遣いはハンパじゃない。すべては阿部に捕手復帰してもらうためです。昨年10月28日の秋季練習初日、高橋監督はいの一番に、阿部に捕手復帰を打診しました。2年ぶりのV奪回には阿部の豊富な経験が不可欠なこともありますが、リーグ最低だったチーム打率(2割4分3厘)を2割6分〜2割6分5厘程度に引き上げるには、新外国人のギャレット(34、前ヤンキース)に期待するのが手っ取り早い。阿部に一塁を開けてもらう必要があったのです」(スポーツ紙デスク) 阿部はこれまで沈黙を続けてきたが、1月4日からのグアム自主トレ、21日からの宮崎自主トレで自身の体と相談したうえで、キャンプ直前に捕手復帰を申し出ていた。 この間、高橋監督との間でキャンプの調整法、ベテラン優遇などの条件闘争が続けられていた。それが納得のいく合意に漕ぎ着けたからこその捕手復帰なのだ。 この男を味方につければ、坂本、長野、村田らのベテラン勢はもれなくついてくる。だが、これでは指揮権を自ら手放したようなもの。 そのやり方に怒り心頭なのが、昨年のキャンプで「捕手・阿部」に見切りをつけ、「復帰は99%ない」と大見えを切った原前監督だ。すぐにでも宮崎に駆け付け、文句の一つも言いたいところだが、「由伸に余計な気を遣わせたくない」と発言した以上は、そうもいかない。そこで原氏が送り込んだ刺客が江川卓氏(60)である。 「そもそも、原氏は後任監督に江川氏を推していた。それが昨年10月に野球賭博問題が発覚。状況が状況だけに、読売首脳は過去に古傷を持つ江川氏を避け、クリーンな高橋氏の監督起用に舵を切った。しかし、後ろに松井氏が控えている以上、江川氏もハイそうですかと、すんなり引き下がるわけにはいかない。そこで原氏と連携する形で、重い腰を上げたのです」(巨人OBの野球解説者) キャンプイン直前の1月25日、江川氏はジャイアンツ球場を訪問した。 日本テレビの企画とはいえ、二軍球場に足を運ぶのは18年ぶり。今年ブレイクが期待される2年目の岡本和真内野手(19)と談笑し、「レギュラーになりたい、ではダメ。チームを背負って立つ選手になれ」と激励した。 これは「三塁・村田」の設計図を描く高橋監督への当てつけでもある。 「投手陣は今年から選手会副会長になった菅野が牛耳っている。その菅野は高橋監督の信頼が薄い。昨年優勝したヤクルト戦を苦手にしているからです。昨季、チームは13勝12敗と互角だったが、エース菅野はCSも含め0勝4敗。神宮球場に限れば、通算0勝5敗。そこで高橋監督は昨年の開幕前に左腕を痛め、わずか5試合(2勝1敗)の登板に終わったベテラン内海哲也投手とドラ1ルーキーの桜井俊貴をヤクルト戦の柱に据える考えです。内海の年俸は4億円。失敗しても責任転嫁できる。江川氏はそういう声の聞き役に回ることで結果的に菅野も内海も味方につけている」(巨人担当記者) 一方、松井氏は初日から14日まで、宮崎キャンプのフル参加を表明しているが、これは一軍だけでなく二、三軍まで視察する巡回コーチが狙い。主力の坂本、長野らには目もくれず、3年、4年先に主力となる潜在能力のある高卒選手を見て回り、指導している。 そもそも現体制は、野球賭博問題が広がり炎上した場合を想定した「様子見政権」だ。幸い問題は進展せず、本来の候補だった江川政権が再浮上してきた格好。チームが「高橋・阿部派、原・江川派、松井派」に3分立している異常事態から、ライバル球団の007が集結するサンマリンスタジアム宮崎のネット裏席ではこんな声が囁かれている。 「求心力を失っている巨人は、開幕ダッシュどころじゃない。5月の連休明けにも原前監督の息がかかった村田真一ヘッドが監督代行、シーズンオフに江川氏にスイッチ…」 チームに船頭は2人いらない。
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スポーツ 2016年02月09日 15時00分
次期理事長を巡る八角VS貴乃花「五分五分」となった土俵外バトル
嵐の予感いっぱいである。 初場所は10年ぶりとなる日本出身力士、琴奨菊(31)の初優勝で大いに盛り上がったが、熱気ではこちらも負けてはいない。1月29日、初場所が終わったばかりの両国国技館内で次の大相撲界のリーダーを決める理事選(役員候補選挙)が行われ、定員10人に対して現職6人、新人5人の11人が立候補。新人の高島親方(元関脇高望山)が落選した。 「本当は立候補する予定だった九重親方(元横綱千代の富士)が投票日前日、票が揃わなかったと断念しました。この九重親方を支持していた票が、微妙に他候補の得票に影響を与えたのは確か。予想では苦戦必至とみられていた伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)や山響親方(元幕内巌雄)らがそろってトップ当選しましたからね」(担当記者) 3月に改選される理事長のポストを激しく争っている八角理事長(元横綱北勝海)と貴乃花親方(元横綱貴乃花)の得票はともに9票で“痛み分け”となったが、当選した理事の顔ぶれを見ると、今後、両者の激突が一段と激しくなるのは避けられそうもない。 貴乃花親方にとって強い追い風となったのは、山響親方の当選だ。 この山響親方は、一門は異なるものの熱烈な貴乃花信奉者で、師匠である北の湖前理事長の遺志と称して立候補し、「前理事長は貴乃花親方を自分の後継者、つまり次の理事長と目していた」と“北の湖の遺言”の存在を明らかにしている。当選した直後も、「自分は北の湖親方の思いを貫いていくだけですよ。とにかくブレない気持ちでがんばっていきます」と熱く語っていた。 「伊勢ケ浜親方の当選も貴乃花親方にとっては有利な材料です。“反八角”という点では共通していますから。カギを握るのは、山響親方を除く3人の出羽海一門の理事たち(春日野、境川、出羽海親方)の動向です。この一門は今回も4理事、2副理事が全員当選し、一大勢力を誇っています。現在は八角理事長寄りとみられていますが、これから貴乃花親方が、自分に信頼を寄せる山響親方を突破口にどう切り崩していくか。理事長選挙まであと2カ月。貴乃花親方の動きから、いっそう目が離せなくなって来ました」(大相撲関係者) もちろん、八角理事長サイドも手をこまねいているはずもない。今後、両者のつばぜり合いは白熱するばかりだ。
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スポーツ 2016年02月07日 12時00分
「今度こそ俺のベルトに仕上げる」棚橋弘至インターコンチへの思いを胸に2・14新潟へ
「リスタート、さぁどこへ向かおうかな」 今年の1・4東京ドーム大会のメインイベントで、オカダ・カズチカが保持するIWGPヘビー級王座に挑戦した棚橋。1・4東京ドームで6年連続メインに名を連ね5連勝中だったが、激戦のすえ敗北。しかし「ドームの棚橋さんだからか、わからないですけど、率直に強かったです」と、これまで棚橋を意地でも認めることがなかったオカダに「強かった」と言わしめた。 翌1・5後楽園ホール大会で発表された芸能事務所アミューズとの業務提携に関する囲み会見には、選手代表として出席。木谷高明オーナーは「棚橋さんが一番座りがいい」と語り、棚橋も前日の敗戦を引きずったような様子を見せることなく、終始笑顔だった。そしてロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンとの6人タッグに敗れ、バックステージに引き上げて来ると、含み笑いを浮かべながら冒頭のコメントを出し、控室へ引き上げた。 そして棚橋の「運命のライバル」中邑真輔の退団が発表される。次なるビッグマッチ2・11大阪(エディオンアリーナ大阪)、2・14新潟(アオーレ長岡)に向け、たくさんの選手がアクションを起こし、カードが決まっていく中、棚橋の「向かう先」は明らかにされぬまま、中邑の新日本ラストマッチとなる1・30後楽園大会を迎えた。 中邑の壮行試合に臨む棚橋の両隣りには、2・11大阪でオカダのIWGPヘビー王座に挑戦が決まっている後藤洋央紀と、同じく大阪で石井智宏のリターンマッチを受けるNEVER無差別級王者の柴田勝頼が立った。そう、この試合が始まるまで新日本マットでの「ネクスト」が定まってないのは、この試合で退団しWWEのリングで世界に挑戦する中邑と棚橋だけだったのだ。【インターコンチを中邑に託される】 中邑の壮行試合は、1・4ドームでベルトを奪われたリベンジに燃える石井が、その相手である柴田を垂直落下式ブレーンバスターで仕留めた。この試合が壮行試合でありながら、2・11大阪大会の前哨戦でもあることは、試合後大ブーイングの中、執拗にオカダを攻撃し続ける後藤の姿からも見て取れた。 そこに1・5後楽園で行われたタッグマッチ(中邑&YOSHI-HASHI対AJスタイル&ケニー・オメガ)でIWGPインターコンチネンタル王者だった中邑(1・25に返上)から完璧なスリーカウントを奪って、所属しているバレットクラブからAJを追放し、新リーダーとなったケニーが現れた。リング下で中邑に何やら英語でまくし立てたケニーは、2・14新潟で中邑が返上したインターコンチ王座決定戦を「X(未定)」と行うことが発表されている。恐らく返上した中邑に対して納得できなかったのだろう。リング上を見ると中邑の他には「ネクスト」が定まっていない棚橋しかいない。棚橋は見かねた表情でケニーと中邑の間に割って入り「シャラーーーップ!」と絶叫すると、ケニーに言い聞かせるようにこう続けた。 「いいか? 説明してやるよ。寂しいけどな、中邑は、今日はラストマッチなんだ。わかるか?」 棚橋と中邑が同じ方向を向いている。答えはひとつしかない。 「だから…だから…インターコンチ! 俺しかいねぇだろ!」 後楽園ホールに足を運んだ1806人(超満員札止め)のファンが抑えられない感情を爆発させるのを見た棚橋は、指を鼻にあて「シーッ」と観客を黙らせた。 「アイ、アム、Xー!」 両手をクロスさせながらこう叫び、2・14新潟でケニーと闘うXに名乗りをあげたのだ。背後から中邑が近付き、棚橋の肩を掴む。この時、客席には号泣しているファンがたくさんいた。中邑が愛し、新しい価値と創造を築き上げたインターコンチの運命は棚橋に託された。ケニーが引き下がるのを見届けた棚橋はリングを降りる前、中邑の方を一瞬振り返ったが、目が合うことはなかった。それはそれで、また再会した時の楽しみにとっておけばいい。 「ファンも俺たちレスラーも、前に進んでいかないといけない。中邑がいなくなるという喪失感はデカすぎる。ただ、まず中邑がいないという現実を受け止める。それがまず俺たちができる第一歩。時間がかかるかもしれないけど、これに慣れていくしかない。忘れるぐらいに盛り上げていくしかない。もしこれで、『新日本、オイ大丈夫か?』ってなるようなことがあったら、中邑も思い切って活躍できないでしょ? それは、俺たちにとっても本意ではない。新日本プロレス、まだまだ盛り上げていきますよ」【前回歩めなかった棚橋のインターコンチロード】 バックステージに引き上げて来た棚橋は、中邑退団による新日本のダメージについて冷静に分析しながらコメントした。さすがはエースである。その腰にIWGPヘビーのベルトはないが、新日本の象徴が棚橋であることは揺るがない。そんな棚橋にこんな質問をぶつけてみた。 −−今度こそ、インターコンチで、前回できなかった棚橋さんの新たな物語が始められるんじゃないですか? すると棚橋は「そう、そう、そう!」と軽く拳で壁を叩きながら「前は何ともできなかったから、鬼の居ぬ間に、俺のベルトに仕上げますよ」と晴れやかな表情で語り、控室に戻っていった。 棚橋は2014年の1・4ドームで中邑を破りインターコンチ王座を奪取すると「白いエース」宣言。そして「ベルトっていうのは、共有した時間の長さの分だけ思い入れが生まれるから、このインターコンチも俺のいい相棒になってくれると信じてます」と語り、また多くのファンが棚橋のインターコンチロードはどんなものになるのだろうかと期待していた。しかし、2月に中邑相手に初防衛に成功するも、4月の中邑との3度目の対決に敗れ、棚橋のインターコンチロードは見られぬまま終わっている。この時の悔しさが「そう、そう、そう!」という最初に出た言葉に詰まっていたのは間違いない。 だが、バレットクラブの新リーダーになって最初のビッグマッチとなるケニーは、ある意味棚橋よりも敗れたときのリスクがあるのではないだろうか。ヘビー級転向後、初のシングル。勝利のためなら当然セコンドを介入させて来ることも十分考えられるだけに、苦戦が予想される。試合後に中邑は棚橋について「『あとは任せたぜ』って言える仲間の一人」と語った。中邑から託されたインターコンチの運命、そしてあの頃歩めなかったインターコンチロード。様々な思いを胸に、2・14新潟から棚橋のリスタートが幕を切る。(増田晋侍)<リアルライブ・コラム連載「新日Times」VOL.4>
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