スポーツ
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スポーツ 2016年01月31日 12時10分
ヨシノブがもっとも恐れているのはDeNA ラミちゃんと遺恨対決になる?
高橋由伸監督(40)がこんなことを口走ったという。 「僕のことをいちばん知っているからね…」 DeNAのアレックス・ラミレス監督(41)のことだ。同僚として、4年間いっしょにプレーしている。高橋監督は自身の性格をラミレス監督に知られており、代打や投手継投などを読まれてしまうだろうと考えていた。見方を変えれば、高橋監督もラミレス監督の性格は分かっている。今季の両球団の対戦は『心理戦』になりそうだ。 「ラミレス監督は巨人戦を意識したような発言もしています」(プロ野球解説者) ドラフト1位ルーキー、今永昇太(22=駒大)を巨人戦でデビューさせたいと言う。 「巨人に勝つことで彼も勢いづく。だから…」 今永が大学ナンバー1左腕と称されながら、DeNAの単独指名となった。大学最後の2015年は故障から復帰を目指す1年となり、本来のピッチングができなかった。それに加え、ドラフト候補は「豊作の年」とされ、「不安要素が残るのなら、他の候補へ」と1位指名を見送った球団も出た。 その今永はドラフト後の東都リーグ入れ替え戦で、被安打3、奪三振12の好投を見せている。「完全復活」を信じて疑わなかったDeNAスカウト陣の眼力を立証するようなピッチングであり、ラミレス監督のコメントも、 「ローテーションの軸として活躍してくれると信じている」 と、さらに期待を高めるものと変わった。 巨人関係者の一人がこう言う。 「ラミレスが巨人戦で今永をデビューさせるなら、高橋監督もそれに相応しい舞台を用意するのでは」 巨人も1位指名の桜井俊貴(22=立命館大)をDeNA戦でデビューさせるかもしれない。巨人はドラフト会議1週間前、1位候補を数人に絞り込んだが、結論を先送りした。そして、山下哲治スカウト部長自らが対関西大の試合を視察し、最終決断を下したという。「失点1、206球で延長14回を一人で投げ抜いたスタミナ、試合終盤でも球速をほとんど落とさないストレートが決め手になりました」(同) 桜井が大会タイ記録の18奪三振を奪った明治神宮大会初戦は、高橋監督も視察している。高橋監督も当然、桜井の先発ローテーション入りを期待している。第2節、DeNA3連戦の初戦に1位ルーキーを抜てきしてくるかもしれない。 「今永は自身の1位入札がDeNAだけだったことを受け、他球団の1位選手に敵愾心を抱いているとも聞いています。桜井は公立校から立命館大学に進んだ叩き上げです。もし対決が実現すれば、両投手とも意地の張り合いになるでしょう」(前出・プロ野球解説者) 1位ルーキー同士の激突。期待感の膨らむ遺恨試合なら、ファンも大歓迎だろう。 ラミレス監督はDeNA投手陣に対戦バッターへのインコース攻めを徹底させるとしている。高橋監督は大田泰示、岡本和真の育成に重点を置いている。両球団の試合では絵になるような「投手対打者」も見られそうだ。
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スポーツ 2016年01月31日 12時10分
KING OF STRONG STYLEを胸に…中邑真輔“世界”に挑戦!
「悩んでいたのは、2年ぐらい前からですかね」 25日に新日本プロレス本社で行われた退団記者会見で「決意した時期」について質問されると、中邑はこう明かした。最終的に決意したのは昨年11月だったと語っているが、今にして思えば2014年からは「中邑真輔サヨナラツアー」だったと言っても過言ではない。それぐらいこの2年というのは、中邑とゆかりがある選手との対戦が多い期間だった。その軌跡を振り返ってみよう。【棚橋、柴田との再会、グレイシーに12年越しのリベンジ】 2014年は、まず1・4東京ドーム大会で“運命のライバル”棚橋弘至に敗れ、IWGPインターコンチネンタル王座(以下インターコンチ)を失う形でスタート。2月の広島大会でのリターンマッチにも敗れた。しかし、3月のNEW JAPAN CUP 2014では決勝に進出。対戦相手であるバッドラック・ファレのパワー殺法に苦しみ、流血するハンデを背負いながらも逆転勝利を果たし優勝。試合後にはIWGPヘビー級王座ではなく、インターコンチへの挑戦を表明した。 4月の両国国技館大会で棚橋からベルトの奪還に成功すると、中邑がINOKI BOM-BA-YE 2002にて総合格闘技ルールで対戦し、敗れた相手であるダニエル・グレイシーが挑戦表明してきた。バックステージでは「ダニエルもホーレス(・グレイシー)もいつか、こっちから突っついてやろうかって思ってたんスよ。それが向こうから来るとはね」と感慨深い表情でコメントしている。 桜庭和志とのタッグで臨んだ5・3福岡大会では敗れてしまったが、5・25横浜アリーナ大会でダニエル相手にインターコンチの防衛に成功。自身が語った「出世試合」のリベンジを新日本のリングで果たした。 6月の大阪大会でファレに敗れインターコンチを明け渡すが、7月から開幕した“空前絶後”のG1クライマックスでは決勝に進出。決勝の舞台となった8・10西武ドーム大会で行われたオカダ・カズチカとのCHAOS同門による決勝戦は名勝負だったが、惜しくも敗れ準優勝に終わる。 9月の神戸大会でファレを破り再びインターコンチ王者に返り咲くと、10月の両国大会ではタッグで対決した柴田勝頼を次期挑戦者に逆指名。棚橋とともにかつて“新・闘魂三銃士”と呼ばれた柴田との危険な再会は話題を呼んだ。その柴田を11月の大阪大会で退けると、飯伏幸太の襲撃と挑発に遭い、2015年の闘いに続いていく。【飯伏との激戦、同期対決、棚橋との惜別マッチ】 「2015年の新日本プロレスにおける自分の試合というのは、常に100%以上のモノを求めて、かつ自分にとっては特別な、今の中邑真輔を形成する上で特別だった人間とやり合えた。1月4日の飯伏君、12月の後楽園での田口(隆祐)に至るまで」 中邑は退団を決意したポイントについて質問されると、このように2015年の闘いを例に挙げた。2015年は1・4東京ドームで飯伏との激戦を制すと、2月の仙台大会では中邑が新日本本隊を離れてからも一目置いていた“ミスターIWGP”永田裕志を相手に防衛。そして5月の福岡大会では、中邑が仕掛ける形で“同期”の後藤洋央紀と防衛戦を行うも敗れ、7月の大阪城ホール大会でのリターンマッチにも連敗。 同月から開幕したG1クライマックスでは、怪我で戦線離脱してしまったものの途中復帰し、2年連続で決勝まで駒を進めた。決勝の相手は棚橋となり、2人のシングル戦の集大成のような試合を繰り広げたが中邑は惜敗し、2年連続で準優勝。試合後には中邑から手を差し伸べて握手を交わし、手を挙げて棚橋を称えた。もしかしたら、中邑の中で「これが棚橋との最後のシングル」という思いがあったのかもしれない。 9月の神戸大会では、後藤に再び挑戦し、インターコンチを三たび奪取。11月の大阪大会では、デビュー後にLA道場で練習を積み、苦楽をともにしたカール・アンダーソンを相手に防衛に成功する。そして、試合後に挑戦表明したAJスタイルズとの対決が、今年の1・4東京ドームで組まれることになった。 中邑が語っているように、昨年末の後楽園大会では後藤と同じく同期で、中邑を意識した“オヤァイ”でブレイク中の田口ともシングルを行っており、同期という点で言えばヨシタツ(長期欠場中)とリング上で再会できなかったのが悔やまれるが、改めてこの2年間を振り返ってみると、AJとのシングル初対決というのは新日本マットで残された最後のピースだったことがよく分かる。 「今後は新たな刺激、環境、舞台を求めて、挑戦し続ける所存であります」 退団会見で中邑が表情を崩すことはほとんどなかった。しかし、菅林直樹会長から激励の花束を渡されると、数秒間深々と頭を下げ、握手。その姿からは、新日本を“旅立つ”のではなく、新日本の“KING OF STRONG STYLE”中邑真輔が“世界”に挑戦する決意が感じられた。 新日本のプロレスが世界に通用することを証明するため、中邑は世界へと旅立つ。(増田晋侍)<リアルライブ・コラム連載「新日Times」VOL.3>
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スポーツ 2016年01月30日 18時13分
中日・落合GMvs谷繁監督 仁義なき戦争が再燃か!?
プロ野球は2月1日、いよいよキャンプインするが、4年ぶりのAクラス入りを目指す中日ドラゴンズが、“ある爆弾”を抱えることになった。それは、落合博満GM(62)と谷繁元信監督(45)の確執だ。 昨季終盤、落合GMはチームの功労者でもある山本昌投手(50)、和田一浩外野手(43)、小笠原道大内野手(42)、谷繁捕手、朝倉健太投手(34)といったベテラン陣をバッサリ切り捨て、若返りを図った。 ただ、谷繁監督は和田、小笠原に関しては、翌年も戦力として考えていたため、落合GMとの間にミゾが生まれた。現実として、和田は打率.298、小笠原は.294の好打率を残しており、今季も構想に入っていたのだ。ところが、落合GMの若返り策の前に、2人は強制引退させられてしまった。 これで終わりならまだいいのだが、ここに来て、落合GMと谷繁監督とのバトルが再燃しかねない事態に陥ってしまった。それは、大ベテラン・多村仁志外野手(38)の獲得だ。中日は1月15日、多村と年俸300万円(推定)で育成選手契約を結んだことを発表した。 多村は昨オフ、DeNAを戦力外になったが、どこからもオファーがなかった。手を差し伸べたのは、“若返り”を図ったはずの落合GMだ。01年の秋季キャンプで、横浜の臨時コーチを務めた落合GMが、多村を指導しており、2人はいわば師弟関係にあたる。 かつて、06年オフ、中村紀洋内野手(前DeNA)がオリックスと年俸交渉でもめて自由契約になった際、獲得する球団がなかったことがある。そこで、中村と師弟関係にある落合監督(当時)が翌07年のキャンプにテスト生として呼び、育成選手を経て、支配下選手に昇格し、レギュラーとして活躍したケースがあった。今回もまた、そのときと同じパターンだ。 ただ、こうなると、谷繁監督以下、首脳陣からは「だったら、和田を残しておけば良かったのに…」とブーイングが飛んでいるのだ。多村は3月28日で39歳となり、チームの若返り方針には逆行する補強だ。 しかも、和田が抜けた後の左翼のレギュラー候補は、FA権を有しながら、あえて残留の道を選んだ藤井淳志外野手(34)と、メジャー66発の新外国人であるダヤン・ビシエド外野手(26)。保険の意味で、リカルド・ナニータ外野手(34)も残留させたため、新たに外野手を補強する必要はない現状。 昨季、多村は中畑清監督(当時)に干される格好となり、わずか4試合の出場で、1安打打ったのみ。横浜時代の04年には40本塁打を放った長距離砲だが、年齢的に今季どこまでやれるかは未知数だ。 「谷繁監督と多村は、横浜時代のチームメイトですから、谷繁監督自身、多村の潜在能力はわかっているはずです。ただ、こういう形になると、『和田を引退させないでほしかった』と思うのは当然のこと。左翼手はたくさんいますし、多村が支配下選手に昇格しても、役どころは右の代打要員でしかありません。だとしたら、『どうせなら、もっと若い選手を獲ってほしかった』となるのです」(某スポーツ紙記者) 落合GMの息のかかった選手である以上、谷繁監督もチャンスを全く与えないわけにもいかず、頭が痛いところだ。中日は、落合GMと谷繁監督とのバトルが再燃した状態で、キャンプを迎えることになる。(落合一郎)
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スポーツ 2016年01月30日 17時10分
「巨人&DeNA専属評論家」はおいしいゾ! 中畑清氏がモテモテ
中畑清氏(62)とDeNA球団の間で“異例の契約”が交わされていた。「年末まではウチの所属で」ということで、中畑氏に対する取材窓口は、12月末までDeNAになっていたのだ。通常は11月までだ。 「中畑氏は球界に新規参入したDeNAにメディアを連れてきてくれたと言っても過言ではありません。中畑監督にDeNAのことやラミレス新監督(41)のことを聞きたいとするメディアが多いことも分かっていましたから」(球界関係者) 邪推だが、取材の窓口を務めたということは出演料の何パーセントかは球団に入ったのでは…。 しかし、中畑特需はまだ終わらない。 中畑氏の古巣・巨人は高橋由伸(40)の監督就任を発表した。その巨人とDeNAは開幕第2節でぶつかる。両球団の新監督を知る球界OBとして、今も中畑氏の発言に注目が集まっているのだ。 「両新任監督の性格を知っていますからね。DeNAの主力戦力は中畑氏が育てたようなものですし、きわどい内部情報だとしても、中畑氏が言えば、イヤミにはならないし」(TV局スタッフ) その中畑氏がヨシノブの監督抜てきについて、興味深い発言をしている。巨人は「生え抜きのOB」から監督を選んできた。今回もそうだったが、現役のヨシノブの名前が出たことに対して、「やっぱり」という言い方をしていた。ペナントレース終盤に、そういった気配を感じたのではない。巨人の監督選考について「生え抜き」という言い方では説明不足だったのだ。 選手経験のない人、選手兼任で巨人監督を務めた人もいる(大日本東京野球倶楽部時代を含む)。しかし、それはプロ野球の興行が整っていた時代のことで、藤本定義氏以降(1936〜42年)は、4番かエースに限られている。「伝統球団の重圧で人間教育を受けた者しか選ばれないし、務まらない」と、中畑氏は話していた。 「中畑氏は初代のプロ野球選手会・会長でもあり、今後、ご意見番として選手会をサポートしていくとの情報も交錯しています」(前出・関係者) いずれ、中畑氏の口からDeNA球団が旧ベイスターズOBではなく、アレックス・ラミレス氏を新監督に迎えた理由も語られるだろう。当面は解説者だが、指揮官生活の疲れが癒えれば、いずれまたユニフォーム姿を見せてくれるのではないだろうか。「4番かエース」が巨人監督に迎えられる条件だとすれば、中畑氏も候補の一人だが…。
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スポーツ 2016年01月29日 10時47分
正捕手を育てる前にバッテリーコーチが体を壊してしまわないか!?
2015年シーズン、規定打席に到達したセ・リーグの捕手は東京ヤクルトスワローズの中村悠平(25)だけである。パ・リーグにしても、埼玉西武の炭谷銀仁朗(28)のみ。東北楽天・嶋基宏は故障離脱がなければ到達しただろう。しかし、大半のチームは『正捕手不在』と言っていい。 強いチームには好捕手がいる。常に言われてきた言葉だ。 金本知憲監督(47)は就任と同時にいくつかのチーム再建ビジョンを語ったが、トラの正捕手不在を気に掛けていた。近年、阪神が解消できなかった“難題”でもある。3年目を迎える梅野隆太郎(24)、ドラフト2位・坂本誠志郎(22=明大)がその座を争うが、教育係を託されたのが、矢野燿大作戦兼バッテリーコーチである。 「当初、矢野コーチの肩書はバッテリーコーチのみで予定されていました。金本監督は矢野コーチを指して『野球観が同じ』と話しており、攻撃面でも相談に乗ってもらいたいからとフロントにお願いして、作戦兼任のコーチとなったんです」(球界関係者) 矢野コーチの捕手育成ビジョンが明らかになった。同コーチは「ペナントレースが始まってからが教育の本番」とし、「毎試合、帰りは午前サマになるだろう…」とこぼしていた。 梅野、坂本の両方が一軍で開幕を迎えた場合だが、『チャート表』を書かせるという。 そのチャート表とはどんなものか…。関係者によれば、スコアブックをもっと専門的にしたものだと話していた。相手チームの出場打者1打席が2コマに分かれていて、1コマはホームベース上のストライク&ボールゾーンを「縦横4×4=16マス」に分割されたもの。チャート表は『捕手目線』で作成されているので、右打者は向かって左側に描かれており、2コマ目は野球場を上空から記したもの。野球場区画線図である。 そのチャート表に、対戦チームのスタメン選手はもちろん、途中出場の選手を含めた全打席分を書く。もっと言うと、味方投手が試合開始の1球目からゲームセットまで投げた全球を書き込ませるものだそうだ。 直球、カーブ、スライダー、シュート、フォークボールなどの球種を、申し合わせた「○、△、▲、▽」などの記号で書き、打球の方向はヒット、凡打、ファールに関係なく、2マス目の野球場区画線図に書いていく。ゴロ、フライ、ライナーで「線の種類」も変わる。これを試合開始の1球目からゲームセットまで全て書かせ、矢野コーチとスコアラーで答え合わせをする。次に矢野コーチが、相手選手に安打された配球について、「なぜ打たれたのか、この打者の傾向は? 次はどうすればいいのか」を質問する。 配球に「絶対打たれない正解」はない。しかし、次は抑えられると確信が持てるまで徹底議論するつもりだという。 「矢野コーチは現役時代、それもプロ入りした中日在籍のころから続けてきたそうです。野村克也氏が阪神監督だった時代、さらにストライク&ボールゾーンを細かく分割した図がチームで使われましたが、配球に定評のある捕手は多かれ少なかれ、同じようなチャート表を書かされた経験があるはずです」(前出・関係者) 1試合で味方投手が投げた投球数が仮に130球だとしても、全て書き込めるのだろうか。矢野コーチは「やればできるようになる」と言っているそうだが、毎試合後に記憶力を試され、かつ配球の議論までやるのだから、2、3時間では終わらないだろう。ゲームセットが午後9時半として、そこからシャワーを浴び、着替えて1時間。11時前に『矢野教室』がスタートしたとすれば、矢野コーチが球場を出られるのは、明け方近くということになる。 「金本監督、矢野コーチは大学時代から親しくしていますが、2人で飲みに行ったのは数えるくらいしかありません。金本監督は試合後に素振りやティー打撃をし、矢野コーチはチャート表を書き、スコアラーと配球の相談をしたので、『時間』の約束ができないんです」(前出・同) 作戦コーチの肩書もあるため、矢野コーチは攻撃面の反省会にも加わらなければならない。本当に、体を壊してしまうのではないかと心配になってくる。梅野、坂本は矢野コーチの“献身的な指導”に応え、高いレベルでの正捕手争いをしなければ、それこそファンが許さないだろう。
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スポーツ 2016年01月27日 15時00分
金本監督が本当に頼りにしているのは… 「ベテランは世代交代の潤滑油」(2)
1月22日、西宮市内の虎風荘で、一、二軍首脳陣を一堂に集めたスタッフ会議が開かれた。話し合われたのは、キャンプの一、二軍の組分けである。 注目すべきポイントはいくつかある。 新人選手で一軍帯同が決まったのは、2位の坂本誠志郎(明大=22)だけ。1位・高山俊外野手(明大=22)は右手有鉤骨の修復手術のリハビリ中であり、大事を取ることになった。また、将来の大砲候補として期待される横田慎太郎(24)も一軍スタートが決まった。 金本知憲監督(47)は報道陣の「一年を通して使っていくのか」の問いに、 「使ってみたいというレベルになるかどうかは彼次第」 と返している。 チーム関係者の一人がこう続ける。 「金本監督の就任以来、生え抜きの大砲育成への期待が高まっています。監督もそういう主旨の発言をしましたが、年齢、実績に関係なく、各々のポジションでレギュラーを掴んだ選手で開幕オーダーを組むつもり。小技を使う選手がレギュラーを掴めば、機動力、チーム打撃重視の打線を作り、大砲タイプが揃えばそういう打線になるでしょう」 新生タイガースのスタメンは、まさにキャンプ、オープン戦次第というわけだ。 「鳥谷、ゴメス、福留は昨年の球団納会で名前を出しており、この3人はレギュラー確定。やってもらわなければ困ります」(在阪記者) 金本監督が名前を挙げたベテラン投手がいる。その投手の使い方も変わってくるかもしれない。 新クローザー候補、マルコス・マテオ(31)の入団が正式発表された1月7日、金本監督は“意味シンなコメント”を出していた。 「できれば(マテオに)クローザーをやってほしいけど、福原のほうが安定感があるのなら…」 普通に考えれば、クローザーはマテオか、もう一人の新加入助っ人のラファエル・ドリス(27)だろう。一軍投手を預かる香田勲男コーチ(50)は4季ぶりに古巣復帰した藤川球児(35)も「候補の一人」と話していた。福原忍(39)は2年連続で『最優秀中継ぎ投手』のタイトルを獲得している。2011年シーズン以降、セットアッパーとして存在感を見せてきたが、来年40歳になるベテランにクローザーを託すのは『世代交代』に逆行する。しかし、 「金本監督は福原を投手陣のキャプテンに指名したように、かなりの信頼を寄せています」(前出・関係者) 福原は良い意味で投手陣全体に“睨み”が利く。エース・藤浪晋太郎(21)が勝ち星に恵まれなかった昨季序盤、 「もうちょっと胸を張って投げたほうが」 と、アドバイスを送っている。 リリーバーは試合中、ブルペンで待機する。試合の流れを見て肩を作るのだが、“コーチ目線”でブルペンのモニターテレビを見ていたわけだ。このアドバイスが投球フォームをマイナーチェンジさせ、シックリ行っていなかった藤浪を立ち直らせるきっかけとなった。 「昨季3勝10敗だった岩崎(優=24)にも、『試合終盤でスタミナが切れるのなら、投げ込み練習の途中にランニングを取り入れてみたら?』とアドバイスしていました。福原より1歳年下の安藤優也も若い先発候補に色々とアドバイスをしています」(前出・同) シーズンを通してクローザーができるのか、年齢的な不安は残る。しかし、チームでもっとも信頼されている投手に重要どころを託すのは間違っていない。むしろ、結束力は高まるのかもしれない。 投手出身のプロ野球解説者にセットアッパーとクローザーの違いについて聞いてみた。 「セットアッパーはチームの勝敗に関係なく、ほぼ毎試合、肩を作らなければなりません。でも、クローザーは勝ち試合だけ肩を作ればいい。セットアッパーのほうが肉体的負担は大きいですよ」 一年でも長く現役を続けさせてやりたいと思うのなら、クローザー福原も悪くない。「マテオのコントロールに不安アリ」とこぼす関係者もいた。メッセンジャーのリリーフ再転向を推す阪神OBもいたが、そうなると、タダでさえ頭数の足らないローテーション投手が少なくなってしまう。安藤、FA加入の高橋聡文(32)、マテオと繋ぎ、それで逃げ切れなかったときは福原を投入する…。そんな継投策も考えられる。金本監督のベテラン福原の使い方にも注目したい。
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スポーツ 2016年01月27日 11時22分
再び優勝候補に浮上? オリックス新コーチの評判
強力打線復活か…。パ・リーグ偵察部隊が「要注意」としてキャンプでの重要チェック事項に挙げているのが、オリックス打線の復活は本当かどうかである。オリックスは昨秋、広島、ロッテなどで活躍した高橋慶彦氏(58)の打撃コーチ就任を発表した。4年ぶりの現場指導となる。こんな言い方は何だが、オリックスは“オフの話題提供”で敗退した。新監督はシーズン途中から代行指揮を執っていた福良淳一監督(55)。ドラフト1位は東都リーグの雄・吉田正尚外野手(22=青学大)を指名したが、抽選ナシ。金本阪神、ラミレスDeNA、ヨシノブ巨人は次々と明るい話題を提供しており、大型補強でオフの話題を独占した昨年とは大違いである。 「去年の補強が巧く行きすぎたというか…。その分、ペナントレースを失速したときの失望感も大きく、シーズンを通してファンもチームも前向きになることができませんでした」(プロ野球解説者) しかし、秋季キャンプからチームに合流した高橋慶彦打撃コーチの評判が良い。 「熱心なんですよ。高橋コーチも現場復帰できて嬉しいんでしょう」(同) 秋季キャンプ時点での情報だが、同コーチが重視していたのは『腕の使い方』。選手が振ろうとするバットのヘッドを持っていったん止め、スイング軌道を丁寧に説明していた。椅子に座ってのティー打撃もやっていた。特別な練習法というわけではない。しかし、熱心に語りかけ、その練習の意味を説明してやれば、選手はコーチに付いていくものである。 また、オリックスのキャンプは春、秋ともに居残り練習は自己選択だった。やりたいと思う者、全体練習が足らなかったと思う若手が残ってバットを振る程度だった。しかし、高橋コーチは「秋季キャンプで求められるのは練習量」と言い切り、以後、ほぼ全員が残って300スイング以上のノルマをこなしていた。 2015年、オリックスのチーム打率は2割4分9厘(リーグ5位)、総本塁打94本(同4位)、総得点519(同5位)。ビッグネームを揃えた大型打線として物足りない数字である。高橋コーチは選手を発奮させることに成功した。監督、コーチに求められるのは技術を伝えることだけではない。選手に「練習しなければ」と思わせる環境作りも大切である。オリックスは前年の大型補強により、選手層の厚いチームでもある。中堅、若手のヤル気がそのまま春季キャンプに持ち込まれれば、主力もウカウカしていられなく、チームも活気づいていく…。 高橋コーチは千葉ロッテでヘッドコーチも務めたが、12年オフに退団。その後は住宅建築の会社に務めるなど、畑違いの仕事も経験している。その沈黙の帰還が選手に伝える言葉を広げ、野球への情熱をさらに強くしたのではないだろうか。 オリックス打線が復活すれば、ソフトバンクの独走はあり得ない。スポーツ新聞の一面を飾るような補強はなかったが、オリックス球団はコーチ人選で存在感を示している。
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スポーツ 2016年01月26日 16時39分
金本監督が本当に頼りにしているのは… 「ベテランは世代交代の潤滑油」(1)
新生・金本阪神は3年目を迎える梅野隆太郎(24)とドラフト2位・坂本誠志郎(22=明大)に正捕手を争わせるという。しかし、この世代交代を阻むような“嬉しい誤算”が生じるかもしれない。 「正捕手育成を担当する矢野燿大作戦兼バッテリーコーチは、高いレベルでの教育を予定しています。若い2人がそれを消化し、自分のものにするまで、それなりの時間を要すると思います」(プロ野球解説者) 先発ローテーションの主軸は、言うまでもなく藤浪晋太郎(21)だ。その藤浪が信頼を寄せる捕手が鶴岡一成(38)なのである。 昨年5月14日の対ヤクルト戦、この試合が藤浪の分岐点になった。 この時点での藤浪の成績は1勝4敗。シーズン初戦こそ勝ち星で飾ったが、その後は勝負どころで痛打を食らう試合が続いていた。関係者によれば、投球フォームに迷いがあったという。前年オフから藤浪が課題としていたのが『脱力』。投球フォームから無駄な力を全て削ぎ、スピンの掛かったボールを投げたいとしていた。しかし、マイナーチェンジさせた新投球フォームに“違和感”があり、ストレートそのものの球質も落ちていた。 そのヤクルト戦の5回裏、先頭バッターはピッチャーの成瀬善久だった。当然のことながら、成瀬は全く打つ気がなかった。 その打つ気配の無さを確かめた捕手・鶴岡がシグナルを送った。 (ちょっと、テストしてみろ) 藤浪は鶴岡のサインに頷き、右腕を振り下ろす角度、新投球フォームの力の入れ具合などを微調整した。 「これだ!」 藤浪が求めていたストレートになった。スピンの掛かった、浮き上がるようなボールが鶴岡のミットに突き刺さった。 前出の関係者がこう続ける。 「鶴岡はストレート中心の配球を組み立ててきました。最後は外角低めで三振を取るイメージで、失投すれば痛打になると分かっていても、藤浪をステップアップさせるためと、その配球をしばらく続けました」 藤浪は15〜16年オフ、関西系メディアの取材で「鶴岡さんのリードは、良い意味で難しい」と答えていた。決まれば相手打者は手も足も出ないが、失投した場合のリスクもあるという意味だろう。しかし、そのリスクを恐れていたら、藤浪の成長はなかった。 金本知憲監督(47)は鶴岡の育てる配球に一目置いており、トラの投手陣も信頼を寄せている。チームの将来を考えた場合、多少の失点は覚悟しても、梅野や坂本を使っていかなければならないだろう。ギリギリまで経験値の少ない若手を使い、勝負どころでベテラン鶴岡に切り換える。そんな捕手起用も張られるかもしれない。 「負けていい試合なんか、1つもない」と金本監督は言った。長いペナントレースのなかで、鶴岡がマスクを被る試合が重要な意味を持つことになるだろう。
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スポーツ 2016年01月26日 16時00分
IOC理事狙う“超人・室伏広治”が悩めるリオ五輪出場保留
レジェンドが目指すのは、3つ目のメダルか、それとも名誉職なのか。 「調子が整えば出るというスタンス」 1月5日、ハンマー投げのアテネ五輪金メダリスト、室伏広治が、今夏のリオ五輪に向けたスケジュールを聞かれ、そう答えた。室伏は昨年、大会に出場していない。練習は続けているそうだが、6月に日本オリンピック委員会(JOC)の理事に選出され、現在は裏方業にも追われている。 だが、前回のロンドン五輪でも銅メダルを獲得。国内では後輩の追随も許しておらず、本人が「リオも出る!」と決めれば、5大会連続出場は間違いないところ。 「室伏が世界と戦った最後の記録は、'13年8月の世界陸上モスクワ大会で、78メートル強を投げ6位入賞でした。しかし、その後の2大会では73メートル台に終わっており、リオでメダルを狙うとすれば、モスクワ大会以上の記録が求められます」(ベテラン記者) 室伏には東京五輪・パラリンピック組織委員会スポーツディレクターの肩書きのほか、東京医科歯科大教授としての仕事もこなしている。人望があるからだが、競技に専念できないほど多忙なのも事実だ。 「昨年12月、室伏はIOC選手委員会理事に立候補しました。北京五輪時には理事当選を果たしながら、無効になった経緯もあるので、なんとしても受かりたいはず。室伏が本当に目指しているのは、リオ五輪ではなく、IOC理事職のほうなのでは」(同) リオ五輪でメダルを狙うとなれば、41歳という年齢とも戦わなければならない。リオで“敗北”を喫するより、このまま理事職に専念すれば、陸上界のカリスマとして強い発言権を持ち続けることも可能だ。 「体調よりも、リオでの勝算があるか否かで去就が決まる」(関係者) リオ五輪の最終選考会は、6月の全日本選手権。そこに“超人・室伏”の名前はあるのだろうか。
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スポーツ 2016年01月25日 17時00分
日本相撲協会幹部が手のひら返し 10年ぶり日本出身力士優勝の琴奨菊の綱獲りに“注文”
大相撲初場所(1月10日〜24日=東京・両国国技館)は、大関・琴奨菊(31=佐渡ケ嶽)が14勝1敗で初優勝を飾った。日本出身力士が優勝したのは、06年初場所での栃東(現・玉ノ井親方)以来、10年ぶりというおまけつきだった。 今場所の琴奨菊は得意のがぶり寄りが冴えて、初日から連勝街道を突っ走った。10日目から、鶴竜、白鵬、日馬富士の3横綱を破って12連勝。13日目は、中学時代からのライバルである東前頭7枚目・豊ノ島に敗れたものの、その後2連勝して、堂々の初Vを遂げた。 そうなると、がぜん注目を集めるのが春場所での綱獲りだ。ところが、その機運が盛り上がるどころか、日本相撲協会の幹部陣には、琴奨菊に対して、“冷めた空気”が流れているのだ。 八角理事長(元横綱・北勝海)は「14勝1敗は立派。3横綱に勝ったのも大きい。内容もいい」と評価しつつも、綱獲りについては「これまで大関が長かった。来場所の内容次第じゃないか」と慎重。伊勢ケ浜審判部長(元横綱・旭富士)も、「これまで安定した成績がない。レベルの高い優勝なら、そういう声も自然と出てくる」とクールな言い回し。 かつて、白鳳、日馬富士の2横綱時代には、大関・稀勢の里が優勝に準ずる成績を収めると、日本人横綱ほしさに、翌場所を“綱獲り場所”に設定。しかし、当の稀勢の里は2度ともチャンスをつかめなかった。 その後、大関・鶴竜が14年初場所で14勝1敗と、優勝に準ずる成績を挙げると、協会は、これまた翌場所を“綱獲り場所”とした。その場所で、鶴竜は14勝1敗で初優勝を果たし、横綱昇進の内規である「2場所連続優勝、もしくはそれに準ずる成績」を満たして横綱に推挙された。これにより、87年(昭和62年)九州場所で昇進した大乃国(現・芝田山親方)以来、26年半ぶりに、「2場所連続優勝」以外での“不名誉な新横綱”の誕生となった。 伊勢ケ浜審判部長がいうように、確かに琴奨菊には安定感がない。11年九州場所での大関昇進以降、優勝戦線にはなかなか絡めず。ケガも多く、5度のカド番を経験。先場所(15年九州)は8勝(6敗1休)止まりで、協会が琴奨菊の横綱昇進に慎重になるのも理解はできる。 ただ、鶴竜の時はどうだったかというと、12年夏場所での大関昇進後、1ケタ勝利も多かった。昇進を判断する対象の前の場所(13年九州)は9勝しか挙げていない。それでも、協会の都合でラッキーな昇進を勝ち取った。 「確かに、琴奨菊はケガが多く、安定感に欠くのは事実。ただ、14勝1敗での優勝は文句なしの成績です。本来なら、『来場所、優勝なら推挙』の声が出るべきです。ところが、協会の幹部連中は明言を避けています。理事長が替わったこともありますが、現状3人も横綱がおり、無理に増やしたくないのがホンネなのでは? 実際、鶴竜は期待外れに終わっていますし…。幸運だった鶴竜と比べると、琴奨菊がかわいそうですね」(某スポーツ紙記者) 八角理事長や伊勢ケ浜審判部長の言い回しからいえば、来場所、優勝しても低レベルなら、推挙見送りの可能性すら出かねない。ならば、琴奨菊は誰からも文句を言わせない成績で連覇を果たすしかなさそうだ。(落合一郎)