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開幕カード大盛況の裏で懸念される不祥事の後始末

 「もう、出て来ないよな…」
 プロ野球関係者、とくに連盟担当としてNPB事務局にも出入りしている球団幹部から、そんな“祈り”にも似たボヤキが聞こえてきた。

 2016年のプロ野球ペナントレースが開幕した。第一節を終え、セパ12球団のべ18試合で動員した総観客動員数は57万5292人。開幕6試合だけでも、19万8416人を集めた。単純に比較できないが、Jリーグの今季開幕戦の総観客動員数は18万6688人(J118チーム9試合/2月27〜28日)。スタジアムの規模などが異なるが、約20万人を集めたことで『プロ野球人気の底力』を再認識したメディアも少なくなかった。
 「昨秋、巨人選手による野球賭博関与が発覚し、キャンプインしたと思ったら、清原和博の逮捕です。もう膿を出し切ったと思ったら、巨人から4人目の賭博関与者が出て、他球団からも『声だしのご祝儀』や、高校野球の勝敗にお金を賭けていたとの報告があって…。各球団の営業担当はファン離れを懸念していただけにホッとしましたよ」(在阪球団スタッフ)
 冒頭の「もう、出て来ないよな」のセリフは、「これ以上の不祥事や賭博関与者が出て来ないように」という意味である。

 しかし、悲観的な見方をする関係者もいないわけではない。
 「営業的な打撃はありませんでしたが、プロ野球界に対する社会的な信用はまだ回復していません。(野球賭博の)本格的な調査はこれからが本番です」
 12球団が浄化を目指す共同声明を出したのが、3月23日。どういうわけか、その翌24日になって、オリックスが「ノックによる罰金制を敷いていたこと」が判明した。この件は「18日時点でNPBに報告していた」との一報もある。だが、共同声明を出した23日の12球団代表者会議で“金銭授受あった球団名”にオリックスは入っていなかった。12球団代表者会議に出たオリックス職員、NPBスタッフは気づかなかったのだろうか。

 「中日でもノックでミスをした選手から罰金を集めていました。しかし、その罰金を福祉関係に寄付していた、と。社会貢献であれば、金銭授受は許されるのかと指摘する関係者もいないわけではありません」(前出・同)
 野球協約には抵触しないそうだが、高校野球の勝敗、声だしのご祝儀、罰金などについて、法曹界からは「単純賭博罪に当たるのではないか」との声も出ている。
 「笠原将生元投手がNPBの聞き取りに応じ始めました。そこで新たな情報が出て来ないとも限らない。5月になれば、清原の裁判も始まります。一部報道にもあったように『現役時代からのクスリの使用説』が証言されれば、2020年東京五輪の追加競技に立候補している件にも影響が出るかもしれません」(球界関係者)

 賭博、覚せい剤。膿は出し切らなければならない。野球賭博の真相究明が進めば、ファンはもっとつらい話を聞かされることになるだろう。「高校野球の指導者復帰」、東京五輪の追加競技など、プロ野球界の不祥事が理由で“悪い方向”に一変しなければいいのだが…。

*写真イメージ

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