スポーツ
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スポーツ 2016年05月08日 12時00分
誰がKUSHIDAを止めるのか? 新日本プロレスジュニアの祭典出場選手決定!
今年で23回目を迎える新日本プロレスジュニアヘビー級選手の最強決定戦「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア23」(以下BOSJ)の出場選手が3日福岡国際センター大会の休憩前に発表された。<出場選手> 【Aブロック】KUSHIDA(7年連続7回目)※第73代IWGPジュニアヘビー級王者、2015年優勝田口隆祐(11年連続12回目)※2012年優勝カイル・オライリー(2年連続2回目)※2015年準優勝マット・サイダル(初出場)ロッキー・ロメロ(5年連続6回目)外道(2年連続10回目)BUSHI(2年振り4回目)マット・ジャクソン(2年振り2回目)【Bブロック】獣神サンダー・ライガー(16年連続20回目)※1994年、2001年優勝タイガーマスク(15年連続15回目)※2004年、2005年優勝ボビー・フィッシュ(2年連続2回目)バレッタ(2年連続3回目)ニック・ジャクソン(3年連続3回目)リコシェ(2年振り3回目)※2014年優勝ボラドール・ジュニア(初出場)ウィル・オスプレイ(初出場) 5月21日後楽園ホールで開幕戦を行い、各ブロック総当りで対戦。最終戦の舞台として今年は6月6〜7日に仙台サンプラザでの2連戦が決定している。2014年の飯伏幸太、2015年のケニー・オメガと当時のIWGPジュニアヘビー級王者が2年連続で出場しなかったため、6月(昨年は7月)の「ドミニオン」で優勝者が挑戦する流れになっていたが、今年は福岡大会で行われたタイトルマッチの前にメンバーが発表され、チャンピオンのKUSHIDAも、挑戦者のライガーも名を連ねていたため、3年振りにIWGPジュニア王者が出場することになった。 Aブロックは福岡大会でライガーを相手に4度目の防衛に成功したIWGPジュニア王者KUSHIDAに対する包囲網が敷かれるのは間違いない。KUSHIDAは7月18日から開幕するヘビー級の最強決定戦「G1クライマックス」や8月21日に有明コロシアムで開催されるジュニアオールスター戦「スーパーJカップ」の出場を視野に入れており、「スーパージュニアは2連覇。夏前に独走する」と絶対王者になるためにも連覇は不可欠と捉えている。しかし、最近はKUSHIDAのサポートに回っている田口や昨年決勝を争ったオライリー、初出場のサイダル、そしてKUSHIDAを付け狙うBUSHIと難敵が待ち構えている。KUSHIDA本命は揺るがないが、団子状態になると意外な選手が勝ち上がる可能性もあるだろう。 Bブロックは福岡大会でKUSHIDAに敗れたものの「ライガー最終章」という言葉をKUSHIDAに再挑戦する日まで封印すると宣言した“世界のレジェンド”ライガーが20回目の出場。福岡大会の試合後、改めて「ライガー(を出来るの)はあと5年」と話しているだけに、最後のスーパージュニア優勝も狙っているはずだ。ただ近年の実績や勢いから予想するとこのブロックは2014年にKUSHIDAを破り優勝しているリコシェを本命に推したい。サイダルとのハイフライヤーズではIWGPジュニアタッグ王座を福岡大会で再度奪還するなど今ノリに乗っている。注目はCMLLから初出場するボラドール・ジュニアと、同じく初出場のオスプレイが何処まで星を伸ばせるか? 彼らにとってはまさに生きる伝説であろうライガーとの対決も楽しみだ。 1・4東京ドーム大会でケニーを破りIWGPジュニア王座を奪取してから完璧とも言える防衛ロードを築き上げているKUSHIDA。ライガーも「ジュニア最強のチャンピオン」と称賛していたが、2013年のプリンス・デヴィット以来、3年振りのチャンピオンとしてBOSJ制覇、そして連覇となると2004年〜2005年のタイガーマスク以来の快挙となる。はたしてKUSHIDAの時計の針を止めることができる選手はいるのか? 今年もBOSJが見逃せない。(増田晋侍)<新日Times VOL.17>
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スポーツ 2016年05月04日 15時20分
長与千種 新団体Marvelous(マーヴェラス)初陣に女子プロレスファン1,300人集結
女子プロレス界の新勢力・Marvelous(マーヴェラス)が3日、東京・豊洲で旗揚げされた。絶大なネームバリューを誇る長与千種が舵を取る、驚異の新団体。プロレス初仕様となる豊洲PITには、およそ1,300人の大観衆が押し寄せ、歴史的な幕開けを見届けた。 お笑い芸人・椿鬼奴のお祝いVTRで幕を開けた初陣イベントは、所属全6選手にエールを送る長与のナレーションに合わせて、幼少期からの写真が5つのスクリーンに映写される粋な演出。14年3月の“That's女子プロレス”大田区大会に続き、歌手・華原朋美が再びサプライズ出演して、生歌で門出を祝福した。 オープニングマッチは、この日がデビューの門倉凛。昨年、「プロレスに携わる仕事がしたくて」同団体の運営職員として入社したが、スタッフの薦めによって、レスラーに転向した23歳。およそ10か月前は腕立て伏せさえできなかったが、この日は、グラン浜田を父に持つ浜田文子を相手に、育成されたプロの姿を見せた。 第2試合は、そんな門倉と同期にあたり、2月13日に米国ニューヨークで開催されたMarvelous USAのイベントでデビューした桃野美桜が、国内初試合。デビュー戦と同じ木村響子に2連敗を喫し、「技術も気持ちも及ばなかった」と肩を落とした。プロレスラーになりたくて高校を中退、単身で上京、NYでデビューする様子が、ドキュメント番組で放映された期待の17歳。門倉とともに、女子プロ界の次代を担う美少女だ。 第3試合に出場した雫有希も先月、密着ドキュメント番組が放映されたばかり。上智短期大学(現:上智大学短期大学部)、慶應義塾大学通信制卒のインテリ・アスリートは、僧侶でもある。乳児院を支援する“きらきら太陽プロジェクト”の主幹でもあり、「キャリアは別だけど、キャリアを生かした出方ができるのは私だけ。上の選手にも下の選手にも、負けない」と、胸を張る。 第4試合には、その雫が生まれた86年にデビュー、今年が選手生活30周年のメモリアルにあたるKAORUが出場。キャリア最長で、94年に長与が興したGAEA JAPAN(解散)に続き、絶対的な安心感を誇る。「私にとっては終の棲家になるんで、プロレスの楽しさを教えていきたい」。団体唯一のヒール。セミロングの髪の一部を紫に染色しての、再出発だ。 第5試合に出場した渡辺智子は、長与が1度目の引退をした89年に全日本女子プロレス興業(解散)に入団。唯一の同期である伊藤薫を相手に、20分引き分けドローに終わった。「オレンジ(昔の水着)を雫にあげたので、これからはピンク」と心機一転。Marvelousの名を刻んだ、オール新調コスチュームで臨んだ。 メインを張ったのは、彩羽匠。“絶対王者”里村明衣子(センダイガールズプロレスリング)に大敗を喫し、「里村さんが長与さんの一番弟子であるのを知ってて、それが悔しくて、越えたくて。また試合をしたら、絶対に勝つしかない」とリベンジを誓った。 同団体は地方巡業を終えた秋以降、首都圏・東京を軸にしたイベントにスライド。東京タワーのふもとにあるスタジオ・東京スターライズタワーで、週1の定期イベントを催す予定だ。さらに、所属全選手を芸能プロダクションに所属させ、エンターテインメントとスポーツの両方でパフォーマンス能力を養う。3人目の新人・田中未来(みき/18歳)もお披露目され、大きなムーブメントを起こすべく旅立ったMarvelous。「シアターにいる気分で観てもらえれば」(長与)。 ドラマティックな女子プロレス。第2話は、5月22日の沖縄大会で観られる。(伊藤雅奈子)
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スポーツ 2016年05月01日 12時00分
新日本5・3福岡は豪華6大タイトルマッチに! 永田、ライガーと泣けるか!? 大会展望
今年も「レスリングどんたく」の季節がやって来る! 新日本プロレスは5月3日に毎年恒例のビッグマッチ「レスリングどんたく2016」を福岡国際センターで開催する。4・29グランメッセ熊本大会が中止になったことで、タイトルマッチが当大会に振り分けられたことに加えて、NEVER無差別級6人タッグ選手権の開催も急遽決定。全10試合中、豪華6大タイトルマッチにスペシャルマッチが2試合とまさに東京ドーム大会級のラインナップとなった。今回は5・3福岡大会の全対戦カードの見どころを掲載する。1.キャプテン・ニュージャパン&ジュース・ロビンソン vs バッドラック・ファレ&高橋裕二郎 ヨシタツにハンタークラブ入りを直訴したが保留されているキャプテン。ここはバレットクラブ相手に結果を出したいところ。バレットクラブは最近大人しい裕二郎の奮起に期待したい。2.タイガーマスク&田口隆祐&ジェイ・ホワイト&デビット・フィンレー vs 桜庭和志&YOSHI-HASHI&ウィル・オスプレイ&外道 注目は福岡初登場のオスプレイ。8人タッグなので何処まで予測不能な難易度が高い空中殺法が飛び出すかわからないが、まだ荒削りながらも今後新日ジュニアの中心に間違いなく入って行く選手なので、その一挙手一投足に注目してもらいたい。3.IWGPジュニアタッグ選手権試合<王者組>ロッキー・ロメロ&バレッタ vs リコシェ&マット・サイダル<挑戦者組> 4・10両国大会のリターンマッチ。外国人によるIWGPジュニアタッグ戦は本当にハズレがない。この絡みが新日本マットで見られるのは本当に幸せなことである。両国でも熱を生んだこのカードが福岡でも爆発するのは間違いなく、勝敗に関しては当日運が良かったチームが最後にベルトを巻いているのではないだろうか。それだけ両チームの実力は拮抗している。最初から最後まで目が離せない。4.NEVER無差別級6人タッグ選手権試合<王者組>棚橋弘至&マイケル・エルガン&ヨシタツ vs ケニー・オメガ&マット・ジャクソン&ニック・ジャクソン<挑戦者組> この試合も4・10両国大会のリターンマッチだが、4・27博多スターレーン大会でファレとの激戦を制した棚橋が、ケニーが保持するIWGPインターコンチネンタル王座への挑戦表明(ケニーは拒否)したことにより、棚橋がケニーを振り向かせることができるのか注目される。また敗れはしたものの、ケニーと大熱戦を演じたエルガン、ハンタークラブ設立に向けて動いているヨシタツと話題を欠かさない王者組に、チームワークに自信がある挑戦者組がどう崩して行くのか。様々なテーマが入り混じったタイトルマッチになりそうだ。5.IWGPタッグ選手権試合<王者組>タマ・トンガ&タンガ・ロア vs 真壁刀義&本間朋晃<挑戦者組> ジュニアタッグと同じく4・10両国大会で王座を明け渡した真壁&本間のGBHが、トンガ兄弟を相手にリターンマッチを行う。ここ数年、IWGPタッグ戦線はなかなか日本人タッグチームが確固たるチャンピオンになれていないだけに、GBHにかかる期待は大きい。またGBHが勝利を収めると会場内が笑顔に包まれることを見ても、ファンから愛されていることがわかる。一発でリベンジして九州に笑顔を与えて欲しい。6.NEVER無差別級選手権試合<王者>柴田勝頼 vs 永田裕志<挑戦者> 小島聡、天山広吉と第三世代を相手に防衛を続けている柴田。天山戦ではダメージから試合後にコメントブースで座り込む姿が見られた。次なる挑戦者は、4・10両国で半ば逆指名される形で永田が登場。柴田は先日の後楽園大会で行われたタッグ戦で中西学も破っており、永田が第三世代最後の砦になる。「もう一度這い上がる」と誓った第三世代にとって永田の挑戦は背水の陣と言ってもいい。リスクを背負う闘いという意味では今大会最も注目のカードだ。7.IWGPジュニアヘビー級選手権試合<王者>KUSHIDA vs 獣神サンダーライガー<挑戦者> 4・10両国でライガーが挑戦表明する形で実現。ライガーは約6年振りのIWGPジュニア挑戦。もし戴冠するとなると2000年7月以来、16年振り12回目の快挙となる。しかしこの後スーパージュニア、スーパーJカップが控えているKUSHIDAは時代を戻すわけにはいかない。8.スペシャルマッチ後藤洋央紀 vs EVIL 昨年11月のEVIL凱旋マッチ以来の対戦。あの時は内藤の介入もあり不透明決着に終わっている。一連の石井戦で覚醒したEVILにとって後藤とのシングルはさらなるステージアップするチャンス。一方の後藤もCHAOSに入り“変化”を誓っているだけに負けられない。二人の肉弾戦は見応えがありそう。9.スペシャルマッチオカダ・カズチカ vs SANADA SANADAはオカダにとってようやく現れた同世代の日本人ヘビー級選手。前哨戦では連日SANADAのSkull EndでオカダをはじめCHAOS勢が絞め落とされて来たが、シングルでは真田聖也時代に使用していた技もいくつか解禁されるはず。ただオカダもSANADAにはまだ手の内を見せていないので、このカードに対する期待値は高い。10.IWGPヘビー級選手権試合<王者>内藤哲也 vs 石井智宏<挑戦者> 内藤の「消化試合」発言に怒り心頭の石井だが、この時点で内藤が主導権を握っている感は否めない。石井が王座を奪取すれば史上最小のIWGP王者が誕生するが、L・I・Jの試合をファンは介入も含めて概ね支持しており、4・10両国のオカダ以上に石井は闘い難いかもしれない。それだけ内藤と石井の立場はこの2か月で逆転してしまった。勝っても負けても試合後の内藤の言動に注目が集まる。 以上、全10カード。今大会の結果は新日本プロレス今年前半戦の大一番、6・19大阪城ホール大会に繋がっていくので、どのカードも結果が重視される大会になるだろう。その中でもベテランの永田とライガーの挑戦は二人がIWGPのヘビー、ジュニアヘビーの王者時代を知るものにとっては感慨深いのではないだろうか。どちらかが戴冠して泣きたいファンも多いはず。はたして福岡で泣けるドラマは起こるのか?(増田晋侍)<新日Times VOL.16>
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スポーツ 2016年04月30日 18時00分
東京五輪にドリームチームはやってくるのか?(後編)
2016年のプロ野球ペナントレースは「新たに導入されたコリジョンルールがどう影響するか」が注目を集めていた。このルール導入に批判的なプロ野球解説者の言葉を借りると、「悪質、かつ故意に走者が相手捕手にぶつかっていくプレーだけを注意すればいい」とのこと。捕手が走者のスライディングに対し、ブロックできなくなるため、余計な失点が増え、投手成績も落ちるのではないかと懸念していた。 善し悪しが決まるのは、シーズン終了後になるのかもしれない。しかし、別の見方もされている。 「アメリカ(メジャーリーグ)ですでに導入されている以上、日本が違うルールで公式戦を続けるのは…」(球界関係者) 2015年、メジャーリーグで正式採用され(禁止事項になったのは14年)、NPBも今年からそれに従った。WBCなど、今後さらに盛んになる国際試合に向け、ルールの解釈を統一しておきたいとの思いもあったのだろう。 「MLB(大リーグ機構)とNPB(日本プロ野球機構)が目指す共通事項があります。それは試合時間の短縮です」(前出・同) 大リーグ機構が試合時間の短縮を目指す理由はシンプルで分かりやすい。莫大な放映権料を生むテレビ局との“お付き合い”である。全米4大ネットワークのテレビ局もそうだが、スポーツ専門のケーブルテレビ局との大型契約がメジャーリーグを支えていると言っても過言ではない。スポーツ専門のケーブルテレビ局・ESPNは2021年までの8年間で、MLBと56億ドル(約6160億円)の契約を結んでいる。それだけの大型契約を結んでいるとなれば、発言力も出てくる。「試合時間をコンパクトに」と働きかけているという。 また、日本の場合は目的が少し異なる。地上波でのプロ野球中継回数が激減して久しい。野球は試合時間が読めない。野球中継は試合終了まで放送できないリスクを常にともなう。それは分かっているが、NPBが「時間短縮」を12球団に強く訴えている理由は、東京オリンピックの追加種目になるかもしれないからだ。 オリンピック大会の最大の収支はテレビ放映料である。その中継するテレビ局側が「試合時間が読めないので野球の中継はたいへん」とこぼしており、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)のリカルド・フラッカリ会長は追い詰められていた。これはソフトボールと“共闘”する前からの懸念事項であり、だから、2008年北京五輪大会の直前にタイブレーク制が導入され、東京五輪の追加種目当選を目指す議論の場で「7イニング制」などの“ギョーテン策”が提案されるのだ。 「試合時間が長引けば、遠方から観に来てくださったファンが帰れなくなるかもしれない。終電車の時間帯があるからと言って、試合途中で帰るお客さん、『子どもが起きている時間ではなくなった』と言って帰る家族連れ…。ファンサービスの目的もあって、試合時間の短縮を目指しています」(プロ野球解説者) ファンサービス、東京五輪の追加種目当選。NPBが時間短縮を掲げる理由は間違っていないが、辿り着くところはテレビ中継だ。新国立競技場の設計、エンブレムのデザインで必ず出たフレーズは「日本らしさ」。日本には長く野球を愛してきた歴史と文化がある。 「メジャーリーグがオールスター戦級のドリームチームを結成すると言ってくれれば、東京五輪の追加種目は野球・ソフトボールで決まるはずなんですが…」(前出・関係者) 国際オリンピック委員会(IOC)はリオデジャネイロ五輪直前の7月に総会を開き、東京五輪の追加競技を決定する。主催国・日本の思いが届くことを祈りたい。
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スポーツ 2016年04月30日 18時00分
東京五輪にドリームチームはやってくるのか?(前編)
その自信はどこに根拠があるのか…。世界野球ソフトボール連盟(WBSC)のリカルド・フラッカリ会長が「東京五輪の追加種目」に関する見解を語ったのは、4月11日に逆上る。 「前向きに交渉している。ベストな解決策を探せる自信も持っている」 「前向きに」と自信満々に語ったその交渉相手とは、大リーグ機構である。今年3月、国際オリンピック委員会(IOC)は東京五輪の追加種目についても議論している。そこで野球・ソフトが当確するための課題として指摘されたのが「メジャーリーガーの参加、大リーグ機構の協力」だった。また、同時に「メジャーリーガーの参加は困難である」との調査報告も受けていた。フラッカリ会長の「解決策を探せる自信も」なる発言は、IOCの悲観論を否定する狙いもあったらしい。 「フラッカリ会長がどういう根拠を持って、『自信がある』なんて広言したのか分かりません。ただ、同会長が言うように大リーグ機構と粘り強く交渉を続けていくしかない」(NPB関係者) 「メジャーリーガーの参加」が野球・ソフトの復活の条件だとしたら、その命運は大リーグ機構の一存で決まると言っても過言ではない。 「東京五輪で野球が復活した場合ですが、WBSCは当初の計画を変更し、出場チーム数を『6』に減らしました。アジア地区と北米、中南米に偏った出場枠についても、IOCに『バランスが悪い』と指摘されています」(前出・同) 野球が公式種目だった2008年北京五輪に逆上っても、大リーグ機構はメジャーリーガーの選手派遣には難色を示してきた。フラッカリ会長は『解決策』について、少しだが、その内容を明かしている。準決勝、決勝の限定参加などの代案を提示するという。 これで、大リーグ機構側が協力してくれるのかどうか分からない。しかし、一縷の望みはある。大リーグ機構は今年3月14日(現地時間)で開催されたMLBオーナー会議で、バド・セリグ コミッショナーの後任を選出した。MLB最高責任者の肩書を持っていたロブ・マンフレッド氏である。 「米国では、マンフレッド氏が新コミッショナーに就くことは既定路線のように捉えられていました。マンフレッド氏は公の場で『課題はたぶん、私の右にいる紳士の後釜におさまることだと思う』と述べていましたので。弁護士でもあり、80年代から労使交渉で敏腕を発揮し、メジャーリーグでストライキが起きた1994年はオーナー側の相談役を務めています。薬物問題でも先頭に立って撲滅を目指して働いています」(米国人ライター) だが、マンフレッド氏が新コミッショナーに選ばれた直後のことだ。米デイリー・チューズ紙はホワイトソックスのジェリー・レインドルフ オーナーのコメントを掲載した。 「マンフレッド氏はソフトすぎる。私は(別候補の)トム・ワーナー氏を推していた」 しかも、マンフレッド氏のコミッショナー選出は満場一致ではなかったという。1回目の投票で22票を獲得したが、規約の4分の3に達しなかったため、2回目の投票が行われ、どうにか承認を得ることができたのが真相だ。前出の米国人ライターがこう言う。 「1回目の投票で22票を得たということは、メジャーリーグ30球団の大半がセリグ路線の継承というか、現状維持を望んでいたとも解釈できます。レインドルフ オーナーの発言には重みがありますが、セリグ路線は変わらないと思います。ただ、マンフレッド氏が1回の投票で承認を得られなかったことで強いイニシアティブを握れなくなるとしたら、何か、セリグ時代にはなかった新しいことをやらないと…」 セリグ路線継承なら、夏の書き入れ時に主力選手を失う五輪協力(選手派遣)はないだろう。マンフレッド氏が独自カラーも出したいとするならば、“大逆転”があるかもしれない。フラッカリ会長は新コミッショナーのマンフレッド氏の胸中をどこまで理解しているのだろうか。
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スポーツ 2016年04月30日 16時00分
俺たちの熱狂バトルTheヒストリー 最終回〈世界が刮目した至高の名勝負〉
史上最大級の知名度を誇るボクサー、モハメド・アリ。その戦歴を語る上で欠かせないのが、1974年にアフリカのザイール(現コンゴ民主共和国)で行われたジョージ・フォアマン戦だ。いわゆる“キンシャサの奇跡”である。戦前の下馬評では圧倒的にフォアマンの有利。アリは“すでに峠を越した過去の選手”と目されていた。 ベトナム戦争における徴兵拒否により、WBA・WBC統一世界ヘビー級王座を剥奪されたアリ。3年7カ月のブランクを経て復帰を果たし、'71年にWBC王者のジョー・フレジャーに挑戦するも、15Rにダウンを奪われ判定負け。プロ入り後、初の敗戦を喫すると、続く'73年にもケン・ノートンに顎を砕かれ、判定で敗れている。 一方のフォアマンは、そのアリを破った両者をいずれも2RKOに葬っていた。誰よりもハードなパンチを武器とするニュースター。190センチを越える長身に分厚い胸板、張り詰めて光を放つ肌は、まるで古代の彫像が現代に蘇ったかのごとし。 このときまでプロ40戦全勝のうち37KOと、歴代で最も高いKO率を誇っていた。アリとて当時はまだ32歳、決してオールドタイマーというわけではなかったが、それでもフォアマンの勝利は揺るぎないというのが、衆目の一致するところであった。 ただ一点、アリにとって有利と言えたのが、現地民衆の声だった。長年にわたって黒人差別の撤廃を訴えてきたアリは、ベルギーによる植民地支配の時代を知るザイール国民にとって、まさに希望の星であった。 だが、一方のフォアマンは同じ黒人でありながら、入国時に旧宗主国の警察犬だったシェパードを連れてきたこともあり、“白人の手先”と非難の的となってしまう。さらに、フォアマンの練習中のケガで試合が延期されると、帰国しての治療を望んだものの“試合拒絶の逃亡”と見なされ、出国禁止の軟禁状態に置かれることにもなった。 「アメリカでのテレビ放映に合わせるために、試合開始が午前3時半と異例の時間に設定されたことも、黒人軽視の表れだと反発の声が上がり、その一方でアリの人気は高まるばかり。“アリ! ボマイエ!(現地リンガラ語でアリ! 殺っちまえ!)”は国民的流行語になりました」(ボクシング記者) ちなみに、このときのボマイエが後に“猪木ボンバイエ”となり、また、この春にWWEへ移籍した中邑真輔の新日時代の必殺技の語源ともなっている。 地元民衆の大歓声がアリに注がれる中、試合開始のゴングが鳴る。 1R、圧力をかけるように前進するフォアマンを、脚を使って牽制のジャブを放ちながらいなしていくアリ。ここまでは想定された展開だったが、続く2Rから様相が異なってくる。 持ち前の剛腕を惜しみなく振るうフォアマンに対し、アリはロープを背負って防戦一方。しかしながら、アリにダメージは見られない。 「ロープにもたれるようにしてパンチの威力を逃すのと同時に、相手の体力を削っていく。のちに“ロープアドープ”と呼ばれる高等戦術。この試合の前、フォアマンとノートンの試合を観戦したアリは、『序盤を乗り切ればノートンが勝っていた』と予言めいたコメントを残しており、それをこの戦略により実現させたのです」(同) ロープにもたれてのけ反りながら、フォアマンの剛打をことごとく受け流していくアリ。フォアマンが疲れてきたと見れば様子見のジャブを放ち、まだ元気ならば、あらためて自らロープを背負って防御に徹する。 6Rあたりからは明らかにフォアマンの疲労が濃くなり、動きが止まることもしばしばだったが、アリは慎重に同様の展開を繰り返した。 そうして8Rも残り20秒となったとき、アリの下がりながらのワンツーでフォアマンがグラつくと、ついに仕上げにかかる。これまでの守勢から一転して連打を浴びせかけ、フォアマンをマットに這わせたのだった。 アリに奇跡の勝利をもたらせたロープアドープ。しかし、ダメージが少ないとはいえ常に被弾するには違いなく、以後、この戦法を多用したことがパーキンソン病発症の一因になったとも言われている。 “蝶のように舞い蜂のように刺す”と呼ばれた動きを取り戻せないでいたアリにとって、まさしく命懸けの闘いだったのだ。
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スポーツ 2016年04月29日 16時00分
祝福ムード一転 福原愛アジア予選初戦敗退の後遺症
4月13日から香港で行われていた卓球・リオデジャネイロ五輪アジア予選は、石川佳純(23)が決勝で中国の李暁霞にストレート負けという結果に終わったが、世代交代の舞台にもなった。会場が最も盛り上がったのは、日本のエース・石川佳純と成長著しい15歳の伊藤美誠が準決勝で激突したとき。伊藤は世界ランク2位の丁寧(中国)に勝っており、石川を食う大番狂わせも期待されたからだ。 しかし、一方で関係者が注目していた組み合わせは違っていたようだ。 「もともとは福原愛(27)が大会の主役と言える状況。台湾選手との交際宣言で、会場では祝福の声が上がり海外メディアもその件で持ちきりだった。しかし、結果は初戦敗退。相手は世界ランク22位で、同6位の福原からすれば“安パイ”だったはず。順調に勝ち進めば、準決勝は“福原対石川”の新旧エース対決になっていたのですが、その前に消えてしまった」 最近の卓球選手としての福原は、かつての輝きを失っているかのように見える。 「世界ランクも石川のほうが4位と上。会場の雰囲気に乗り伊藤、石川を破り、捲土重来を期待していたのですが…。初戦敗退はリオ五輪本番に響くかもしれません」(同) リオ五輪は世界ランク上位22位までは自動的に出場できるため、福原のリオ行きは事実上確定している。 「しかし、これまでも福原は石川たちを仲間だと言って、日本人同士の対決を嫌がる。それもあってテンションが上がらなかったのかもしれませんが、初戦敗退の後遺症は決して小さくない。初戦を振り返ってみると、いきなり3ゲームを奪われたところから3-3に持ち込み、最終ゲームを10-12で落としている。相手にリーチをかけられてから巻き返す精神力はさすがですが、体力不足も懸念されます」(専門誌記者) 石川、伊藤ら若い世代は「日本人対決は気にしない」と話すが、これには「もうオバチャンの時代ではない」というメッセージも込められているのかも。
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スポーツ 2016年04月28日 16時00分
友成那智 メジャーリーグ侍「007」 最良の女房役を失った岩隈久志の今季を占う
岩隈久志は昨年12月にいったんドジャースと3年4500万ドル(50億円)で契約がまとまったが、健康診断でヒジの故障リスクが高いと判断され流れてしまった。結局、1年1200万ドル(13億円)の契約でマリナーズに残留する形になったが、このような事態になったのは、昨年秋に就任したディポート新GMがFA市場の岩隈に対する評価(3年4000〜4500万ドル)よりずっと低い金額(2年3000万ドル=33億円)で契約することにこだわり、市場評価レベルでの契約を求めていた岩隈側を怒らせたからだ。 新入団の投手に故障者が続出し、神経質になっていたド軍のチームドクターが、岩隈のヒジに厳しい見立てをしたため、結果的にマリナーズは岩隈と再契約することができたが、後味の悪い出来事だった。 そのモヤモヤを吹っ切るべく、今季、岩隈は張り切ってキャンプインしたが、オープン戦は不調で防御率は6.00だった。公式戦に入ってもボールのキレは悪くないのに2度先発して0勝1敗、防御率4.09という冴えない成績になっている。 最大の要因は、最良の女房役を相手に投げられないことだ。 表(※本誌参照)をご覧いただければ分かるように岩隈は昨年まで第2捕手だったヘスース・スークレと抜群に相性がよく、バッテリーを組むとたいてい好投していた。通算のバッテリー防御率が1.55ということは、スークレとバッテリーを組んだ試合では平均6回を1点に抑えていることになる。昨年8月12日にオリオールズの強力打線を相手にノーヒットノーランを達成したときもスークレが女房役だった。 その一方で岩隈は昨年まで正捕手だったマイク・ズニーノとは相性が悪く、昨年は6.02というバッテリー防御率だった。これは6回まで投げた場合、平均4点取られたことを意味する。 女房役によってこれほど大きな差が出るのは、岩隈が様々な能力を身につけた技巧派で、捕手側も岩隈の特徴を理解しツボを心得たリードが要求されるからだ。 岩隈の最大の長所は制球力だが、もうひとつはボール球を振らせる技術が高いことだ。ホームプレート手前でストンとボールゾーンに落ちていくスプリッターにバットを出させるには、その前に高目に速球系(ツーシーム、ストレート)を投げ込んで目線を上げておく必要がある。それと同様にホームプレート手前で外側に切れていくスライダーにバットを出させるには、その前にインサイドに投げ込んでおく必要がある。 当然、打者の方も、基本的にそのような攻め方で来ることはある程度計算しているので、賢い捕手は打者の様子を伺いながら、逆の攻め方を岩隈に要求することもある。スークレは、逆を突くことが上手く、スプリッターやスライダーが来そうなカウントで、岩隈にズドンと速球系を高目に投げ込ませて三振に取るケースが多かった。 スークレはさらに名うての強肩で盗塁阻止率が抜群に高く(阻止率43%)、捕手牽制で一塁走者を刺す能力も高い。ボールブロッキングも上手いので、ワンバウンドになるスプリッターを多投する岩隈には大きな助けになっていた。 これほど相性がいい第2捕手がいると、メジャーではその投手が先発するときは必ず受けるパーソナル・キャッチャーにしてしまうことが多いが、スークレは今季、岩隈の女房役にはなれなかった。昨季の打率は1割5分7厘で、バッティングがひど過ぎたからだ。 岩隈にとってつらいのは、今季、この最良の女房役とバッテリーを組めない可能性が高くなったことだ。 マリナーズのディポート新GMはオフに、お気に入りのベテラン、アイアネッタとバッティングのいい捕手クレベンジャーを獲得して正捕手と第2捕手に据えた。そのため昨年までの正・副捕手コンビ、ズニーノとスークレは3Aに追いやられる形になった。 ただ、この人事は早くも破たんの兆しを見せ始めている。アイアネッタ、クレベンジャーともリード面でのミスが多く、チームが勝てない要因の一つになっているからだ。 アイアネッタは打撃面で活躍しているので、すぐにマイナー落ちする可能性はないが、クレベンジャーは開幕からヒットがなく、マイナー落ちする可能性は大いにある。 そうなれば本来ならスークレが昇格して岩隈の投球を受けることになるのだが、開幕直前の4月3日、スークレは1月に骨折した腓骨を修復する手術を受けることになり今季中の復帰が絶望的になっている。そのため、岩隈は今季、スークレ以外の捕手を相手に投げないといけなくなった。 表(※本誌参照)にあるように、岩隈はリード力の低い捕手たちを相手に投げると活躍できない傾向がある。球団がスークレに代わるリードの上手い捕手を獲得してくれればいいが、現在使われている2人の捕手は、新GMが真っ先に獲得した選手なのでそれも期待薄だ。 この苦しい状況を岩隈がどう克服していくか、注目したい。ともなり・なち 今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は大リーグ関連の記事を各媒体に寄稿。日本人大リーガーにも愛読者が多い「メジャーリーグ選手名鑑2016」(廣済堂出版)が発売中。
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スポーツ 2016年04月28日 12時34分
カリスマレスラー長与千種 新団体「Marvelous」旗揚げ 初陣イベント直前インタビュー
“女子プロレス界のカリスマ”長与千種が5月3日、東京・豊洲PITで新団体「Marvelous」を旗揚げする。自身は選手として出場しないが、待望の初陣イベントを目前に控えて、シビアで、かつ激的な言葉が飛び出した。(伊藤雅奈子) −−旗揚げ戦まで1週間を切りましたが、現在の心境は? 「いい緊張感ですよ。道場では自分も教えてるし、選手には崩して、わかりやすく伝えてる。崩してっていうのは、たとえば言葉1つでわかるところを、3つ4つのワードをくっつけて伝えたり。それでもわかってないようだったら、実践。動きで伝えてる」 −−長与さんは選手としては20年以上の実績がありますが、女子プロ団体の社長に就任するのは、今回が初めて。 「マーケティングシェアが広い分野ではないので、大変だし、今も勉強させてもらってるところ。クラッシュ(・ギャルズ)をやってた80年代、バブルの時期と一転して、プロレスや格闘技では儲からないという時代だと思うのでね。こういう例えをするとわかりやすいけど、今はネットの普及によって、無店舗型になっていて、店に行かなくてもショッピングができるし、観たいものも観られるようになっちゃった。プロレスも、無店舗型でやってる組織が多くて、自分で自分を出店する形になってる。道場、リングを持たなくても可能で、すごく便利な世の中になったんだけども、自分はそれを会社として、ソフト(選手)を生みだすファクトリーをそろえたんですね。道場もある、リングもある、寮もある。これらを興行で補うには、とても割が合わない。プロレスの動員数というのは、低いわけですから。じゃあ、どこをどうやって開拓していくの? 勝算はどこにあるの? と」 −−どこにあるんでしょう。 「2つあって。1つめは、プロレスという芸術、作品であれということ。有店舗型で運営している劇団四季さんのようなね、素人の方が観ても共感できるような、劇的なプロレスを見せる。ということは、そこにドラマ性がないといけない。選手一人ひとりの個性を浮き彫りにしないといけないので、そのソフトの開発をまずはする。あともう1つは、旗揚げをして、その後の地方巡業でお披露目したあとは、動員があろうがなかろうが、ある場所で、週に1回、必ず観られるという習慣をつけようと。場所は、東京。テレビ局や雑誌・新聞社、いろんな企業が集まっているから、マーケティングの市場はやっぱり、東京なんですよ。たとえば大阪の芸人さんなんて、夜行バスで往復してでも、東京に来て舞台に立っているわけですよ。AKB48だってね、原点は東京の秋葉原。アキバのドンキ(ホーテ)の上の小さな劇場からスタートして、お客さんが入ろうが入るまいが、必ず公演をしていたわけでしょ。“会いに行けるレスラーたち”。それを目指そうかなって。詳しいことは5月3日に発表します」 −−今後、目指すべくものを聞かせてください。 「“継続は力なり”といわれるけれど、継続は命取り。ようするに、プロレスという飛び出し物には古き伝統があるけれども、時代に100%沿っているかといえば、そうではないので、やればやるほど大変な状況になるということも、頭の中に入れておかないといけない。であれば、その労力を一点集中にして、“待っててください、必ず大きくなりますね”と言える環境を、まずは作ります。異端児な団体になると思うけど、初めて観る人に“ここのドラマはおもしろい、この続きが観たい”と思われるように」 −−ライバルは? 「劇団四季さん。選手や団体じゃなくて、ここを目標にしたいよね。今初めて勝手に言っちゃったから、怒られるかもしれないけど(笑)」●Marvelous旗揚げイベント日時:5月3日(火・祝)場所:東京・豊洲PIT(開場16時、開始17時)彩羽匠vs里村明衣子(センダイガールズプロレスリング)ほか 全6試合オールシングルマッチ。問い合わせはマーベルカンパニー(TEL047-406-5991)まで。
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スポーツ 2016年04月28日 11時52分
“テレビの縛り”がなくなったからできる? プロ野球が検討する平日デーゲーム
デーゲームが見直されている。 プロ野球中継が地上波放送から激減して久しい。ファン層拡大のためには放送回数を増やす努力は続けていかなければならないが、“テレビの縛り”がなくなった利点もある。 「プロ野球中継が高視聴率を誇っていた時代、テレビ局側も球団に注文を出していました。プロ野球ペナントレースの大半がナイトゲームだったのは、テレビ局側の要請でした」(球界関係者) ナイター中継の視聴率が稼げ、その放映料で球団が潤っていた時代はそれでも良かった。「巨人戦の放映料が1試合1億円強」と言われた時代、他のセ・リーグ5球団にとって、テレビ放映料は球団収支の大きな柱ともなっていた。しかし、今は違う。パ・リーグ6球団が経営改革に乗り出し、観戦料収益をテレビ放映料に代わる“メイン収支”に発展させてみせた。 パ・リーグ出身のプロ野球解説者がこう言う。 「パ・リーグはセに比べ、球団売却が多かった。でも、見方を変えれば、新たに参入してきた企業は、時代に適したビジネススタイルを持ち込んできます。パ・リーグは新しいことをやることに抵抗がありません。長い経営キャリアを持つセ・リーグの各球団とは違う(営業戦略の)発想もでき…」 セ・リーグで観客動員数を大きく伸ばしているのは、2012年に参入したDeNAベイスターズだ。巨人を始めとする“古参”のセ経営陣も、パ・リーグとDeNAの積極的な経営戦略は認めざるを得ないところだ。 そのパ・リーグで新たな試みがされた。平日のデーゲームである。 「巨人はテレビ放映権を売るためにナイトゲーム中心の日程を組んでいた時代もあります。視聴率が落ち、地上波でのテレビ放映回数も減り、球団側は試合日程を興行として自由に変更できるようになりました」(前出・関係者) ペナントレース第2節の千葉ロッテ対東北楽天の試合(3月29、30日)が『平日デーゲーム』で行われた。関係者によれば、「3月のナイトゲームは寒い。お客さんと選手の防寒対策」として、試験的に行われたという。 「勝算はありました。春休み期間なので家族連れが来てくれるのではないかと。もっとも、世帯主であるお父さんが仕事を休むのはたいへんですが、やってみる価値はある、と」(関係者) 近年、巨人も土・日曜日にデーゲームの試合スケジュールを組むことが多くなった。“テレビ中継の縛り”がなくなったから可能になったという。巨人も「土・日曜日のデーゲームだと家族連れのお客さんが多くなる」利点を実感しており、今後、セ・リーグでも千葉ロッテに追随し、春休み期間の平日デーゲームが導入されるかもしれない。 もっとも、日中忙しいサラリーマンは「試合開始時間を遅らせてくれ」と言いたいところだが、「デーゲーム=若年層のファン拡大」に繋がるのなら、納得してくれるはずだ。
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