スポーツ
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スポーツ 2016年03月24日 10時50分
2016年プロ野球キャンプ情報「混セとパ1強5弱」説は本当か?(広島編)
昨季15勝を挙げた前田健太の抜けた穴は、誰が埋めるのか。先発ローテーションの編成は簡単に組める。黒田博樹(11勝)、大瀬良大地(3勝)、野村祐輔(5勝)、ジョンソン(14勝)、福井優也(9勝)、九里亜蓮(0勝)、新人・岡田明丈、ドラフト2位・横山弘樹…。13年途中に移籍してきた小野淳平も「先発」での調整を続けており、頭数は揃っている。しかし、昨季の成績から2ケタ勝利の可能性が高いのは、黒田、ジョンソン、福井。大瀬良が故障で途中離脱してしまったのも痛い。「復帰までさほど時間は掛からない」(球団スタッフ)とのことだが、新人の岡田と横山を合わせて15勝してもらわなければ、数字上では厳しい展開となる。 しかし、新人の岡田が各メディアにこう答えていた。 「自分では先発もリリーフも、どちらでもいけると思っています」 緒方孝市監督も起用法について「迷っている」と話していた。 岡田はドラフトイヤーの大学4年時に急成長した右腕で、150キロ以上の直球も投げられる。最大の武器は“軟らかさ”。岡田の投球フォームには無駄な力が一切入っていない。制球力もある。岡田がキーマンになるだろう。 緒方監督だが、表情は昨季よりも明るかった。指揮官2年目で気持ちのうえで余裕も生まれたせいもあるだろうが、「福井の成長を確信している」との情報も聞かれた。大瀬良が前半戦のうちに復帰すれば、黒田、ジョンソン、福井を合わせた4人で“ある程度の計算が立つ”と踏んでいるのではないだろうか。この4人が「45勝以上」を挙げられるとすれば、十分に戦える。他球団と比較するのもなんだが、昨季の阪神は藤浪、メッセンジャー、岩田、能見の4人で42勝42敗。チーム全体で70勝の2位。今季もペナントレースが混戦状態になれば、前田の抜けた穴は致命傷にならない。新人・岡田の伸びのあるストレートを見ていると、先発でも十分にやっていけそうであり、オープン戦終盤までローテーション候補の投手たちの状況を見極め、その起用法を決めれば良い。「もう一枚、先発がほしい」と思えば先発で、現有スタッフでやっていけると判断すれば、中崎翔太とのダブルストッパー構想となるだろう。 また、岡田を先発で使うと決まった場合、救援陣のカギを握るのは、ドラフト6位の左腕、仲尾次オスカルだろう。広島は左の救援投手が薄い。その仲尾次だが、あくまでもキャンプ中盤までを見た印象だが、捕手が構えたところと逆方向に行くボールの割合が多かった。社会人・Hondaでは「変化球の持ち球が多い投手」として知られていたので、調子が悪いときも“それなりにまとめる投球術”ができるはず。理想は「対左打者」に限定せず、1イニングを託すことだが、おそらく、投球数の多いリリーバーになるのではないだろうか。 打撃陣では、昨季不振だった丸佳浩に復活の兆しが感じられた。バットを構えた位置が少し低くなった気がするが、振りは鋭くなった。新加入のプライディ、中日から移籍のルナが快音を響かせていた。投手でも中継ぎタイプの右腕・ジャクソンと190センチのヘーゲンズ(右投右打)を獲得している。外国人選手の一軍4人枠をどう使うのか。主砲・エルドレッドとジョンソンの一軍は確定だとしても、来日4年目で日本通算打率3割を越えるルナも使いたい。ただ、外野手のプライディは俊足で守備範囲も広かった。プライディの機動力は得点力アップにつながりそうであり、ヘーゲンズも面白い。ストレートは岡田よりも速いかもしれない。また、チェンジアップ系の変化球も投げていて、長身な分、かなりの落差がある。この軌道のチェンジアップ系なら、リリーフも務まるのではないだろうか。 緒方監督はこの外国人選手を巧みに使い分ければ、首位戦線でも十分に戦えるはずだ。
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スポーツ 2016年03月23日 13時30分
2016年プロ野球キャンプ情報「混セとパ1強5弱」説は本当か?(オリックス編)
エース・金子千尋が帰って来た。2014年オフに右肘にメスを入れ、その影響で昨季は7勝6敗と振るわなかったが、軽快なランニングやブルペン投球を見ると、15−16年オフは相当量のトレーニングをこなしてきたのだろう。酒井勉投手コーチは開幕投手について聞かれると、「そりゃ、金子でしょう」と笑っており、福良淳一監督が正式表明するのも時間の問題と思われる(3月1日時点)。東明大貴、西勇輝、ディクソンも良い。全体的に見ても、投手陣の仕上がりが早い。 「金子が帰って来た」ということは3連戦の戦い方が違ってくる。東明、西、ディクソンのうち、たとえばディクソンを次の3連戦の初戦・先発に持っていくとする。東明、西のいずれかを金子の次の2戦目に使える。2ケタ勝利の見込める投手を第2戦に控えさせるローテーションは、絶対に脅威となるはずだ。 また、チームに少ないタイプの外国人投手も獲得した。エリック・コーディエ(29)だ。「100マイル超え(160キロ)」を自負する右投手で、キャンプ中盤でフリーA打撃に登板し、実際に打者3人を力でねじ伏せてみせた。スライダー、チェンジアップを持ち球にすると紹介されているが、日本球界で成功するかどうかのカギは、速球との「緩急」を生むチェンジアップだろう。制球力はあまり良くない。ブルペンでは投げた瞬間に「ボール・カウント」と分かる投球もあった。クローザーで使う予定だそうだが、中継ぎで使われたら、「怖い」。オリックスの先発スタッフは、どちらかといえば、技巧派タイプだ。技巧派の後にコーディエが出てくれば、対戦チームは戸惑うだろうし、救援での実績が高い平野佳寿に繋ぐほうがいい。コーディエの制球力では与四球で走者を背負う可能性が高くなる。このコーディエの使い方がポイントになるだろう。 正遊撃手・安達了一が潰瘍性大腸炎で出遅れたため、大城滉二、鈴木昴平の両新人内野手にもチャンスが訪れた。大城は2月29日に二軍落ちを通達されたが、2人とも守備力は高い。大城にもまだチャンスはあると思う。というのも、鈴木、大城ともに打撃ではアピールできなかったからだ。ただ、鈴木はバント、右方向への打撃ができる。オープン戦が始まっても、ベテラン中島裕之が遊撃手でスタートするとの情報がまだ流れていた。経験値は中島だが、福良監督は安達が帰ってくれば、中島を一塁か、指名打者に回すはず。同じくベテランの小谷野栄一も守備練習では三塁、一塁を忙しく兼任していた。ベテランに複数のポジションを守らせるということは、試合途中で出場選手の守備位置を変える可能性もあるのだろう。代打、代走などベンチ入りしたメンバーをフル稼働させる攻撃を想定している。つまり、守備面だけでも「使える」とアピールできた選手には出場機会があるというわけだ。 新任の高橋慶彦・打撃コーチの影響だろう。今年のオリックスはバットを振る量が多い。これまでは居残り練習も自主性だったが、糸井クラスも遅くまでグラウンドに残り、バットを振っていた。 新外国人選手だが、“日本球界向き”を意識して獲得したように思えた。モレルは振り回すタイプではない。捕球、スローイングを丁寧に行う内野手で、ボグセビックは「長打力が売り」と伝えられるが、守備範囲の広い外野手だ。走塁にしても、一塁を蹴った後のスピードは一級品であり、来日8年目のトニ・ブランコと一軍枠をどう棲み分けるか、福良監督は最後まで悩むだろう。一発ならブランコ、確実性ならコンパクトなバットスイングのモレル、走塁も期待してなら、ボグセビック。もともと、オリックスは走れる選手が多いチームでもある。小谷野、中島のベテランが元気で右打者なので、左バッターで「走れる」ボグセビックをメインに考えても面白いのではないだろうか。今年のオリックスは、ホークス追撃の一番手かもしれない。
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スポーツ 2016年03月23日 06時00分
センバツ甲子園2016年「21世紀枠選出選出の舞台裏」
2001年に『21世紀枠』が設けられ、今年で16大会目となる。過去、その21世紀枠で選ばれた私立高校は2013年の土佐(高知県)だけだ。都道府県別で見てみると、3校が北海道、宮城、和歌山、島根。2校が岩手、福島、新潟、愛知、兵庫、香川、徳島、愛媛。1校は14都県で、まだ21府県からは選ばれていない。 「初戦突破」を果たしたのは、昨年までで39校中12校。勝率に直すと3割程度しかないが、08年、成章(愛知)で背番号1を背負った小川泰弘(現東京ヤクルト)が駒大岩見沢(北海道)に投げ勝っている。本来の選考基準は「野球以外の活動でも評価」となっているが、のちにプロで活躍した投手が“野球無名校”に埋もれていたとなれば、意義深さも感じる。 今大会の地区選出だが、モメたところもないわけではない。近畿地区は5校目まではスンナリ決まったが、6校目で意見が割れた。昨秋の近畿大会4強の大阪桐蔭(大阪)、滋賀学園(滋賀)、龍谷大平安(京都)、明石商(兵庫)は確実、5校目は同大会ベスト8で奈良県大会を1位で突破した智弁学園(奈良)が選ばれるまでは良かった。天秤に掛けられたのは報徳学園(兵庫)と市和歌山(和歌山)の2校。報徳学園はベスト4進出を懸けて滋賀学園と戦ったが、延長14回の末、「0対1」で惜敗。同じベスト4進出を懸けた明石商と市和歌山の試合だが、こちらは「7対0」で明石商がコールド勝ちしている。この敗れた市和歌山と報徳学園のどちらを選ぶかで難航した。最終的には『地域性』で決定した。先に決まった5校中、紀伊半島の高校は智弁学園のみ。バランスを取るように、大阪圏の報徳学園ではなく、市和歌山が選ばれた。 一方、東北地区だが、青森県の青森山田と八戸学園光星が選ばれている。東北大会の決勝戦は青森山田と八戸学園光星で争われた。選考段階では同大会ベスト4の盛岡大付校(岩手)、ベスト8ながら仙台育英(宮城)も残っていた。「青森山田対仙台育英」の準々決勝は4対3で青森山田、決勝戦・青森山田対八戸学園光星は5対0で青森山田が勝利。地区優勝の青森山田と接戦を演じたのは仙台育英のほうだ。しかし、八戸学園光星は準決勝(対一関学園)、準々決勝(対東陵)を完封勝利しており、『地域性』よりも『勝敗』『成績』で選ばれた。 選考委員会の決定に意義を唱える関係者、メディアはいなかった。この点は強調しておきたい。だが、「勝利校=甲子園」ではない以上、出場校は惜しくも選ばれなかったライバル校のためにも善戦しなければならない。その気持ちは21世紀枠で選ばれた高校も同じだろう。 21世紀枠に選ばれ、その年の夏の甲子園に帰って来た高校は、宜野座(01年沖縄)と山形中央(10年山形)の2校のみ。大会2日目(3月21日)、21世紀枠同士の対戦となり、釜石(岩手)が小豆島(香川)に競り勝った。21世紀枠同士の試合は13年の「遠軽対いわき海星」以来、2度目。21世紀枠で出場した高校の最高成績は宜野座(01年沖縄)と利府(09年宮城)のベスト4。2勝以上を上げた学校もこの2校だけ。釜石の2回戦以降にも期待したい。(スポーツライター・美山和也)
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スポーツ 2016年03月22日 15時21分
センバツ甲子園2016年「スカウトが注目する異色右腕」
第88回選抜高校野球大会(3月20日開幕/以下=センバツ)が始まった。春の甲子園を征するには「2つの条件」を攻略しなければならない。1つは外野守備だ。春と夏では、外野の芝生を転がるボールのスピードが異なるという。3月の甲子園はプロ野球のペナントレースに備え、外野の芝生が再整備される。長丁場に耐えられるようにするため、芝生部分の土も固めに均されている。その影響で外野手の間を転がる打球速度が「夏の甲子園」よりも上がる。迅速な内外野の中継プレーができているか否か、1点を争う場面では大きく違ってくるのだ。 2つ目は投手力だ。3月という時期である以上仕方ないのだが、打撃陣の調整は不足がちだ。走塁、犠打、右方向への進塁打を徹底させるなど「好投手攻略」に活路を見出す監督もいるが、投手がしっかりしているチームは有利である。センバツは強豪校敗退の波乱が多いのはそのためだ。 「冬場のトレーニングで、どの出場校の投手たちも体を鍛え直しています。昨年秋の大会と比べ、どれくらい成長しているかが視察のポイント」 ネット裏のスカウトたちの言葉だ。 そんな投手に注目が集まるなか、異彩を放つ右腕もいる。21世紀枠で選ばれた長田高校(兵庫県)の園田涼輔(新3年)だ。 同校は国公立大の理工学系への高い進学率を誇る。兵庫県の高校受験ガイドによれば、偏差値70とのこと。21世紀枠により、進学校の出場も珍しくなくなったが、長田高校は「投手・園田」で選ばれたと言っても過言ではない。公式戦6試合で奪った三振の数は66個(52イニング)。しかも、与四死球9。三振の数からしてパワータイプであることは間違いないが、制球力にも長けているのだ。 「昨秋あたりから、『脱力』を覚えたというか…。70%の力で投げても、キレのあるボールが投げられるようになった」(在京球団スカウト) 自己最速は140キロ。球速は「普通」だが、内外角のコーナーギリギリに投げ込み、ストライクカウントを稼ぐ。また、ボールに重量感があるからだろう。ファールになってしまう。スライダー、フォークボールが持ち球。スライダーは縦系の軌道、このボールは練習試合を視察したスカウトたちも高評価していた。素人判断だが、フォークボールはさほどの落差はない。しかし、ストレートとの球速差があるため、緩急の武器になっているようにも見えた。 また、「兵庫県」「公立校」といえば、巨人のルーキー・桜井俊貴(22=立命館)が思い出される。 当時を知る在阪球団スカウトがこう言う。 「単純に投手成績を比べると、桜井よりも園田クンのほうが上。でも、桜井は強豪校との対戦も多く、園田クンはそういう学校との試合がほとんどないので」 桜井も北須磨高校時代に頭角を表し、「公立の星」とも賞された。立命館大学進学後はプロを意識し、徹底的に自分を鍛え上げた。 各スカウトは「伸びしろ」「将来性」で、園田を見ている。センバツ関連の報道によれば、園田は大学進学、将来は理工系への就職を希望し、週6日も進学塾に通っているとあった。センバツ大会のマウンドが、「次のステージでも野球を続けたい」と思う契機になればいいのだが…。(一部敬称略/スポーツライター・美山和也)
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スポーツ 2016年03月21日 16時00分
俺たちの熱狂バトルTheヒストリー〈“掟破りの空手家”佐竹雅昭〉
80年代後半から90年代初頭、佐竹雅昭はコアな格闘技マニアの注目を一身に集めていた。 所属する正道会館が主催したオープン大会『全日本空手道選手権』において、1987年から3連覇。極真空手主催の大会に参加を表明したものの、申込書類の不備という不可解な理由で出場がかなわなかったときは、「佐竹に優勝をさらわれることを極真側が恐れ、参加を拒絶した」との噂が、都市伝説のようにファンの間に広がっていった。 それでも、まだこの時点での大方の認識は、関西ローカルの空手王者という程度のものであった。しかし、'90年に全日本キックボクシング連盟が日本武道館でビッグマッチを開催し、これに勇躍参戦したことで一気にメジャーな存在となる。 このとき佐竹は、グローブを使用する試合の経験があるにはあったが(全日本空手道選手権の延長時においてグローブ着用&顔面ありのルールを採用)、正式なキックボクシングルールでの試合は初体験だった。 相手は、かつて前田日明とも熱闘を繰り広げたドン・中矢・ニールセンで、佐竹戦の直前には、結果は敗れたとはいえ“キック界の帝王”ロブ・カーマンとも拳を交えていた。 圧倒的に不利な条件の下、それでも大歓声で迎えられた佐竹は、試合開始早々から積極的に前に出る。そうしてクリンチの体勢になると、掟破りの頭突き(バッティング)を連発! レフェリーにクレームを入れようとニールセンが動きを止めても、お構いなしにパンチの連打を浴びせ、ブレークのかかった後の一撃でKOしてしまった。 「無効試合、あるいは佐竹の反則負けとなってもおかしくない試合ではありました。実際、当時の格闘技専門誌では、大々的に批判記事が掲載されたりもしています」(格闘技ライター) だが、そんな佐竹の闘いぶりを、多くの格闘ファンはファイティングスピリットの表れとして好意的に捉えていた。 「この頃の佐竹のベストバウトは、'91年に開催されたUSA大山空手vs正道空手5対5マッチでの、ウィリー・ウィリアムス戦です。序盤、ウィリーの攻めを正面から受け切ると、あとは佐竹の独壇場。体格でひと回り以上も大きいウィリーに対し、上段蹴りや組み付いての飛び膝を狙うなど、積極的に攻め続けました。結果は判定ながら完全勝利といえるでしょう」(同) 終盤には、佐竹の下段蹴りや正拳突きでウィリーがグラつき、顔を歪ませて悲鳴を上げる場面もしばしば見られた。 この頃のウィリーは40歳目前と、すでに選手としての峠をすぎ、早々にスタミナを切らしていたようにも見えた。が、それでもかつて極真で旋風を起こした伝説の“熊殺し”を相手に、空手の舞台で完勝したことは、佐竹の名声をさらに高めることになった。 そんな佐竹が次なる標的として選んだのが、前田日明率いるリングスだった。初のリングスルールでの試合は“喧嘩屋”ジェラルド・ゴルドー戦。 ただし、これはレフェリーのブレークの際、ゴルドーが背を向けたところへ佐竹が攻撃を仕掛け、それにキレたゴルドーが顔面パンチやサミングの暴走モードに突入。佐竹の反則勝ちという、ファンにとってはやや肩透かしの結果となった。 それでもリングスでは、以後2度の引き分けを挟んで、5連続のKO勝利を収めている。 「ひとくちにパンチといっても、グローブ使用時のそれと空手の正拳突き、UWF系による素手での掌打では、技術が異なり、まったくの別物といっても構わない。それらを短期間のうちに使い分け、しかも、順応して勝ち続けてきた佐竹は格闘センスのかたまり。天才でしょう」(同) しかし、いよいよ前田との新旧格闘王対決を待望する声が高まってきたところで、佐竹は練習中の胸骨骨折を理由にリングスを離れることになる。 だが、これを額面通りに受け取る声は少なかった。 「前田側が対戦を避けた」「さまざまな条件が折り合わなかった」「すでに発足が決まっていたK-1に専念するため」など、その理由はいろいろ語られたが、いずれにしてもこのドリームカードが実現しなかったのは、ファンにとって残念だったに違いない。
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スポーツ 2016年03月20日 16時00分
野球がアンケート調査で史上初の3位に転落の裏
これは、東京五輪の追加種目競技で野球・ソフトが落選し、空手が当選する布石なのか…。 笹川スポーツ財団がスポーツ種目別の実施頻度、同時間に関するアンケート調査結果を発表した(3月1日)。10代の男子、4〜9歳の男子児童の人気1位はサッカー、2位はバスケットボール。野球は調査史上初の3位に後退した。同財団はこうしたアンケート調査の他、スポーツ政策の提言などを行っているが、「笹川」と聞いて、ピンと来た関係者も少なくなかった。 「東京五輪の追加種目は、野球・ソフトボール、空手、スケートボードなど5種目に絞られました。この5種目の中から、今年8月のIOC総会で決まります。日本国内では野球・ソフトの人気が一番ですが、世界的な普及、各国と地域にどれだけの広がりがあるかが決定の大きなポイントとなります」(スポーツライター・美山和也氏) その世界普及の度合いで言うと、世界で競技者人口約6000万人を誇る『空手』がもっとも有利とされ、元自民党総務会長で全日本空手道連盟の会長を務める笹川堯氏が発起人となり、“空手当確”を応援する議員連盟も立ち上がっていて('14年6月)、同連盟には官房長官・菅義偉代議士も名を連ねている。 しかも、今回の“野球陥落”のアンケート結果を出した笹川スポーツ財団は、笹川堯氏の弟・陽平氏が実質取り仕切っており、理事などには荒木田裕子氏らの東京五輪組織委員が名を連ねている。 「空手有利、野球・ソフト劣勢」の風潮が作られたというのは、うがった見方だろうか。 「昨秋からの野球賭博問題は、新たに巨人の高木京介投手も関与していたことが判明。清原和博容疑者の覚醒剤逮捕で野球界は激震に見舞われました。NPBはIOC傘下のアンチドーピング機構には加盟せず、独自の薬物検査をしてきた。きちんと調査をしていましたが、野球界は甘いと見られても仕方ありません」(ベテラン記者) 政治力で優る空手が追加種目に決定する風潮もできつつある。野球ファンには、つらいアンケート結果となった。
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スポーツ 2016年03月20日 12時00分
4・10両国に向けて動き出した新日本、棚橋の巻き返しはあるか?
「NEW JAPAN CUP 2016」(以下NJC)は、内藤哲也が後藤洋央紀を決勝で破り初優勝。試合後にはロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンに襲撃された後藤をオカダ・カズチカ、石井智宏らCHAOSが救出。後藤は先月の大阪大会終了後よりオカダからCHAOSに勧誘され続けていたが、オカダが差し伸べた手を握り返したことで、ついにCHAOS入りが決定的となった。NJC覇者の内藤は、オカダが保持するIWGPヘビー級王座への挑戦を“上から目線”で選択。4・10両国国技館大会での対戦が決まった。 また、真壁刀義&本間朋晃が保持するIWGPタッグ王座への挑戦表明をしていたタマ・トンガは、実兄のタンガ・ロアをバレットクラブの新メンバーとしてパートナーに指名。こちらも4・10両国大会での挑戦が決定した。タンガ・ロアは、アメリカのWWEやTNAでカマーチョのリングネームで活躍した大物。実父のキング・ハクも1・4東京ドーム大会、1・5後楽園ホール大会にバレットクラブTシャツを着て参戦しており、バッドラック・ファレも含めて新日本マットにサモア旋風が吹き荒れそうだ。 さらに、第三世代に対して「ケツの青い先輩たち」と挑発を続けていたNEVER無差別級王者・柴田勝頼が、12日の青森大会で田口隆祐と組み、天山広吉&小島聡のテンコジタッグと激突。パートナーの田口が小島のラリアットでスリーカウントを許しただけでなく、試合後には自身も小島からラリアットを食らってリング上で大の字に。小島がNEVER挑戦を堂々と表明すると、バックステージに戻った柴田は、小島がNEVERへの挑戦権も掛けられていたNJCを2回戦で敗退したことについて苦言を呈した上で、挑戦を受諾。3・19愛知県体育館での対戦が決定した。 3・3大田区大会で、今年のNJCベストバウトと言ってもいい死闘を演じたROH世界TV王者の石井智宏とEVIL。この試合で開花したEVILは、12日の青森大会にてパートナーBUSHIの毒霧援護があったとはいえ、必殺技EVILで石井からスリーカウントを奪った。試合後にはリング上で石井のベルトを手にしアピール、バックステージでは「オイ! 無様な負け方だったな、石井! この後どうすんだ!? 答えは見えてんだろ」と凱旋帰国後、最も長い“日本語”でまくし立てた。この結果、3・20尼崎大会での挑戦が決定。EVILにとっては大チャンス到来である。 3・20尼崎大会では、もうひとつ気になるタイトルマッチが組まれた。それはケニー・オメガ&マット・ジャクソン&ニック・ジャクソンに棚橋弘至&マイケル・エルガン&ジュース・ロビンソンが挑戦するNEVER無差別級6人タッグ選手権試合だ。今年に入ってからの棚橋は、重要な試合で負けが込んでいる。1・4ドームでのオカダ戦、2・14新潟大会のケニー戦、そして3・3大田区大会でのファレ戦。“エース”にとってこの3連敗は痛いだろう。棚橋がこれから巻き返しを図るためには、どこに照準を絞ればいいのか? そんな中、今回組まれたタイトルマッチは、挽回のキッカケを掴む機会となるかもしれない。 棚橋がNEVERブランドに絡むのは今回が初めてのこと。本稿執筆時点で棚橋からコメントが出ていないので、あくまで推測に過ぎないが、その先にはケニーが保持するIWGPインターコンチのベルトがあるのは言うまでもないだろう。2年前に中邑真輔を破ってインターコンチのベルトを巻いた時、「オレの色に染める」と宣言していたが、結果的にそれは実現できなかった。そして中邑の離脱に際し、「鬼の居ぬ間にオレの色に染めますよ」と言って臨んだケニーとの王座決定戦でも完敗を喫してしまう。棚橋の中で「3度目の正直」という思いがあるのと同時に、まずケニーに勝たなければ巻き返しは図れないという気持ちもあるはずだ。 王者であるケニーの口からも「タナハシが挑戦してきても問題ない」という言葉があるように、棚橋に2連勝すればバレットクラブの新しいリーダーとして磐石の地位を築けるという計算があるはず。この2人に加え、IWGPヘビー級王座獲りを諦めていないエルガンや、LION'S GATEでノアの中嶋勝彦を相手に大善戦したロビンソン、そしてIWGPジュニアタッグ再戴冠を狙うヤングバックスが絡むこのタイトルマッチは、4・10両国、5・3福岡国際センター、そして6・19大阪城ホール大会までを占うカードになる可能性を秘めている。 巻き返しを図るエースが、初夏に向かう新日本の鍵を握っているのは間違いなさそうだ。(増田晋侍)<リアルライブ・コラム連載「新日Times」VOL.10>
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スポーツ 2016年03月19日 16時00分
浜本由惟 モデル卓球美女が披露するブルブル・レシーブ
これまで福原愛(27)や石川佳純(23)がけん引してきた日本の卓球界に、新星美少女が登場した。現役高校生の浜本由惟(17)だ。 「彼女は5歳から卓球を始め、当時から注目されていたのですが、先に芽を出したのはモデルの仕事。小学1年生から吹石一恵と同じ大阪の芸能プロに所属し活動していたんです。今は卓球中心でモデルの仕事は休業中とのことですが、目が大きく印象的な顔立ちから、ファンの間では“卓球美少女”とも呼ばれています」(スポーツ紙記者) 彼女は、現役高校生でありながら、日本オリンピック委員会が設置した『JOCエリートアカデミー』にも所属。現在、世界ランキング48位と、トップレベルも目前なのだ。 「父親はバレーボールの実業団選手で、母親は中国出身の卓球選手。母親は日本に卓球留学した先駆けで、典型的なアスリートの血筋なんです」(同) 福原や石川など日本人選手のほとんどが身長150センチ台。その中で浜本は174センチという長身も魅力の一つだ。 「ネットスポーツにあって、卓球は必ずしも長身が有利ではありませんが、パワーは抜群。瞬発力では日本人選手最速という声もあるんです」(卓球関係者) 3月6日に終了した『世界卓球2016マレーシア』では、日本代表として女子グループBに出場。ブラジル戦などで勝利を収め、団体銀メダルに貢献した。 「まだ日本代表の控えですが、いずれ先発する逸材です。世界卓球でも、その長い手足と力強いスマッシュは目を引いた。東京五輪の有力主力候補なのは間違いありません」(同) さらに、彼女の素晴らしさは、選手としての能力だけではない。モデルをやっていただけあってスタイル抜群の悩殺プレーがとっても好評なのだ。 「卓球は上体を使うせいか、選手は皆、肉付きがよくて乳房が大きいんです。浜本もご多聞にもれず、推定90センチのFカップ級。評判のブルブル・レシーブは、とにかく迫力満点。腕を振った時など、その躍動感を見ているだけでワクワクします」(投稿雑誌編集者) 当然、今後男性誌の素材になることは必定。 「グラビア系雑誌などは、すでに彼女を中心とした企画を考案中とか。近々、ムッチリとしたボディーを拝める期待は大ですね」(前出・投稿雑誌編集者) ますます日本の卓球人気が上がる。
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スポーツ 2016年03月17日 14時00分
清原の呪いか 松坂大輔、斎藤佑樹「崖っぷち」の甲子園ヒーロー(2)
昨季チーム最多勝の武田翔太、5年連続2ケタ勝利の攝津正、9勝無敗のバンデンハーク、移籍以降の2年間ローテーションを守り続けた中田賢一、そこに5年ぶりに日本球界に復帰した和田毅、ほかに東浜巨、岩嵜翔、千賀滉大、大隣憲司、寺原隼人らもいる。 ホークス首脳陣が松坂にマイペース調整を許しているのは、「復帰できなくても戦況に問題ナシ」を確信しているからだ。 「他球団も松坂復帰に期待している感があります。松坂が投げるとなれば、営業(観客増)につながるので」(前出・スポーツ紙記者) 営業といえば、斎藤が厚遇される理由もこれだった。新人時代の'11年、「斎藤が投げる」だけで観客動員数は確実に増えたが、近年は違う。名前で観客増が望めるのは、大谷翔平のほうだ。 「日ハムはBOS(ベースボール・オペレーション・システム)で選手を評価するので、チーム功労者のベテランでもバッサリ切ってしまいます。機械的に見れば、大学卒6年目の斎藤はキャリアハイがシーズン6勝。過去5年間で通算14勝しか挙げていません。今季は“決断”されるでしょう」(ベテラン記者) 今さらではあるが、斎藤がドラフト候補だった'10年、東京六大学リーグの舞台・神宮球場には各球団のスカウトが大挙してやってきた。当時を知る元スカウトマンがこう証言する。 「プロでは厳しい、というのが全球団の評価でした。なのに、1位で指名したのは営業目的です。斎藤の登板時は見ているフリ。後年、早大から本当に欲しい選手が出たときのためにね」 甲子園を制した実績は皆が認めるところ。だが、若くして「日本一」の称号を得た2人は自分を見失った。 「松坂、斎藤も先発にこだわっています。ダメならチームに貢献するため、中継ぎでも何でもやろうという発想がありません」(前出・元スカウトマン) 斎藤は別の意味でも転機を迎えそうだ。 「DeNA、広島、阪神、ヤクルトは先発でのトレードを狙っています。外国人投手がローテーションにいるチームは『中5日で投げたがる助っ人と中6日で投げる日本人投手』が必要なため、連戦になると谷間ができてしまう。それを斎藤に埋めて貰えれば」(前出・スポーツ紙記者) 松坂世代最強の打者・村田修一(巨人)もスタメン落ちの危機と戦っている。“最後の三冠王”松中信彦は引退を表明した。チームに尽くす気持ちがなければ、甲子園スターであっても奈落の底に落ちていくだけだ。
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スポーツ 2016年03月16日 14時00分
清原の呪いか 松坂大輔、斎藤佑樹「崖っぷち」の甲子園ヒーロー(1)
30年前の甲子園大会を沸かせた清原和博容疑者が、連日ニュースを賑わせている。PL学園時代のユニホームなどを飾っていた甲子園球場内の歴史館では「教育的配慮」を名目に、同容疑者に関する展示物すべてを撤去してしまった。その余波だろうか。'98年、'06年の甲子園ヒーローたちも、もがき苦しんでいる。 「いろいろ考えている。これからのことも含めて」 日本ハム・栗山英樹監督がそう憤ったのは、斎藤佑樹(27)に関してである。'06年夏の甲子園大会を沸かせたスターは、今季、プロ6年目を迎える。3月6日に行われたDeNAとのオープン戦で中継ぎ登板し、1イニングを無失点に抑えたものの、そこに至るまでの実戦3試合では全くいいところがなかった。とくに巨人戦では「2回披安打5失点4」と炎上している。 「1イニングを抑えたDeNA戦がラストチャンスでした。結果は出したものの、6番からのほぼ下位打線が相手ですからねえ…」(スポーツ紙記者) 一方、'98年の甲子園優勝投手、ソフトバンクの松坂大輔(35)には「早期復帰」に関して一縷の望みが見えてきた。韓国・斗山との練習試合では288日ぶりの実戦マウンドを踏んだ。2イニングを投げ、披安打ゼロ。最速は141キロだったが、昨年8月にメスを入れた右肩は順調に回復しているようだ。 「5月の交流戦が始まるころ、松坂の一軍復帰が見られるはず。そこで長いイニングが投げられれば、ペナントレース中盤までは先発で使ってもらえると思う」(スポーツ番組担当デスク) 選手層の厚いソフトバンクにおいて、松坂に先発を任せられる余地が果たしてあるのか。いくら松坂獲得を決めた王貞治球団会長や株主総会で「見守ってほしい」と訴えたオーナーの孫正義氏のバックアップがあったとしても、プロ野球は実力の世界。“昔の名前で出ています”で、そうそう勝利が舞い込むわけがない。 だから「松坂の早期復帰」に、「中盤まで」と付くのは、工藤公康監督の“計算”だという。 「ドラフト1位の高橋純平ですよ。他球団では、オコエ瑠偉(楽天)、高山俊(阪神)、平沢大河(ロッテ)たちが連日マスコミを騒がせている。高橋は、ファームでじっくり育てる方針とはいえ、いまだベールに包まれたまま。そこがミソ。その育成プランは工藤監督が評論家時代に学んだスポーツ科学が影響しています。高校3年時に痛めた左太股、新人自主トレで故障した左スネも順調に癒えており、シーズン後半に将来のエース候補である高橋がお披露目される段取りです」(球団関係者)