スポーツ
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スポーツ 2016年04月03日 12時00分
IWGP王者オカダ・カズチカに初めて「挑戦して来い」と言わせた内藤哲也
「すべては両国で変わるから! 両国が運命の日だ!」 4・10両国国技館大会でオカダ・カズチカが保持するIWGPヘビー級王座への挑戦が決まっている内藤哲也。3・27後楽園ホール大会でオカダとの前哨戦を制した内藤は、バックステージでこのようにまくし立てた。 内藤が「20代のうちにIWGP王者になる」と言って挑んだ2012年3・4後楽園大会、「ドームのメインでIWGP王者になる夢」を掲げて挑んだ2014年1・4東京ドーム大会、「2年連続ドームでIWGP挑戦」のチャンスだった10・13両国大会のIWGP挑戦権利証争奪戦。この全ての試合で勝利を収めたのはオカダで、内藤はIWGP王者になる道をことごとく阻まれてきた。 「今後、競い合っていく関係になる」 2007年8月にオカダ(当時は岡田かずちか)のプレデビュー戦の相手を務めた内藤は、試合後このようなコメントを残している。両者の対戦成績はオカダの3勝2敗。オカダがレインメーカーになってからは3勝1敗で優位に立っているが、今回の注目すべき点は、内藤が本隊を抜けて新たなユニット、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンを立ち上げたことにあるだろう。かつてのオカダもそうであったように、こうした変化は勢いを生む。IWGPに近い所にいるのになかなか獲れないという状況は後藤洋央紀に似ているが、後藤は本隊の中にいたため変化をするにも制限があったように見えた。逆に現在の内藤は“制御不能”で、木谷高明オーナーをはじめ団体の方向性についても自由奔放に批判するなど、ファン心理を突いた発言が注目を集めている。【精神的には内藤が優位】 2012年以降の対戦を振り返ると、IWGPヘビー級王座戦に関しては、全て内藤がオカダを追う形で挑戦していた。前哨戦や調印式でもオカダは終始余裕を崩さず、内藤が一方的に挑発していた感は否めない。しかし、今回に関してはこれまでとは違う流れが来ているように思う。『NEW JAPAN CUP 2016』の開幕前に内藤は「オレが優勝しても両国では挑戦しない。大阪城ホールで挑戦する」と発言。3・12青森マエダアリーナ大会で後藤を破って優勝し、IWGPヘビー級王座への挑戦を表明するも「4月の両国国技館? 勝手に決めんなよ。俺のタイミングで挑戦するから」と宣言。ダウンしていた後藤にロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンのメンバー全員で公開リンチを行った。 そこに、後藤をCHAOSに勧誘していたオカダが石井智宏とともに救出に駆けつけて事態を収拾。マイクをつかんで内藤に対し「4月10日の両国で俺に挑戦して来い!」と言い放つと、内藤は「チャンピオンのリクエストだからさぁ、オカダの望みどおり両国でやってやるよ!」と応えた。レインメーカーショック以降、オカダを追い続けた内藤としては、してやったりの展開。「大阪城で挑戦する」という発言はカムフラージュで、オカダもファンも内藤の掌の上で転がされていただけなのではないかと思えるほどだ。 今回のIWGP戦は、内藤が初めて精神的に優位な状態で臨むことになるだろう。今の内藤にはEVIL、BUSHIというロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンのパレハ(仲間)がいる。これまでも試合中、バレットクラブのメンバーに介入されたことがあるオカダにとっても、より厄介な相手であることは間違いない。特にBUSHIの毒霧によるアシストは成功率が高く、内藤の対戦相手を大いに悩ませている。オカダも3・27後楽園大会でグリーンミストを浴びて動きを止められた。また、冒頭のコメントは内藤が何かを予告しているように聞こえなくもない。それが何を指しているのか知る由もないが、今回のチャンスを逃したら内藤自身はもちろん、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンとしても失速する危険性をはらんでいるため、ベルト奪取のためには手段を選ばないだろう。 これまでは内藤の思惑を打ち砕き続けてきたオカダだが、今回ばかりは簡単にはいかないだろう。内藤が必殺技デスティーノで勝利し「運命の日」になるのか? それともオカダがレインメーカーで勝利し、いつもの光景が見られるのか? 4・10両国決戦まであと1週間だ。(増田晋侍)<新日Times VOL.12>
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スポーツ 2016年04月02日 12時00分
友成那智 メジャーリーグ侍「007」 評価がわかれる「42歳のイチロー」「41歳の上原浩治」
メジャーリーグが4月3日に開幕する。 それに伴い米国の主要スポーツメディアは各選手の予想成績を発表している。日本人選手の数値は左上の表(※本誌参照)にある通りだが、日本のファンにとって気になるのは42歳になるイチローの予想成績があまりにも低レベルであることだ。 表の上段がESPN、下段がCBSスポーツの数字だが、どちらも予想安打数は50本前後だ。今季開幕時点でイチローは日米通算でピート・ローズの世界記録4256本にあと43本、メジャー通算3000本安打にあと65本となっているが、50本前後しかヒットが打てないとなると4256本は達成できても、イチローが執念を見せている3000本安打は困難になる。 しかし、望みがないわけではない。筆者は以下の二つの条件が重なれば、メジャー3000本安打は十分達成できると見ている。 一つは、マーリンズの外野レギュラー陣に長期欠場者が1人以上出ることだ。表にある予想成績は外野のレギュラー陣に長期欠場者が出なかった場合の数字だ。そうなるとイチローはスタメン出場する機会が40試合前後になるので、80試合くらいに代打で出場しても打数は220〜230程度にしかならない。今のイチローは2割3分くらいの打率しか期待できなくなっているので安打は50本くらいしか見込めなくなる。 しかし、レギュラー陣に故障者が1人でも出ると状況は一変する。スタメン出場が80試合以上になり、打数が300を超えるため打率2割3分でも安打数は70本以上になる可能性が高くなるからだ。 もう一つの条件は、例年のようにチームが優勝争いから早々に脱落することだ。マ軍にはイチローのほかにもう1人デレク・ディートリックという長打力がウリの4人目の外野手がいる。もしチームが熾烈な優勝争いを繰り広げるようになるとディートリックが優先的に使われるようになる。 逆にチームが例年のように序盤から負けが込んで優勝の望みがなくなると、球団は客寄せ対策としてイチローの記録達成を前面に押し出すようになるので優先的に使われるようになり、3000本安打に届く可能性はグンと高くなる。 以上の二つの条件のほかに、シーズン前半、スランプに陥らないことも必要不可欠な条件だ。打率が5月に入っても1割台に低迷しているようだと、解雇されるリスクが高くなるからだ。メジャー球団は日本の球団のように輝かしい実績のある選手を特別扱いするようなことはしない。あまりチームの足を引っ張るようだと躊躇なく解雇するだろう。 同じ40代でも上原浩治の予想成績は依然ハイレベルだ。オフにレッドソックスがメジャー屈指の実力を誇るクレイグ・キンブレルをトレードで獲得したため、上原は今季、クローザーからセットアッパーにまわる。キンブレルは'11年から4年連続でナ・リーグのセーブ王になった実力者なので、故障リスクの高い上原がクローザーの座をキンブレルに譲るのは当然の成り行きと言っていいが、筆者は「クローザー上原」を見られる機会はまだあると見ている。 考えられるケースは二つある。 一つは、キンブレルが昨年来の不振を克服できず、レ軍でも度々打ち込まれる場合だ。キンブレルは昨年、パドレスで6本被弾したため、防御率はクローザーとしては平均レベルの2・58だった。今季は球場が狭いレ軍に来たので、アナリストの中には防御率がさらに悪くなると見る向きが多い。CBSスポーツのアナリストは今季の防御率を2・75と予測している。この数字は上原の予想防御率2.36よりずっと悪い(表参照)。 しかも「レ軍のクローザー」は他球団よりはるかに大きいプレッシャーが掛かるため、名のある投手でも用をなさないことが多い。'12年オフにパペルボンがチームを出たあと、'13年6月に上原が起用されるまでは他球団で活躍した実績のあるベイリー、アセベス、ハンラハン等がクローザーで起用されたが、別人のように打ち込まれて地位を保つことができなかった。キンブレルにもこのリスクが付きまとうので、2、3試合連続して打ち込まれた際、数週間限定で上原がクローザーに回る可能性はある。 「クローザー上原」が見られるもう一つのケースとは、クローザーに人材を欠く優勝を争うチームが、実績のある上原を欲しがる場合だ。メジャーでは7月末のトレード期限に大物リリーバーがよく動く。上原も一昨年7月に優勝を争うエンジェルスからクローザーに所望されたことがある。今季、レ軍が7月時点で優勝の望みがなくなる展開になれば、8、9月は他球団でクローザーを務める可能性は十分ある。ともなり・なち 今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は大リーグ関連の記事を各媒体に寄稿。日本人大リーガーにも愛読者が多い「メジャーリーグ選手名鑑2016」(廣済堂出版)が発売中。
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スポーツ 2016年04月02日 09時00分
マテオに異例の3イニング! 全試合必勝体制の金本継投策
金本監督の選択は『続投』だった。 3月31日の東京ヤクルトとの一戦は6対6の引き分け、5時間を越す長期戦となった。試合後、金本知憲監督(47)が記者団に囲まれる。球場外にあるクラブハウスまでの道すがら、まず指揮官の口から出たのは「できれば勝ちたかったけど、流れが悪いなか、よく負けなかった。負けなかったというほうが大きい」という、疲労感タップリのコメントだった。記者団が聞きたかったのは、新守護神のマルコス・マテオ(31)を3イニングも投げさせたこと。 「(3イニング目の)11回表にリードしたから」 そう答えると、さらにこう続けた。 「投手交代は矢野(燿大作戦兼バッテリーコーチ)と香田(勲男投手コーチ)に任せているから」 その言葉通りだとしたら、続投は両コーチの判断ということになる。最後の12回裏のマウンドに上がった榎田大樹(29)は走者こそ許したが、2三振を奪っている。マテオに繋ぐ貴重な左のセットアッパーであり、今季は絶好調である。仮説の話をしても仕方ないが、1点リードを奪った11回のマウンドをこの榎田に託していたら、試合結果は変わっていただろうか。 「マテオは3イニングを投げた31日の試合が4試合目の登板です。31日は61球を投げており、登板過多。本人は『疲れていない』と言いますが、ちょっと心配ですね」(プロ野球解説者) その点は指揮官も分かっていたはずだ。 11回に勝ち越した「1点」を守るため、金本監督と矢野、香田両コーチはマテオを続投させるべきと判断した。この日、阪神は8人のピッチャーをベンチ入りさせていた。マテオは6番手で登板しており、あとは榎田と同日一軍登録した金田和之(25)しか残っていなかった。 「榎田の好調さは金本監督も認識していたはず。キャンプ中盤、臨時コーチを務めた下柳剛氏が『今年の榎田はいい』と伝えていましたから」(チーム関係者) 結果論だが、それでも、マテオを続投させたほうがいいと判断したのだろう。 「マテオのスライダーは対戦打者の左右に関係なく、打ちにくい。阪神首脳陣はそう判断しています」(前出・同) 5時間を越すこの死闘をネット裏から見ていたライバル球団のスコアラーがこう言う。 「(マテオの)スライダーの軌道をじっくり見せてもらいましたよ。ボールカウントが続くと、スライダーに頼ろうとする。まあ、対策はこれからになるけど…」 マテオを研究されると、阪神救援陣は再編を余儀なくされる。現時点でクローザータイプの投手は見当たらない。経験豊富な福原、若手の歳内をコンバートするなどのスクランブル体制になるだろう。 「開幕2節を終え、阪神の弱点は救援陣だと思いました。敗戦した3月30日がとくにそうですが、相手チームに傾いた流れ、ゲーム主導権を相手に奪われた後、その流れを断ち切ってくれるセットアッパーがいません」(前出・プロ野球解説者) だとすれば、金本監督と矢野、香田両コーチは、好調なセットアッパーの榎田を消耗させたくないと考え、マテオに3イニング目を託したのかもしれない。また、投打ともに好調な選手が多いなか、その流れに乗れなかった唯一の選手がセットアッパーの鶴直人(28)だ。鶴は開幕戦の中日、第2節のヤクルト戦に投げている。2試合ともビハインドの場面だったが、失点を許した。その鶴を降格させ、一軍に呼び寄せたのが二軍戦で好調だった金田である。「次のDeNA戦のために金田も隠す」ために、マテオに無理をさせたのだろうか。 4月1日、そのDeNAとの初戦はマテオを休ませる予定だと発表された。他球団にジックリとマテオを研究させる機会を与えてしまったのは痛い。 「阪神OBはテレビでは金本監督を絶賛していますが、投手に盗塁のサインを出し、大砲タイプのゴメスにもスチールを強行させました。『やりすぎではないか』と心配しています。ヤクルトとの初戦で藤浪に149球を投げさせ、マテオには3イニングのロングリリーフ。まるでトーナメントの高校野球のような必勝体制なので」(関係者) 批判ではなく、心配ということだが…。 マテオと「救援陣」を天秤に懸けた采配の是非はペナントレース終了後に出る。
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スポーツ 2016年04月01日 16時00分
センバツ情報「延長サヨナラ勝ち」 智弁学園の勝因は選手層の厚さ
第88回選抜高校野球大会(以下=センバツ)は智弁学園(奈良)の優勝で幕を閉じた。1点を争う好ゲームは延長戦に突入し、村上頌樹(新三年)がセンターオーバーのサヨナラ安打を放った。ここまでセンバツのマウンドを一人で守ってきたエースが自らのバットで決着をつけた。まさに劇的なゲームだった。 智弁学園は強豪、伝統校としても知られるが、全国制覇は初めて。奈良勢のセンバツ優勝は97年以来19年ぶりとなる。 同校を指揮する小坂将商監督は、大会前、「投打の柱に頼りすぎない野球を」と、各メディアの取材で答えていた。近畿地区の野球関係者によれば、センバツ初戦で途中からレフトを守った藤田和樹や、他控え選手のなかにも秋季大会のマウンドを務めた投手がいたという。「中心選手に頼りすぎない野球」と聞くと、投手の数人体制による継投策がイメージされるがそうではない。同校の勝因は近畿準々決勝(秋季大会)での敗戦から学んだチーム作りにあるようだ。 昨年10月25日、滋賀県大津市・皇子山球場。同校は大阪桐蔭に敗れた。スコアは4-9。スタンドから見た感想は「力の差」。関係者によれば、両校は同3月に練習試合を行っていたという。大阪桐蔭がセンバツ大会に臨む直前であり、同校にすれば、実力のある智弁学園と試合をすることで実戦感覚を磨いておきたかったのだろう。 「練習試合で、大阪桐蔭は村上頌樹が屈指の好投手だと認めました。そのときのイメージから対策を練り、近畿大会の勝利につながりました」(関係者) その村上が打たれ、3イニング目に6点を失った。その後は防戦一方だった。打の中心である太田英毅(新二年)もヒット1本を打つのがやっと…。だが、智弁学園が一矢を報いたのは“選手層の厚さ”。人数は新三年生と新二年生を合わせ、33人(センバツ公式プログラムより)。マンモス野球部ではない。途中出場の選手たちがヒットを連続し、コールド負けを防いだのである。 どの学校もそうだが、日曜日の練習試合では第一試合と第二試合で何人かのスタメン選手が変わる。レギュラーの控え選手の力量差で「第二試合が凡戦になる」ことも多いが、智弁学園にはそれがない。 このセンバツを戦った打線にしても、そうだ。第一試合では岡澤智基捕手が1番を務めたが、その後は納大地二塁手が1番で岡澤捕手は2番にまわった。秋季大会では3番の太田遊撃手が1番を任された試合もあった。 選手層の厚さとは、人数の多さだけではない。レギュラーと控え選手の力量差を小さくすることであり、投打の中核選手がマークされたときに、チーム全体で1点をもぎ取っていかなければならない。誰かがマークされても、チームはガタガタにならない。 昨秋、大阪桐蔭に敗れた後、智弁学園は投打の中核が徹底マークされたときにどうすべきかに取り組んできた。チーム全体を底上げする。これが、トーナメントを勝ち上がっていく高校野球の戦い方である。(スポーツライター・美山和也)
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スポーツ 2016年04月01日 13時25分
センバツ情報 決勝戦進出・高松商の意識改革
第88回選抜高校野球大会(以下=センバツ)は智弁学園(奈良)の優勝で幕を閉じた。だが、昨秋の明治神宮大会覇者でもある高松商(香川)が決勝戦進出を果たしたことで地元の高校野球関係者は安堵しているのではないだろうか。 地元関係者によれば、同校をセンバツの決勝戦に導いた長尾健司監督の抜てきは“賭け”に近かったという。 「付属の監督さん」。地元関係者、高校球児たちは就任前の長尾監督をそう呼んでいたという。長尾監督が名門・高松商に招かれたのは2014年4月。センバツを戦った新三年生と同じである。 当時を知る地元関係者がこう言う。 「近年、香川県の高校野球の低迷を心配する声が各方面から出ていました。白羽の矢が立てられたのが香川大教育学部付属坂出中学校で軟式野球部を指導していた長尾監督でした」 香川県に限らず、公立高校の場合、人事交流などで中学校の教諭を高校に異動させることは珍しくない。中学校の教諭でもあった長尾監督の高松商異動は『人事交流』となっているが、名門野球部の復活を託してのものだったそうだ。 「長尾監督の指揮していた付属中は、08年に春、夏、秋の3大会で県優勝、10年秋には四国大会優勝を果たし、全国大会にコマを進めています」(地元関係者) 08年の3大会制覇は赴任3年目のこと。野球の強い中学校ではなかった。県内屈指の進学校である。放課後の部活動時間は1時間ないそうだ。野球部員のほぼ全員が6時から進学塾に通っていたという。それでも08年に快進撃を見せ、それ以降は「四国大会の常連、野球強豪中学校」とも言われるようになったのは、長尾監督による“意識改革”だった。部員たちに訴えたのは、練習への取り組み方。1時間もない練習を有意義なものに変えるため、「効率よく、集中して」と説き伏せた。教え子も高校野球で活躍するようになり、関係者の目に止まるようになった。 名門・高松商野球部の監督に着任し、真っ先に「変えた」のは、上下関係だった。一年生も二年生も関係ない、三年生もグラウンド整備をやる。野球部活動は、実質2年半しかない。だったら、その限られた時間をできるだけ練習にあてるべきだ。上級生もグラウンド整備をすれば、早く練習を始められる。そのほうが…。伝統校の野球部員たちにそう語りかけた。 香川県の甲子園出場校だが、長尾監督着任前の2013年までの過去10年間を見てみると、センバツ出場権を得たのは2大会3高校のみ。いずれも初戦敗退。夏の甲子園大会でも、同期間で初戦突破を果たしたのは2校だけ。香川県の高校野球関係者も「改革の必要性」を感じていた時期だった。 昨秋の四国大会後、同校のグラウンドで二年生がトンボ掛けをしていた。聞けば、一年生大会に出場する後輩たちのために自主的に始めたのだという。室内練習場からは、ボールを打ち返す音が聞こえてきた…。 一年生は当然、先輩たちの心配りに感謝していた。上級生が後輩たちを思いやる気持ちがあれば、下級生も先輩を敬うようになる。自ずとチームも一丸となっていく。「効率よく、集中して、時間を有意義に使う」とは、前時代の悪しき伝統を変えるにもつながるようだ。(スポーツライター・美山和也)
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スポーツ 2016年04月01日 09時00分
「チームを乗せていく」 金本阪神の『超変革』までの道のり(後編)
6番・鳥谷敬(34)。オープン戦終盤、「1番・高山、2番・横田」の新打順が続いたため、これまで主にリードオフマンを務めてきた鳥谷の打順も変わるのは予想できた。 「3番・鳥谷、ヘイグは5番か6番だと見ていました」(プロ野球解説者) 鳥谷の6番は降格ではないようだ。鳥谷が3番なら、高山、横田と左バッターが3人続く。チーム関係者によれば、4番もゴメスではなく福留でスタートすると決めていたそうだ。左バッターが4人続くのを避けたのだろう。もっとも、「鳥谷、西岡」で1・2番コンビを編成していたら、前政権と代わり映えしなかった。金本監督はこの新打順を決断するまで、それなりの時間を要したそうだ。 「キャンプ序盤だったと記憶していますが」と球界関係者が前置きし、金本監督がいかに打順編成に悩んでいたかを教えてくれた。 「DeNAのラミレス監督が『2番梶谷』の新打順を考えているとの情報が入ってきました。金本監督が口にしたのは、『そう来たか!?』のセリフでした」 梶谷隆幸はトリプルスリーを狙えるDeNAの主力選手。ラミレス監督は就任してすぐ、打線で期待する選手として、主砲・筒香嘉智とともにその名前を挙げていた。3番バッタータイプとして評価されているが、そのクリーンアップ候補を2番に置く攻撃的打順を知って、金本監督は「先を越された」の心境だったという。 「基本的に『バントはやらない』の方針。そうなると、2番の打順に3番タイプのバッターを置くことができます。金本監督は新2番バッターをスローガンである超変革の象徴にするつもりでした」(前出・関係者) その攻撃的2番バッターの候補の1人に鳥谷も含まれていた。新人の高山俊(22)、横田慎太郎(20)、そして、二塁手争いを繰り広げた大和(28)もそうだった。 「ラミレス監督は梶谷の故障で『2番梶谷』の攻撃的打順の変更を余儀なくされましたが、同じ梶谷タイプ(3番バッター)ではインパクトがない。参考にされたのは、星野仙一氏が監督だったころの打順。『2番赤星』です。若い高山と横田を1、2番で並べ、チームに勢いを付けようとした部分もありますが」 赤星憲広氏(現解説者)は2番の打順で、首位打者を獲っている。2番バッターが俊足であれば、併殺プレーも成立しにくい。 鳥谷にとって、6番の打順はむしろチャンスではないだろうか。意外だが、鳥谷のバットマンタイトルは最高出塁率(2011年)だけだ。今季は走者を溜めた場面で打席がまわってくる。出塁率の高さは30代半ばとなった今も変わっていない。「出塁率=ヒット」と見れば、『6番鳥谷』は打点王のタイトルを狙える。 「あまり目立っていないが、4年目の北條史也(21)の成長を口にするコーチもいます。遊撃手なので鳥谷の控えが長いが、ウカウカしていたら、金本監督は北條を使うかもしれない」(プロ野球解説者) 鳥谷はキャンプ、オープン戦で若手に混じって居残り守備練習をこなしていた。数少ないレギュラーを公言されたベテランが懸命になれば、他選手も自ずと練習熱心になる。これも『超変革』の一環でもある。
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スポーツ 2016年03月31日 10時58分
「チームを乗せていく」 金本阪神の『超変革』までの道のり(前編)
金本知憲監督(47)が開幕カード(対中日)を勝ち越し、順調な滑り出しを見せた。第2戦で初勝利を挙げたとき、「それなりに、うれしい」と感想を述べた。言葉は素っ気ないが、顔は綻んでいた。また、この開幕カードを勝ち越した後、「(選手たちを)乗せていくことが大事だと思う」と振り返っていた。 選手たちを乗せていく…。この言葉は意味深い。 1番・高山、2番・横田、3番・ヘイグ。なかでも、新人の高山俊(22)は、金本阪神のスローガンである『超変革』の象徴とも言われている。横田との「1・2番コンビ」の活躍は2011年以来となるオープン戦首位の原動力ともなった。その勢いを開幕カードに持ち込んだわけだが、ヘイグを3番に置いた開幕戦の新打線は、捕手の岡崎太一(32)を含めれば、「4人が新戦力」となる。 開幕戦を観戦したプロ野球解説者の1人がこう言う。 「高山、横田、ヘイグに対し、セ5球団はまだデータを取りきれていません。選手としての特徴は分かっていますが、得意なコースや苦手コースはどこなのか、どの種類の変化球が苦手で、どういう配球で苦手なボールを投げられたら対応できないのかなど、調べ上げるのはこれからです。オープン戦終盤がとくにそうでしたが、意図的に色々なボールを投げ、どんな対応をするのかを確かめています。彼らの真価が問われるのは交流戦以降かな」 彼らの勢いが止まるときもあるかもしれない。しかし、阪神が「変わった」と不安も確信できたのは開幕戦の1回、5回の攻撃だろう。 1回裏、先頭の高山が出塁する。2番・横田慎太郎(20)はヒッティングに出た。去年までの阪神だったら、手堅くバントで進塁させていた。結果は投手ゴロだったが、横田は一塁まで全力疾走し、併殺プレーを防いだ。秋季キャンプから「走る」をテーマにし、犠打や凡打での打者走者の手抜き走塁は「絶対に許さない」とする金本イズムである。 また、5回裏は投手のメッセンジャー(34)に盗塁のサインを出した。調べてみたところ、阪神が投手に盗塁をさせたのは35年ぶり(成功)。このメッセンジャーについて、金本知憲監督と腹心・矢野燿大作戦兼バッテリーコーチ(47)は“意見交換”していたという。 春季キャンプ前だった。矢野コーチが解説者時代に見た印象として、 「投内連携プレーで全力疾走しない。もう助っ人ではなく、主力なんだから(本人に)言ってやろうかと…」 と言った。金本監督も頷き、さらにこう続けた。 「オレさ、ピッチャーにも盗塁のサインを出そうかと思っている」 投手の盗塁と聞き、矢野コーチは無言で聞き返した。 「藤浪(晋太郎)あたりは喜んで走ってくれると思うんだけど?」 金本監督がそう言うと、矢野コーチは反論しなかった。 「セ・リーグの投手は打席に立ちます。バントのサインが出て、ボールを転がすと、一塁まで全力で走る投手はいないんじゃないかな。守っている側からすれば、簡単に一塁送球して、アウトカウントが1つ稼げるんだから、楽なもんですよ」(前出・プロ野球解説者) 投手の全力疾走は守備側のチームにプレッシャーを与えるようだが、リスクもともなう。一塁ベースカバーに入る二塁手と接触すれば怪我を負う。その怪我が重症となれば、ローテーション全体に影響が出る。しかし、金本監督はリスクよりも攻めることを選んだ。 “手抜き走塁”の典型例だったメッセンジャーがトラ投手陣の先陣を切って、盗塁を決めて見せた。中日守備陣が乱れる間に三塁まで走っている。 「5回裏は7番・西岡が出塁すると、8番の岡崎にエンドランのサインを出しました。下位打線にも犠打ではなく、『攻める』攻撃をさせました。エンドランは決まるとベンチは凄く盛り上がるんです」(前出・同) 「乗せていくことが大事」と言った金本監督の狙いは、そんな戦う姿勢を植え付けることにある。それだけなら、単なる『変革』だが、積極的に攻めることが当たり前だというところまでチームを変えなければ、『超変革』にはならない。乗せていくことで『変革』の先までチームを進化させる。開幕初戦を勝ち星で飾れなかったが、新生・金本阪神は確実に『超変革』へと歩み始めた。
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スポーツ 2016年03月30日 16時00分
マリリンvs吉田知那美 カーリング女子で勃発する主導権争い
「世界女子カーリング選手権」(カナダ/3月19日開幕・現地時間)は、オンナの熱い“覇権争い”で氷が溶けてしまうのではともっぱらだった。 日本代表の座を勝ち取ったロコ・ソラーレ北見といえば、マリリンこと本橋麻里(29)が所属することで知られているチーム。しかし昨年10月に第一子を出産したため、最近は試合に出ていない。 「経験豊富な本橋がチームの支柱だったのは事実。しかし彼女が妊娠・出産でチームを離れていた間、若い吉田知那美と藤澤五月(ともに24)が急成長し、今回の世界選手権出場を懸けた日本選手権で勝利したのです」(競技関係者) 特にリーダーシップを発揮してきたのが吉田だ。「北海道銀行から北見に移籍」という経歴こそ本橋と重なるが、性格は異なる。本橋は良くも悪くも前に出ようとするタイプ。吉田は道銀時代も嘱託とはいえ、しっかりと業務をこなし、現在も大手自動車会社で働きながら競技を続けてきた。 「今季、中部電力から移籍した藤澤が『こんなに練習するの?』と驚いていたほど。吉田、藤澤は安定した生活を捨て新興の北見に移籍したのだから気は強い。2人ともロリ顔ですが(笑)」(同) その藤澤も、吉田との相性が良かったのか、日本選手権では大会MVPを獲得。吉田が牽引し、最後は藤澤が決めるという勝利の方程式も完成した。 「本橋は助言役としてチームに帯同していました。リンクに下りられないので吉田に任せても良かったんですが、世界選手権も同行したのです」(運動部記者) 本橋は助言を送っていたそうだが、吉田体制の新チームとの距離はむしろ広がっている。如実に表れるのがスイーピングだ。カーリングはブラシでリンクをスイープしストーンを導くシーンがお馴染みだが、今季から“皆で”ではなく、1人が掃き、もう1人がそれを補助する新スタイルになった。その指示を送るのは、全て吉田なのだ。 主導権を握ったロリ顔コンビ。2人を見る本橋の視線には、複雑な思いが込められている?
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スポーツ 2016年03月30日 11時57分
斎藤佑樹が二軍で満塁被弾 遠のく一軍マウンドと「したいこと」のギャップ
3月29日、北海道日本ハムと千葉ロッテマリーンズのイースタンリーグ公式戦が行われた(鎌ヶ谷)。平日の日中ながら、スタンドには熱心なファンも多く、厚い声援を送っていた。しかし、千葉ロッテ・福浦の打球がライトフェンスを越えた瞬間、その声援は溜息と野次に変わった。4回被安打7、失点6。福浦に満塁の一発を献上したのは、斎藤佑樹(27)である。 結果を出して、一軍へ。そろそろ、結果を出さなければ、首脳陣は“判断”しなければならないだろう。この日のピッチングを見る限り、いばらの道は続きそうだが…。 「斎藤も自分の置かれた立場を分かっていますよ。今年は正月返上で練習していましたし」(球界関係者) 斎藤はあるテレビスポーツ番組で、6年目の今季を迎える心境、近年の不振に関するインタビューを受け、こう答えている。 「『過去の栄光を捨てろ』とか言われるんですが、自分が悩んでいるのはそんなことじゃない。『今、自分がしていること』と『したいこと』のギャップ。そこで苦しんでいる」 ロッテ二軍にも通用しなかった投球もそうだが、大卒6年目である。故障に苦しんだ時期もあった。とはいえ、過去5年間で一軍登板数は57試合、通算14勝。キャリアハイがルーキーイヤーの6勝では、とっくに肩を叩かれていてもおかしくはない。 斎藤がドラフト指名された2010年当時を知る関東地区担当のベテランスカウトがこう言う。 「『視察しているフリ』をしているスカウトもいましたよ。顔見知りを見つけてはお喋りばかりして。プロでは厳しいというのが正直な評価でした。斎藤で1位入札したのは、日本ハム、ヤクルト、ロッテ、ソフトバンク。営業目的だったチームも含まれていたのでは」 先の言動から察するに、斎藤は2006年夏の甲子園を制した栄光を語られるのがイヤらしい。伸び悩みの一因が栄光を捨てられずと決めつける声にも反論したいところがあるのだろう。だったら、『今自分がしていること』と『したいこと』の後者を捨てれば良いのではないだろうか。大学卒の22歳でプロ入りし、5年間も悶々としてきた投手が、今から超一流に飛躍するのは考えにくい。また、大谷、有原、吉川、外国人投手もいる日本ハムのローテーションのなかに食い込むのも難しい。だったら、ローテーションの谷間や救援に転向してでも、まずは一軍に定着する手段を考えるべきではないだろうか。 「栗山監督はそういった意味を含め、昨年、一昨年と厳しい叱咤激励を続けてきました」(前出・関係者) 「したいこと」は、理想や目標。高い目標を持つことは悪くないが、それを生み出すのは自身の経歴によるところが大きい。斎藤は自分でも気づかないものの、どこかで「過去の栄光」を引きずっているのでは…。 「金平(将至=25)って、こんなに速いボールを投げていたかな?」 斎藤の次にマウンドに上がった左腕・金平が小気味よいテンポでストレートを投げ込んでいた。実際は140キロ台半ばだが、斎藤の真っ直ぐを見慣れた観客はそんな声も上げていた。
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スポーツ 2016年03月29日 16時00分
友成那智 メジャーリーグ侍「007」 2016NPB新外国人 元大リーガーを辛口格付け
3月25日、メジャーに一歩先んじて日本のプロ野球(NPB)が開幕する。今オフ、多くの日本球団が例年より多くの資金を注ぎ込んで得点力アップの切り札になり得る強打者の獲得に動いた。■「新主砲」と期待される大物、ゴームス(楽天)、ギャレット(巨人)、ビシエド(中日)の辛口評価 ゴームスは得点力不足の楽天が鳴り物入りで獲得した右の大砲。ギャレットは本塁打不足に泣いた巨人が3億円を投じて獲得した左の4番打者候補。ビシエドは低迷する中日が浮上の切り札として期待している右の大砲だ。 この3人には大きな共通点がある。それは「右投手を苦手にする右打者」ないし「左投手を苦手にする左打者」であるという点だ。 メジャーではこうした『片側通行の打者』をプラトーンプレーヤーと呼ぶ。右投手に強い左打者と左投手に強い右打者をセットにして、相手の先発投手が右か左かによって使い分けるツープラトンで使うと大きな戦力になるからだ。 しかし日本の球団は効率優先のそうした割り切った選手起用ができない。この3人も開幕から不動の4番打者、ないし5番打者に固定されて、相手投手の左・右に関係なく使われることになるだろう。 これでは結果が「大コケ」になって当然である。 それでも弱点が知れ渡るまでは、そこそこ活躍するかもしれない。しかし知れ渡ったあとは上手く対応できないゾーンに変化球を集められて打率がどんどん低下するだろう。 ゴームスやギャレットはパワーがある反面、タイミングを外されるともろい傾向があり、とくにスライダーの制球のいい投手と相性が悪い。 日本にはそのタイプの投手が大勢いるので、シーズン中盤以降はフラストレーションがたまる展開になりそうだ。■安物買いの銭失いになりそうなルーキ(ヤクルト)、アマダー(楽天)の辛口評価 ルーキはメジャーで4年投げた実績を持つが、年俸はわずか3000万円。そのような低額で契約せざるを得なかったのは、スネに大きな傷を持つ身であるからだ。 「レンジャーズのマイナーにいた'08年、仲間とともにパーティーで一緒だった女子学生を輪姦し強姦容疑で逮捕され、短期間刑務所で服役した前科があるからです」(スポーツ専門局アナリスト) こんな事件を起こしてもレンジャーズは将来性のあるルーキを解雇しなかったため、釈放された後はマイナーのチームに復帰しピッチングを再開。3年後にはメジャー昇格を果たした。 しかし、どこに移籍しても冷たい目で見られるため精神的に安定せず、結局メジャーには定着できなかった。 日本では、ゆるキャラに扮したりしてユーモアのある好青年のようにふるまっている。その努力は立派だが、ピッチャーがピッチング以外に余計なエネルギーを割くと好成績を出すのは難しくなる。日本で活躍できる可能性は、極めて低いように思える。 楽天の指名打者アマダーは昨年メキシカンリーグで41本塁打、107打点をマークして2冠に輝いた。それでも年俸3000万円の格安契約になったのは、2つの理由がある。 「メキシカンリーグは球団のある都市の多くが高地にあるので、平地でやるより打球が飛びます。特に昨年アマダーが在籍したメキシコシティ・レッドデビルズは標高2200メートルの高地にあるので、打球が平地より12メートルくらい余計に飛ぶのです。だからあそこで41HRをマークしても実際には20〜25本程度にしか評価されません」(同前) しかし、格安契約になった最大の理由は「極端な体重オーバー」にあるようだ。 「アマダーは体重が135キロもあり、世界一体重の重いプロ野球選手と言われています。それが災いして、米国のチームから無視され続けたので楽天は年俸を25万ドル(約3000万円)までカットできたのです」(同前) メジャーのチームが力士体形の選手と契約しないのは、目方が多すぎると故障リスクがどんどん高くなるからだ。その見方が正しかったことは彼が来日してすぐに証明された。 アマダーはキャンプ終盤、打撃練習で手首を負傷。全治8週間と診断され故障者リスト入り。5月上旬まで復帰できなくなったのだ。 体重オーバーの選手がシーズン序盤に故障すると、その年はほとんど戦力にならなくなる。復帰しても調整不足のため故障があちこちに出るようになるからだ。今季のアマダーはリハビリに時間を費やしているうちにシーズンが終わってしまうように思えてならないのだが…。ともなり・なち 今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は大リーグ関連の記事を各媒体に寄稿。日本人大リーガーにも愛読者が多い「メジャーリーグ選手名鑑2016」(廣済堂出版)が発売中。