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斎藤佑樹が二軍で満塁被弾 遠のく一軍マウンドと「したいこと」のギャップ

 3月29日、北海道日本ハムと千葉ロッテマリーンズのイースタンリーグ公式戦が行われた(鎌ヶ谷)。平日の日中ながら、スタンドには熱心なファンも多く、厚い声援を送っていた。しかし、千葉ロッテ・福浦の打球がライトフェンスを越えた瞬間、その声援は溜息と野次に変わった。4回被安打7、失点6。福浦に満塁の一発を献上したのは、斎藤佑樹(27)である。

 結果を出して、一軍へ。そろそろ、結果を出さなければ、首脳陣は“判断”しなければならないだろう。この日のピッチングを見る限り、いばらの道は続きそうだが…。
 「斎藤も自分の置かれた立場を分かっていますよ。今年は正月返上で練習していましたし」(球界関係者)
 斎藤はあるテレビスポーツ番組で、6年目の今季を迎える心境、近年の不振に関するインタビューを受け、こう答えている。
 「『過去の栄光を捨てろ』とか言われるんですが、自分が悩んでいるのはそんなことじゃない。『今、自分がしていること』と『したいこと』のギャップ。そこで苦しんでいる」
 ロッテ二軍にも通用しなかった投球もそうだが、大卒6年目である。故障に苦しんだ時期もあった。とはいえ、過去5年間で一軍登板数は57試合、通算14勝。キャリアハイがルーキーイヤーの6勝では、とっくに肩を叩かれていてもおかしくはない。

 斎藤がドラフト指名された2010年当時を知る関東地区担当のベテランスカウトがこう言う。
 「『視察しているフリ』をしているスカウトもいましたよ。顔見知りを見つけてはお喋りばかりして。プロでは厳しいというのが正直な評価でした。斎藤で1位入札したのは、日本ハム、ヤクルト、ロッテ、ソフトバンク。営業目的だったチームも含まれていたのでは」
 先の言動から察するに、斎藤は2006年夏の甲子園を制した栄光を語られるのがイヤらしい。伸び悩みの一因が栄光を捨てられずと決めつける声にも反論したいところがあるのだろう。だったら、『今自分がしていること』と『したいこと』の後者を捨てれば良いのではないだろうか。大学卒の22歳でプロ入りし、5年間も悶々としてきた投手が、今から超一流に飛躍するのは考えにくい。また、大谷、有原、吉川、外国人投手もいる日本ハムのローテーションのなかに食い込むのも難しい。だったら、ローテーションの谷間や救援に転向してでも、まずは一軍に定着する手段を考えるべきではないだろうか。
 「栗山監督はそういった意味を含め、昨年、一昨年と厳しい叱咤激励を続けてきました」(前出・関係者)

 「したいこと」は、理想や目標。高い目標を持つことは悪くないが、それを生み出すのは自身の経歴によるところが大きい。斎藤は自分でも気づかないものの、どこかで「過去の栄光」を引きずっているのでは…。
 「金平(将至=25)って、こんなに速いボールを投げていたかな?」
 斎藤の次にマウンドに上がった左腕・金平が小気味よいテンポでストレートを投げ込んでいた。実際は140キロ台半ばだが、斎藤の真っ直ぐを見慣れた観客はそんな声も上げていた。

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