ホークス首脳陣が松坂にマイペース調整を許しているのは、「復帰できなくても戦況に問題ナシ」を確信しているからだ。
「他球団も松坂復帰に期待している感があります。松坂が投げるとなれば、営業(観客増)につながるので」(前出・スポーツ紙記者)
営業といえば、斎藤が厚遇される理由もこれだった。新人時代の'11年、「斎藤が投げる」だけで観客動員数は確実に増えたが、近年は違う。名前で観客増が望めるのは、大谷翔平のほうだ。
「日ハムはBOS(ベースボール・オペレーション・システム)で選手を評価するので、チーム功労者のベテランでもバッサリ切ってしまいます。機械的に見れば、大学卒6年目の斎藤はキャリアハイがシーズン6勝。過去5年間で通算14勝しか挙げていません。今季は“決断”されるでしょう」(ベテラン記者)
今さらではあるが、斎藤がドラフト候補だった'10年、東京六大学リーグの舞台・神宮球場には各球団のスカウトが大挙してやってきた。当時を知る元スカウトマンがこう証言する。
「プロでは厳しい、というのが全球団の評価でした。なのに、1位で指名したのは営業目的です。斎藤の登板時は見ているフリ。後年、早大から本当に欲しい選手が出たときのためにね」
甲子園を制した実績は皆が認めるところ。だが、若くして「日本一」の称号を得た2人は自分を見失った。
「松坂、斎藤も先発にこだわっています。ダメならチームに貢献するため、中継ぎでも何でもやろうという発想がありません」(前出・元スカウトマン)
斎藤は別の意味でも転機を迎えそうだ。
「DeNA、広島、阪神、ヤクルトは先発でのトレードを狙っています。外国人投手がローテーションにいるチームは『中5日で投げたがる助っ人と中6日で投げる日本人投手』が必要なため、連戦になると谷間ができてしまう。それを斎藤に埋めて貰えれば」(前出・スポーツ紙記者)
松坂世代最強の打者・村田修一(巨人)もスタメン落ちの危機と戦っている。“最後の三冠王”松中信彦は引退を表明した。チームに尽くす気持ちがなければ、甲子園スターであっても奈落の底に落ちていくだけだ。