社会
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社会 2014年01月09日 16時00分
婚活パーティーにオンナ昏睡強盗
「これを飲めば二日酔いしないからどうぞ」 独身の会社員(56)が女にそう言い渡された瓶入りのドリンクを飲み、目が覚めると翌日の昼、しかも病院のベッドの上だった。男性はカード会社からの確認の電話で「騙された!」と気付いたという。 男性が婚活パーティーに参加したのは、昨年10月下旬。そこで知り合った女が神戸市灘区の無職の容疑者(39=昏睡強盗容疑で逮捕)だった。男性は一見清楚に見える容疑者と連絡先などを交換。その後、メールのやりとりを何度かして、11月7日夜、神戸市三宮の居酒屋で初めてのデートをしたという。 「店を出る間際、午後9時を少し過ぎた頃に容疑者がドリンク剤を渡した。男性はその言葉を全く疑わず、液体をすぐに飲み干したそうです。すると、またたく間に意識が朦朧としてきた。男性はこの日の深夜、三宮の路上で倒れているところを通行人に発見され、病院に運ばれたのです。しかも男性は、通行人に発見されるまでの間、容疑者に神戸市内の量販店へ連れ込まれ、高級腕時計2個を購入、計132万3000円をクレジットカードで決済させられていたのです」(社会部記者) 高額品を購入した際、カード会社も本人に確認を求める場合があるが、この連絡で男性が被害届を提出し、生田署が12月15日、容疑者を逮捕したのだった。 「神戸市内で催される婚活パーティーで知り合った女性とデートした後に、同じように買った覚えのない品物のカードの請求がきたという相談が警察に複数あり、いずれも容疑者の仕業と見られている。ロレックスやグッチなどのブランド品を買わされるケースが多く、容疑者は騙し取った品物を即、金に換えていたものと思われます」(地元記者) スケベ心を利用された犯行といえども、半日も意識を失うような強い薬が使用されており、警察では注意を呼びかけるとともに薬の分析を急いでいるという。他人ごとではない。
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社会 2014年01月09日 14時00分
ビートたけし“公認” 東国原新都知事で風俗大盛況(2)
そんな中でも、特に政界の注目を集めている2人の人物がいる。 一人は自民党と民主党の両政党から擁立の動きが出ている前述の舛添氏。過去に自民党を除名になった経緯はあるものの、その自民党が実施した調査ではトップの支持を集めており、舛添氏が党に頭を下げて和解することができれば、知名度、組織力、資金力で一気に本命に躍り出る。 そしてもう一人、今回の都知事選のキーマンになると見られているのが前衆議院議員の東国原英夫氏だ。 東国原氏といえば、抜群の知名度と話術を武器に政治家としてのキャリアを積んできた。 一昨年末の衆院選で日本維新の会から出馬して国会議員となっていたが、宮崎県知事として名前を売ったように、もともとは地方政治への取り組みをアピールしてきた政治家だ。 実際、'11年の都知事選に立候補して石原慎太郎氏に敗れたものの、選挙では石原氏に次ぐ169万票を集めている。その意味でも、今回の都知事選は東国原氏にとってはまさに千載一遇のチャンスだ。 そして今回、東国原氏は'13年11月に猪瀬スキャンダルが発覚した直後に維新の会を離党。さらに議員辞職した2日後には猪瀬氏も辞職発表した。 すでにこの時点で「東は猪瀬の失脚を見越して来る都知事選へ出馬するために辞職した。維新の橋下徹代表とも話はついている」と指摘されていたように、現時点ではまさに東国原氏の思惑通りにコトが進んでいるようである。 もちろん、議員辞職した12月の段階で東国原氏自身は「現時点では計画も予定もない。心境は変わっていない」「あまりにタイミングが良すぎる。何かがあるんじゃないかと勘ぐられる。何もない。私にしてみれば(猪瀬氏の辞職は)迷惑だ」と、報道陣を煙に巻いていたのだが、水面下では出馬に向けて着々と準備を進めているという。 「大晦日にアップしたブログでは、わずか1年で国会議員を辞めてしまった批判に対する答えとして《「何がしたいのか」という問いには、「地域・地方のために、この国の形を変えたい」》と、改めて都知事選への出馬をうかがわせるような文章を書いています。これを見ても出馬する気は満々のようで、もともと早稲田大学政治経済学部に入学して政治家を目指し始めた当初から「地方政治を学び、それを実践すること」を公言してきましたし、改めて初心に戻るアピールは現在でも有効でしょう。毀誉褒貶はあるけど宮崎県知事時代に残した実績もそれなりに評価は高いですしね」(前出・政治部記者)
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社会 2014年01月09日 13時00分
ビートたけし“公認” 東国原新都知事で風俗大盛況(1)
いったい誰が東京都の顔になるのか。いよいよ1月23日告示、2月9日投開票という東京都知事選に向けた動きが風雲急を告げはじめてきた。 東京オリンピック誘致に成功するなど、まさに我が世の春とばかりに都知事の権力を謳歌していた猪瀬直樹前東京都知事。その猪瀬氏が医療法人徳洲会グループから5000万円を無利子・無担保で受け取っていた一件の責任を問われ、辞任に追い込まれたのは昨年末のことだった。 尋常ではない量の汗をかきながらの釈明や、都議会に「5000万円を入れて運んだ」という黒カバンを持ち込んだものの、5000万円の札束に見立てた紙の箱がカバンに入りきらず『エスパー猪瀬』と揶揄されるなど、散々な嘲笑を受けたのは周知の通り。 猪瀬氏は史上最多となる433万票を獲得したとは思えないほどボロボロになって都庁を追われている。 「問題が発覚した時点で、猪瀬の都知事辞任はもはや避けられないと見られていました。ただ問題はいつ辞任の決断をするかでしたが、当初はもっと粘るかと思われたものの、借用書問題などあまりに脇が甘く、アッという間に詰んでしまった。おかげで、どの陣営も十分な根回しや準備ができないまま都知事選がスタートしてしまったという状況ですね」(政治部記者) そんなドタバタの辞任劇もあって、昨年末の時点で都知事選への出馬を表明していたのは、前回2012年の都知事選にも出馬し猪瀬氏に敗れている前日弁連会長の宇都宮健児氏ただ一人。続いて年が明けた1月1日に元ネパール大使の吉田重信氏がホームページで出馬を表明しているが、それ以外にもさまざまな名前が取り沙汰されており、先行きは混沌としてきた。 現時点で出馬が噂される名前だけでもかなりの数だ。現職の政治家では石原慎太郎元都知事の長男・石原伸晃環境相を筆頭に小池百合子元防衛相、丸川珠代参議院議員、下村博文文部科学相、橋本聖子参議院議員、蓮舫元行政刷新担当相に加え、総理経験者の小泉純一郎や菅直人の両元首相の名前も囁かれている。 他にも元厚生労働相の舛添要一氏、安倍晋三首相の隠し玉として外務省の“美魔女エリート官僚”といわれる斎木尚子国際文化交流審議官、郵便不正事件で汚名を着せられた村木厚子事務次官といった官僚や、ジャーナリストの池上彰氏、さらにはなぜか、みのもんたやビートたけしといったタレントの名前までが浮上しているのだ。 「舛添や小池のように色気タップリの人間から、小泉さんのように名前が出ただけで出馬の可能性はほとんどない人物までさまざまです。ここにきて日本維新の会のアントニオ猪木参議院議員や、元航空幕僚長で軍事評論家の田母神俊雄氏が立候補を検討しているといった報道も流れていますが、各陣営はメディアを使ってアドバルーンを上げ、周囲の動向を見ながらギリギリまで検討することになるでしょうね」(報道局記者)
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社会 2014年01月09日 11時45分
埼玉県職員が酔って10代少女を強姦未遂
警視庁赤羽署は1月7日までに、都内の駐車場で、10代の少女に乱暴しようとしたとして、強姦(ごうかん)未遂の疑いで、埼玉県企業局吉見浄水場技師の男(27=東京都北区西が丘)を逮捕した。 逮捕容疑は、昨年8月13日午前1時頃、同区赤羽西の駐車場で、都内に住む10代少女に後ろから抱きついて引き倒し、口をふさいで暴行しようとしたとしている。 同署によると、男は現場近くの路上で、少女に「10代なの? 1人で帰るの?」などと声をかけたが、無視されたため、駐車場に連れ込んだという。 少女が抵抗し大声を出されたため、男はそのまま逃走。少女にケガはなかった。事件当時、男は泥酔状態だった。 事件から約5カ月も経っているが、防犯カメラの画像などから、この男の関与が浮上し逮捕につながった。 男は企業局に県職員として勤務する一方で、大学院に在籍しており、「大学院の卒論と仕事がうまくいかず、現実逃避をするために酒を飲んで、やってしまった」などと供述しており、容疑を認めている。 昨年4月に、同県に技術職員として採用された男は、同県吉見町にある吉見浄水場で、技師として勤務していた。 前代未聞の県職員の不祥事に、埼玉県は「事実関係を確認した上で、厳正に対処したい」としている。(蔵元英二)
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社会 2014年01月09日 11時00分
とんねるず“延命”を左右する フジ・日枝会長肝入り“お台場カジノ構想”
ここにきて、打ち切りが囁かれ続けてきた“フジテレビのお荷物番組”、『とんねるずのみなさんのおかげでした』が、一転、延命の様相を呈してきた。 同番組は巨額制作費にもかかわらず、昨今は低視聴率続きで、局内でも早晩の打ち切りが確実視されてきたほど。それが覆りだしたのには、“フジテレビのドン”日枝久会長の“黒い野望”が横たわっているともっぱらなのだ。 同局の関係者が言う。 「もともと、とんねるずの石橋貴明と日枝会長は昵懇の仲。そのため、上層部は“退陣論”が蔓延する日枝氏の勇退時に、番組の粛清を考えていたのです。ところが、引き際と見られた昨年11月の旭日大綬章の受章時にも、日枝氏は続投。亀山千広社長でさえ、同番組の打ち切りを言い出せなくなってしまったのです」 ちなみに、日枝会長は「問題が起きるたびに部下に責任を取らせてきた」(同)ともいわれる人物。それだけに、業界では「またも姑息な延命策が始まった」と評判だが、これにはさらなる裏があるようだ。 「実は、日枝氏の狙いは『フジ・メディア・ホールディングス』が取り組む“お台場カジノ構想”の実現にあるのです。計画が実現すれば、減収減益に喘ぐフジには莫大な利益が転がり込み、日枝氏は同局の中興の祖となる。同時に財界史にも絶大な功績を刻めるのです。そのため、カジノが建つまでは辞める気はないとみられている。ただ、社内は本業のテレビ番組のテコ入れが遅々として進まないため、この野望に辟易としているのです」(財界関係者) もっとも、この旺盛な名誉欲が原因で今ではこんな疑惑も飛び出しているほど。 「日枝氏の居座りは、『カジノ利権の恩恵にあずかるため』との声が上がり始めている。杉並区の同氏の大豪邸は、社屋を施工した鹿島建設からのプレゼントとの噂があり、カジノ構想で鹿島と共闘するのは、思惑があってのこととみられています」(同) 番組の命運をこんな“老害”に任せているようでは、とんねるずの芸人としての寿命も長くはないのかも。
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社会 2014年01月09日 11時00分
EUも警鐘 ガーデニング、ペットにも使用 身近にある農薬の“脳内破壊”
昨年末、マルハニチロホールディングスの子会社・アクリフーズの群馬工場で製造した冷凍食品から、農薬の『マラチオン』が検出され、大規模な自主回収へと発展した。体重60キロの大人が『マラチオン』入りの冷凍コロッケを3分の1個食べた時点で、吐き気や腹痛などを起こす恐れがあるという。 一刻も早い原因究明と解決が求められるが、農薬に関しては今回の騒動よりも深刻な発表があった。近年、ミツバチへの悪影響が懸念されていたネオニコチノイド系農薬のうち、2種類が低濃度でも人間の脳や神経の発達に悪影響を及ぼす恐れがあることを、先ごろ欧州連合(EU)で食品の安全性などを評価する欧州食品安全機関(EFSA)がまとめたのだ。 「2種類の農薬とは、アセタミプリドとイミダクロプリド。日本では水田の消毒や松食い虫防除のため、ヘリコプターを使い有機リン系の農薬を散布していましたが、最近はネオニコチノイド系農薬が使われだしました。中でもアセタミプリドは毒性が高く、脳神経に蓄積する。慢性中毒になると、手の震えや不整脈、物忘れ、頭痛など様々な健康被害を引き起こすのです」(農薬に詳しい医療関係者) 昨今は減少しているものの、日本は中国や韓国と並び、農薬使用量は世界でトップクラスだ。 「リンゴや梨、ブドウ、お茶と、無尽蔵に散布されている。日本のネオニコチノイド系農薬の残留基準は非常に甘く、農産物の基準値はEUの500倍。しかも、アセタミプリドやイミダクロプリドは、ガーデニングやペットのノミ取りでも当たり前のように使われているのです」(同) 医療関係者が続ける。 「ひどいケースになると、物が二重に見えることもある。私の取材した少女は、頭痛、肩こり、動悸、不眠に苦しんでいました。原因は、毎日のように国産果物を食べ、お茶をガバガバ飲んでいたことだったのです。その証拠に、医師が中毒の処置をし、果物もお茶もやめたら完治しました」 農薬の脅威は身近な所にも潜んでいる。
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社会 2014年01月08日 19時00分
パナソニック「一芸入社」導入の危うさ
2年連続で7000億円超の赤字に塗れ、電機業界では「負け組」の烙印を押されてきたパナソニックが“一芸入社”を打ち出した。亜細亜大学など一部の大学が特異な才能を評価して一芸入試を行っているが、パナが実施するのはこれの入社試験版。通常の選考とは別に特定分野に秀でた人材を積極的に評価する制度で、現在の大学3年生など2015年春に入社する新卒者の採用試験から実施する。この導入に併せて同社は、今年春入社内定者(350人)の2倍に当たる700人を採用するという。 「日本を代表する企業は学業の成績が優秀な若者ばかりを採用してきた。結果、金太郎飴みたいな社員だけになり、バブル崩壊後の長期不況に対応できなかった。その反省から津賀一宏社長は、ライバルに先んじて型破りな人材の採用に舵を切ったということでしょう」(パナソニックOB) 問題は、異能な才を持つ学生が採用された場合、配属先が従来の優等生ばかりではせっかくの才能が生かされず、逆に孤立しかねないことだ。 「強烈な個性を持った奇人変人タイプが殺到し、面接試験に当たるエリート社員がカルチャーショックを受けることも考えられます」(経済記者) これとは別に、パナは「チャレンジ選考」として、住宅や自動車関連など将来の基幹分野に位置づけている部門に意欲を燃やす学生の採用も積極的に実施する考え。しかし、前出のパナOBは「短時間でそれを見抜くだけの眼力ある社員がどれだけいるか怪しい限り」と斬って捨てる。 同社は苛烈リストラで大量の社員を退職に追い込んだ。業績回復の手応えも、その産物にほかならず、関係者からは「一芸入社は単なる客寄せパンダ」とのブーイングが漏れている。
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社会 2014年01月08日 11時45分
カザフスタン出身力士が飲食店で泥酔し店の門松壊す
大相撲のカザフスタン出身力士が、飲食店で泥酔して大暴れして、警察のご厄介になった。警視庁麻布署は、酒に酔って飲食店の門松を壊したとして、器物損壊の疑いで、錦戸部屋所属の西幕下18枚目・風冨山泰雅(かざふざん・たいが=29=本名=クディバエフ・スイエネシュ)容疑者を現行犯逮捕した。 同署によると、風冨山は「身に覚えがない」と容疑を否認しているが、送検後の1月5日に釈放された。逮捕容疑は、3日午前4時10分頃、東京都港区六本木3丁目の路上で、飲食店への入店を断られた腹いせに、入り口脇の門松(高さ1.7メートル)を蹴り倒し、壊した疑い。 風冨山は2日午後10時頃から、知人男性と同店内で酒を飲み、泥酔状態だったため、3日午前3時半ごろに退店させられた。再入店しようとしたところ、店員に断られたため、怒って門松を壊した。店員が110番通報し、駆けつけた同署員が身柄を確保した。 師匠の錦戸親方(元関脇・水戸泉)は「本当に遺憾なことだ。私の指導が足りなかった。決してあってはならないことだ」と話した。 カザフスタンから史上初めて角界入りした風冨山は、03年九州場所(11月=福岡)で初土俵を踏み、所要12場所で幕下に昇進。しかし、その後、伸び悩み、09年春場所(3月=大阪)から4場所連続全休して、序二段下位まで降格。復帰後、幕下まで戻ったが、なかなか壁を破れず、幕下生活が長く続いている。自己最高位は08年九州場所の西幕下10枚目。 先場所(九州場所)、6勝1敗と大きく勝ち越し、来たる初場所(12日初日=両国国技館)は西幕下18枚目まで番付が上がり、十両昇進の足掛かりとなる重要な場所となるはずだった。(蔵元英二)
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社会 2014年01月07日 15時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 国土強靭化の始まり
2013年秋の臨時国会において、国土強靭化基本法(正式名称は「強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靭化基本法」という)が成立し、さらに南海トラフ地震対策特別措置法と首都直下地震対策特別措置法も無事に国会を通過した。 これら国土強靭化三法に則り、安倍晋三内閣総理大臣は12月17日に国土強靭化推進本部の初会合を開き、国土強靭化政策大綱が決定された。大綱決定により、国土強靭化は正式に「政府の方針」となったことになる。 大綱には、国土強靭化の目標について以下の通り書かれている。 〈いかなる災害等が発生しようとも、(1)人命の保護が最大限図られること、(2)国家及び社会の重要な機能が致命的な障害を受けず維持されること、(3)国民の財産及び公共施設に係る被害の最小化、(4)迅速な復旧復興を基本目標として、「強さ」と「しなやかさ」を持った安全・安心な国土・地域・経済社会の構築に向けた「国土の強靱化(ナショナル・レジリエンス)」を推進することとする〉 上記の目標に反発する日本国民は少ないと信じるわけだが、現実の国土強靭化の道のりは厳しいものにならざるを得ないだろう。 何しろ、日本国民の多くが「巨大地震という非常事態」について、真剣に「想像」していない。東日本大震災を経てさえ、「自分が犠牲者になる可能性」について考慮していない国民が多数派だろう。 筆者は以前から、 「公共事業の一環として、電柱の地中化を」 と訴えているが、これは別に「美観」の問題で主張しているわけではない(美観も良くなるだろうが)。現実に大震災が発生した場合、道路を横倒しになった電柱が塞ぎ、救援活動の妨げになるためだ。 首都直下型地震の場合、最悪で死者数4万8000人、発生直後の避難住民は約700万人と想定されている。 地震そのものからは命を守った首都圏の「700万人」の被災者を救援する。これ自体が、「人類に可能なのか…」と、疑問を持ってしまうほどの凄まじいオペレーションだが、首都圏への道、あるいは首都圏の道が、電柱で塞がれていた場合はどうなるだろうか。 簡単である。地震自体では死ななかった東京都民(筆者含む)が、1人、また1人と命を失っていくだけの話だ。 無論、救援部隊は重機で電柱を排除し、何とか道を確保しようとするだろうが、被災地の人々が助かるか否かは「時間との戦い」なのだ。 また、我が国の土建サービスの供給能力が現在以上に落ち込んでいた場合、電柱を排除し、道を修復しようとしても「人材がいない」「機材がない」という話になりかねない。 本連載で指摘した通り、我が国はすでに「土建大国」ではない。「土建小国」なのだ。 まさに、この「土建小国化」こそが、国土強靭化を妨げる制約の一つだ。 何しろ、我が国の建設企業の数は、ピークの60万社('99年)からすでに47万社('12年)へと激減してしまっている。市場を去った労働者の総数は、実に160万人を超える。 こうした問題の解決策は、政府が「長期の計画を立て、需要をコミットする」ことで、土建産業の投資拡大、人材育成を誘発することだ。そういう意味で、'14年5月に予定されている国土強靭化基本計画の立案と確実な実施が肝となる。 二つ目の制約は、もちろん「財務省」の存在だ。たとえどれほど立派な法律が成立し、国土強靭化計画が立案されたとしても、「予算」がつかなければ前に進むことはできない。 不吉なことに、国土強靭化大綱の「基本的方針」には、 〈人口の減少等に起因する国民の需要の変化、社会資本の老朽化等を踏まえるとともに、財政資金の効率的な使用による施策の持続的な実施に配慮して、施策の重点化を図ること〉 と、嫌な一文が入っている。 無論、我が国がデフレから脱却し、名目GDPが堅調に拡大していく状況になったならば、筆者にしても「効率的な財政資金の使用」に反対するつもりはない。 とはいえ、少なくともデフレが継続し、日銀の量的緩和が拡大している現在、我が国に財政問題はない。 それにもかかわらず、財務省はとにかく「常に」予算を削ろうとしてくる。今後の我が国では、国土強靭化を巡る政治家との軋轢(法律や大綱の「解釈」等)が激化していくことになると予想する。 そして、三つ目の制約が「マスコミ問題」だ。 「国土強靭化は公共事業のバラマキ!」なる、陳腐なレトリック、レッテル貼りをマスコミが連呼し、それを国民が受け入れてしまうと、土建産業側が需要継続を信用せず、投資に乗り出そうとしなくなる。 土建産業が投資を増やさなければ、供給能力不足という制約は解消せず、我が国は国土強靭化を達成することなく首都直下型地震、南海トラフ巨大地震という非常事態を迎えることになってしまう。 その種の事態を防ぎたいならば、国民一人一人が、 「日本国を強靭化し、自分たちが安全に暮らせるようにしてほしい」 との意見を表明する必要がある。すなわち、国土強靭化推進の世論の醸成だ。 恐らく、マスコミの多くは国土強靭化関連の情報を報道しないか、アリバイ的に簡易に報道するのみだろう。 あるいは、ひたすら「国土強靭化は土建屋へのバラマキ」といったレッテル貼りを繰り返し、国民に強靭化への嫌悪感を持たせるように仕向けると予想される。予算を使いたくない財務省も、マスコミをバックアップする。 彼らに対抗するためにも、日本国民が自国や国土の強靭化について「正しい情報」を持たなければならない。「マスコミに騙されて」日本国民が国土強靭化を拒否し、来たるべき非常事態を無防備なまま迎えるなど、もはや悲劇ではなく「喜劇」としか呼びようがないのだ。三橋貴明(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、わかりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2014年01月07日 11時45分
65歳の無職男が神社でさい銭泥棒
群馬県警伊勢崎署は1月2日までに、同県玉村町の神社で元日深夜、さい銭箱から現金を盗んだとして、窃盗の疑いで、無職の男(65=同県前橋市)を現行犯逮捕した。逮捕容疑は、1日午後11時45分頃、玉村町の玉村八幡宮境内に設置した仮設テント内のさい銭箱から、絵馬やおみくじの初穂料の現金約5万2000円を盗んだ疑い。 男は「初詣に来て、さい銭が欲しくなった」と容疑を認めているという。同署によると、神社に初詣に来たカップルの男性が、さい銭箱を揺すって、飛び出したさい銭を盗む男を目撃した。 男性は境内に住む宮司に知らせた後、男が境内から歩いて出ていくところを見つけて追い掛けると、小銭をジャラジャラと鳴らしながら歩いている男を近くの路上で発見した。男性が男に問いただすと、犯行を認めたため取り押さえて、駆け付けた同署員に引き渡した。 宮司によると、男は数年前の元日にも、さい銭泥棒に来たという。その際は、「2度としない」と約束したため許したが、さすがに今回は2度目とあって、警察に届け出た。 さい銭箱は、横50センチ、縦30センチ、高さ30センチの大きさで、宮司や神社関係者がいない夜間でも、絵馬やおみくじがほしい参拝客が、初穂料を納められるように、テント内に置いてあった。 盗まれた5万2000円のうち、約2万円は1000円札だったが、残り3万2000円は500円玉や100円玉の硬貨だった。さすがに、3万2000円分の小銭をポケットに入れていては、歩くたびに、ジャラジャラと音がして当然か…。(蔵元英二)