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EUも警鐘 ガーデニング、ペットにも使用 身近にある農薬の“脳内破壊”

 昨年末、マルハニチロホールディングスの子会社・アクリフーズの群馬工場で製造した冷凍食品から、農薬の『マラチオン』が検出され、大規模な自主回収へと発展した。体重60キロの大人が『マラチオン』入りの冷凍コロッケを3分の1個食べた時点で、吐き気や腹痛などを起こす恐れがあるという。

 一刻も早い原因究明と解決が求められるが、農薬に関しては今回の騒動よりも深刻な発表があった。近年、ミツバチへの悪影響が懸念されていたネオニコチノイド系農薬のうち、2種類が低濃度でも人間の脳や神経の発達に悪影響を及ぼす恐れがあることを、先ごろ欧州連合(EU)で食品の安全性などを評価する欧州食品安全機関(EFSA)がまとめたのだ。
 「2種類の農薬とは、アセタミプリドとイミダクロプリド。日本では水田の消毒や松食い虫防除のため、ヘリコプターを使い有機リン系の農薬を散布していましたが、最近はネオニコチノイド系農薬が使われだしました。中でもアセタミプリドは毒性が高く、脳神経に蓄積する。慢性中毒になると、手の震えや不整脈、物忘れ、頭痛など様々な健康被害を引き起こすのです」(農薬に詳しい医療関係者)

 昨今は減少しているものの、日本は中国や韓国と並び、農薬使用量は世界でトップクラスだ。
 「リンゴや梨、ブドウ、お茶と、無尽蔵に散布されている。日本のネオニコチノイド系農薬の残留基準は非常に甘く、農産物の基準値はEUの500倍。しかも、アセタミプリドやイミダクロプリドは、ガーデニングやペットのノミ取りでも当たり前のように使われているのです」(同)

 医療関係者が続ける。
 「ひどいケースになると、物が二重に見えることもある。私の取材した少女は、頭痛、肩こり、動悸、不眠に苦しんでいました。原因は、毎日のように国産果物を食べ、お茶をガバガバ飲んでいたことだったのです。その証拠に、医師が中毒の処置をし、果物もお茶もやめたら完治しました」

 農薬の脅威は身近な所にも潜んでいる。

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