新日本
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スポーツ 2019年07月01日 22時30分
WWE今年の東京公演はトリプルH劇場!2日目もサプライズ登場でドリームタッグ実現!
世界最大のプロレス団体WWEの日本公演『WWE Live Tokyo』が6月28、29日の両日、東京・両国国技館で開催された。 初日は6724人、2日目は7520人とそれぞれ超満員の観客を動員。今回は主力ブランドであるロウのメンバーが中心だったが、日本ファンのお目当ては、昨年犬に噛まれ、来日したものの凱旋試合ができなかった元新日本プロレスの日本人スーパースター中邑真輔と、実に11年ぶりの来日となるトリプルHの参戦だ。 初日、トリプルHの試合は第4試合の予定だったが、会場のファンにとっては入場テーマが流れるまで試合順が分からないのがWWEのお約束であり、楽しみ方のひとつ。まず新日本でバレットクラブとして活躍したルーク・ギャローズ&カール・アンダーソンが入場し、続いて同じくバレットクラブのリーダーとしてIWGPヘビー級王者にも輝いたAJスタイルズが入場すると会場は最高潮に達した。 ここでヒットしたのがトリプルHの入場テーマ曲『THE GAME』だったのだからたまらない。これには報道陣の中にも席を立って見入る姿が見受けられた。イメージカラーであるグリーンのレーザー光線に包まれるかのように、トリプルHが威風堂々と入場。エプロンに立ち、客席を向くと、昔から変わらぬポーズを決めてから水吹きパフォーマンス。8人タッグマッチだったが、他の7選手がかすむほどの存在感だった。 アメリカでも見られないTHE CLUBとドリームチームを結成したトリプルHは、役員として多忙なこともあり、試合数が減っているとはいえコンディションはかなり良さそうだった。 驚いたのは全盛期と比べても引けを取らない肉体である。THE CLUBとの連携もスムーズで、ドリュー・マッキンタイア、バロン・コービン、ボビー・ラシュリー、サモア・ジョーを相手に格の違いを見せつけていた。最後はうるさいコービンをペディグリーで仕留めてカウント3。試合後もなかなか鳴りやまない「トリプルH」コールに応えるべく、時間をかけてコーナーパフォーマンスを披露し、日本のファンに感謝の意を示していた。 トリプルHの試合出場は初日だけと言われていたが、2日目も中邑真輔の後に『THE GAME』が流れるサプライズ。トリプルH&中邑真輔というドリームタッグが実現した。試合は中邑がロバート・ルードにキンシャサでWWE移籍後、日本初勝利を飾ったが、この記念すべき試合を見事に演出してみせた。ビンス・マクマホン会長兼CEOの娘婿で、後継者の筆頭と言われるトリプルHだが、レスラーとしての魅力は全く衰えていない。次はいつになるか分からないが、日本でトリプルH劇場が見られたのは、とても幸せなことである。文 / どら増田写真 / 萩原孝弘
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スポーツ 2019年07月01日 20時30分
中邑真輔、カブキウォリアーズ華麗なる凱旋!カブキウォリアーズはタッグ王座挑戦権獲得!
世界最大のプロレス団体WWE日本公演『WWE Live Tokyo』が、6月28日と29日の2日間、東京・両国国技館で開催された。 今回は主力ブランドであるロウのメンバーが中心だったが、スマックダウン所属の中邑真輔、カブキウォリアーズ(アスカ&カイリ・セイン)も凱旋帰国した。初日の第1試合では、新日本プロレスのジュニア戦線やドラゴンゲートで活躍したUS王者のリコシェが凱旋。ヘビー級のセザーロを相手に苦戦したが、日本でも見せていた立体的な技の数々を披露し、最後は回転エビ固めで丸め込んで勝利。試合後セザーロに襲撃され、2日目は急遽US王座をかけて再戦し、スワンダイブ式ドラゴンラナで防衛に成功している。 先週のスマックダウンで、今回の凱旋マッチでのタイトル戦が、勝てば挑戦権が得られることに変更されたカブキウォリアーズ。「ニホンクサイ」などと、日本を馬鹿にしながらWWE女子タッグ王座のベルトを持ってきたアイコニックスだったが、カイリ・セインとアスカのカブキウォリアーズが大歓声の中、入場すると圧倒され、リング外へ脱出。試合はかねてから「日本のスタイルとアメリカのスタイルを融合させたい」と話していたカイリのスタイルが確立されてきたこともあって、なかなかの好勝負に。最後はカイリの必殺技、ダイビングエルボードロップでカウント3。アメリカでの王座挑戦が決まった…かに思われたが、2日目にアスカがアイコニックスの介入で、ロウ女子王座の奪還に失敗したことから、1日2試合で再びカブキウォリアーズとアイコニックスが対戦。カブキウォリアーズが連勝を収め、王座挑戦へ駒を進めた。 昨年、来日直前に犬に噛まれるアクシデントで試合が出来なかった中邑真輔は、初日のメインイベントで、セス・ロリンズが保持しているWWEユニバーサル王座に挑戦した。スマックダウンの中邑がユニバーサル王座に挑戦するのは、ハウスショー以外では考えられないこと。ジャパニーズ・スペシャルエディションマッチである。試合は日本を意識したのか、まるで新日本プロレスの『G1クライマックス』公式戦のような白熱した激闘に。中邑は何度か勝機があったが、最後は絶対に負けられないロリンズの意地が上回り、トラースキックからカーフストンプでカウント3。ロリンズが防衛に成功し、試合後は中邑と健闘を称え合った。2日目はロバート・ルードとシングルが発表されていたが、ルードがサモア・ジョーとともに登場すると、中邑のあとにトリプルHがサプライズ登場。中邑がルードからキンシャサでWWE移籍後初勝利を飾っている。 その他にも、“令和のアンドレ”ブラウン・ストローマンや、ロウ女子王者“THE MAN”ベッキー・リンチなど、今が旬の選手が数多く出場したので、今年の東京公演は満足度が高いものになった。年内に大阪公演があるのかはわからないが、来年はオリンピック開催のため、この時期は両国国技館が使用出来ない。毎年恒例となっているだけに、何とか継続の道を探って欲しい。文 / どら増田写真 / 萩原孝弘
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その他 2019年07月01日 18時00分
「蝶野正洋の黒の履歴書」★1年後には復帰しそうな長州力
6月26日、あの長州力がついに引退試合をやることになったそうだな。 長州さん本人は、’98年に一度は現役を退いてるから、今回は「引退」の言葉を使わないとか言ってるみたいだけど、とにかくまだまだ元気だし、ホントに辞めるのかよって思ってる。 引退試合の対戦相手には藤波さんも入ってるけど、2人ともあの年齢で、あれだけの体を保ててるのは信じられないよ。 プロレスの受け身って、ダメージが蓄積されていくから、みんなどこか壊れていく。脊椎をやったり、椎間板ヘルニアが出てきたり、首や背中に異常が出てくるモンなんだ。 そういう意味でいうと、長州さん、藤波さんはトップクラスの外国人レスラーとガンガンやってきて、俺が考えられないくらいの受け身をとってきている。それで、あの年までやっていけてるっていうのは、体がすごい頑丈というのと、よっぽどカネに困ってたからだろうな(ニヤリ)。 そう考えると、長州さんも、またカネ次第で復帰するんじゃないの? 1年間ぐらい休んだら、大仁田さんみたいに“ボランティア”とか言いながらリングに上がってそうだよな。 まぁ、長州さんが今回リングを去る決心をしたのも、どこかの会社の取締役に迎えられて、カネがもらえる算段がついているらしいよ。 長州さんとは、去年の年末くらいに一緒にバラエティー番組に出て、「叩いて被ってジャンケンポン」対決をしたんだよ。俺の反則負けだったけど(笑)、長州さんがあんな番組に出るっていうのは、時代が変わったというか、もうビックリするよな。 長州さんはもともと体育会系だから、男同士みんなで騒ぐのが好きなタイプなんだよ。長州さんが新日本プロレスで現場監督をしてる頃は、俺はガイジン組に入ってたから、あんまり接点がなかったんだよ。でも、その距離で見てても長州さんは常にピリピリしてたし、周りに対しても厳しかったと思う。いまは団体も背負ってないし、いろいろ開放されたから、心置きなくワイワイやってるんじゃないかな。フリーでプロレスを楽しんで、フトコロも満たされて、心置きなくリングを離れる決意をしたってところだろうな。 その長州さんの引退興行で、武藤敬司選手が復帰するんだよな。両膝を人工関節にする大手術をして、リングに戻ってくる。 武藤さんとたまにジムで一緒になるんだけど、手術して1カ月ぐらいのときに手術跡を見せてもらったら、両膝にバックリと傷が入ってたよ。 いくら天才・武藤敬司といえども、あれだけの手術してリングに上がるのは、さすがに恐怖心があると思うよ。 それでも武藤さんはリングに上がりたいんだろうな。俺にポロッと「試合がないとすることがない。ジムから帰ったら、家で座ってずっとドラマ見てるだけなんだよ」ってこぼしてたよ。 だから武藤さんにとって、現役でいることが生きがいなんだよ。まぁ、年に1回でもリングに上がってれば現役レスラーとして、タニマチから金が降りるんだろうから、うらやましいよ(笑)。俺なんてもう体を動かせないから、いろんな所で口を動かして稼ぐしかないからな。********************************************蝶野正洋1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。
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スポーツ 2019年06月28日 06時30分
藤波、武藤から真壁、清宮まで“おくりびと”の言葉と、長州が語った猪木イズム!
「このすばらしい機会をつくってくれた長州さん。そしてリデット・エンターテインメントに心から感謝しています。ありがとうございます。でも俺はこのスーパースターが勢ぞろいしているこのリング、今チャンピオンとして感じるものはメキメキとあるので、それをノアのリングで必ず、必ず受け継ぎたいと思います。そして日本全国のノアファンにこの熱を届けたいと思います」 清宮海斗は長州力に感謝しつつ、今後の飛躍を誓った。 “革命戦士”長州力ファイナル興行『POWER HALL 2019 New Journey Begins』(26日、後楽園ホール)で、6試合組まれたアンダーカードのラストは、プロレスリング・ノア提供マッチ。GHCヘビー級王者の清宮&谷口周平が、中島勝彦&熊野準と対戦。追われる立場の苦しみを露呈した場面もあったが、ドロップキックで形勢を逆転し、最後は粘る熊野から必殺のタイガー・スープレックス・ホールドで3カウントを奪い長州のファイナル興行にプロレス界の「未来」を見せた。 清宮はまだまだ荒削りではあるが、試合後も団体のトップとしてしっかりと自分の言葉で話せるようになっている。このまま伸びていけば、他団体のエースやチャンピオンとの対戦が見たいという声が高まるはずだ。 メインイベントで直接、長州の“おくりびと”の役割を果たした藤波辰爾、武藤敬司は、インタビュールームに現れると「泣き過ぎて目が腫れたよ」と冗談交じりに話しながら、会見を始めた。武藤「10カウントしてなかったですよね?」と藤波に振ると「ってことは?」と返し「また復帰すんじゃないんてすか?普通、引退したら10カウントですよね?プロレスラーはみんなそうですよね?復帰させましょうよ!」と笑顔を見せた。 藤波も「そういえば10カウント、なかったねぇ」と追い打ちをかけつつ、長州の引退について、「まだね、これからですよね。まだまだ彼自身は、まだまだ気持ちは現役と一緒で燃えてますからね。いつでも闘えるように準備しとかなきゃいけないね」とポツリ。「俺は誰が見送ってくれんの?」と武藤に振ると、「俺も見送りますよ」と後輩として、順番を守ると約束した。 武藤は、「試合を見てて、元気なのに引退されるのはもったいないなぁって率直に思っております。でも引退したから逆にプライベートでもっと近く遊ぶことができんじゃねぇかなって、ちょっとした期待もありますけど」と、今後の交流に期待を寄せた。「長州さん、引退されたけど、俺は今日がスタートだからね。もう久しぶりの試合で、家で仕事道具をパッケージするだけで息上がっちゃったからね。大変だったよ。いくら練習してもリングの上でこうやると、息の上がり方がぜんぜん違うからね」と復帰戦を振り返っている。 さらに武藤は「まだ逆に言ったら、俺自身、今日がスタートで伸びしろがすごい、逆にあるということだから、生涯通してこの伸びしろを埋めていく作業をしますよ」と抱負。プロレスリング・マスターズのプロデューサーとしての顔を見せながら、自身の復帰戦の手応えを口にすることを忘れなかったのが、武藤らしい。 最後に長州から最後の3カウントを奪った真壁刀義が登場。藤波&武藤に軽くダメ出しをされてから、1人で会見に応じた真壁は、「(この結果は)当然だと思ってるよ。俺の中では。だってそりゃそうだろう。年代から考えてもそうだし、俺たちが取らなきゃ意味がねぇだろう。武藤さん、藤波さんはもちろん出てるよ。大先輩も出てるけど、そこで俺が獲らなきゃ意味がねぇだろって」と自ら引導を渡すべきだったと振り返った。 真壁は「(今回選ばれたのは)当然だろうなって。長州さんの中で一番関係があるのはもちろん俺であり、石井であり、実力もそうでしょう。アイツはチャンピオンベルト持ってきたし、俺はシックスメンのチャンピオンだし、実績だって言うことない。結局。あの人のところから巣立った人間がどれだけ実力を示してプロレス界で幅を利かせているか。それが全ての答えだと思ってるよ」と長州の影響力の大きさを口にした。 また新日本マットでは多くても2連発で仕留められるキングコングニーを4連発出さざるを得なかった理由について、「あの執念はスゲェ感じたよね。長州力って、分かんだよ。返したところでラリアットは俺に効きやしない。分かってる。だけどあの人は返すんだ」と脱帽。 真壁は続ける。「1発返す、2発返す、3発返す。だって俺のキングコングニーなんて1発出せば全部試合決まってんだよ。4発、5発なんて出したことない。それでも返してくるあの執念は、多分、レジェンドじゃねぇとあそこまで出せねぇと思うんだよ。なぜって?ハートだよな。やられたって、その後何が残ってるよ?俺の顔面ぶん殴ってラリアットかまされて、ラリアット食らって、もう一度1回食らうんだぜ?そんな痛いのなんて分かってんだよ。予想なんて軽くできる。その中でもあえて返すところに長州力のカッコいいところがあんだよ。『タダでやられねぇぞ』っていうカッコ良さがあんだよな」と長州の精神力をたたえた。 最後に真壁は「だから、俺もそうだし、石井もそうだし、いま現役の巣立った選手を見てりゃあな、長州力に憧れてこの世界入って。でも、長州力のホントのファイナルのファイナルだと思う、今日は。これで復活したらホントぶん殴ってやろうかなって(笑)」と長州に辛口エールを送った。 一方で、送られた側に立った長州は試合後、師匠であるアントニオ猪木氏や、最初に新日本を飛び出して、ジャパンプロレス時代にお世話になった故・ジャイアント馬場さんらプロレス界の先人との思い出を振り返りながら、感謝の意を口にしている。近年は疎遠とも言われていた猪木氏について、「今回、猪木さんを呼んで雰囲気づくりをしてもらおうかなというのもありました」と、招待するか悩んだと明かした。 長州は馬場さんとの思い出も口にしている。「素晴らしい方でした、温厚で。でも自分がやるならやっぱりプロレスの世界ですからどっちかというと、自分の性分としては猪木会長のリングの中の、リングを降りてからの猪木さんの姿勢…ホントにこの人プロレス24時間考えてやってるっていうのは感じてきますよね。まあ、到底及ばないですけど、プロレスに大事なものっていうのは、自分なりにこう考えながら、あのリングの中で打ち出して来たんじゃないかなと思うんです」と最後の最後に、長州に猪木イズムが根づいていたことを自ら明らかにした。 最後には藤波についても触れている。「藤波さんもずっと会長についてきた人ですから、表現の仕方は別にして、彼もそうなんじゃないかなと思います」と永遠のライバルにも同じ血が流れているのではと想像した。 “おくりびと”たちがそれぞれの気持ちを口にした。長州は間接的ながら、猪木イズムを引き継ぎ、闘魂継承をした大会だったという見方もできる。馬場さん、猪木氏を知る現役選手が少なくなってきたのは寂しい限りだが、イズムは必ずや受け継がれると信じたい。取材・文 / どら増田写真 / 萩原孝弘
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スポーツ 2019年06月27日 22時30分
長州力がファイナル興行でプロレス界に残したかったことは何か?90年代の熱気が再燃!
長州力ファイナル興行『POWER HALL 2019 New Journey Begins』▽26日 東京・後楽園ホール 観衆 1797人(超満員札止め)◎THE FINAL RHAPSODY(60分一本勝負)●長州力&越中詩郎&石井智宏(17分29秒 片エビ固め)藤波辰爾&武藤敬司&真壁刀義○※キングコングニードロップ プロレスラー“革命戦士”長州力が26日、東京・後楽園ホールで、ファイナル興行『POWER HALL 2019 New Journey Begins』を開催し、メインイベントで“ファイナルマッチ”を闘った。 長州は新日本プロレス現場監督時代の1998年1.4東京ドーム大会で一度引退をしている。本人の意向もあり、今大会では「引退」と表現していない。その後、“邪道”大仁田厚による執拗な挑発に根負けする形で、2000年の7.30横浜アリーナ大会で電撃復帰。新日本を退団し、WJプロレスを旗揚げするもWJが崩壊すると、再び新日本で現場監督として復帰。近年ではプロデュース興行をしながら、フリーとして各団体に参戦していた。 1度目の引退が超満員の東京ドームだった長州にとって、今回のファイナルマッチの会場が後楽園だったのは、さすがに小さ過ぎたのか、昨年末に大会が発表されると、チケットは発売と同時に即日完売。追加分もすぐ売れた。「1人でも多くのファンにファイナルマッチを見てもらいたい」という関係者の思いから、全国27スポットの映画館でパブリック・ビューイングによる生中継が行われた。 18時30分の試合開始の時点で、客席、立ち見ともに9割は埋まっており、ロビーや各スペースはレスラーや関係者、マスコミ、ゲストであふれた。後楽園ホールにとって今世紀最大の入りになったのではないだろうか。会場はアンダーカードから熱気にあふれていた。バルコニーの立ち見スペースからは、90年代にはよく聞かれたほほ笑ましい野次も飛び出すなど、お目当てのメインイベントに向け懐かしい雰囲気をファンが作り上げていったのは間違いない。 メインの前に休憩時間が設けられ、アンダーカード6試合の間に大会記念Tシャツは完売。休憩時間ではあらゆるところでファンや関係者が“懐かしの”再会を果たす場面が見受けられた。 休憩明け、まずファンを喜ばせたのは、長州の盟友であり、ライバルでもある天龍源一郎氏。テレビのゲスト解説として、入場テーマ曲『サンダーストーム』とともに大・天龍コールを背に受けながら実況席へ。続いて、場内のスクリーンに90年代のテレビ朝日系列『ワールドプロレスリング』のメイン実況を務めた辻よしなりアナウンサーが大写しにに。どよめく観衆は久々となる辻節に聞き入っていた。これは80年代の新日本ファンが古舘伊知郎アナウンサーに抱く気持ちと同じである。 サプライズはここで終わりではない。煽り映像の後、リング上にスポットが当たると、そこには新日本80〜90年代の黄金時代の顔だった元新日本の田中ケロリングアナウンサーの姿が。レフェリーのタイガー服部も上がっている。舞台は完全に整った。 「45年、ここに迎えし闘い納め、そして新たな旅立ち、午後8時26分!時が来た!」 田中リングアナの前口上に続いて、武藤、越中、真壁、石井、藤波、そして最後は「心に刻め!ファイナルパワーホール!」の声で長州が入場。田中リングアナによる試合の前口上は「多くの心をつかみ、走り続けたプロレス。2019626、白いリングシューズを脱ぐ時。さあ見納めだ!45年間のメインイベント、60分一本勝負を行います!」だった。真壁と石井は言うまでもなく、現役の新日本の選手。新日本がこのクラスの選手を“派遣”するのは珍しく、田中リングアナが新日本勢をコールするのはかなりレアである。 試合は長州と藤波の“名勝負数え唄”から始まると、なんと長州が“掟破りの”ドラゴンスクリューを決め、いきなりファンの度肝を抜いた。この日が1年3カ月ぶりの国内復帰となった武藤だが、人工関節の手術をした膝の影響を感じさせない動きを見せる。藤波や越中もコンディションが良く、真壁と石井は新日本で見せているようなエルボー合戦を繰り広げるが、レジェンドたちの存在感が強過ぎたか、客層の違いがあるからか、普段とは少し違う観客のリアクションの中、最後はしっかりと盛り上げてみせた。現在進行形の新日本を90年代のファンに見てもらう機会はめったにないだけに、これも長州から2人の弟子に送られた最後のプレゼントになったのではないだろうか。試合は、真壁のキングコングニードロップを3回返した長州が、4発目に沈み、かつての付き人である真壁が長州に引導を渡した。 「今からUターンして、家族のもとに帰ります」 ファイナルマッチを終えた長州は、今まで私たちに見せたことがないスッキリした笑顔で冗舌に話した。驚いたのは「私にとってプロレスは何だったのかなと振り返りますと、全てが勝っても負けても私自身はイーブンです。ホントにイーブンでした。ただ、今からひとつだけお願いがあります。どうしても勝てない人間がいました」と、奥様の英子さんをリングに上げたこと。新日本の現場監督時代、女子とのミクスドマッチをやらせなかった長州力の面影はなく、長州が本当にリングには帰ってこない覚悟を持っている証を見せた場面だった。 「やっぱり90年代ってすごかったんだね」 これは会場を後にするファンから聞かれた声。ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンのグッズを全身にまとっていた。おそらく現在の新日本ファンで、真壁や石井を観戦しに来たのだろう。会場にいた人間なら誰もが今のプロレス会場とは違う“熱”を感じたはずだ。 今後は藤波や武藤たちが長州の穴を埋めていくことになる…と言いたいところだが、この日もプロレスリング・ノアのGHCヘビー級王者、清宮海斗がプロレス界の未来を、真壁と石井が現在進行形のプロレスを見せて、会場に“熱”を生んだのも事実。ここはレジェンドと現在、そして未来のスターが一体となって、日本のプロレス界を盛り上げてもらいたい。それが今大会で長州が残したかったものだったのではないかと思うのだ。取材・文 / どら増田写真 / 萩原孝弘
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スポーツ 2019年06月27日 18時30分
WWE日本公演直前!中邑真輔の標的はIC王者ベイラー!紫雷イオがヒール転向か?
世界最大のプロレス団体WWEは日本時間26日、主力ブランドのスマックダウン(モダ・センター=オレゴン州ポートランド)を開催した。 28、29日の日本公演「WWE Live Tokyo」(両国国技館)にはロウの選手が中心に来日するが、スマックダウンからも日本人スーパースター中邑真輔と、カブキ・ウォリアーズ(アスカ&カイリ・セイン)の凱旋も決定している。 まずアクションを起こしたのは中邑だ。バックステージでインタビューに答えていたベイラーがPPV『スーパー・ショーダウン』での王座防衛を振り返り、さらに「次の相手は?」と質問されると、突如中邑が姿を現した。不敵な笑みを浮かべた中邑はベイラーのIC王座ベルトに“トゥー・スイート”ポーズでタッチすると、ベイラーにアイコンタクトをしてその場を後にした。 ベイラーは新日本プロレス時代、プリンス・デヴィットのリングネームで技術を学び、ジュニアヘビー級の中心人物として活躍。最後の1年間は今でも続くヒールユニット、バレットクラブを立ち上げヒールに転向し、初代リーダーとしてヘビー級の選手とも互角に渡り合った。中邑が新日本を退団し、WWEと契約した際にはベイラーの近所に住むなど、ベイラーは新日本時代の先輩に当たる中邑をヘルプしている。そんな2人だが、ついにシングルで対戦することになりそうだ。US王座陥落後、ルセフとのタッグ路線で主戦場からは離れていた中邑にとって久々に訪れたチャンス。東京公演で弾みをつけてアメリカに戻りたいところだ。 28日の日本公演で予定されていたジ・アイコニックスと、カブキ・ウォリアーズの対戦がWWE女子タッグ王座戦から急遽ノンタイトル戦に変更され、カブキ・ウォリアーズが勝利した場合、WWE女子タッグ王座への挑戦権が得られることになった。ハウスショーである日本公演のカードが、TVマッチに変更されるのは極めて異例。日本公演の結果がその後のスマックダウンでも反映される可能性が出てきたと考えられる。 日本時間27日に世界配信されたファームブランドNXTでは、“天空の逸女”紫雷イオがNXT女子王者シェイナ・ベイズラーと因縁決着の金網デスマッチに挑んでいる。 これが3度目の王座挑戦となるイオが、金網への串刺しドロップキックやダブル・ニーと波状攻撃を仕掛けると、シェイナも金網を登るイオをキリフダ・クラッチで締め上げて白熱の攻防を展開した。 試合中盤、イオがコーナーからのジャーマン・スープレックスでシェイナをマットに叩き付けて金網のドアへ向かうと、突如ジェサミン・デュークとマリーナ・シャフィールが介入してドアを閉めてしまう。すると今度はイオが金網をよじ登ってエスケイプを狙うも、マリーナが再び阻止を狙うと盟友キャンディス・レラエが現れてイオを救援。これで再びシェイナと一騎打ちとなったイオは、なんと金網の最上段からムーンサルトをシェイナに放ち、はいつくばってドアへ向かうも出口でシェイナのキリフダ・クラッチに捕まってしまう。 イオはドアの扉でシェイナの頭部を攻撃して失神させると、シェイナはその勢いで場外に落ちてエスケープに成功。金網からの脱出が認められ、シェイナがラッキーな防衛を果たした。 試合後、この結果にイオはイラついて豹変。「全部お前のせいだ。お前さえいなかったら私は勝っていた」と叫んでキャンディスをパイプ椅子で攻撃。さらにイオは「友達はいらない。カイリもいらない。誰も私の周りにいらないんだよ」と口にした。今後はヒールとしての道を歩むのか?孤高のハードコアファイターになるのか?これ以上、王座獲得のチャンスを逃すわけにはいかないという思いがイオの心境に変化を与えたようだ。文 / どら増田写真 / ©2019 WWE, Inc. All Rights Reserved.
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スポーツ 2019年06月26日 22時30分
新日本YOSHI-HASHI、ザックに無念の敗戦!『G1クライマックス』は予定通り開催へ
新日本プロレスは25日、宮城・仙台サンプラザホールで『KIZUNA ROAD 2019』の最終戦を開催した。 メインイベントではブリティッシュヘビー級選手権試合&『G1クライマックス29』の出場枠争奪戦として、王者ザック・セイバーJr.にYOSHI-HASHIが挑戦した。4.24東京・後楽園ホール大会で遺恨が勃発し、ここまで抗争を繰り広げてきた両者。シリーズ最終戦のメインイベントという最高の舞台でシングルマッチが実現した。 初のタイトル奪取と、今年出場が途絶えたG1出場に向けて燃えるYOSHI-HASHIは、今シリーズ絶好調。この日も気合いのこもった攻撃でザックを打ち崩しにかかるが、ザックは終始冷静に得意のサブミッションで対応する。その後も得意技を繰り出しザックを追いつめる場面もあったが、必殺技のカルマを切り抜けたザックは、ジム・ブレイクス・アームバーから相手の両足も極める変形のジム・ブレイクス・アームバーでギブアップ勝ち。YOSHI-HASHIの野望を見事に打ち砕き、ブリティッシュヘビー級王座を防衛、G1の出場権も守り抜いた。「ストロングスタイル・イズ・デッド』とYOSHI-HASHIに吐き捨て、格の違いを見せつけてから、リングを降りた。 「俺が仙台でもしアイツに勝って、アイツの出場権をいただくとしたら、今度のG1クライマックスの開幕戦、ダラス、第1試合前のバトルロイヤルで決めたらいいんじゃない?不満ある人が出て。俺はそう思うけどね」 YOSHI-HASHIがこんな提案をしたのは、17日の後楽園大会でのこと。YOSHI-HASHI以外にも、鈴木みのる、真壁刀義らG1にエントリーされなかった選手から、新日本への不満の声が続出している。そんな声をYOSHI-HASHIが代表する形で、今回の一戦ではベルトとともにG1の出場権が懸けられた。しかし、ザックは完勝。残り時間を考えても予定通り、発表されたメンバーで今年のG1が開催されると思うのが妥当だろう。 ただ、YOSHI-HASHIが起こしたアピールは決して無駄ではなかったと言いたい。諦めなければ決定事項がひっくり返る可能性があることを示してくれたのは確かだ。来年は再びG1にエントリーされることを期待したい。 なお、セミファイナルでは田口隆祐が、エル・ファンタズモのブリティッシュクルーザー級王座に挑戦したが、王座獲得とはならなかった。文・写真 / どら増田
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スポーツ 2019年06月26日 19時30分
WWE東京公演直前!AJスタイルズがリコシェと対戦!男女王者タッグが本格始動!
世界最大のプロレス団体WWEは日本時間25日、ワシントン州エバレットで主力ブランドのロウを開催した。ロウ組は28、29日と東京・両国国技館で初夏の日本公演「WWE Live Tokyo」を控えており、日本のファンから大きな注目が集まっていた。 “フェノメナール・ワン”AJスタイルズと、PPV『ストンピング・グラウンズ』(日本時間24日)でUS王座を戴冠したリコシェが、メインイベントで対決した。ともに新日本で活躍していたが、新日本マットでは見られなかったカードだ。 試合は途中、元バレットクラブの盟友で、東京公演でもトリプルHを交えたドリームチームの結成が発表されているルーク・ギャローズ&カール・アンダーソンが、AJのセコンドについたが、AJが戻るように説得。試合が再開されると、両者はクリーンな白熱した攻防を展開。リコシェはスワンダイブ式ムーンサルトプレスなど、得意の立体技でAJのパワーに対抗していく。 しかし、最後はAJスタイルズがリコシェの630°スプラッシュをかわし、すぐさま必殺のフェノメナール・フォアアームを炸裂させてカウント3。AJスタイルズがノンタイトルマッチながら、US王者のリコシェを倒した。試合後、両者は健闘を称え合いユニバース(ファン)から万雷の拍手を浴びた。 PPV『ストンピング・グラウンズ』で王座防衛を果たし、東京公演への出場が控える王者カップル、セス・ロリンズとベッキー・リンチがロウのオープニングに登場すると、突如バロン・コービンの入場曲がヒット。すると背後からレイシー・エバンスがベッキーを襲撃。さらにコービンも現れてロリンズを襲撃したが、ロリンズがスリングブレイド、ベッキーがエクスプロイダーで2人をそれぞれ返り討ちにした。 コービンは「また彼女に助けられたな。ベッキーがいなければ、俺はユニバーサル王者だったのに。いつでもミックスタッグ戦で勝負してやるぞ」とロリンズを挑発。レイシーは「エクストリーム・ルールズで勝負しよう」と提案した。ロリンズとベッキーがこれを受諾すると、コービンはさらに「ユニバーサル王座とロウ女子王座を懸けた勝者総取り戦だ!」と次回PPV『エクストリーム・ルールズ』でのミックスタッグ戦を要求した。 試合後、ロリンズ&ベッキー対コービン&レイシーのミックスタッグ戦が正式に決定。東京公演にはコービンも来日するだけに、試合に介入してくることも考えられる。 PPV『エクストリーム・ルールズ』は日本時間7月15日に開催される。文 / どら増田写真 / ©2019 WWE, Inc. All Rights Reserved.
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その他 2019年06月26日 15時30分
【本好きのリビドー】◎悦楽の1冊 『禁じられた遊び』清水カルマ ディスカヴァー文庫 800円(本体価格)
★情念が物質化するグロテスク 1982年に37歳で早世したドイツの鬼才監督、R・W・ファスビンダーの処女長篇映画は『愛は死より冷酷』というタイトルだったが、本作で描かれる「愛」の凄まじさは死より深刻にして残酷なものに違いない。 私事で恐縮ながら先月に亡くしたばかりの母が、よく昔のテレビで流れていた某CMのナレーション“妻として、母として、女として…”云々の台詞をひたすら忌み嫌っていたのを、読後、思わず想起してしまった。「んなもなァ、ガタガタ言わずともみんな一緒なんだよ」と、よく呟いていたっけ。女の嫉妬と怨念をモチーフに据えるのは『東海道四谷怪談』以来の伝統にせよ、クライマックスに向かうにつれて瀬名秀明の『パラサイト・イヴ』や、すっかりモダンホラー映画の古典と化した往年の『オーメン』を連想させる要素までてんこ盛りに味付けされて、怒涛の展開に一気読み必至だ。 わが子への愛しさ募るあまりについてしまったほんのささやかな嘘、気まぐれな遊戯にすぎない筈の行為が、予想だにせぬ黒い種子を蒔く破目になり、あれよあれよと成長してゆく…この小説では「世界の車窓から」ならぬ「トカゲの尻尾から」、ぱっくりと口を開けて待ち構える悪夢に導かれる登場人物たち。 情念が物質化するグロテスク、暴走する無理筋。まさにご婦人と理不尽は紙一重を地で行く物語にグイグイ引き込まれつつも正直うんざりさせられるのもまた一興。程度の差はあれ、ストーカーに悩まされた経験のある人間なら恐怖感はより一層増すこと請け合い。 世に云う“Jホラー”の歴史に今後、『貞子』を上回る強烈で濃厚な印象を「美雪」の二文字が刻むことになるだろう…でもここまで愛されればやはり男冥利に尽きるか? 否否否!(居島一平/芸人)【昇天の1冊】 長州力が6月26日に引退する。『証言 長州力「革命戦士」の虚と実』(宝島社/1700円+税)は、長州に関わったレスラー、フロント関係者、レフェリーらが語ったインタビュー集である。 だが、そもそも長州の引退は、今回が2度目だ。そこに、いきなりツッコミを入れるのが前田日明。「長州さんが『プロレスラーは何度引退してもいいんだよ』って」 前田が試合中、長州の背後から顔面に蹴りを見舞い重症を負わせた、プロレス史上に残る事件が起きたのは1987年。現在はすでに和解しているというが、長年両者の間には確執があったことで知られていた。 そう、このインタビュー集は長州に対して“腹に一物”を持った人間を選んで行われている。藤原喜明、キラー・カーン、谷津嘉章、大仁田厚、そして、週刊プロレス元編集長のターザン山本。さらに、長州と蜜月関係にありながら袂を分かった人々。したがって、否定的意見や、あからさまな悪口も少なくない。 印象深いのは2004年、長州が新日本へ2度目の“出戻り”を果たした時期の関係者たちの証言だ。「新日本の選手全員が長州力を嫌いだった」 この本の根底には、“嫌われ者”長州力の姿がある。しかも、本には書けない、もっと辛辣な本音が隠されていると感じる。我々が知らない真の実像は依然としてベールに包まれたまま、長州はリングを去ろうとしている。 稀代のレスラーには、そのほうが相応しいのかもしれない。(小林明/編集プロダクション『ディラナダチ』代表)
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スポーツ 2019年06月25日 22時30分
プロレスラー世界遺産 伝説のチャンピオンから未知なる強豪まで── 「スティーブ・ウィリアムス」日本マットに2つの転機をもたらした“殺人医師”
急角度のデンジャラス・バックドロップは何度見ても思わず息をのむ衝撃度。荒っぽいファイトスタイルで、三冠ヘビー級王座や世界タッグ王座を獲得したスティーブ・ウィリアムス。彼が咽頭がんにより49歳の若さで亡くなってから、今年で10年になる。※ ※ ※ スティーブ・ウィリアムスは日本のプロレス界に2つの大きなターニングポイントをもたらしている。 “歴代最強の外国人レスラー”というようなランキングでその名が上位に挙がることは少ないものの、日本のプロレス史という観点からすると実はかなり重要なキーマンなのだ。 初来日は1986年7月の新日本プロレス。扱いにくいブルーザー・ブロディに代わる新たなエース外国人候補として期待されたが、同年10月、2度目の来日時に事件は起きた。 東京・後楽園ホールでのアントニオ猪木とのシングルマッチ。試合開始のゴングと同時にハチャメチャに殴りかかっていったウィリアムスは、猪木をロープに振って正面から抱え上げると、スパイン・バスターの要領で背中からマットに叩き付けた。 しかし、カバーに入ると猪木はピクリとも動かない。そのままカウント3で“秒殺”となる寸前に、慌ててウィリアムスは猪木を引きずり起こした。 「演出でもなんでもない完全に猪木がフォール負けするタイミングで、これには場内も騒然となりました」(スポーツ紙記者) 不運なことにこの試合はテレビ生中継。4日前に行われた『INOKI闘魂LIVE』における猪木vsレオン・スピンクス、前田日明vsドン・中矢・ニールセンの録画中継と併せての放送とあって、半ば放送事故ともいえそうな惨劇は広く全国のファンに届けられてしまった。 なお、試合自体は猪木の勝利に終わったものの、放送時間の関係からか結末まで流されることなく、途中で前田vsニールセンの録画中継に切り替わっている。「前田の鮮烈さに比べて、猪木は新顔のウィリアムスにKO負け寸前の体たらく。その後に放映されたスピンクス戦も凡戦に終わったことで、多くのファンに“世代交代”を強く印象付ける結果となりました」(同) 実際に同年暮れのIWGPタッグリーグ戦では、藤波辰爾が猪木から初のフォール勝ち。猪木がトップの座から退いていくのは既定路線であったかもしれないが、ウィリアムス戦はその端緒としてファンに受け止められることとなった。★全日への移籍が飛躍のきっかけ 一方、ウィリアムス自身はというと、猪木失神の事態にうまく対処できなかったことから“危険でアドリブの利かない選手”として冷や飯を食わされることになり、その後、新日に参戦してきたクラッシャー・バンバン・ビガロやビッグバン・ベイダーよりも下位の格付けとされてしまう。 そして1990年2月、新日のドーム大会に選手を貸し出してもらった返礼として、ウィリアムスは全日本プロレスへトレードされることになった。「当初、全日におけるウィリアムスの扱いは、売り出し中だったテリー・ゴディのパートナー役。2人が組んだ“殺人魚雷コンビ”は最強タッグを連覇しましたが、主役はあくまでもゴディでした」(同) だが1993年、ゴディが内臓疾患(実際にはアルコールとステロイド剤の過剰摂取による一時心停止)により長期離脱したことで、ウィリアムスにシングル戦線でのチャンスが巡ってくる。 三沢光晴の所持する三冠王座への挑戦権を懸けた小橋建太との一騎討ち。このときに放った急角度バックドロップ3連発のインパクトは絶大で、これ以降、全日における危険技の基準となった。言い換えれば、四天王プロレスのベースとなったのが、ウィリアムスのバックドロップだったのだ。 本人がそのように意識したわけではなかろうが、結果的には“新日の世代交代”と“全日の四天王プロレス勃興”という2つのエポックに、ウィリアムスは大きく関わっているのだ。 むろん単なる偶然というわけではなく、ウィリアムスにそうなるだけの裏付けがあったことを見すごしてはならない。アマチュア時代には、レスリングで大学選手権4連覇を果たした実力者で、ちなみに“ドクター・デス”の愛称は、その当時につけられたものだ。 鼻骨を骨折したウィリアムスがアイスホッケーのマスクをかぶって練習していたところ、その異様な姿が、映画『13日の金曜日』のジェイソンを思わせたことで、観客からヤジが飛んだのが最初だったという。 ちなみにここで言う“ドクター”とは、専門家とか達人といったニュアンスで、野茂英雄がメジャーリーグで“ドクターK”と呼ばれていたのに近い。つまりアイスホッケーマスク=ジェイソン=死をつかさどる者というような意味合いであり、日本での異名“殺人医師”は厳密には誤訳である。スティーブ・ウィリアムス***************************************PROFILE●1960年5月14日〜2009年12月29日。アメリカ・コロラド州出身。身長188㎝、体重123㎏。得意技/デンジャラス・バックドロップ、ドクター・ボム。文・脇本深八(元スポーツ紙記者)
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