メインイベントではブリティッシュヘビー級選手権試合&『G1クライマックス29』の出場枠争奪戦として、王者ザック・セイバーJr.にYOSHI-HASHIが挑戦した。4.24東京・後楽園ホール大会で遺恨が勃発し、ここまで抗争を繰り広げてきた両者。シリーズ最終戦のメインイベントという最高の舞台でシングルマッチが実現した。
初のタイトル奪取と、今年出場が途絶えたG1出場に向けて燃えるYOSHI-HASHIは、今シリーズ絶好調。この日も気合いのこもった攻撃でザックを打ち崩しにかかるが、ザックは終始冷静に得意のサブミッションで対応する。その後も得意技を繰り出しザックを追いつめる場面もあったが、必殺技のカルマを切り抜けたザックは、ジム・ブレイクス・アームバーから相手の両足も極める変形のジム・ブレイクス・アームバーでギブアップ勝ち。YOSHI-HASHIの野望を見事に打ち砕き、ブリティッシュヘビー級王座を防衛、G1の出場権も守り抜いた。「ストロングスタイル・イズ・デッド』とYOSHI-HASHIに吐き捨て、格の違いを見せつけてから、リングを降りた。
「俺が仙台でもしアイツに勝って、アイツの出場権をいただくとしたら、今度のG1クライマックスの開幕戦、ダラス、第1試合前のバトルロイヤルで決めたらいいんじゃない?不満ある人が出て。俺はそう思うけどね」
YOSHI-HASHIがこんな提案をしたのは、17日の後楽園大会でのこと。YOSHI-HASHI以外にも、鈴木みのる、真壁刀義らG1にエントリーされなかった選手から、新日本への不満の声が続出している。そんな声をYOSHI-HASHIが代表する形で、今回の一戦ではベルトとともにG1の出場権が懸けられた。しかし、ザックは完勝。残り時間を考えても予定通り、発表されたメンバーで今年のG1が開催されると思うのが妥当だろう。
ただ、YOSHI-HASHIが起こしたアピールは決して無駄ではなかったと言いたい。諦めなければ決定事項がひっくり返る可能性があることを示してくれたのは確かだ。来年は再びG1にエントリーされることを期待したい。
なお、セミファイナルでは田口隆祐が、エル・ファンタズモのブリティッシュクルーザー級王座に挑戦したが、王座獲得とはならなかった。
文・写真 / どら増田