山口敏太郎
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ミステリー 2023年02月25日 23時00分
「気球がどこから来たのか分かるまで撃墜はやめるべき」?アメリカの気球騒動にイギリスから慎重論
2月頭からアメリカ国内を騒がせている、謎の気球騒動。2月3日、アメリカのモンタナ州をはじめとする広い地域で謎の白い気球が確認。4日にアメリカのF22戦闘機によって撃墜された。この気球は中国の高高度偵察気球である可能性が高いとされたが、その後にアラスカ州やミシガン州、カナダ上空で目撃された3つの物体については分類が困難とされている。またアメリカ国防総省は、米軍がここ数週間に撃墜した他のUFOの起源について、はっきりとは分かっていないと認めている。 しかし、この撃墜措置に対してはアメリカ国内外でも賛否が分かれている。特に海外の専門家からは「UFOがどこから来たのか分かるまで、撃墜には慎重になるべき」との意見が出ているようだ。 >>ホワイトハウス、謎の気球騒動を受けて「新たなUFOタスクフォース」結成を発表<< 例えばイギリスの元航空幕僚長であり、1990年の湾岸戦争で英国空軍打撃司令部の最高司令官を務めたマイケル・グレイドンは「怪しい機体を戦闘機で粉々に吹き飛ばすのは、その起源を特定する最善の方法ではない」と述べ、さらに多くの謎の機体が発見された場合を踏まえて、自制することを示唆する発言をした。 彼はイギリスのLBCラジオに出演した際、「何が入っているか分からないうちは、確かに刺激的なニュースだと思う。しかし、内部にスパイ機器が搭載されている可能性も高い」と語った。 同じような飛行物体がイギリスの領空に入った場合、排除する必要があるかという質問に対しては次のように答えている。 「おそらく最も可能性が高いのは、海に向かって漂い、その後周囲に影響を及ぼさない場所に移動したことを確かめてから撃ち落とすことだろう。しかし領空侵犯してきた物体に対して興奮し、排除を急ぐ前に、実際にその物体の中に何が入っているのかを調べることは非常に有益であろう」 また、2月4日に撃墜された物体は中国の高高度偵察気球である可能性が高いという見解が米軍から出ている。 マイケルは「中国は既に多数のスパイ衛星を持っているのに、なぜわざわざ気球を必要とするのか、理由が明らかになっていない。おそらく衛星から得られる情報は十分であり、さらにGoogleやその他を利用すれば非常に多くの情報を得られるだろう。他の情報源から得られないものを気球から得ているのかもしれないが、私には全く理解できない」と述べている。 ちなみにイギリスのスナク首相は、イギリスには今回アメリカで騒動を起こした気球のような脅威を「阻止」するための「完璧な迅速対応」能力があると主張している。しかし元駐米英国大使で国家安全保障アドバイザーのキム・ダロッシュは、納得していないと述べている。 「この数十年間、つまり冷戦の終わりからずっと、イギリスは防衛への投資が不足していると思う。本当に必要なキットや装備をすべて持っているわけではないし、軍隊が持つ技術にもギャップがある。だから、首相が言うような万全の体制で臨めるかどうかは分からない」と懸念を示している。 我が国でも同様の飛翔物体が領空侵犯してきた際、どのような対応を取るべきか議論になっている。気球騒動に関し、どの国でも改めて検討すべき問題があることを見せつけたと言えるかもしれない。山口敏太郎作家、ライター。著書に「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」、テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。YouTubeにてオカルト番組「アトラスラジオ」放送中関連記事World leaders urged to stop shooting down UFOs until we know where they're from(The Daily Star)よりhttps://www.dailystar.co.uk/news/latest-news/world-leaders-urged-stop-shooting-29218926
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ミステリー 2023年02月19日 23時00分
ホワイトハウス、謎の気球騒動を受けて「新たなUFOタスクフォース」結成を発表
ここ数日アメリカ各地の上空で目撃され、注目を集めている謎の気球。2日にモンタナ州で白い気球が発見された後、データの分析方法を変更して探知の感度を上げた結果10日にはアラスカ州上空で、11日にカナダのユーコン準州で、そして12日にはミシガン州ヒューロン湖上空で謎の飛行物体が確認され、いずれも撃墜措置がとられている。 アメリカ政府関係者は、撃墜された3つの飛翔体はおそらく気球であり地上には無害なものであったと示唆する発言をしている。一方でホワイトハウス側はこのような謎の物体について「より良い理解を得るために」新たに省庁間チームの創設に着手すると発表した。 >>アメリカ国防総省、年次報告書にてUFO目撃情報「急増」を確認 - しかしその理由は不明<< 国家安全保障会議のジョン・カービー報道官は、今回確認された飛翔体について情報機関が「これらは商業または研究機関に関連した気球である可能性があり、したがって『良性』な物体である」との見解が出ていることを示している。これを踏まえて3つの空飛ぶ物体の性質に関する評価が提出されたと報じられた。とはいえ、「今回のような特定の未確認飛行物体に関する暴露は、未知の物体による空中侵犯に関する政府と国民の懸念を鎮めることはないでしょう」ともされている。 そこで13日月曜日の記者会見で、カービー報道官は「安全またはセキュリティ上のリスクをもたらす未確認飛行物体の検出、分析、処分に関するより広い政策的意味を研究する」新たなタスクフォースの設立を発表した。 ホワイトハウスが今回の問題をいかに深刻に捉えているかを物語るかのように、ハービー報道官は「政府のあらゆる部門が、これらの事象を理解し、軽減するための努力を倍加させる」と宣言している。近々発足するUAP調査チームは、連邦航空局、国土安全保障省、国防総省など、さまざまな政府機関の代表者で構成されると伝えられている。 一方、墜落した3機の飛行物体の破片を回収する作業は、軍にとってある種の「挑戦」であることが判明している。マーク・ミルリー統合参謀本部議長によれば、どのケースでも「非常に困難な地形に落ちている」ため、現時点では3機共に十分に回収できていないとのこと。「いずれは回収できるが、全ての残骸を回収するには時間がかかるだろう」と記者団に答えている。軍部が最終的に全ての残骸を手に入れることができれば、飛翔体の性質をめぐる謎は最終的に解決されると推測されている。 一方で、地方議員からは不満の声も上がっている。アメリカ両議会の議員も14日、現在進行中の状況について機密扱いのブリーフィングを受けたが、ユタ州のマイク・リー上院議員は会合後に自身のツイッターで「答えよりも疑問が多いまま会合を終える」と不満を表明した。バイデン大統領にはさらなる情報の透明性を求め、ブリーフィングで得た追加情報をもってしても、この事件が「ホワイトハウスによって極めて重要な出来事が軽視されているのか、それとも取るに足らない事件が誇張されて大げさに報道されているのか不明」と嘆いている。 未だに情報が錯綜状態にある謎の気球騒動。今後の動きにも注意していきたいところだ。山口敏太郎作家、ライター。著書に「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」、テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。YouTubeにてオカルト番組「アトラスラジオ」放送中関連記事White House Suggests Downed Objects Were 'Benign,' Forms New UFO Task Force(Coast to Coast AM)よりhttps://www.coasttocoastam.com/article/white-house-suggests-downed-objects-were-benign-forms-new-ufo-task-force/
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ミステリー 2023年02月18日 23時00分
撃墜された謎の白い気球はUFOだった!?米政府がSNSで盛り上がる「宇宙人による侵略説」の拡大を懸念
今月2日、アメリカ各地の上空に謎の白い気球が出現。直径約60メートルの白い球体で、下に8枚の太陽電池パネルがあることが確認された。アメリカ側はこの気球について深刻に受け止め、調査を行った結果、中国の高高度偵察気球である可能性が高いという結論に至り、中国当局に連絡したと明らかにしている。 アメリカ側が慎重になった理由の一つに、問題の気球が通過した場所に米軍基地が多数存在したという点がある。特に最初、謎の気球が確認されたモンタナ州には核ミサイル格納庫を備えたマルムストローム空軍基地が存在しているため、警戒を強めたものとみられている。しかし、もし気球を撃墜した場合は地上に残骸が落ちて大きな損害を与える可能性もある。4日に気球がサウスカロライナ州沖合に出たことが確認された上で撃墜となった。 >>イギリス空軍が機密にしていた1990年に撮影されたUFO写真が32年の時を経て公開<< その後、データの分析方法を変更して探知の感度を上げた結果、10日にアラスカ州上空で、11日にカナダのユーコン準州で、そして12日にはミシガン州ヒューロン湖上空で気球が確認され、撃墜措置がとられた。特に12日のミシガン州のケースでは、気球が高度約6000メートルで飛行していた。周辺を飛行する民間機に対する懸念が増したため、撃墜措置がとられている。 ちなみに、これらの気球は全て同じ形状というわけではない。アラスカ州で確認された気球は「円筒形で銀色がかった灰色」であることが確認された後、約1万2000キロ上空でF-22ラプターによって撃墜されている。 アメリカの捜査当局はこれらの物体の残骸の回収と特定に取り組んでいるが、アメリカ国内メディアではこれらの物体が何であり、どこから来たのか憶測が飛び交っているという。その結果、SNSでは疑心暗鬼になった人たちから「宇宙人による侵略が始まったのではないか」という懸念まで出てきているというのだ。 この件について下院情報特別委員会のジム・ハイムズ氏は 「現在ソーシャルメディアを見ているとある種のパターンが見える。突然、異星人の侵略や中国の追加行動、ロシアの行動に関する大量の憶測が飛び交った。情報がないと、人々の不安は破壊的になる可能性のある領域に導く。だから私は、政権がすぐにもっと多くの情報を得られることを願っている」 と述べている。 ここで気になるのは、アメリカ側の動きだ。アメリカは2019年に第六の軍として「宇宙軍」を発足させたが、その後UFOに関する情報公開を行い、今回の謎の気球の確認と撃墜など、一昔前にはUFOと関連づけられていた事柄に関して非常に迅速に動いている。これらの点から考えると、米軍はかなり前から今回の高高度偵察気球のような情報収集などを目的とした飛翔体やドローン等の存在に気づいており、専門的に対処するために新たな枠組みとして宇宙軍を設立したように思えてくる。 アメリカを騒がせる謎の気球騒動がどのような展開を迎えるのか。少なくとも現状では、詳細が発表されるまで待つしかないだろう。山口敏太郎作家、ライター。著書に「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」、テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。YouTubeにてオカルト番組「アトラスラジオ」放送中関連記事Mystery of downed UFOs over US sparks 'alien invasion' fears(unexplained-mysteries.com)よりhttps://www.unexplained-mysteries.com/news/363926/mystery-of-downed-ufos-over-us-sparks-alien-invasion-fears
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ミステリー 2023年02月12日 23時00分
火星の生命の痕跡を分析 NASAが火星からの土壌サンプルを調査するための施設を開設予定
現在、アメリカ航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)は、火星の地表で採取したサンプルを地球に持ち帰る「火星サンプルリターン(Mars Sample Return)」計画を共同で計画している。昨年12月21日には、NASAの探査機「パーシヴィアランス」が火星の岩石などのサンプルを収めた保管容器の一つを火星地表に投下することに成功したと発表している。 この保管容器は小型だが、地球外生命体の最初の証拠が含まれている可能性も期待されている。パーシヴィアランスがサンプル採取を行っている場所が、数十億年前に川が湖に流れ込み、扇形のデルタを形成したジェゼロ・クレーターとその周辺だからだ。 >>「2030年までに人類は月に住む」NASAの幹部が語る<< 川のデルタは、古代の微生物が生息していた痕跡を発見しやすい場所のひとつと考えられている。もし今回の火星の土壌サンプルに生物がいなかったとしても、少なくとも遠い昔に火星に存在したであろう生命の痕跡の化石を見つけられる可能性が高い、と期待する専門家は多い。 なお、このサンプル保管容器がまるで小さなライトセーバーのようだったため、写真が公開されるとそちらの点でも話題になったようだ。 このライトセーバー型保管容器の回収は5年後に打ち上げられる予定のNASAの宇宙船に搭載された2機の小型ヘリコプター。10個のサンプルがすべて回収されると、火星から飛び立つ最初のロケットとなる火星上昇機に積み込まれ、ESAの地球帰還船とランデブーする予定だ。 そして2033年、火星最初の土壌サンプルは「地球突入システム」と呼ばれる円盤状の宇宙船で地球に帰還し、ヒューストンのNASAジョンソン宇宙センターに開設される予定の「火星サンプル受領プロジェクト事務所(Mars Sample Receiving Project)」に輸送される計画になっている。 テキサス州議会議員ブライアン・バビン氏は、「火星で採取されるサンプルは、我々の宇宙をよりよく理解するための探求に不可欠である」と述べている。 また、同僚のシーラ・ジャクソン・リー氏は、「火星サンプルリターン計画は、今後の有人火星探査に不可欠です。このサンプル受領プロジェクト事務所を設立することは、我々が火星に対する知識を深め、火星への取り組みを前進させるための大きな一歩です」と語っている。山口敏太郎作家、ライター。著書に「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」、テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。YouTubeにてオカルト番組「アトラスラジオ」放送中関連記事NASA火星探査車がサンプル保管容器の地表配置を開始 火星サンプルリターン計画での回収を想定(SORAE)よりhttps://sorae.info/space/20221224-perseverance-deposited-1st-tube.htmlNASA building 'alien life facility' to probe lightsaber canister soil samples from Mars(The Daily Star)よりhttps://www.dailystar.co.uk/news/latest-news/nasa-building-alien-life-facility-29094185?int_source=nba
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ミステリー 2023年02月11日 23時00分
マンモスやタスマニアタイガーに続き、ドードー鳥の復活を計画する「脱絶滅会社(De-Extinction Company)」
マンモスやタスマニアタイガーなど、様々な絶滅生物の復活を試みてきたあるバイオサイエンス企業が、また新たな生物を絶滅防止リストに加えて注目を集めている。 アメリカのテキサス州ダラスに本社を置くコロッサル・バイオサイエンス社は、17世紀に絶滅してしまった飛べない鳥「ドードー」を復活させるという野心的な計画を発表した。ドードーはかつてモーリシャス島に生息していた大型の鳥類で、天敵もいないことから飛ぶことができなかった。そのため、簡単に捕まえられることを知った船乗りたちによって乱獲の対象となり、非常に短い期間で絶滅してしまったのだ。 >>調査の結果生存が明らかに! 絶滅生物の枠から蘇った生き物たち<< コロッサル社は2021年9月に1500万ドルという巨額の資金で設立。ケナガマンモスの遺伝子を部分的に組み込んだ象の雑種を生産する計画から絶滅生物の再生・再導入計画をスタートさせた。昨年夏には、有名なタスマニアタイガーの復活に取り組むメルボルン大学のタイラシン統合遺伝子復元研究室と提携し、ポートフォリオを拡大している。 今回のプロジェクトでは、ハトのDNAをドードーのものと一致させ、それを卵に移植し、ふ化したときにドードーが生まれるようにするという、この2つの動物で考案されたものと同様のプロセスを踏むことになる。プロジェクトアドバイザーは、昨年ドードーのゲノム解読を成功させた進化生物学者ベス・シャピロ氏。シャピロ氏は「ドードーは、人間がその生息地での生存を不可能にしたために絶滅した種の代表例です」と語り、ドードー復活の可能性に期待を寄せている。 今回の計画については支持する動きもあれば、「巨額の予算を投じて絶滅生物を復活させるのではなく、そもそも現存する生物をいかに絶滅させないかが重要である」という意見も存在している。 コロッサル社は「ドードーは絶滅生物の象徴となっているが、復活させることで"脱絶滅の象徴"として見直されることを期待している」と語っている。山口敏太郎作家、ライター。著書に「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」、テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。YouTubeにてオカルト番組「アトラスラジオ」放送中関連記事ドードー復活計画に批判の声。動物たちが「絶滅しないようにすることが最優先」(ハフポスト)よりhttps://www.huffingtonpost.jp/entry/dodo_jp_63d8d0bfe4b07c0c7e058a87De-Extinction Company Hopes to Revive the Dodo Bird(Coast To Coast AM)よりhttps://www.coasttocoastam.com/article/de-extinction-company-hopes-to-revive-the-dodo-bird/
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ミステリー 2023年02月05日 23時00分
タイ国内初、1億4千万年前の小型肉食恐竜の足跡化石を発見
タイのカラシン県ナークー郡にあるプーフェーク森林公園は、恐竜の足跡が複数発見されたことで有名な場所だ。この足跡化石は今も森林公園内に残されており、発見された大型肉食恐竜の足跡7つのうちの4つは公園を訪れた人ならば誰でも見ることができる。 これらの足跡は1996年、森林公園をピクニック中の親子が岩の上に残されていたものを偶然目にしたことから発見につながった。調査の結果、約1億4000万年前に生息していた肉食恐竜の足跡であることが判明したのだ。ちなみに発見された7つの足跡のうち、地面の浸食により残念ながら3つが消失してしまっている。 >>恐竜を絶滅させた小惑星の証拠が恐竜の化石や琥珀から発見される<< そして先日、同じく森林公園の奥深くにある巨大な砂岩層より新たに合計10個の恐竜の足跡が発見された。専門家が確認したところ、指紋は約1億4千万年前のもの、大きさは21センチから30センチ、幅は17センチから31センチ。鉱物資源局の関係者は、この痕跡を残した恐竜について全長5メートル、体高2メートル前後の小型の肉食恐竜である可能性があるとみている。 タイの公共放送であるPBSの報道によると、小型の肉食恐竜に関連した化石は「タイ国内では初めての発見」になるという。現時点では足跡を残した恐竜が何なのか、正確な種類はまだ分かっていないという。現在、恐竜の足跡を保護・保存するための作業が進められており、森林公園の一帯が一時的に閉鎖されて作業が行われていると複数の報道機関が伝えている。 古代のタイを闊歩していた恐竜はいったい何だったのか。今後の調査結果が気になるところだ。山口敏太郎作家、ライター。著書に「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」、テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。YouTubeにてオカルト番組「アトラスラジオ」放送中関連記事観光スポットプ一フェーク森林公園(恐竜の足跡)(amazing THAILAND)よりhttps://www.thailandtravel.or.jp/phu-faek-forest-park/Phi Fake Forest Park (Dinosaur Footprints)(amazing THAILAND)よりhttps://www.tourismthailand.org/Attraction/phu-faek-forest-park-dinosaur-footprintsWorld first as 140 million-year-old fossilized 'tiny' dinosaur prints found(The Daily Star)よりhttps://www.dailystar.co.uk/news/world-news/world-first-140-million-year-29089976
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ミステリー 2023年02月04日 23時00分
AIの生成した顔は本物の顔写真よりもリアルに見える?新たな研究結果より
ここ1、2年で急速に発展してきたAI技術。画像や文章を生成したり、翻訳やチャットの形でAIに触れたことがある人は多いだろう。よくできているとはいえ、AIが生成した画像や文章に不自然さを感じる部分が見られるのも事実だ。しかし、既に「AIが生成した存在しない人の顔」と「実在する人の顔写真」の見分けがつかなくなってきてきる、という研究結果が出てきている。 ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ校の心理学者であるManos Tsakiris氏が、ディープフェイク写真の現状と、それらがネット上で引き起こすかもしれない問題について考察した内容が話題になっている。 >>新しい「会話型」AIチャットボットはGoogle検索エンジンを「消滅」させる?Gmailの開発者が懸念を表明<< 海外ではつい最近の事例として、ビジネス特化のSNSであるLinkedInにAIが生成したプロフィール写真を掲載し、偽のアカウントを作成したが、そのアカウントで米国政府高官やネットワーク上で影響力のある人物との接続に成功した例が報道されて問題になった。防諜の専門家によれば、スパイは日常的にこのようなAI生成写真を使った偽のプロフィールを作成し、ソーシャルメディア上で外国のターゲットに狙いを定めているという。 既にこういったディープフェイク技術は日常文化に浸透してきており、マーケティング、広告、ソーシャルメディアにおいてどのように使用されているか認識を深める必要がある、とManos Tsakiris氏は警鐘を鳴らす。特に政治的プロパガンダや情報戦、諜報活動ではすでに活用されている可能性が大いにあるという。 現在、AI画像の生成には脳の学習方法を模倣したコンピューターシステムのディープニューラルネットワークと呼ばれるものが関わっている。これは人間の脳の学習方法を模倣したコンピューターシステムで、実際の顔をどんどん大きなデータセットにさらすことで訓練と学習を重ねていくものだ。 すでに2つのディープニューラルネットワークが互いに競い合うようにしてリアルな画像の生成を行い、学習し合っている。その上で、「GAN画像(Generative Adversarial Networksの略)」と呼ばれる学習画像と統計的に区別がつかないような新たな画像を生成するプロセスも生まれている。 iScience誌に掲載されたTsakiris氏による最新の研究では、こうして生み出された「人工的な顔」は時に本物の人間と区別ができない、むしろ本物の人間の顔より魅力的に感じることがあるという報告がなされている。 例えばあまり魅力的でないと評価された顔の画像が、かえってリアルであると評価されたのだという。そこまで美人や美形とはいえない顔が典型的な、基準となる普通の顔とAIが学習した結果かもしれない。 しかしこのような人工的な顔を本物と見なしてしまうことは、見知らぬ人々の輪に対する一般的な信頼度に影響を及ぼす可能性もあるとTsakiris氏は語る。 我々はしばしば対面した顔から多くのことを読み取るため、第一印象によって社会的相互作用を導く。今回の実験では、AIの生み出した人工的な顔であっても一度本物と判断した顔であれば、情報をより信頼する傾向があることを明らかにしている。本物と思われる顔ほど信頼されるのは当然といえば当然かもしれない。 しかし、偽のプロフィールがあると認識された後は相手の顔が本物かどうかにかかわらず、全体的に相手への信頼度が低下することも分かっている。この結果は、偽ユーザーの存在する環境においては人々の不信感を高めるという意味で、ある意味で有益なものであったと言えるかもしれない。 しかしうがった見方をすれば、我々のコミュニケーションのあり方そのものを徐々にむしばんでいく可能性があるという。 心理学では、現実に知覚したり体験したりした出来事の記憶と、脳内で想像するなど内的に生成した記憶とを区別する認知過程を「リアリティ・モニタリング」と呼ぶ。偽物の顔や画像、ビデオ通話をリアルに再現する技術が発達した今、リアリティ・モニタリングは自身の判断以外の情報に基づいたものである必要があるとTsakiris氏は語る。 AIが進歩した次に必要となってくるものは、AIなどで生成された偽の顔などのデータを検出するアルゴリズムの改善だとTsakiris氏は述べる。この技術をソーシャルメディアのプラットフォームに組み込むことで、新しく知った人の顔を見たときに、本物と偽物を見分けられるかもしれず、初見で疑心暗鬼に陥らずに済むだろうとのこと。 今後はSNS上だけでなく、様々な分野でディープフェイク技術が悪用される可能性が高くなるだろう。そのとき、我々はどのように対応していけばよいのか。これまでとは異なる思考や認識が求められる時代が来ているのかもしれない。山口敏太郎作家、ライター。著書に「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」、テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。YouTubeにてオカルト番組「アトラスラジオ」放送中関連記事Deepfake AI photos can now seem more real than genuine images(unexplained-mysteries.com)よりhttps://www.unexplained-mysteries.com/news/363530/deepfake-ai-photos-can-now-seem-more-real-than-genuine-images
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ミステリー 2023年01月28日 23時00分
ノルウェーにて世界最古のルーンストーン発見か 刻まれた文字の意味とは?
かつて古代ヨーロッパでゲルマン人が用いていた古い文字、ルーン文字。北エトルリア起源の北イタリア文字から生まれたと考えられており、最古のルーン銘文は2〜3世紀のものとされている。しかし2021年秋にノルウェーの考古学者が、最大で約2000年前のルーン文字が刻まれた石を発見した。もし年代が確かであれば、世界最古のルーンストーンとなる。 この石はオスロ大学文化歴史博物館の研究者が2021年秋、ノルウェー東部のホールという自治体にある埋葬地を調査していた際に発見された。 >>ビッグフットを月へ送る!?驚きの計画が進行中<< 発見された場所の名前をとって「スヴィンゲルード・シュタイネン(Svingerud Stone)」と名が付いたこの石は縦横約30センチの赤褐色の砂岩で、放射性炭素年代測定の結果、紀元1年から250年の間にルーン文字が刻まれたものと考えられている。 文化歴史博物館の文字文化と図像学の教授である文字学者クリステル・ジルマー氏は、CNNに対し「この石は、紀元後数世紀のスカンジナビアでルーン文字が使われていたことを示す初めての明確な証拠となるものです」と語っている。 ルーン文字はスカンジナビア地方で最も古い文字として知られており、西暦793年から1066年までのバイキング時代から中世後期まで広く使用されていたとされている。 スカンジナビア地方ではバイキング時代のルーンストーンが数千個確認されているが、そのうち紀元550年頃より前のものと考えられているのは、わずか30個ほど。中でも今回発見されたスヴィンゲルード・シュタイネンは紀元300年以前の唯一の石になるため、研究が進められている。 スヴィンゲルード・シュタイネンには、ルーン文字の最初の3文字「f」「u」「th」が片面に描かれているとのこと。 文化歴史博物館の考古学者で発掘担当のスタイナー・ソルハイム氏は「古いフットマークのルーン文字が刻まれた石は、年代測定可能な中では非常にまれです。今回の発見は、ルーン文字が我々がこれまで想定していたよりも、おそらく数百年は古くから伝統的に使われていたことを意味します。同時に、初期鉄器時代のスカンジナビア社会におけるルーン文字の使用に関して、我々が知らなかった用途があった可能性が高まった」としている。 ジルマー氏によれば、この石は薄く刻まれた浅いルーン文字やルーン文字風の文字、その他の視覚的モチーフが混在している特徴があるとのこと。 文字がジグザグに刻まれたものもあれば、格子状に刻まれたものもあるという「非常に特殊な外観」をしており、前面に刻まれた8つのルーンは、ローマ字に変換すると "idiberug "となる。 ジルマー氏によると、これは「イディベラ」という女性の名前かもしれないし、「イディベルング」という親族のことかもしれないし、「イディベラのために」という意味を持つ可能性も考えられるとのこと。 あいまいなように思えるかもしれないが、ルーン文字の書き方は千差万別で、言葉も時代とともにかなり変化している。メッセージの解釈は難しい作業であり、まだまだ研究が必要だという。 現在、スヴィンゲルード・シュタイネンは学者チームが共同で分析している真っ最中で、今年中に主な研究結果を発表する予定とのこと。また、この石は2月26日までオスロ大学文化歴史博物館で展示されている。山口敏太郎作家、ライター。著書に「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」、テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。YouTubeにてオカルト番組「アトラスラジオ」放送中関連記事World's oldest dated runestone discovered in Norway -- with a mysterious inscriptionhttps://edition.cnn.com/style/article/worlds-oldest-runestone-norway-intl-scli-scn/index.html
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ミステリー 2023年01月22日 23時00分
アメリカ国防総省、年次報告書にてUFO目撃情報「急増」を確認 - しかしその理由は不明
アメリカ国防総省は2022年、未確認航空現象(UAP)の報告を追跡調査するために、新しいオフィスである「全領域異常解決局(AARO)」を開設した。多くの新たなUFO関連報告が寄せられているほか、国内軍事施設へのUFOの脅威の懸念を表明するなど、UFOに関連した様々な情報が以前よりも重要視されている。 新年早々の今年1月12日、アメリカ国防総省はAAROの進捗状況を示す、UAPに関する2022年分の年次報告書を提出した。 >>アメリカ国防総省のUFOタスクフォースとカナダ軍関係者が会合、UFOに対して足並みをそろえる?<< これは2021年6月に出された予備評価の更新版として作成されたもの。驚くべきことに現在同室が収集したUAP関連報告の総数はなんと510件に達しており、2021年3月以降は「今のところ原因不明のUFO目撃情報が350件以上報告されている」と、国家情報長官室が発表している。 報告書によると、UAPのうち26件はドローン、163件は「風船または類似の物体(鳥や風に飛ばされたビニール袋)」。6件は単なる「クラッタ(レーダーの電波が海面や雨などによって反射されて発生する、不要な電波)」と分類されたと説明している。 一方で、寄せられたUFOの報告のうち、半分以上が専門家によっても説明できない現象であることが確認されている。また、既存の情報では説明のつかない謎の目撃例もあることが分かった。 それを踏まえて、「これらの未確認航空現象(uncharacterized UAP)のいくつかは、異常な飛行特性または性能能力を実証したように見え、さらなる分析が必要である」との声明も出ている。 残念なことに(?)、今回の年次評価では「地球外生命体や他動的現象の可能性」については触れられなかったそう。一方で、UAPがパイロットにとって脅威となることを警告している。 また、今回の報告書では、2年前に実施された調査結果よりもUAPの疑わしい報告が急増している理由についても言及。「人々がUAPに対して、飛行の安全を妨げる危険性がある物体、あるいは潜在的な敵国の情報収集プラットフォームとして使用されている可能性など、UAPが内包している脅威について、よりよく理解するようになったためではないか」と見解を示している。 UAPとエイリアンの関係性に関する言及がなかったことに対し、海外のUFO愛好家たちからは失望の声も上がっているそうだ。だが、報告書は暗にUAPが「中国やロシアなどによる飛翔体」であった可能性もあると示している点が興味深い。今後のAAROの調査結果にも注意していきたいところだ。山口敏太郎作家、ライター。著書に「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」、テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。YouTubeにてオカルト番組「アトラスラジオ」放送中関連記事US Government sees 'huge spike' in UFO reports - and officials aren't sure why(The Daily Star)よりhttps://www.dailystar.co.uk/news/world-news/government-sees-huge-spike-ufo-28959623
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ミステリー 2023年01月21日 23時00分
まるで本物のX-ファイル捜査官養成講座?英国UFO研究協会によるUFO講座
イギリスで、まるで本物のX-ファイル捜査官を養成するような講習が始まって注目を集めている。 講習は英国UFO研究協会(BUFORA)が主催するもので、UFO目撃情報を調査するために様々な物体の見分け方や目撃情報の扱い方を学ぶという。BUFORAは1964年に設立された民間のUFO研究機関で、会員数は現在1000人以上。毎年250件ほどの目撃情報を扱っている。 >>イギリス空軍が機密にしていた1990年に撮影されたUFO写真が32年の時を経て公開<< 受講料は60ポンドで、講習機関は最短でも約10カ月だ。しかし近年のUFOを取り巻く状況により、多くの人の中でUFOに関する興味・関心が高まっているのか、広報担当者によれば「受講枠は既に完全に埋まっている」とのこと。 講習では、UFO情報について詳細なメモや写真を残すことの重要性などを学ぶ。ほか、警察などの組織への対処の仕方や、問題の物体が本当にUFOなのか、天文学のソフトウェアを使って星や惑星、スペースデブリの可能性を除外する方法などを学ぶという。その後、生徒たちは最終的に調査員になるための試験を受ける。 BUFORAの講師の一人であるヘザー・ディクソン氏は「この講義はUFOの主題の現実と私たちの認識や信念に加え、どうやってUFOの目撃事例や非常に奇妙な体験を解釈し、規定しようとするかという主題について深く掘り下げていくものです」と語る。 最近、このコースに合格したある受験者は受講の理由について次のように語っている。 「最初は映画の『メン・イン・ブラック』のようなものを想像して参加しましたが、最終的には広い知見を得ることができ、また事実とフィクションを区別する能力が身につくようになりました」 「私は宇宙人が存在しており、時々私たちの進歩を確認するために地球に降りてくると信じています。彼らが友達になりたいのか、それとも侵略したいのかは分かりませんが…全てを否定するのではなく、一度は会ってみたいと思っています」 どこまでも真面目なUFO講習、みなさんの中にも受講してみたい人はいるだろうか。山口敏太郎作家、ライター。著書に「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」、テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。YouTubeにてオカルト番組「アトラスラジオ」放送中関連記事Brits joining real life X-Files as they learn darks arts of UFOs on 10-month course(The Daily Star)よりhttps://www.dailystar.co.uk/news/weird-news/brits-joining-real-life-x-28953512
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