この石はオスロ大学文化歴史博物館の研究者が2021年秋、ノルウェー東部のホールという自治体にある埋葬地を調査していた際に発見された。
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発見された場所の名前をとって「スヴィンゲルード・シュタイネン(Svingerud Stone)」と名が付いたこの石は縦横約30センチの赤褐色の砂岩で、放射性炭素年代測定の結果、紀元1年から250年の間にルーン文字が刻まれたものと考えられている。
文化歴史博物館の文字文化と図像学の教授である文字学者クリステル・ジルマー氏は、CNNに対し「この石は、紀元後数世紀のスカンジナビアでルーン文字が使われていたことを示す初めての明確な証拠となるものです」と語っている。
ルーン文字はスカンジナビア地方で最も古い文字として知られており、西暦793年から1066年までのバイキング時代から中世後期まで広く使用されていたとされている。
スカンジナビア地方ではバイキング時代のルーンストーンが数千個確認されているが、そのうち紀元550年頃より前のものと考えられているのは、わずか30個ほど。中でも今回発見されたスヴィンゲルード・シュタイネンは紀元300年以前の唯一の石になるため、研究が進められている。
スヴィンゲルード・シュタイネンには、ルーン文字の最初の3文字「f」「u」「th」が片面に描かれているとのこと。
文化歴史博物館の考古学者で発掘担当のスタイナー・ソルハイム氏は「古いフットマークのルーン文字が刻まれた石は、年代測定可能な中では非常にまれです。今回の発見は、ルーン文字が我々がこれまで想定していたよりも、おそらく数百年は古くから伝統的に使われていたことを意味します。同時に、初期鉄器時代のスカンジナビア社会におけるルーン文字の使用に関して、我々が知らなかった用途があった可能性が高まった」としている。
ジルマー氏によれば、この石は薄く刻まれた浅いルーン文字やルーン文字風の文字、その他の視覚的モチーフが混在している特徴があるとのこと。
文字がジグザグに刻まれたものもあれば、格子状に刻まれたものもあるという「非常に特殊な外観」をしており、前面に刻まれた8つのルーンは、ローマ字に変換すると "idiberug "となる。
ジルマー氏によると、これは「イディベラ」という女性の名前かもしれないし、「イディベルング」という親族のことかもしれないし、「イディベラのために」という意味を持つ可能性も考えられるとのこと。
あいまいなように思えるかもしれないが、ルーン文字の書き方は千差万別で、言葉も時代とともにかなり変化している。メッセージの解釈は難しい作業であり、まだまだ研究が必要だという。
現在、スヴィンゲルード・シュタイネンは学者チームが共同で分析している真っ最中で、今年中に主な研究結果を発表する予定とのこと。また、この石は2月26日までオスロ大学文化歴史博物館で展示されている。
山口敏太郎
作家、ライター。著書に「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」、テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。
YouTubeにてオカルト番組「アトラスラジオ」放送中
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