山口敏太郎
-
社会 2011年08月22日 15時30分
虐待を受けた子どもの脳は萎縮する
あいかわらず児童虐待のニュースが絶えることはない。8月20日にも、声優の鈴池静容疑者が里子として育てていた当時3歳の保育園女児を虐待して死亡させた疑いで逮捕となる事件が起きたばかりだ。 08年に熊本大学とハーバード大学のグループと共同で行った研究によると、子どものときに長期にわたって激しい体罰を受けた人は、受けなかった人に比べ、脳の感情などをつかさどる部分が平均で20%近く小さくなっているという研究発表があった。 この研究では4歳から12歳までの間に、親から鞭や手でたたかれるなどの激しい体罰を長期にわたって受けたアメリカ人男女23人の脳を撮影し、人種や生活環境などの条件をそろえたうえで、体罰を受けなかった人の脳と比較。その結果、体罰を受けた人は、受けなかった人に比べると、脳の前頭葉のうち感情や意欲にかかわる部分が平均で19.1%、集中力や注意力にかかわる部分が平均で16.9%が、それぞれ小さくなっていることがわかった。 こうした脳の萎縮は、体罰によるストレスで起きたと考えられるとの事だ。研究結果によると、萎縮が見られた部分は、犯罪の抑制力にかかわる所でもあり、衝動的な行動を起こしたり、キレやすくなったりする可能性が高くなるとのこと。 『ニュートンムック ここまで解明された脳と心のしくみ』(ニュートンプレス刊)という科学雑誌によると「虐待、言葉の暴力、育児放棄など、親からの愛情のない養育をされた幼児は、知的は発達が遅れるだけではなく、身体の成長も遅れる」とのこと。しかし、幼児期のうちに養育者が変わり、愛情豊富な育児に返ると、脳や身体も平均値に戻るという結果も出ている。(注:決して、知的、身体的な発達が遅れている幼児に、親の虐待があるということではありません) また『病は気からの科学PART3』(高田明和著 講談社刊)によると、同様な文があり、さらに「長男長女は、次男次女よりも「しつけられる」ことが多く、この「しつけ」が抑制的に働くらしく、身長は、次男次女の方が高くなることが多い」とのこと。 また、子どもの立場を重視して育てると、子どもは反抗的ではなくなり、大人に依存しなくなり、他人に親切で協力的になるという結果も出ている。 放任・甘やかしはどうかと思うのですが、あまりに厳しいしつけは、かえって子どもの発育を阻害するということなのだろう。(巨椋修(おぐらおさむ)・山口敏太郎事務所)
-
トレンド 2011年08月22日 15時30分
鏡にまつわる不思議な力
日本では古くから、鏡を丁寧に扱う習慣がある。鏡には不思議な力が宿っていると信じられてきたのである。 神社へ参拝した時に、綺麗に磨かれた銅鏡が、拝殿の奥の祭壇に置かれている姿を拝見したことがある。何故、鏡が神社に祭られているのか、不思議に思われた方も少なくないのではないだろうか。鏡の持つ力について探って行きたいと思う。 古墳時代、当時は銅鏡が大陸から持ち込まれ、当時の豪族など有力者達によって所有された。当時は服飾品としての用途の他にも、悪霊を寄せ付けないという信仰があったと言われている。また、有力者の墓には死亡した有力者と共に銅鏡が埋葬された。その理由には、銅鏡には死後もこの被葬者を守る力があると信じられていたからである。 日本神話の中に、天照大神が洞窟内に隠れてしまうという「天岩戸隠れ」という有名な話がある。天照大神の弟神である素盞鳴尊(すさのおのみこと)との確執から、天照大神は天岩戸と呼ばれる洞窟に身を隠し、表には大きな石を置いて洞窟を塞いだ。天照大神は太陽の化身であり、その為に地上から太陽の光が消えてしまい、地上は暗黒の世界となってしまったという。 その後、神々は会議を開き、再び太陽の光を戻すために、天照大神を呼び戻す計画を立てた。その時、石疑姥神(いしこりどめのみこと)が直径46センチ前後の巨大な銅鏡を作り、洞窟の前に作られた舞台の上に置かれたという。 神々はその洞窟の前で宴を開いた。洞窟内で篭っていた天照大神をおびきだすために最後に出たのが天鈿女神(あめのうずめのみこと)である。この女神は舞台の上で舞い踊った。神々の大きな歓声に興味を持った天照大神が入り口の石をどかしてその光景を伺おうとしたそのとき、天手力男神(あめのたぢからおのみこと)が天照大神の腕を掴んで、天照大神を洞窟内から強引に引きずり出したという。 その時、石疑姥神によって作られた銅鏡が、後に八咫鏡(やたのかがみ)と言われ、天皇家の三種の神器の一つとされた。以来宝物として、伊勢神宮に大切に保管されてきた。 また、天孫降臨の際に、大国主命の国譲りの場に降りてきた神は天照大神ではなく、孫の邇邇芸尊(ににぎのみこと)であった。そのとき邇邇芸尊が降臨の際に、天照大神から自分の身代わりとして持たされたのが八咫鏡であったという。 その後鏡は太陽神の化身として、神宝や御神体とされて神社に祭られるようになったという。現在でも鏡は多くの信仰の対象となっており、神社に収める銅鏡を製作する専門の鏡師が存在している。(藤原真・山口敏太郎事務所)
-
トレンド 2011年08月20日 17時59分
「オタク」「ニート」はなぜ嫌われる?
日本社会の特徴に、『反社会的な人』つまり不良系やヤクザ系の人に理解があるという点がある。 年配の方など、酒が入ると「オレも昔はワルくてさー、ケンカはするし、単車を転がしたりね…」等と、若い頃の自慢を始める人も少なくない。周りの人たちもそれに対して好意的に、笑いながら聞いていたりもする。この事が良いか悪いかは別として、それが文化の一部として受け入れられている一面があるのは事実である。 日本のヒーローには、ねずみ小僧、国定忠治、清水の次郎長といった犯罪者やヤクザである背景を持つ人物が居る。現代でも、ルパン三世は大人も子どもも含めてのヒーローだし、ヤクザ映画やマンガはいつの時代も人気が高い。 アウトローが受ける、というのは海外も同じだが、さすがに子どもも観るアニメや国民的ヒーローとしては少ない用に思える。日本だとファミリー向けのテレビドラマでも『ごくせん』のように親がヤクザであったり、『静かなるドン』のように“普段はさえないサラリーマンだが実はヤクザ”などの作品も、“家族向け”として堂々とゴールデンタイムで放送されているのに、だ。 一方、そういった犯罪者でもないのに、やたらに嫌われたり攻撃の対象になってしまう人たちがいる。 社会に対して積極的じゃない人たち、少し前なら「オタク」、いまなら「ニート」や「ひきこもり」と呼ばれる人々がそうだ。中学生頃でも、学校に行ってゆすりたかりや暴力を奮う人よりも、不登校の人の方が、問題視されてしまうこともある。 しかし、これはよく考えてみなくともおかしな事ではないだろうか。ゆすりたかりは『恐喝事件』、校内暴力は『傷害事件』、つまり立派な犯罪行為である。対して「オタク」「ニート」「ひきこもり」といった人は、少なくとも他人に犯罪行為をやっているわけではない。 よくニートやひきこもりに対する攻撃として「なんでニートやひきこもりのために、オレたちの血税が使われなきゃいけないんだ! おまえらも税金を払え!」という人がいる。だがそういった人たちの中には「なんで暴力団や、シャブの売人や刑務所の受刑者のためにオレたちの血税が使われなきゃいけないんだ!」などと吠える人は少なかったりする。 「オタク」「ニート」「ひきこもり」、彼らが攻撃されるのは、アウトロー以上に一般に理解されにくいからだろう。 法律を守り毎日をつましく生きている一般人が、法の垣根を跳び越えて自由奔放に生きているアウトローに喝采をあびせるという感情は判らなくもない。だが、それ以上にニートやひきこもりを攻撃している人というのは「反撃しない人」を攻撃する「弱いものいじめ」をしている事と大差ないのではないか。今一度、考えてみる必要がありそうだ。(巨椋修(おぐらおさむ)・山口敏太郎事務所)
-
-
ミステリー 2011年08月20日 17時59分
地獄の声が聞こえる穴
旧約聖書の逸話「ジェリコの城壁」で、ジェリコを征服しようとするモーゼの後継者ヨシュアは神から伝授された秘策を実行する。町を7日間周回した後、祭司の笛の音を合図に兵士たちが鬨の声を上げた。すると城壁は音を立てて崩れ落ちた。事実かどうかはともかく反響音の威力が凄まじいのは確かで、スペースシャトルの打ち上げ時には16秒前に消音システムが作動、機体下に110万リットルもの放水をして、エンジンの反響音による機体損傷を防いでいる。 インドネシアのスマトラ島メダン。標高2145mのシバヤック山の中腹に、すり鉢状の穴がある。直径2000m、最深部300mの巨大な穴はスアラ・ナラカ(地獄の声)と呼ばれ、地元の人々は決して近づかない。昔から「命が惜しければ近づくな、悪魔が住み地獄の声が聞こえ、恐ろしい死を遂げる」と伝えられているからだ。現に動物も怯えたように近づかず、植物さえ生えていない。 1956年。アメリカの探検隊がスアラ・ナラカに初めて挑んだ。地上で7人が待機すると、測量士が穴の底へと降りて行った。穴の斜面は砂地で、毒性の物質は含まれていない。底近くには、蜂の巣状に横穴が並んでいた。すると突然、測量士が悲鳴を上げた。調査を中断し、地上に戻された測量士は顔面蒼白で、そのまま、頭を抱え込むようにして倒れた。現場は言いようのない不安感に包まれたが調査は続行、もう1人待機していた地質技師が底へと降りて行った。5分後、ついに穴の底へ辿り着いた地質技師だが、測量士と同様、悲鳴を上げた。すぐさま地上へ引き上げられたが、既に気絶していた地質技師は三半規管が全く駄目になっており、意識回復後も、気がふれたまま正気に戻ることはなかった。 付近では遭難や航空機墜落が多かったため、周辺を調査し穴で録音されたテープを分析したところ、低周波音が検知された。低周波音が底付近の蜂の巣状の横穴や、すり鉢状の穴に反響し合い、異常な変化を起こしているのではないかと言われている。(七海かりん/山口敏太郎事務所)
-
社会 2011年08月18日 15時30分
増え続けるHIV感染者とエイズ患者
現在、HIV感染者とエイズ患者が増え続けているという。 エイズは1981年にアメリカの同性愛者が発症したことを発端に、一気に全世界に広まった病気である。元々はアフリカのチンパンジーの病気であったが、環境破壊などで人間と接触する機会が増えた結果、やがて人間にも感染するようになったという説が有力だ。 日本でも80年代には相当強烈な印象で報道され、一時は風俗店に足を運ぶ人が減ったといわれているくらいだが、いまではそれほど多くは報道されていない。 HIVとエイズについて語る前に、それらの違いについて説明すると、【HIVとは】 ヒト免疫不全ウイルスのこと。いわゆるエイズウイルスに感染した人をHIV感染者という。【エイズとは】 HIVに感染することによってリンパ球が破壊され免疫力が低下し、発症する様々な症状を総称して、「エイズ(後天性免疫不全症候群)」という。 つまりHIV感染しているだけではエイズ患者ではなくHIV感染者となる。HIV感染が原因で免疫不全(体を守る生体反応が、うまく働かなくなること)を起こしてしまったのがエイズ患者となる。 HIVに感染してもエイズになるとは限らない。ただし治療をしないでいると数年〜10年でHIVからエイズになるといわれている。 かつては死の病といわれたHIVやエイズであるが、医療の発達によってHIVからエイズになることや、エイズでの死亡はかなり抑えることができるようになった。とはいえ、一度HIVに感染してしまうと、体内からHIVウイルスを根絶することは、いまのところできないため、治療は一生続けなければならないといわれている。 世界的にみれば、HIVエイズに罹っている人は5千万人以上。特にアフリカのサハラ以南に世界中の感染者の約60%患者がいるとされている。 日本では、わかっているだけでHIVとエイズ患者合わせて1万8千人。日本での感染者は増加傾向にあるが、検査をする人が逆に少なくなっているという。 かつては同性愛者の病気と思われていたが、いまでは罹患者の約半数が同性愛ではない人であるとの報告もある。 さらに最近注目されているのが感染者の高齢化。また悪いことに高齢者は病院にはよく通っても性病の検査はあまりしない。近年、バイアグラ等の開発によって元気な中高年も多い。元気なのは結構だが、年齢を問わず検査をするなり予防のためにコンドームを付けるなりしてほしいものだ。 といっても、HIVやエイズに感染する人の約7割が、20代30代の若い世代であることを忘れてはならない。 HIVやエイズが人々に知られはじめた頃、この病気が同性愛者に多く、性行為から感染することが多かったため「エイズは乱れた世の中を正すための神の行為だ!」という人もいた。また、黒人に多くの感染者がいて、アジアでも近年増えてきていることから「エイズは有色人種を撲滅するために作った生物兵器だ!」と、いう人もいた。もし神の怒りならひどい神だし、有色人種撲滅のための生物兵器だとすると、白人にも同じように感染するHIVは失敗だったということになる。 幸いなことに、医療の進んでいる先進諸国の多くは、感染や死亡率が下がってきている。人類がかつて天然痘を根絶したごとく、一日も早くHIVやエイズを根絶することを願ってやまない。(巨椋修(おぐらおさむ)・山口敏太郎事務所)
-
-
社会 2011年08月17日 15時30分
児童虐待が子供とその成長に与える影響 -歪む人生観-
子育てにおける虐待が問題になっている。虐待をするのは約6割が実母、2割が実父である。厚生労働省の調査によると、虐待を受けた子どもは将来、成人後も大きな影響を受けるという。 厚生労働省の「男女の生活と意識に関する調査」によると、初めて初体験の感想では、虐待経験のない人は「うれしかった」が半数近く。対して虐待経験のある人は「うれしかった」は約3分の1程度で、否定的な感想が27.9%。 それだけではない。リストカットなど自傷行為については、虐待経験のある人は虐待経験がない人に比べて5〜6倍も多い。あまり知られていないことだが、現代の中高生の10人に1人は自傷行為をやっているのだ。 児童虐待は近年になって注目されるようになった。近年になって公共機関やメディアが注目されるようになったからで、実は昔からあったともいわれているが、ハッキリとしたことはわからない。どちらにせよ、児童虐待がその児童の将来に大きな傷となることは間違いないようだ。 児童虐待をする親は多くの場合「しつけのため」「教育の一環」という言葉を使う。例えば身体的虐待は、子どもが重傷や死にいたるような体罰や暴力。「しつけのため」といってほとんど食事を与えないということもある。これらは決して「しつけ」でも「教育」でもあるまい。 では、どういった親が虐待をする傾向が強いのかというと、富裕層よりも貧困層が圧倒的に多い。ある調査では虐待をする親の約半数が貧困層である。また、親の学歴は中卒、高校中退が全体の約4割を占め、大卒の親による虐待はほんの数パーセントと少ない。 なぜ虐待をしてしまうかというと、生活していくうえでのストレスや、子どもに愛情を感じない、アルコール依存症、親自身にも虐待を受けて育った経験がある、等だ。 児童虐待は、その子どもに大変大きな悪影響を及ぼすので、自覚のある親は相談機関に行ってほしい。また、児童虐待を発見した人は児童相談所や役所の担当窓口に通告する義務があるとのこと。少しでも児童虐待が少なくなることを願ってやまない。(巨椋修(おぐらおさむ)・山口敏太郎事務所)
-
ミステリー 2011年08月17日 15時30分
地方に伝わる海洋奇談
海は、海辺で暮らす人々にとって、生活の糧を与えてくれる大切な場所である。一見、穏やかに佇む海も、突如一変して牙を剥き、人々に襲い掛かることがある。幾多の哀歓を重ね形成されてきた海への畏敬の念は、長く語り継がれる伝説を生む。 伊豆大島の泉津村。海難法師の伝説が残るこの村では、毎年1月24日の夜になるといつもより厳重な戸締りをする。明かりを外に漏らさないようにして、物音を立てずに一夜をやり過ごすのだ。 昔、村人たちは酷薄な悪代官に苦しめられていた。ある時、業を煮やした若者達25人が相談の末、悪代官を殺すことを決意し、暴風雨に紛れて決行した。そして造った丸木舟に乗り込み、島から逃亡した。ところが、どの島へ行ってもかくまってもらえなかった。全ての村が、かかわりあうことを拒んだのだ。皆のためを思い、決死の覚悟で挑んだ彼らの思いは如何程だったであろうか。疲労と喪失感に打ちひしがれた彼らは、ただ、荒れ狂う波間を漂流するしか術はなく、やがて丸木舟は転覆し海の藻屑と消えた。以来、1月24日になると丸木舟に乗った彼らが、五色の旗を翻し島々を巡るという。 また昔、志摩の海女は海底へと潜っていくと、自分と瓜二つの海女に遭遇したという。気味の悪い笑みを浮かべ近付いてきて、アワビ等をくれ、手を引いて海底深く潜ろうとする。アワビがたくさんいるのかとついて行くと、息が続かず溺れてしまう。必死の思いで手を振りほどき海上へ浮上しても、辺りに人影はない。ところが、潜るとどこからともなく現れ近付いて来る。 それは、共潜(ともかつぎ)と呼ばれる妖怪で、一人の海女が遭遇すると、全ての海女も数日海に潜るのを控え、共潜が去るのを待ったという。(七海かりん/山口敏太郎事務所)画像は「絵本百物語」より、同じく海に出る「船幽霊」の図。
-
トレンド 2011年08月16日 15時30分
神様は殺しがお好き
世界最大宗教キリスト教。その聖典が新旧約聖書である。この聖書をくわしく読み解いていくと、我々日本人が思いもよらなかったことが見えてくる。 結論からいってしまうと聖書の神は実に短気、ちょっとしたことで人間たちを大量虐殺皆殺しにする。一方、悪魔はというと、ほとんど人を殺していない。 聖書の神の皆殺しを列挙してみよう。もしお疑いの方は聖書のどこに書かれているかも明記しておくので、調べたい方はおのおの聖書を手にとって調べていただきたい。・ノアの大洪水(創世記7章)・ソドムとゴモラ全滅(創世記19章)・エジプトの初子皆殺し(出エジプト記12章) ここらへんまでが、神もしくは天使自ら人間に手を下している。しかしやがて、神は神の代理人に邪魔者を消すようなるのだ。 神の代理人とは、モーセやヨシュアといった神の民を治めている民族・宗教指導者のこと。 指導者モーセは聖書の神を信仰しないものは、たとえ同じ民族であっても「神の命令によって」3千人を殺している。(出エジプト記32章) ヨシュア記を読むと、異民族異教徒を殺すわ殺すわ、次々と皆殺しにしている。なぜにこうにも殺すかというと、神の命令によるのだ。申命記7章2節にはこうある。 「あなたは彼ら(異教徒・異民族)を全く滅ぼさねばならない」 つまり皆殺しが神のご命令。さらに次のような注文も入っている。 「彼らになんの憐れみも示してはならない」 と、異教徒・異民族を皆殺しにして、相手に憐れみを示してはならないというのが神様のご命令。これら神の命令によって、歴代氏略14章にはエチオピア人と戦争し、100万人を1人も残らず殺したという記述もある。 他にも聖書の神は、イザヤ書34章、ゼパニア書1章には、生きている人間をすべて殺す宣言をしていたりするという恐ろしい神様。 では、神に反抗する悪魔はというと…大量虐殺を繰り返す神と違って、ほとんど人を殺していない。 悪魔が人を殺したシーンはあの分厚い聖書の中で一箇所だけ、殺したのは義人ヨブという神に信仰あつい人の10人の子どもを殺しているだけ。もしかしたら、ヨブの子どもたちが死ぬときに巻き添えになった人もいるかも知れないから、どう多くみても10人から20人程度。それもヨブ記1章には神と悪魔の対話が載っていて、それによると悪魔は神からヨブの子どもを殺す許可を得てから殺している。 一方、神は何百万、もしかしたら何千万人という人々を殺している。 まさしくキリスト教徒にとって、怖れるべきは神であって悪魔はそれほど怖ろしいものではないのかも知れない。(巨椋修(おぐらおさむ)・山口敏太郎事務所)
-
トレンド 2011年08月15日 15時30分
ちょっと意外な仏教用語
日本人の多くが信仰している宗教が仏教である。仏教は日本人にとってあまりにも身近すぎて、かえって知られていないことも多い。日常会話で使われている言葉で、その発祥が仏教用語だったなんてことがたくさんあるのだ。中にはちょっと意外でおもしろいものもあるのでちょっと紹介してみよう。【シャカリキ】 夢中になって頑張ることを「シャカリキ」という。語源は「釈迦の力」文字通り「釈迦力」のこと。【ウロウロ】 あっち行ったり、こっちに来たりすることを「ウロウロする」という。これも仏教用語で漢字では「有漏有漏」と書く。「漏」とは煩悩のこと。つまり「有漏」とは「煩悩が有る」という意味である。【ゴタゴタ】 鎌倉時代に宋から来た兀庵(ごったん)という和尚さんが語源。ごったん和尚は理屈っぽく話しも難解であったため、混雑やわかりにくいことを「ごったんごったん」というようになり、やがて「ゴタゴタ」と表現されるようになった。【ガタピシ】 漢字で「我他彼此」と書く。我(自分)と他(他人)、彼(彼岸)と此(此岸)つまり「あちら」と「こちら」という対立することから来ている。これが、建物の建てつけの悪さを「ガタピシしている」などと表現したもの。【もっけの幸い】 「もっけ」とは「物の怪(もののけ)のこと。仏教伝来以前から日本人は物の怪や怨霊といったものをとても怖れていて、仏教がそれら物の怪や怨霊を退治してくれるかも…、ということで、仏教が日本に広まっていったという経緯がある。つまり、仏教側からすれば、「物の怪」のおかげで仏教が広まったようなもの。仏教側にとって「物の怪」は布教を応援してくれるありがたーい存在であり、それが「もっけの幸い」という語源だという。 他説としては「もっけ」を「めったにないありがたいこと」を表し、「ありがたいことは幸いである」という意味とするものもある。【スボラ】 怠け者のことを「スボラ」という。これは江戸時代、修行を怠ける坊主らのことをちょっと言いかえて「ずぼうら」→「ずぼら」というようになったからだという。 他にも仏教用語は我々の身近にたくさんある。みなさんも探してみられてはいかがだろうか?(巨椋修(おぐらおさむ)・山口敏太郎事務所)
-
-
社会 2011年08月13日 17時59分
ルターとユダヤ人虐殺の歴史
「神は乗り越えられる試練しか与えない」という言葉をご存知の方も多いと思う。この言葉をいったのは、宗教改革で有名なマルティン・ルター。 宗教改革の旗手ということでルターは人格者であると思われがちであるが、ルターには暗い一面もあった。熱心なキリスト教修道士であったルターは、誰よりも異教徒を憎んだ男でもあったのだ。 中世キリスト教史の汚点として「魔女狩り」や「異端審問所」があるが、これらに対してルターは烈火のごとく怒ったのである。 「手ぬるい!」と…。 旧教(カトリック)に対し新教(プロテスタント)を起こしたルターは、積極的に魔女狩りを行い、数多くの無実の人々を殺した男でもあるのだ。 魔女だけではない。若い頃のルターは、ユダヤ人に対して、比較的寛容であったが、やがてユダヤ人たちが頑としてキリスト教に改宗しようとしないことに業を煮やし「ユダヤ人強制収容所」「ユダヤ人の旅行と金融業の禁止」「ラビによる教育の禁止」「タルムードの没収」「ユダヤ人の追放」「ユダヤ人の強制労働」などを実行した。 ルターいわく 「ユダヤ人は、元々流浪の民なのだから、本来一文無しのはずだ。彼らが所有するものはすべてもとはわれわれの財産だったのだ」(定方晟著 洋泉社刊『憎悪の宗教』より引用) 宗教家とも思えない言葉だが、元々キリスト教には、イエス・キリストを処刑したユダヤ人対する憎悪の念があり、ユダヤ人や異教徒を攻撃しても良いとする教えがあった。イエスをはじめキリスト教の礎となったパウロや12使徒自身がユダヤ人であったにもかかわらずだ。 このルターによるユダヤ人迫害を見習ったのが、ナチス・ドイツである。キリスト教徒によるユダヤ人への迫害が、もっともひどく、大掛かりに行われたのが、ナチス・ドイツの「ホロコースト」や「アウシュビッツ事件」であった。 「ホロコースト」とは、「すべてを焼き尽くす」という意味であるが、ナチス・ドイツの政策で、ユダヤ人だけではなく、共産主義者やロマ人(ジプシー)、スラブ民族、ポーランド人や障害者も、虐殺の対象とされた悲劇である。この政策で、ユダヤ人は600万人、他の人々も含めると1千万人もの無実の人間が殺されたのだ。 ルターによって起こされた宗教改革はカトリックとプロテスタントという宗教戦争になり、ナチス・ドイツの手本となり、また、魔女狩りの伝統はアメリカ合衆国に渡っても行われた。 黒人を虐殺することで有名なKKK団は、最初熱心なプロテスタント教徒が、黒人、ユダヤ人だけではなくカトリック教徒も処刑を実行している。これも異教徒を殺す魔女狩りの一種なのだ。 宗教は万人を救う一方で、一つ間違えば大変な悲劇を生むという一つの例であろう。おそらく人類にとって宗教は不可欠なものであろうから、今後の人類は宗教を平和利用して欲しいものだと願ってやまない。巨椋修(おぐらおさむ)(山口敏太郎事務所)
-
ミステリー
特命! 日本ダービーを予想せよ! 馬の姓名判断、霊能犬の動物予知で大予想
2008年05月28日 15時00分
-
ミステリー
衝撃!! 羽田の鳥居の祟り事件はインチキだった!!
2008年05月13日 15時00分
-
ミステリー
グラビアアイドル疋田紗也がゴム人間に襲われた!!
2008年04月01日 15時00分
-
ミステリー
船橋の神社で、狐の生首が出現!
2008年03月18日 15時00分
-
ミステリー
東京にザシキワラシ出現!!
2008年02月19日 15時00分
-
ミステリー
小さな侍幽霊 新宿に出現!
2008年02月05日 15時00分
-
ミステリー
うずまき生物
2008年01月22日 18時18分