スポーツ
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スポーツ 2010年10月02日 10時00分
9・24『SMASH.8』(3)華名、『禁断の対決』を口に、そして朱里とタッグ結成へ…
SMASHのリングでもう一つ注目すべき事がある。それは「おんな模様」 開花したのはSMASH.4でのメインイベント、朱里vs.華名戦からと言っても過言ではない。SMASH所属である朱里には様々な包囲網が敷かれていた。 第2試合、朱里と対戦して心が通じ合ったNEOの野崎渚が華名と対戦する。「ひよこちゃん(野崎)のスイッチを押す」と公言していた華名、後から入場する華名をじっと睨みつけている野崎。 ゴングが鳴り、ロープ際に押し込んだ野崎に華名がローを放ち先制。ロープワークの中、野崎がスリーパーに捕らえる。そこからヘッドロックに移行するが、華名は背後に回ってアームロック。首を取って野崎を投げるとすかさずチキンウイング・アームロック。流れるように極めていく華名。片足タックルで野崎をテークダウンさせると間髪入れずにアキレス腱固めで絞り上げ、体勢が変わると逆片エビ固め。野崎の表情が苦悶になる。 スタンドの状態となり華名はなおもローキック、胸板へのチョップで野崎を攻める。耐えた野崎はダブルハンドチョップで反撃。コンビネーションからのソバットを叩き込むとロープに走る華名。野崎は逆襲のフロントハイキック。ラリアットをかわしてもう一発華名の顔面目掛けて放つ。雄叫びを上げて気合を入れると、渾身の力を込めてスリーパーで華名を絞め上げる。胴絞めも加えて絞め上げていくが、華名はレッグロックで反撃。そのまま野崎の足首を捻り上げるアンクルホールド。何とかロープに逃れようとする野崎だが、再度華名がリング中央に引きずり戻すとタップアウト。苦しい表情の野崎に対して華名は涼しい表情のまま勝ち名乗りを受け去って行った。 第4試合に組まれたのは朱里とKAORUによる「ハードコアマッチ」。KAORUは戦前「朱里をハードコアに触れさせてみたい。やってみない事には何も進まない」と告げている。朱理は竹刀を持参して入場する。ところがKAORUが入場時に持ち込んだのはラダーとぶ厚い机の破片を一枚。まだ足りないとばかりに、なおも武器がしこたま入っているバケツを持ち込むと、朱里の顔がひきつる。 試合が開始され、最初は通常の流れになっていたが、KAORUが机の破片を手に取ると戦況は一変する。容赦なく破片で朱里をぶっ叩くKAORU。破片をリング中央にセットし、その上にブレーンバスター。この試合形式はさすがにKAORUの独壇場といえる。 場外に朱里を落としたKAORUは、エプロンに朱里の額を叩きつけたり、鉄柱にぶつけていく。場内に戻る際、朱里もパイプ椅子を持ち出して反撃しようとするが、イスと破片のチャンバラではKAORUの勝ち。それならばと朱里はKAORUの持ち込んだラダーを使おうとするが、あっさりと奪い取られてしまい、振り回すラダーに巻き込まれてしまう始末。ラダーをセカンドロープにセットしボディーアタックを狙ったKAORUだが、寸前で朱里がかわすとけたたましい音と共にKAORUが自爆する。更にてこの原理を利用したラダーによる攻撃でKAORUの顎を砕く朱里。そのままトップロープに駆け上りダイブするが、KAORUの地対空ミサイルが待っていた。 KAORUはラダーを立てかけてその上からのダイブを狙う。「(ラダーを)おさえろ!」と言うKAORUの言葉だったが、セコンドが慣れていないせいか、もたついている隙に朱里が後方に投げ捨てる。それでもなお攻撃の手を休ませないKAORUは松葉杖を使う。朱里のローキックの前に、「本来の松葉杖の使い方」をリング内で披露したKAORU、これはご愛嬌か。続いてスチールバケツで朱里を一撃! そしてデッキブラシを取り出し朱里に一撃を加えようとするが、持ち込んだ竹刀で受け止める。デッキブラシを払い落とすと竹刀でめった打ちにする朱理。 攻勢に出た朱里、ラダー最上段からの攻撃を仕掛けようとするが、KAORUが雪崩式ブレーンバスター。そこから再びラダー最上段からのムーンサルトを決めてピンフォール勝ち。全盛期のウェポンが乱れ飛ぶハードコアマッチに比べるとやや物足りない感じもしたが、きっちりとKAORUがハードコアのいろはを教え込んだ感じが見られた。 「事件」が起こったのはその第4試合の後。KAORUがマイクで朱里に対し「朱里、楽しかったか? またやろうよ」と告げている最中、華名がリング内に駆け込みKAORUを急襲! 倒れている朱里を介抱し「朱里は私のもんじゃボケ! コラァ!!」と叫び、二人でリングを後にした。館内からのブーイングも全く無視して控室に戻っていく華名と朱里。一人残されたKAORUは「『私の朱里』って何? 朱里はどう思ってくれたのやら…またいつか帰って来たいと思います!」と告げてリングを後にした。 囲み取材において、華名はアイスリボン・さくらえみのインタビューについて言及。 「『東スポ大賞を取りたいから頑張りました』と、全く意味合いが違うんです! そんなレスラー、全く興味がありません。ただ、興味は無いですけど、SMASHに乗り込んで来るんやったら、必ず高橋奈苗を連れて来い。(私の)パートナーは朱里。これで高橋奈苗を連れて来られへんのやったら、私はJCBで朱里と闘います。 JCBに(高橋奈苗を)連れて来い。そもそも、プロレスラーという基準、評価基準が試合でないと言ってたけど、会場で『朱里vs.華名』を見てないんでしょう。何を言うてんねん! って話。朱里戦が終わって、こんなに話題になって。試合が伴っていなかったら、こんなに話題にならないですよ。 せいぜいマスコミや色んな人に好かれて、さくら贔屓してもらえばいいんじゃないですか。 まあ私は一瞬の光で突き進んでいきますよ。一瞬の光にもならない選手は、どうするんですか? JCBで待ってると伝えて下さい」 こう言い残して華名は朱里を連れて去って行った。 この会見をじっと見つめていたTAJIRI。試合後の総括内では「面白ければ何でもやればいい。JCBに高橋奈苗を連れてきたらいいんじゃないですか? 全然、いつでもOKですよ、僕としては」と告げた。 遂に「禁断の対戦」を公言した華名。過去の因縁はおわかりになる方が多いはず。パンドラの箱を開けた後、もう後戻りはできない。一瞬の光を輝かせ、次の道に進むのは誰か。そして、ここまで言われてしまったさくらえみはどう動くのか。JCBホールに向かうもう一つのベクトルからも目が離せない状況になってきた−。(Office S.A.D. 征木大智(まさき・だいち))◆『SMASH.8』2010年9月24日会場:東京『新宿FACE』(観客600人=超満員札止め)<第2試合 シングルマッチ 時間無制限1本勝負>○華名(5分11秒 アンクルホールド)●野崎渚【NEO】<第4試合 ハードコアマッチ時間無制限1本勝負>○KAORU(9分48秒 片エビ固め)●朱里 ※ラダー最上段からのムーンサルト・プレス◆『SMASH.9』2010年10月30日(土)開場:18:00/開始:19:00会場:東京『新宿FACE』※詳細・お問い合わせはSMASHオフィシャルサイト http://www.smashxsmash.jp/ まで。
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スポーツ 2010年10月01日 18時00分
TBS身売り問題の今後
週刊誌が火を付け、一般紙が後追いして球界を揺るがしているTBSの横浜球団身売り問題。もっか交渉中の住生活グループとの話が無事にまとまればいいが、最悪の場合、04年のシーズン中に勃発した球界再編、1リーグ制度への移行騒動再燃は避けられなくなる。 TBSの横浜球団身売り問題は今に始まったわけではない。ここ数年、身売り情報が流れては立ち消えになるという繰り返しだった。「買い手があるのならば、今すぐにでも売りたいが、こんな弱い球団では買う企業も出てこないし、実際に売れないのだから」。TBS関係者がこう嘆く悲惨な状況だった。 それだけに、住宅設備メーカーの「INAX」、建材メーカーの「トステム」、住宅関連企業の「東洋エクステリア」を傘下にする持ち株会社「住生活グループ」との身売り交渉にかけるTBS側の期待は大きいだろう。が、もし値段が折り合わずに決裂となったら、TBS、横浜球団だけの問題に止まらない。球界再編の動きが再燃するのは間違いないからだ。 「どうしても身売りがうまくいかなければ、買い手がつかなくても球団を手放してしまえばいい」。TBS関係者の間からは、こんな物騒な声まで出ているという。そもそもTBSは持ちたくて球団を持ったわけではない。マルハから横浜球団を買収しようとしたのは、ニッポン放送で、一度は正式な球団売買の記者会見までしている。それをひっくり返したのが当時巨人のオーナーだった渡辺恒雄・現巨人球団会長だ。 「フジサンケイグループはヤクルトの株も持っている。2球団にまたがるのは野球協約違反だ」と異議を唱え、「同じマスコミのTBSが球団を持てばいいんだ」と、TBSの横浜球団買収をごり押し。TBSは仕方なく受け入れた経緯がある。それだけに、球団経営に消極的で「なんでTBSは本腰を入れた球団経営をしないのか」と球界OB、関係者から常に批判され続けている。そのTBSが今回の住生活グループとの交渉に失敗して居直り、球団を丸投げしたら、球界はパニックに陥る。 「この大不況の最中だけに、一番怖いのは球団を投げ出されてしまうことだ。大リーグ機構(MLB)は財力があるので、実際に緊急措置として破綻した球団保有をしたことがある。が、NPBには絶対に無理だ」。球界関係者は、球団丸投げの非常事態が起こることを何よりも恐れているからだ。 だから「球界への新規参入のハードルを低くするべきだ。25億円の預かり保証金など廃止した方が良い」という声が強い。この預かり保証金制度は、オリックスが阪急ブレーブスを球団買収したことが契機になっている。「オリエントリースからオリックスへと本社の企業名を変更するPR効果を狙っての球界参入だから、知名度が広まったら2、3年後にすぐに身売りするのではないか。球団身売りがコロコロ行われてはたまらない。そういうことを阻止するためには、高額な預かり保証金を取り、最低でも10年間は球団を保持しないと返却しないという制度が必要だ」ということで、預かり保証金制度を作ったのだ。 マルハからTBSが横浜球団を買収した際には、ごり押しした手前、巨人・渡辺球団会長が旗振り役を務め、特例として預かり保証金はなしとなっているが、ダイエーから球団を買ったソフトバンクは支払っている。今回、この預かり保証金25億円がネックにならない保証はない。そして、TBSの球団丸投げ→球界再編再燃という最悪のシナリオも完全否定できない。NPB関係者、11球団のオーナーたちは、TBSと住生活グループの今後の交渉を固唾を呑んで見守るしかないのが現実だ。
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スポーツ 2010年10月01日 14時30分
あわやリング破壊! 猛者揃いのタッグ戦はカオスの大乱闘 9・26地下プロレス『EXIT-50 BULLFIGHT』
8・22に文化の街・高田馬場に初上陸した地下プロレス。新戦場『ALAISE』にこしらえられたリングは、なんと四方3メートル。クロスに組まれた鉄鎖の隙間から、観客はワインを飲みながら目の前の闘いを食い入るように覗き込む。リングと客席の距離は、それこそ血と汗がそのまま観客の顔めがけて飛び散るような近さ。『ALAISE』もまた、「これぞ地下!」というべきエッセンスがぎっしりと詰まった濃密な戦場なのだ。【第1試合 時間無制限一本勝負】 “頭突き世界一”富豪2夢路 vs “求道妖怪”入道 “夢道コンビ”による、いつぞやのCORE STADIUM以来の師弟対決。前回瞬殺された入道だが、この1年間で積み重ねてきた成長を、夢路兄貴に思いきり叩きつけたいところ。その期待通りに入道は、得意のセントーン、グラウンドでは腰に爆弾を抱える夢路をキャメルクラッチで追い込むなど、確かな成長の跡を見せる。 そしてスタンドでの打撃戦…。夢路の怖すぎる怒号と張り手に、入道は何度もぶっ倒されるが、「アー!」と咆哮し自ら頭突き勝負を挑む! 夢路に頭突きをブチ込むたびに、その倍の衝撃音の“世界一の頭突き”をこれでもかと被弾し続ける入道。ダウンの末のアームロックで敗れた入道だったが、その成長とド根性だけは、誰もが認めるものを見せつけた。 試合後夢路は入道を讃え、拳と拳を突き合わせ「カンパーイ!」と絶叫。これは、入道を“カンパイ・ボーイズ”の一員として認める証なのか…!? カンパイ・ボーイズとは、ネパールでの闘いにおいて、夢路と梅沢菊次郎のコンビに、ネパールの国民によって敬意をもって与えられたチーム名である。入道も“カンパイ・ボーイズ”ということは、今後、夢路・梅沢・入道の3人が“チーム”として地下世界で動くことを意味するのだろうか…? 目が離せなくなってきた。【第2試合 地下日本阿吽選手権 時間無制限一本勝負】 [阿の帯]“銀座の鉄人”三州ツバ吉 vs[吽の帯]“格闘僧侶”日龍 過去に幾度も熱戦を繰り広げ、ついには「第2代地下日本阿吽王者」として、コンビで王座の帯(ベルト)を巻くことになった三州と日龍。 彼らが腰に巻く「阿吽王座」だが、これが実は並のタッグチャンピオンベルトではない。狛犬に仁王像に沖縄のシーサーと、阿吽をモチーフにした二体の像は数多く存在するが、通常口を開く「阿」の像は、口を閉じた「吽」の像よりも上位な存在とされている。この地下日本阿吽王座とて例外ではなく、「阿」の帯が上位、「吽」が下位とされるのだ。時にはコンビ同士で、阿と吽の上下関係逆転を賭けて一騎打ちが行われる特殊極まりないチャンピオンベルト、それが阿吽の帯なのである。 日本地下マットの様々な歴史的局面に居合わせ、その都度幾度も闘ってきた彼ら二人の対決は、この日もグラウンド中心に“阿吽”のスイングを見せる。常連客の檄にテンション急上昇の三州は、打撃に闘いをスイッチし、試合をなお白熱させる。 試合は延髄斬りの連発からスリーパーで三州の勝利。8・29富士山頂で“日本最高峰のタイトルマッチ”を行った両者の“頂上決戦”は三州に凱歌、阿の帯の防衛に成功した。【第3試合 時間無制限一本勝負】 “人間狂気”紅闘志也&“兇悪獣”ナイトキング・ジュリー vs “地下の悪童”ジョータ&“革命王子”矢野啓太 どの組み合わせもたまらなく魅力的でたまらなく危険な、メインのタッグ戦。 「肉しか信じない!」と言わんばかりに獰猛にリング上を蹂躙せんとする紅&ジュリーの“新・顔面狂気コンビ”の野生の猛攻に、時には激しく立ち向かい、時にはクレバーにスカして攪乱する硬軟自在の闘いで抵抗するジョータ&矢野。気づけばリングを取り囲むクロス状の鎖は破壊され、リングはすっかり収拾不可能な状況と化している…! 9・12『EXIT-46 ANNIVERSAIRE』の激闘をきっかけに、猛烈なライバル意識を燃やし合うジュリーとジョータは、この日も火の出るようなシバき合いを見せたが、今戦ではジュリーがジョータに伝家の宝刀・ベアハッグで勝利。この因縁、どこまで続く!? その他のトピックとしては、9・12で鮮烈デビューを飾った“ネパールの蹴撃王”モハン・ドラゴンも、またしても“ヒマラヤン・タイガーのテーマ”に乗って朗々と登場。“暗黒鉄仮面”ロス・フェイスをパートナーに、鮮やかなミット打ちパフォーマンスで観客を魅了。 第2試合・阿吽選手権の試合前には、予測不能ラッパー・PRIMALが今戦も国歌斉唱に登場…なのだが、リングインの途端、即興で国を憂うラップをかまし続ける。自らのテンションを最高潮まで昇せあげたところで、間髪入れずまったくオリジナルなアレンジの(!)君が代を歌いあげた。彼もまた、“地下の住人”としての爪痕を、確実に現場に刻み込み続けている。 全試合結果は以下の通り。◆地下プロレス『EXIT-50 BULLFIGHT』2010年9月26日(日)開始:14:00会場:東京・高田馬場『ALAISE』<第一試合>○富豪2夢路(7分37秒 アームロック)●入道<第2試合 地下日本阿吽選手権>○[阿の帯]三州ツバ吉(9分01秒 スリーパーホールド)[吽の帯]●日龍※「阿」の帯を有する三州が勝利したため、帯の異動はなし。<第3試合>紅闘志也、○ナイトキング・ジュリー(15分56秒 ベアハッグ)●ジョータ、矢野啓太※試合はすべて時間無制限一本勝負。KO、ギブアップのみで決着。 地下プロレス『EXIT』公式サイトhttp://www7.plala.or.jp/EXIT/梶原劇画で伝承された「地下プロレス」が、この日本に存在した! 闇の闘いを伝える『EXIT』とは何か!?http://npn.co.jp/article/detail/97320773/世界に拡散する地下プロレス…ネパール、香港で繰り広げられた“世界地下行脚”を追う!(1)http://npn.co.jp/article/detail/54205265/世界に拡散する地下プロレス…ネパール、香港で繰り広げられた“世界地下行脚”を追う!(2)http://npn.co.jp/article/detail/71648266/世界に拡散する地下プロレス…ネパール、香港で繰り広げられた“世界地下行脚”を追う!(3)http://npn.co.jp/article/detail/84212018/世界に拡散する地下プロレス…ネパール、香港で繰り広げられた“世界地下行脚”を追う!(4)http://npn.co.jp/article/detail/58713392/世界に拡散する地下プロレス…ネパール、香港で繰り広げられた“世界地下行脚”を追う!(5)http://npn.co.jp/article/detail/14756242/灼熱の日比谷公園に突如出現した“ネパール地下プロレス”!! …誰か教えてくれよ!http://npn.co.jp/article/detail/34428935/仰天! 「地下プロレス」が「霊峰富士山頂」にて「日本最高峰プロレス」!!http://npn.co.jp/article/detail/23287014/(山口敏太郎事務所)参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」http://blog.goo.ne.jp/youkaiou
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スポーツ 2010年10月01日 10時00分
9・24『SMASH.8』(2)嗚呼、キム・ナンプンよ、カゲマングロよ…
前回の『SMASH.7』に登場した外国人選手。全ての選手に共通したのは「外国人ならではのオーラ」だった。だが、『SMASH.8』に登場した外国人選手の中に、人気のあるもう一つの要素が込められていた。それは「胡散臭い外国人」。様々なギミックを付け加え、初来日するということでかなり煽っての登場となった外国人選手。ところが蓋を開けてみると「とんだ一杯食わせ物」という存在が過去にも多く見られた。 セミファイナルに登場したFCFの「カゲマングロ」。暗黒のマスクを被り、黒い拳法着を身にまとった彼からはまさに「闇の戦士・カゲマングロ」を想像させた。リングアナのSUNAHOが「一度口に出すと癖になる」、TAJIRIはtwitterのつぶやきの末尾に必ず「カゲマングロ」とつけてしまうほど、名前だけで相当なインパクトを与えた。 そのTAJIRIはKUSHIDA・小路晃を引き連れて大原はじめ&ジェシカ・ラブ&カゲマングロのFCF勢と対戦。先発はKUSHIDAと噂のカゲマングロ。いきなりリング中央で「カゲマングロぉー!!」と雄叫びをあげる。「???」という表情のKUSHIDAであったが…ロープワークの中、リープフロッグから華麗にヘッドシザース・ホイップを決めたかと思えば、KUSHIDAの腹部に拳をたたきつけるカゲマングロ。奇妙なポーズから繰り出す拳に館内からはやんやの歓声が上がる。 ジェシカは大好きな大原と一緒にタッグを組むのが嬉しくて仕方ないような様子。しかしSMASH軍は小路にスイッチ。「空飛ぶオカマ」と「最後の日本男児」の異次元対決が繰り広げられる。パワーで勝る小路に対し、館内からは「もっと優しくやってやれよー!」との声が飛ぶ。小路のコーナーへの突進を艶やかにかわしたジェシカは、自分の股間を小路の顔面にあてがっていく。座っている小路の唇を奪おうとするが、さすがに慌てて逃げる小路。 そしてTAJIRIと大原が対戦。前回の対戦では「あんなに当たりの強い大原は初めて見た」と称していたが、今回は逆に大原を試しているような感じがしたTAJIRIの試合運び。FCF何するものぞといわんばかりに、三人の攻撃をあえて受けていた様子であった。 目立ってしまったのはFCF軍の連携ミス。特にカットプレーのタイミングが少々ずれているようだった。さすがに初めて組むトリオ。加えてジェシカは試合を忘れてしまい大原にキスを迫る場面も見られる程。そのあおりを受けてカゲマングロの攻撃は失敗に終わってしまう等、ちぐはぐな場面が多く見られた。 カゲマングロが意地を見せたのは、TAJIRIのバズソーキックをかわして決めたジャーマン・スープレックス。何とか自軍の流れを作りたかったが、コーナーに登ったところでKUSHIDAがキック。あえなく場外に落ちてしまうカゲマングロ。しかしジェシカが流れを止めずTAJIRIに決めたスワントーン・ボムはお見事。試合後のTAJIRIも「ジェシカはブレがない」と称えていた。試合はカゲマングロがTAJIRIのバズソーキックの前にあえなく轟沈してしまった。 カゲマングロの「珍活躍」をかき消すかのように、試合後大原とKUSHIDAが場外でもみあう場面も見られた。試合後TAJIRIは「KUSHIDAも今の状態ではヤバい」と喝を入れる。そんなKUSHIDAは10月3日からアメリカのOVW(Ohio Valley Wrestling)に短期遠征を行い、SMASH.9でOVW現役王者とのタイトルマッチが組まれる事になった。 第3試合、すっかりSMASHではお馴染みとなったキム・ナンプンが登場。今回連れてきたパートナーはキムいわく「肉!」と明瞭な表現なケニー・ラッシュ。一方、女性選手との対戦を嫌ったリン・バイロンがゴーレム・ナイトとタッグを結成。TAJIRIいわく「ナウシカとオームみたいなタッグ」。 いきなりキムがマイクを握り、ゴーレムをなじる。「お前ホントにイスラエルから来たのか? 新宿で夜遊んでいそうな外人じゃないか!」。更にリンに対しては「お前は俺のものだ!」となんとも嬉しくないお誘いをかけていた。 ゴーレムとラッシュの大型外国人同士のぶつかり合いに館内から歓声が起こる。そんな中ゴーレムを抑えるキム、ラッシュがロープに走ってエルボーパッド…開始早々同士討ちを演じてしまう。「やってられないよ!」とパイプ椅子を持つキムとラッシュ。だがキムの「座れ!」の一言でイスに座る両者。お互いに座って話せばわかる、とでも言いたいのか? ちゃんと話し合った結果(とは言っても2〜3秒だが)改めてリングに戻る両者…仲間割れはしなかった。 「私はアクションスターになりたい! その為に怪物のようなヤツとやりたいの!」と常々言っているリンにとってラッシュは格好の相手。さすがに体格差は大きく、ラッシュのネックハンギング・ツリーに捕まってしまう場面も見られたが…ゴーレムのフォローを得た合体スイングDDTを決める等、キム&ラッシュを翻弄する場面も見られた。 結局リンがラッシュにプランチャを見舞って釘付けにしている中、ゴーレムのラリアット一発でフォールを奪われてしまったキム…リンにちょっかいを出そうとしても倍以上のお返しを食らう等、いいところなく敗れてしまった。 試合後はお約束のような仲間割れ、そして「今度は私のような『イケメン』を連れてきます!」と宣言して去って行ったキムであった。 今回の「トホホ」はキムとカゲマングロであっただろう。だがキムのトホホっぷりは観客も認めるところ。逆にそのキャラクターは愛される結果になっている。次回の来日時に「イケメン」を連れてくるのかは不明だが、今後もSMASHのリングに「イマ、ナンプン!?」「キム・ナンプン!!」の掛け合いは続くことであろう。 TAJIRIが試合後の総括で「とんだ一杯食わせ物でしたね」と称されてしまったカゲマングロ。FCFからの刺客の中で正直言って不合格の烙印を押されてしまったのかも知れない。キャラクターとファイトスタイルがかみ合っておらず、何となく中途半端な印象だけが残ってしまったようだ。 世界には知られざるプロレスラーが数々存在するが、胡散臭いレスラーもそれと同じく存在している。SMASHにはそのキャラクターを定着させた男、キム・ナンプンが存在する。カゲマングロよ、めげずにもう一度来日し新たな姿を我々の前に見せてくれ!! 第2試合終了後、大家健が矢郷良明から託された手紙と「菓子折り」を持参してリングに登場。富山県民の素晴らしさを絶叫している際、こちらも富山県民の小路晃が入ってくる。「お前は富山の恥だ!」と張り倒した小路は「俺がSMASHの門番としてこのリングを守る!」と叫び、一手に引き受ける様相を見せた。 オープニングマッチでは大分AMWのジ・アッチィーがSMASH初参戦、児玉ユースケと対戦したが、児玉のスクールボーイの前に敗北を喫している。児玉はプロ入り嬉しい初勝利を飾る事ができた!!(Office S.A.D. 征木大智(まさき・だいち))◆『SMASH.8』2010年9月24日会場:東京『新宿FACE』(観客600人=超満員札止め)<セミファイナル 6人タッグマッチ 時間無制限1本勝負>○TAJIRI&KUSHIDA&小路晃(13分44秒 片エビ固め)大原はじめ&ジェシカ・ラブ&●カゲマングロ※バズソーキック<第3試合 タッグマッチ時間無制限1本勝負>○ゴーレム・ナイト&リン・バイロン(6分51秒 片エビ固め)●キム・ナンプン&ケニー・ラッシュ ※ラリアット<第1試合 シングルマッチ時間無制限1本勝負>○児玉ユースケ(5分49秒 エビ固め)●ジ・アッチィー【AMW】◆『SMASH.9』2010年10月30日(土)開場:18:00/開始:19:00会場:東京『新宿FACE』【決定カード】<OVW選手権試合>(10月30日現在のOVW王者)vs.(挑戦者)KUSHIDAその他の詳細・お問い合わせはSMASHオフィシャルサイト http://www.smashxsmash.jp/ まで。
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スポーツ 2010年09月30日 19時00分
来季楽天監督候補の面々とその可能性
最下位でも2年契約のために続投と見られていた楽天・ブラウン監督が突然解任され、スポーツ紙各紙がいっせいに後任候補の名前を挙げ、大にぎわいだ。監督候補の面々の現状と就任の可能性を探る。 やはり名前が挙がったかと言っていいのが阪神・星野仙一オーナー付きシニアディレクターだ。今春、講演会などで「もう一度、監督として勝負したい」と宣言。監督としての復帰が注目されていただけに、当然出てくる名前だ。昨年、野村克也・前楽天監督(現楽天名誉監督)の後任候補として騒がれたこともある。ワンマン経営者の楽天・三木谷浩史球団会長とのパイプもあり、有力候補の1人であることは間違いない。 「話はきていないが、まだ忘れられていないということだろう。ありがたいことだ」と、星野氏が語るのは当たり前だ。現場復帰に意欲を示しているのだから。問題は星野氏招請には大金がかかることだ。現在、阪神から年俸1億円近くもらっており、監督として呼ぶには、年俸2億円くらいはかかるだろう。さらに星野ファミリーと言われるスタッフの招請にかかる経費もばかにならない。 「楽天が大金を惜しまずに、本気でやる気があるかどうかにかかっている。ノムさんの後任にブラウンを招いたのも年俸6000万円と格安だったのが大きな理由の一つだからね」と球界関係者が言い切る。フレッシュな候補として名前が挙がっている全国区人気の桑田真澄氏の場合も、三木谷会長との個人的なラインから浮上している。メジャー帰り監督第1号という話題性があるし、楽天本社は英語を公用語にするというからピタリだが、星野氏と同様に金銭的な問題が焦点になってくるだろう。 ポスト野村として一時期最有力候補に名前の挙がった東尾修氏(元西武監督)の名前も出ているが、こちらも西武監督として2度リーグ優勝しているキャリアがあるだけに、それなりの待遇が必要になってくる。ネームバリューのある監督候補だけでなく、佐藤義則投手コーチ、仁村徹二軍監督という内部昇格情報があるのは、お金がかからないからだ。 「楽天は金銭的にシビアな企業だから、大金のかかる大物監督は呼ばないだろう。ノムさんで懲りているからね。エース岩隈のポスティングを認めようとしているのも、落札金が手にはいるからだ。来年、海外FA権を手にされてメジャー入りされたら、1円にもならないからね」。 球界OBがこう語るが、確かにある面で核心を突いている。佐藤投手コーチか仁村二軍監督の内部昇格ならば、余計な出費はいらない。多少の契約金と年俸アップで済むだろう。実は、この2人は星野氏とのつながりがある。佐藤投手コーチは、03年に星野氏が阪神を18年ぶりにリーグ優勝させた時の投手コーチだし、仁村二軍監督も中日・星野監督の時に中日の二軍監督を務めた間柄だ。 「星野氏は仁村に惚れ込んでおり、二軍監督に据えたのも将来、中日の一軍監督にするプランを持っていたからだ。が、白井オーナーになり、星野氏自身が中日監督を解任され、実現しなかったが…。現在、楽天で仁村が二軍監督をやっているのも、星野氏が三木谷会長とのホットラインで押し込んだからという話まである」。中日OBはこう明かす。 星野氏が監督に就任すれば、新政権の核になる投手コーチと二軍監督は、佐藤投手コーチと仁村二軍監督で、すんなりおさまることになる。もし、条件面で折り合わず、星野氏が監督に就任しなければ、三木谷球団会長への星野氏のお墨付きでどちらかが内部昇格という線もあり得る。そう考えていくと、楽天の来季監督人事のキーマンは、星野氏とも言える。
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スポーツ 2010年09月30日 10時00分
9・24『SMASH.8』(1)感動を呼んだAKIRAの猛攻に『神』が『神』でなくなった瞬間…
毎回新宿FACEを超満員にするSMASH、9月24日に行われた『SMASH.8』も600人(超満員札止め)の観客動員を記録。11月22日に行われる初のJCBホールでの『SMASH.10』に向けて快進撃を続けている。 SMASHの魅力といえば様々な要素があるが、その一つに『海外タイトル』があるのかも知れない。現にFCF(ファイト・クラブ・フィンランド)チャンピオンシップを巡って数々の名勝負が繰り広げられた。過去に遡れば、アメリカ三大タイトル(NWA・AWA・WWF)を保持した王者が来日し、日本人選手が挑戦していく図式。やはり海外の団体が認定するベルトというものに対して、日本人は特別な思いを持っているのだろうか。 SMASH.8のメインイベントに組まれたFCFチャンピオンシップ。王者スターバックに対し、挑戦者は前回SMASH.7においてスターバックとの対戦をTAJIRIに直訴したAKIRA。戦前のVTRで「俺、メインでタイトルマッチやりたくてプロレスラーになったんだった」と語っていたAKIRA。武藤敬司・蝶野正洋・故橋本真也さんらの闘魂三銃士や船木誠勝といった世代と同期のベテランが初めて臨んだ海外タイトル。対戦が決まった直後から、周囲の「AKIRAよ、勝ってくれ!」の期待は最高潮に達していた。 入場テーマが流れ、AKIRAが入ってくると館内からは大歓声。その歓声を受け、AKIRAの表情にも気合が入る。王者スターバックは相変わらず貫禄の入場、その風貌は以前NWA世界王者として来日したハーリー・レイスやリック・フレアーを思い浮かばせる。日本・フィンランドの両国歌が流れ、タイトルマッチとしての威厳が大いに感じられる。選手権宣言を行ったのはSHASH代表・酒井正和氏。フィンランド大使館一等書記官ユッカ・パラリネン氏から両選手への花束が贈呈されると、緊張の色が更に強くなる。リングアナ・SUNAHOのコール。AKIRAのコール時にはひときわ大きな歓声。今回ばかりはスターバックの『神通力』が観客全てを巻き込む事は難しかったか。 ゴングが鳴る。両手を広げるスターバックに対し、AKIRAは両手を目の前で合掌させ、獲物を狙うかの如く両手を銃に見立ててスターバックに突きつける。思えばこれがAKIRAの作戦の一つでもあったのか。 試合が動き始めたのは、ロープワークをかいくぐったAKIRAがスターバックの後頭部に延髄斬りを放った瞬間から。追い討ちをかけるかのようにAKIRAはドラゴンスクリューでスターバックの足を攻撃にかかる。インディアン・デスロックに捕えたAKIRA、下から反撃するバックは何とチョーク攻撃を見せる。『神』と称されていたスターバックが地に降りた瞬間であった。 再度のドラゴンスクリューから、座り込んだスターバックの膝を狙って低空ドロップキックを連発、足首を掴んでアキレス腱固めを極めたAKIRA。低空ドロップキックが当たる寸前、スターバックの驚くような表情が見られた。もがき苦しんでロープに手を伸ばすスターバック。だが王者として黙ってはいられない。コーナーを背にしたAKIRAにトラースキック、続いてカーフブランディングを発射する。エプロンにAKIRAを固定して放つフィストドロップ、コーナー最上段からダイブしてのエルボードロップ。やはりAKIRAの首を狙っていくスターバック。今度は首四の字固めへ。しかしこれを返したAKIRAはダブルレッグロック。更にキャメルクラッチのようにスターバックの体をひん曲げにかかる。ロープに逃れたスターバックはナックルでAKIRAの動きを止め、ペンデュラム式バックブリーカーからお返しのキャメルクラッチへ。ところがAKIRAは極められた状態のまま立ち上がり、スターバックを後方に叩き付ける。館内からは割れんばかりの歓声が沸き起こる。 チョップの連打からロープワーク、スターバックのエルボーをかいくぐってフライング・ラリアットを美しいフォームで決めたAKIRA。ボディースラムからムササビプレスを放つが、スターバックは両膝を立てて防御。「シャッ!」と四方に対して気合を込めるポーズを見せると、必殺パイルドライバーの体勢に…足をばたつかせて防いだAKIRAはグラウンドに持ち込みオールドスクールへ! セコンドに就いていたTAJIRIをはじめとするSMASH軍がマットを叩き、そして館内からは大きな「AKIRA」コール。会場全体がAKIRAの勝利を後押しするように一体となる。ロープに逃れたスターバックはエプロンへ。AKIRAの一瞬の隙を突いてトップロープに喉元を叩き付ける。トップロープに登りダイブを狙ったスターバック、AKIRAはドロップキックでどてっ腹に風穴をあける。 低空ドロップキックをこれでもかと連発で放っていくAKIRA、膝をついたスターバックにシャイニング式の延髄斬り。うつ伏せになるスターバックの膝を狙ってのムササビプレス、続けて正調の一発を叩き込んだ! セコンドも、館内もこの瞬間誰もがAKIRAの勝利を確信したが、執念でキックアウトするスターバック。 コーナーにスターバックを振ってジャンピング・エルボーパッド。もう一発を狙うAKIRAだが、スターバックの両足キックから流れを変える強烈なトラースキック。改めて気合を入れ直してパイルドライバーの体勢に入るスターバック…今度はAKIRAがラ・マヒストラルで切り返す。カウント2で跳ね返したスターバック、エルボーから三度目のパイルドライバーの体勢へ。今度はAKIRAも返す事が出来ず、ものの見事に地殻を貫いた。必死の表情でAKIRAの体を片エビ固めに捕らえてカウント3を奪ったスターバック。防衛に成功したものの、前々回や前回の試合で見せた『神々しいばかりの表情』がいつの間にか消えていた。 敗れたAKIRAのもとに駆け寄るTAJIRI。それをよそに大原・ジェシカ・カゲマングロをリング内に呼び寄せたスターバック。FCFの旗のもと、勝利に酔っているスターバック。だがその姿には『神』の形は無かった。スターバックににじり寄るTAJIRI、割って入ってきたカゲマングロにグリーンミストを噴射! 余裕の表情を見せていたスターバックは悠々と戻って行った。しかしその体にはしっかりとグリーンミストの爪あとが残っていた…。 「生まれてきて、生きてきて、これ程充実した時は無かったです。生まれた事に感謝しています」とリング上で語ったAKIRA。そしてTAJIRIにベルト奪取の願いを引き継いだ。そのTAJIRIは遂に打倒スターバックをリング上で宣言。 「一回だけ自己主張してもいいですか? JCBでスターバックのベルトに挑戦してもいいですか? 僕は! 足もほとんど治りました僕。五体満足な状態で、完璧な状態でスターバックと戦ったら、神だって何だって怖かねぇよんなもん!!」 観客は願っている。3000人の大観衆の前で、SMASHを牽引してきたTAJIRIがベルトを再びその腰に巻く事を。そしてSMASHはJCBホールに向けて力強く前進してゆく。 試合後スターバックは「TAJIRIが何度挑戦して来ても、パイルドライバーで叩き潰してやる!」と珍しく言葉を荒げた。今まで戦ってきた中で、ここまで興奮しているスターバックを見たことが無い。対するTAJIRIはリング上で宣言した時とはうって変わって落ち着いた表情で再度「打倒スターバック」を宣言。試合後の総括ではここ最近見せる事の無かった笑顔まで見せている。 AKIRAが「ハートにビンビン伝わるような、そんな一戦でした。今までのキャリアの中で体験したことの無い戦いです」と語っていた。更に「敗れはしましたけど、何か力を貰った気がします。(ベルトへの再挑戦は)他の選手を全て倒してでも勝ち取りたいですね」とも。その目には明日が見えた。キャリア25年のベテランが見せた新たなる闘志。その思いを引き継ぎ、TAJIRIは再びFCFのチャンピオンとなる事はできるのだろうか…?(Office S.A.D. 征木大智(まさき・だいち))◆『SMASH.8』2010年9月24日(金) 会場:東京『新宿FACE』(観客600人=超満員札止め)<メインイベント FCFチャンピオンシップ 60分1本勝負>○(王者)スターバック(17分13秒 片エビ固め)●(挑戦者)AKIRA※パイルドライバー。王者スターバックが二度目の防衛に成功する。◆『SMASH.9』2010年10月30日(土)開場:18:00/開始:19:00会場:東京『新宿FACE』【決定カード】Mentallo vs. エル・サムライその他の詳細・お問い合わせはSMASHオフィシャルサイト http://www.smashxsmash.jp/ まで。
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スポーツ 2010年09月30日 08時30分
ソフトバンク・孫オーナーの球団身売り否定発言の逆効果?
ダイエー時代の03年以来7年ぶり、ソフトバンクが球団買収してからは6年目で初のリーグ優勝を飾った孫正義オーナー(53)が、28日、都内で「手放しません」と、球団身売りを否定した。孫オーナーの後継者育成を目指す『ソフトバンクアカデミア』の公開講義での発言だという。 年間20億円から30億円の赤字と言われる球団経営だが、6年目で悲願の初優勝を達成したことで上機嫌。球団身売りを否定したのだという。さらには、親会社のソフトバンクの携帯部門『ソフトバンクモバイル(SBM)』が、球団への宣伝広告費を来年度から10億円程度増額、約30億円とする方針を固めたといわれる。 「優勝によって媒体としての価値が大きく向上した」とはSBM関係者の弁。身内でも初優勝効果でいろいろ球団の存在価値がアップしている。が、SBMの件はともかくとして、孫オーナーの発言は、ヤブヘビになりかねない。球団身売りを否定したということは、そういう動きや情報があったのが前提になるからだ。なにもなければ、そもそも球団身売りうんぬんの話は出てこないだろう。 実際に、球界関係者の間では、ソフトバンクの動向を危惧する声があがっていた。「ダイエーの二の舞にならないか。強気一点張りで拡大路線を突っ走って、最後はパンクしてしまったダイエーの経営とオーバーラップしてくる。一代で一時代を築いたが、それで終わってしまった中内オーナーと、孫オーナーの姿も重なって見える」と。 そんな不安視する見方が出ているのも、根拠のないことではない。球界OBの1人がこう証言している。「王さんが監督を勇退して、球団会長になり、自ら後継者に指名した秋山監督のために、『何億かかってもいいから、実力のあるメジャーの新外国人選手を獲得しよう』とぶち上げ、実行に移そうとしたら、そんな資金はないことが発覚。王さんが親しい球界関係者に『億どころか、1人5000万円くらいが上限だね』とため息をつきながら語ったという話がある。だから、今年も結果オーライだったが、中古で格安のペタジーニを獲得したし、メジャー帰りの城島をなす術なく阪神にさらわれている」。 大々的なCM攻勢をかけ、見た目は派手なソフトバンクの本社の経営戦略だが、その実態は危機感にあふれているというのだ。球団買収の際の記者会見では、「将来は、日本シリーズの勝者とワールドシリーズのチャンピオンチームによる、リアル・ワールドシリーズを実現したい」と遠大な夢を語っていた孫オーナーだが、その後は12球団オーナー会議にも出席せず、野球に対する情熱が感じられない。現在、日米コミッショナーの間で「日米によるグローバル・ワールドシリーズ」構想があり、事務方の検討会議が新設され、動き出しているというのに。 球団買収、苦節6年目にして初優勝、孫オーナーが野球に対して再び情熱を燃やし、日米決戦を口にするようになれば、球界関係者も安堵するだろうが、どうなるのか。しばらくは、孫オーナーの動向を注視する必要がある。
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スポーツ 2010年09月29日 14時00分
田中正直のウェブランニングクリニック 「第49回 距離を走る!」
これからは秋、冬のレースを目標に長い距離を走りこむ時期になります。 皆さんも、秋の景色を楽しみながら少しでも長い距離に挑戦して下さい! まずは、長い距離を走るときの、3つの走り方です。時期やカラダの出来具合など変えていきます。(1)時間のみ決めてペースはその日の体調に合わせて走る。(例120分ジョギング)(2)距離を決めてペースは気にしない。(例30km走)(3)タイム、距離を決めて行うペース走。(例1km3分30秒で30km) 目的やレベルに合わせて使い分けています。(1)は、体作りの時期によく行います。 ビギナーの方は、ここから始めることをおすすめします。長い距離に自信のない方は、ウォーキングとジョギングを合わせて90分くらいから始めるといいでしょう!(2)は(1)の次のステップとして行い、(3)はレース3か月前からくらいから始めます。 9月といっても東京はまだ暑い日もあるので、長野県や東京都にある高尾山などで走るランナーが増えています。ロングディスタンスを取り入れることで、足も強くなりますし、精神的にも自信がつきます。長く走り続けることはきついことですが、紅葉を楽しんだり、仲間と目的地を設定して走ってみる方も急増しています。(3)はかなりレベルの高いトレーニングになるし、やることに躊躇してしまう方も多いと思い、 エアラン東京では、同じレベルの人が集まり30km走を行うイベントを企画しました。多くの方が参加申込をして下さり、効果的なトレーニングになると思っています。10月はビギナー向けのイベントも開催したいと考えています。人と走ることで、リズムを合わせたり、人の後ろで楽をしながらスピードを維持するなど走るテクニックを学ぶチャンスでもあります。イベントの報告はまた改めてさせて頂きます。【Air Run TOKYO】ランニングクラブの練習会を体験してみたい方は、リアルライブ見たで無料体験できます。参加希望の方は、(airrun@pss1.jp)にメール下さい。 詳細は、【Air Run TOKYO】公式サイト(http://airruntokyo.syncl.jp/)をご覧下さい。写真:トレーニング風景です。
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スポーツ 2010年09月29日 13時30分
西武・渡辺監督、進退伺いの狙い
西武・渡辺久信監督(45)が公式戦終了後にV奪回失敗の責任を取り、進退伺い提出という情報が一部スポーツ紙で報じられた。まだクライマックスシリーズ(CS)があるこの時期になぜ? 渡辺監督の進退伺いを報じたスポーツ紙は、西武とのホットラインで知られる関係にある。それだけに、火のないところには煙は立たないと言える。問題は情報源が球団側か渡辺監督サイドかだ。それによってそれぞれの思惑が推察できる。 球団側ならば、来季まで契約のある渡辺監督が進退伺いを出そうという動きをキャッチして、封じ込めるために、あえてリークしたと言えるだろう。渡辺監督が、雄星への暴力行為など「行き過ぎた指導」を理由に解雇された腹心の大久保博元・前二軍打撃コーチの処遇に対し、「かばいきれなくて情けない」と明言。球団の処分に関して大きな不満を抱え、優勝の成否にかかわらず、辞任する動きを見せていたからだ。 親分肌の渡辺監督だけに、大久保コーチ解雇の件で筋を通して引責辞任というのは可能性大で、それでは後任難の球団としては、最悪のケースになる。就任1年目の日本一から4位に転落した昨シーズン終了後に渡辺監督と新たに2年契約したことでも、後任監督候補難の現実がわかるだろう。なんとしても、渡辺監督を引き留めるために、先手を打っての「2年連続V逸の引責引退伺い」情報リークは、辻褄が合う。 情報源が渡辺監督サイドだとしたら、球団側への揺さぶり作戦だろう。球団にとって一番ダメージの大きい渡辺監督の退団という奥の手を早めにチラつかせ、今後の主導権を完全に握ってしまおうという思惑が見え隠れする。 渡辺監督が激怒している腹心・大久保氏の解雇事件の根は、雄星問題にある。「デーブ(大久保氏の愛称)が解雇になったのは、球団首脳が『球団の宝』と言い切る雄星に暴力行為をふるったからだ。後藤オーナーは入団時から『1年目から活躍しなくて良い。10年以上はエースとして働いてもらわないと困る人材だから、じっくりと大きく育てて欲しい』と明言しているほどだ。デーブが暴力行為を働いた相手が他の二軍選手だったら、クビにはならなかっただろう。ナベQ(渡辺監督の愛称)は、自分の腹心よりも雄星が大事。こういう球団の判断に対して、怒っているんだ。このままでは、監督よりも雄星が最優先されるわけだからね」。 西武OBは球団vs渡辺監督の根本的な問題点をこう明快に解説する。このまま雄星を特別な存在にされては、渡辺監督としては、現場の最高責任者として思うように手腕をふるえなくなる。だから進退伺いを出し、球団からの度重なる説得に仕方なく続投する。その代わり、雄星の育成方法などすべてにわたり、自由にやらせてもらう権利を確保する。こういうシナリオが見えてくるのだ。ただし進退伺いというのは、一歩間違えると、とんでもない結果になる。就任1年目の02年にいきなり日本一になった巨人・原辰徳監督が、2年目にV逸して3位になり、球団側からコーチ陣の刷新を迫られ、「コーチ陣は一心同体だ」と進退伺いを提出。「1年目に日本一になった監督を辞めさせるわけにはいかないだろう」という側近のアドバイスで強気に出たのだが、あっさりと進退伺いは受理され、退団するしかなくなっている。今回の渡辺監督の進退伺い情報がどういう顛末になるのか、予断は許さない。西武には、平成の怪物・松坂大輔(現レッドソックス)を日本球界のエースに育てた東尾修氏(元西武監督)という、最後の切り札もあるし…。
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スポーツ 2010年09月29日 13時00分
目覚しく進化するインディー界の若手たち。第三回『夢闘派宣言』にその片鱗を見た!(2)
現在のインディーマット界で異彩を放っているプロレスラー・矢野啓太。 格闘探偵団バトラーツ出身でありながら、石川雄規の「情念」や澤宗紀の「やりすぎくらいが丁度いい」とは違い、彼の好むレスリングはヨーロッパで培われてきた「キャッチレスリング」。加えて攻防が数珠繋ぎとなる「チェーンレスリング」を主体とする。どちらかと言えば地味な展開となるはずのレスリングで、自らのキャラクターを形成し、緊張感の中に華麗さを加えた独自のスタイルを確立させた。その活躍により、ネットプロレスの新人賞を獲得している。 9月20日夢闘派宣言のセミファイナルで、矢野は666の山田太郎と対戦。山田はここ最近様々な団体でその実力を認められ頭角を現している期待の若手レスラー。メキシコで修行したジャベ、バランスの良い空中殺法は見るものを魅了する。8月の夢闘派宣言では夢名塾のエース・渡辺宏志と対戦し、各方面でその試合は絶賛された。 期待通り、両者の対戦は当日集まった観客を魅了した。取っては取り返す、また取り返す関節技の攻防、その流れが途切れることはない。まさしく数珠繋ぎの「チェーンレスリング」を展開する両雄。矢野のレスリングに即座に対応する事が出来た山田太郎も凄い。アームドラッグから足を払ってフォールの体勢に持ち込む展開の最中、山田に対して敬意を評した矢野は思わず握手を求めた程。 あまりにも複雑な流れなので文章で表すと、とてもではないが普通の文面では足りない。目を見張った攻防を表してみると…。 組み合った両者、矢野が片足タックルで山田をテークダウンさせる。直後に左足をレッグロックに捕らえ、左手で抱え込んだまま右手で山田の顔面を極めるリバースバイパーホールド。バトラーツのお家芸とも言える技を極める。これに苦しんだ山田だったが、顔面を絞る右腕を払い逆にアームロックを極めていく。そのまま体勢を切り替えてワキ固めへ。そのままスタンドに持ち込んだ山田、腕を極めたままフライングメイヤー。倒した矢野の両腕を極める羽根折り固め。しかし矢野はその体勢から脱出、回転十字固めで山田の両腕をマットに付ける。ところが更に山田は脱出すると同時に矢野の両足首を抱え込み、逆エビ固めの要領で体を反らせて絞り上げて見せたのだ。 この攻防は2ラウンド目が始まってわずか30秒程度の間に起こったもの。さすがにこの両者の攻防を全て書き表すにはスペースが足りない事を了承してもらいたい。それだけ濃厚で、なおかつ途切れることの無いレスリングが目の前で繰り広げられると、観客も拍手せざるを得ない。 その後も複雑なジャベを切り返して回転足折り固めを決めた矢野、飛びつき式のトライアングルランサーを見せた山田、矢野のヨーロピアンヘッドロック地獄から脱した山田の飛びつきフランケンシュタイナーから丸め込み技の連発、最後のゆりかもめが極まるまでの攻防…とにかく文字で表現するのは難しい。 出来ることであれば、次回11月27日(土)に行われる夢名塾プロレスリング本大会のチケットを各会場売店で購入していただきたい。購入いただいた方には今回の夢闘派宣言のDVDが進呈されるので、見ていただきたいからである。 第2試合ではガッツワールドのレオナルド高津とピンクタイガーモンスター軍のJOMが対戦。文字通りの他流試合の形式となったこの対決であった。試合はグラウンドの高津、スタンドのJOMと完全にペースが決まってしまっていた。グラウンドで高津が圧倒していただけに、判定があるならば高津の勝利になったであろうが、それでもJOMは2ラウンド、左ミドルから右ハイを叩き込んでダウンを奪っている。JOMの意地の一発と言える。 結果は3ラウンドをフルに闘いぬいての時間切れ引き分け。しかしこの対戦の評価は思った以上に低かった。今後夢名塾というスタイルにJOMが対応できるようになれば評価はがらっと変わるだろう。 第1試合では夢名塾のエース渡辺宏志と、第2の弟子である堀口祐介がシングルマッチで対戦。闘志を前面に出して闘う堀口であるが、この日ばかりはそれが封じ込められたような気がした。それが象徴されたのが、第2ラウンド開始の時とラウンド中盤。ゴングが鳴ると同時に突っ込んで行った堀口のドロップキックを渡辺が振り払った時、そして胸板へのパンチのラリーが続く中突然渡辺がサミング。堀口の攻め手は少なくなかったものの、今回ばかりは渡辺の術中にハマってしまったようだ。プロレスの奥深さを体感した堀口、今後彼のファイトスタイルにどのような変化が見られるのであろうか。 インディーの若手選手だからといって甘く見てはいけない。特に夢闘派宣言に上がる若手については、それ相応の技術があると認められていないと出場する機会がない。キャリア5年以内の若い選手を主体として今後も行われていく夢闘派宣言。将来のエース候補を発見する事が出来る機会は、また訪れる。 今度は誰が光を浴びるのか。全国で活躍するインディー団体の若手選手よ、一度この夢闘派宣言の門を叩いてみてはどうだろうか? 得るものはとてつもなく大きいものであると言える。(Office S.A.D. 征木大智(まさき・だいち))◆夢名塾プロレスリング 第三回『夢闘派宣言(ぶとうはせんげん)』2010年9月20日(月・祝)埼玉・大袋『ケルベロス道場』(観客30人)<メインイベント シングルマッチ 5分5ラウンド制>○神威【FREEDOMS】(4R 3分29秒 片エビ固め)●長屋亮治【夢名塾】 ※オーバーヘッド・キック<第3試合 シングルマッチ 5分4ラウンド制>○矢野啓太【格闘探偵団バトラーツ】(3R 2分54秒 ゆりかもめ)●山田太郎【666】<第2試合 シングルマッチ 5分3ラウンド制>△レオナルド高津【ガッツワールド】(時間切れ引き分け)△JOM【ピンクタイガーモンスター軍】<第1試合 シングルマッチ 5分3ラウンド制>○渡辺宏志【夢名塾】(2R 2分50秒 チキンウイング・アームロック)●堀口祐介【夢名塾】※夢名塾プロレスリング次回大会は11月27日(土)18:30より西調布格闘技アリーナにて開催。詳細は夢名塾プロレスリング公式サイト http://mumeijuku.dousetsu.com/ にて随時発表。お問い合わせは夢名塾プロレスリング mumeijuku-pw@ezweb.ne.jp まで。【特別情報】 次回夢名塾11月大会のチケットを、「各会場の夢名塾売店で購入した」方に限り、特別にこの第三回夢闘派宣言のDVDが進呈される。売店は10月から始まる予定なので、この機会に是非お求めを!!
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