スポーツ
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スポーツ 2011年08月06日 17時59分
西田隆維のマラソン見聞録 第7話「無駄のない走り方」
今の季節、天気予報を見ていて必ず出てくるのが「熱中症情報」。最近では気温35度を超える日は、「運動を控える」という警報が気象庁から発令されるほど、身近な症例になっている。 ところが、市民ランナーはというと「夏こそ走り込みの季節」とばかり、気温30度を超える炎天下の中でも汗だくになり、激走している。 果たしてそれは正しいのであろうか−−。 熱中症を例えにするならば、確かに猛暑の中、気分を害して倒れるケースはままある。が、夏を越し、ようやく涼しく、凌ぎ易い季節になった時、夏の疲れが出て昏倒。死に至らしめるケースも起こるものだ。 要はこの暑い時期、無理して走ったところで、いつかはその“ツケ”が現れる。それが市民ランナーにとってオンシーズンである秋から冬にかけて現れたら、彼らはどうするのであろうか。間違いなく、「疲労」という認識は無く「調子が悪い」と考え、さらにキツイ練習を課すだろう。結果、故障につながり、今シーズン棒にする…。 ランニング雑誌や(市民ランナーを指導する)ランニングクラブが、根拠のない夏の走り込みを推奨するばかりに、その影響を受けた市民ランナーが勘違いして「無駄な激走」を好んで実践するようになったと感じる。 7〜8月の時期、ランニング雑誌、ランニングクラブの合言葉は「合宿」。実業団選手が6月頃から9月若しくは10月頃まで長期遠征に出る事から、市民ランナーの間でも「夏は合宿」が合言葉になったのかは分からないが、市民ランナーの合宿と実業団のそれとは「天と地ほど異なる」と僕は思う。 市民ランナーの合宿は「クロスカントリーコースを使って3日で60キロ走破」「朝、昼、夜の3部練習で1日50キロ目標」…このようなメニューだと聞く。僕に言わせれば、「単に漠然と走っているだけ。距離を踏む(走る)事で満足しているマスターベーション」。「指導者は本当に長距離の事を勉強しているのか」と疑いたくなる。 実業団選手の合宿は選手個々の種目に応じて練習メニューが異なるモノだ。トラック(5000メートル、1万メートル、障害)がメーンの選手は長い距離は走らず、夏の間に開催されているトラック大会にベースを置く練習。マラソン選手は秋、冬の国際大会に向けて夏は土台作り。(1)刺激走(スピード練習)は重要視せず、長い距離をややゆっくりめで走る練習であったり(2)(距離を踏まず)短い距離を速めで走る練習であったり…と、人によって練習方法が違っている。 僕はというと、夏は全く走れないので大学の時はBかCチームに合流して自分のペースでの調整。社会人時代は、これまでに溜まった疲労を抜き、一度リセットさせる事を主眼に置いて走っていた。 実業団選手ですら、このように様々な調整をおこなっているというのに、市民ランナーはこれまでと同様(つまり365日同じ練習という事)かそれ以上のキツイ練習を実践している。これでは疲労が溜まるばかりだ。お気の毒にも、詰め込む練習しかしていない市民ランナーはごく稀に「疲労」を感じる(大半の人は前述のとおり「調子が悪い」と思っている)人はいるが、それを「抜く」作業は行わない…いや、「疲労の抜き方が分からない」のである。 結果、本来状態が上がってくる秋冬シーズンであっても、今一つ記録が付いてこない、という現象に陥る。これは、蓄積疲労が原因なのだが、残念なことに指導者が原因を理解していない事が多く、ランナーはオーバーワークになり、最悪は潰れてしまう…。 ランニング雑誌やランニングクラブは読者、会員が金銭を払って購読若しくは参加するので、夏の猛暑時であっても「走り」を目玉に持ってくるのであろう。 だが、これはおかしい。夏は市民ランナーにとって休養の時期。「夏をしっかり休んだ人が秋にベストパフォーマンスが出来る」を前面に掲げる雑誌、クラブが“本物の”市民ランナー育成につながるのではなかろうか。 僕の1つ先輩・藤田敦史さんは今年2月に『別府大分毎日マラソン』を2時間12分26秒で完走した後、十分休養し、7月の『札幌国際ハーフマラソン』に挑んだ。記録は1時間5分13秒という平凡なものであったが、敦史さんの大会参加課題は「マラソン後、十分な休養が取れていたかどうかの確認」。マラソンから4カ月も経ったのに、である。 あくまで私見だが、1時間5分台の記録であると、「まだ疲れが抜けきっていなかったな。後、1週間休養してもよかったかも」と思った。当然、敦史さんも省みている筈だ。 人は加齢と共に疲労回復には日数を要す様になる。敦史さんは、その事を把握し、今夏は秋、冬シーズンに向けて最高のパフォーマンスを披露出来る様、調整に余念がないだろう。 「無駄のない走り方」−−ベストパフォーマンスをするには至極当たり前の事だが、多くのランナーと指導者がその当たり前のことに気づいていない。何とも嘆かわしい話である。写真:09年、現役を辞めた直後(横の女性は北川弘美さん 雑誌「エンジョイランニングVOL.1」より)<プロフィール>西田隆維【にしだ たかゆき】1977年4月26日生 180センチ 60.5キロ陸上超距離選手として駒澤大→エスビー食品→JALグランドサービスで活躍。駒大時代は4年連続「箱根駅伝」に出場、4年時の00年には9区で区間新を樹立。駒大初優勝に大きく貢献する。01年、別府大分毎日マラソンで優勝、同年開催された『エドモントン世界陸上』日本代表に選出される(結果は9位)。09年2月、現役を引退、俳優に転向する。
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スポーツ 2011年08月05日 15時30分
3位争いに敗れれば、大型補強? 星野監督が勝っても「仏頂面」のワケ
パ・リーグの3位争いが熾烈化している。この熾烈な順位争いに星野仙一監督(64)が敗れるようなことになれば、楽天のオフは大波瀾となるだろう。 首位・ソフトバンク、2位・日本ハムの『2強』は崩れそうにないが、3位のロッテ以下4チーム全てにクライマックスシリーズ進出の可能性が見えてきた。 「最下位の西武もブミキですよ。ソフトバンク、日本ハム、ロッテには負け越していますが、オリックスとは8勝5敗。ホームゲームの勝率は5割強。チーム本塁打『62』はリーグトップです。チーム打率は低いですが、チーム総得点はリーグ2位です。このまま終わるとは思えません」(プロ野球解説者の1人) 西武浮上を予想する声も聞かれたが、3位争いはやはり熾烈だ。 3位・ロッテと4位・楽天のゲーム差は「0.5」。4位・楽天と5位・オリックスは「1」。つまり、1つの対戦カード(3試合)で大きく順位が入れ代わる“大接戦”となっているのだ。 前出のプロ野球解説者がこう続ける。 「楽天はエースの岩隈(久志=30)が帰って来ます。岩隈が帰ってくれば、先発ローテーションもかなり楽になります。前半戦終盤、先発のラズナーをクローザーにコンバートし、巧くいったのも大きい。救援投手陣も機能しつつある」 しかし、楽天ベンチを見ていると、とても『浮上のきっかけ』を掴んだようには思えない。勝っても、星野監督は目を釣り上げ、コワ〜イ顔をしているのだ。 「星野監督が選手を油断させないよう、目を光らせている? いや、違います。星野監督はチームで浮いています」(球界関係者) チームが連敗していたころ、星野監督はミスをした選手を罵倒し、チーム全体の覇気のなさも嘆いていた。「チキショー!」と怒鳴り捨てたこともあり、腹心・田淵幸一ヘッドコーチとも今までのように「ベッタリ」ということはなくなった。 「星野監督は成績の悪い選手たちを前に、『オフにどうなるか…』といった叱り方をしています。阪神時代のように選手を大量解雇・獲得するつもりなのか、ミーティングでもそういった発言を繰り返していました」(前出・同) 田中、永井らの先発が踏ん張り、ラズナーに繋ぐ『勝ちパターン』ができても、目を釣り上げている理由は何処にあるのか? 三木谷浩史会長の“現場関与”を指摘する声も聞かれた。 「三木谷会長の耳にも、星野監督の行き過ぎた発言は届いています。松井稼、岩村などそれなりの補強をして臨んだシーズンですし、黙って見ていられないんですよ。起業家として、大金を投じてもチームが勢いに乗れない原因を突き止めたいのでしょう。結論はまだ出ていませんが、星野監督の求心力、采配も疑われています」(同) もっとも、楽天球団は「星野監督とは複数年契約を内々と交わしている」という。その任期は2年とも4年とも囁かれており、たとえ星野監督の采配に原因があると結論づけられたとしても、「途中解任はない」と見る向きも強い。 そうなると、考えられるのは、やはり『大型補強』だ−−。 「楽天は勝ちパターンこそできつつありますが、ミスも多く、薄氷の勝利ばかりです。星野監督が怒る気持ちも分かりますが、勝っても目を釣り上げ、ピリピリしている監督のそばになんか誰も行きたくありませんよ…」(前出・プロ野球解説者) 三木谷会長も星野監督の大型補強を「支持している」といった情報はない。むしろ、懐疑的とも見られているが、今の戦力では優勝を狙えないのは痛いほど分かったはずだ。 「打撃不振の岩村を含め、それなりの人数が解雇、放出の憂き目に遭うのでは…。ただ、戦力を補強する場合、星野監督に全てを任せることはしないはず。星野監督にすれば、これ以上の屈辱はありません」(前出・関係者) 案外、星野監督の仏頂面の真意は、同会長との関係にあるのかもしれない。(データは全て7月31日時点)
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スポーツ 2011年08月05日 11時45分
球団マスコット・ドアラのバック転で一番の沸き? 貧打にあえぐ中日の苦悩
8月4日、ナゴヤドームでのプロ野球公式戦、中日ドラゴンズ対ヤクルト・スワローズの一戦で、最も会場が沸いたシーンが、中日の球団マスコットであるドアラのバック転シーンだったという。 今や、名古屋だけではなく全国区の人気者となったドアラ。ホームゲームでは7回裏終了時に行うバック転パフォーマンスが観客の大きな楽しみとなっている。今季は不調で成功率が低いドアラではあるが、この日は珍しく成功して大歓声を受けた。しかし、野球の試合で沸かせられず、球団マスコットのパフォーマンスの方が沸くとは、なんとも情けない話だ。 この試合は2-1で中日が辛勝し、4連敗を免れた。決勝点はホームランでもタイムリーヒットでもなく、内野ゴロの間の生還では観客も沸きようがない。 中日は7月30日以降の、ここ5試合で得点はわずかに4。1試合平均で1点も取れない極度の貧打にあえいでいる。今季のチーム打率は2割3分で、12球団でワースト1位。得点240点は巨人の次に少ないリーグワースト2位(12球団ではワースト3位=数字はいずれも4日現在)と、とにかく打てない。特にオールスター戦後の後半戦の惨状は目に余るものがある。 打てなきゃ観客も沸きどころがない。この貧打が解消されないようなら、ドアラ以上にプレーで沸かせることもできない。打てない中日の苦悩は続く…。(落合一郎)
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スポーツ 2011年08月04日 14時10分
元日本代表の松田直樹さん死去
元日本代表DF・松田直樹選手(JFL松本山雅)が4日午後1時6分、長野県松本市内の病院で死去した。享年34。松田さんは2日の練習中に倒れ、急性心筋梗塞のため、心肺停止の状態で緊急搬送されていた。昨季終了後に横浜Mから戦力外通告を受け、今季JFL松本山雅に移籍。Jリーグ昇格を目指している最中の訃報。2002年W杯でも活躍した日本を代表するDFの早過ぎる死にとなった。
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スポーツ 2011年08月02日 15時30分
地下プロレスによる「富士山頂プロレス」ふたたび! 雷雨とヒョウの中試合強行で大荒れ!!
2008年7月の国内初上陸以来、日本のファンにもその存在を知られることとなった「地下プロレス」が、昨年8月29日に霊峰・富士の山頂にて「日本最高峰プロレス」を挙行した衝撃ニュースは、『週刊新潮』が山頂まで特派員を派遣してレポートするなど、プロレスの枠を超えて幅広い層に伝播され、少なからぬ衝撃を世間に及ぼすに至った。 この闘いが最初で最後、二度と行われることはあるまい…と、誰もが思っていた「富士山頂の地下プロレス」だが、なんとこの夏、7月31日に第二弾である『EXIT-85 FUJIYAMA:2』が行われることが決定した。 地下プロレスを支配する闇の巨大組織・WUW(World Underground Wrestling)の招集メール(通称「フランスからのメール」)により参戦が決定したのが、三州ツバ吉、ペドロ高石、マッド光一、326、ドラゴンソルジャーLAW(DSL)、マッチョ・マイケルズの総勢6選手。昨年よりもさらにバラエティに富んだメンバーが集まる今年の闘い、はたして何が飛び出すか…と注目が集まっていたが、生憎にも31日当日の天候は「雷雨」の予報。 しかしながら、一度決まったプログラムはどんな事情であれ必ず決行されるのが地下の流儀。山頂でご来光を拝むべく、昨年と同様に選手たちは前日夜から登山をスタートさせたが、道中は雷鳴が轟き、横殴りの雨と冷たい突風が登山者たちを容赦なく襲う最悪のコンディション(当然、ご来光は拝めず)。しかも当日未明には福島を震源とするマグニチュード6.5の地震が富士山全土をも揺るがし、山小屋が騒然となる事態も勃発した(この地震により登山中のレフェリーが足を負傷し登頂不能、試合では代役を立てることとなった)。 悪天候のサバイバル登山の末、山頂にたどり着いた選手たちはすでに疲労困憊。しかし山頂にはすでに、赤と黒のマットを組み合わせたリングが用意され、いつでも試合開始できる準備が整っている。 雷鳴の轟きがさらに近くなる中、ついに試合は決行された。悪天候と疲労と寒さ(山頂の気温はわずか9度)、そして登頂の高揚感も相まって、6人の選手たちはリングインの瞬間からテンションをMAXにシフトチェンジ。試合はゴング前から揉み合う大乱戦となり、リング上の闘いに飽き足らぬ選手たちは戦場を山頂全体まで拡大し、ついに四方八方リング外へ飛び出し場外乱闘を開始! ペドロ高石は三州ツバ吉を山小屋まで連れ出しコブラツイスト、DSLは326めがけて自販機(!)に登ってからのエディゲレロフォーエバー(ダイビングボディプレス)を繰り出すなど、めいめいがまさにやりたい放題の狼藉ぶり。 そしてここで、場外乱闘ばかりの試合内容が霊峰・富士の神の逆鱗に触れたのか、嵐のような雨風とともに、なんと空から、殴りつけるような勢いでヒョウが降りだす“天災”が発生! 選手たちの上半身がみるみるうちに雨と泥で真っ黒に染まる中、いったんは最後までリングに残っていたマッド光一(三州率いる地下プロレス軍)のリングアウト勝ちが宣せられたが、裁定に不満の両陣営の要求が通り、すぐさま再試合が開始。しかし電光石火でムーンサルトプレス(!)を敵軍に決めたマッドが返り討ちを果たし、2011年の富士山頂プロレスは幕を閉じた。 試合後、選手たちが一般の登山客に記念撮影を求められる、そして山小屋の主人に「楽しかった。また来てよ!」と歓迎されるなど、今年もリングを取り囲むギャラリーに喝采を浴びた富士山頂プロレス。未確認情報ではあるが、来年以降も毎年レギュラー開催されるとも噂されており、また来年の夏が早くも待ち遠しいところである。◆地下プロレス『EXIT-85 FUJIYAMA:2』2011年7月31日(日)会場:霊峰富士山頂(登山客10,000人・満員)天候:雷雨<特別試合 時間無制限一本勝負>三州ツバ吉、○マッド光一、326(8分57秒 リングアウト)ペドロ高石、ドラゴンソルジャーLAW、●マッチョ・マイケルズ<再試合 時間無制限一本勝負>三州、○マッド、326(0分07秒 TKO)ペドロ、DSL、●マッチョ ※ムーンサルトプレス地下プロレス『EXIT』公式サイトhttp://www7.plala.or.jp/EXIT/梶原劇画で伝承された「地下プロレス」が、この日本に存在した! 闇の闘いを伝える『EXIT』とは何か!?http://npn.co.jp/article/detail/97320773/仰天! 「地下プロレス」が「霊峰富士山頂」にて「日本最高峰プロレス」!!http://npn.co.jp/article/detail/23287014/
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スポーツ 2011年08月02日 11時45分
「なでしこJAPAN」に国民栄誉賞
政府は2日、女子サッカーW杯で初優勝した日本チーム、通称「なでしこJAPAN」に国民栄誉賞を授与することを決めた。枝野幸男官房長官が記者会見で発表、授賞式は今月18日に首相官邸で行われる。史上初の団体受賞となる。 ただ、これに対して、「なでしこJAPAN」の人気を政治利用しようとしていると批判的な意見も多い。「菅政権には、もうこれくらいしか手がない」(永田町関係者)との声もある。
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スポーツ 2011年07月30日 17時59分
7・27 木内幸男監督のファイナルゲーム「木内マジックのタネ明かし」
今夏での勇退を表明していた常総学院(茨城県)の木内幸男監督(80)が準決勝で散った。全国の高校野球ファンを魅了した名将は、甲子園に帰って来ることができなかった。残念ではあるが、試合後の共同会見では終始、穏やかな表情を見せており、野球人として、悔いはなかったようだ。 木内監督といえば、「マジック」と称される大胆な采配で知られるが、教え子たちは違う印象を持っていたようである。 「一緒に野球をしている側にすれば、何がマジックなのかよく分かりませんでした(笑)。マスコミの皆さんが勝手に『木内マジック』と呼んでいただけで…」 取手二、常総の何人かの教え子に話を聞いてみたが、当時をそう振り返っていた。 「マジック」には“タネ”があるようだ。 桑田、清原のいたPL学園との決勝戦を征した1984年・夏の甲子園大会もそうだった。9回裏、同点に追い付かれ、動揺するエース・石田文樹をいったん、右翼守備にまわし、2ケタの背番号を付けた柏葉勝己をマウンドに送った。ひと呼吸置かせ、石田を再びマウンドへ。この大胆不敵なワンポイント・リリーフと、控え投手の投入に高校野球ファンは驚かされたが、当時を知る教え子の1人は「大会前、石田は故障していた」と明かし、木内監督は練習試合で柏葉や他の控え投手をテストしていたという。「一打サヨナラ負け」という窮地ではあったが、柏葉の努力を目の当たりにしてきた取手二ナインにすれば、「柏葉の救援に違和感は全くなかった」のだそうだ。 「茨城県大会が始まる前、実はPLと練習試合をして、ボロ負けしたんです。試合後、石田が『逃げのピッチングをした。逃げるな』と叱られたんです。その石田がマウンドに再び立ったとき、清原のインコースをどんどん攻めて…」 常総学院に移ってからも、“マジックのタネ”を蒔いてから、公式戦に臨んでいた。 木内監督は茨城県予選の試合日程を逆算し、尻上がりに調子を上げていこうとする。だが、部員たちのモチベーションが上がらない年、校内テストの期間にリフレッシュ休暇を与えたという。その休暇明けの練習初日だった。部員たちを前に「休んでいいと言ったのは、レギュラーだけ。補欠が休むとは…。補欠は辞めちまえ!」と怒鳴りつけたそうだ。 本心ではない。控え選手たちは「監督を見返してやる」と必死になり、レギュラー陣も安穏としていられなくなった。 当時の部員の1人は「自分たちは木内監督に試されていたと思う」と、振り返っていた。 「もし、ここでやる気を見せ、緊張感のある練習ができなければ、県予選で負けていたと思います」 控え選手が必死になれば、自ずとチームのレベルは底上げされる。今夏もそうだったが、ベンチ入りしたメンバーのほとんどを起用する采配もみせる。観ている側には「驚きの采配」(=マジック)でも、部員たちに動揺はない。むしろ、「努力すればいつか報われる」と知ったのではないだろうか。 一昨年夏、筆者は別件で常総学院に立ち寄った。野球部のグラウンドに眼が行ったが、木内監督の姿を見つけることはできなかった。近くにいた学校職員は、バックネット裏の小さな控え室が木内監督のいつもの居場所だと教えてくれ、「ご高齢ですし、締めるところはしっかり締めていらっしゃるんじゃないですか」とも語っていた。一部報道によれば、健康診断とはいえ、昨今は病院に向かうことも多かったという。 27日の敗戦後、木内監督は「年だから」「時代が変わった」「新しい野球スタイルが…」と歳月の流れも口にしていた。しかし、教え子たちが恩師・木内監督を慕う気持ちは永遠に色褪せないのである。(一部敬称略/スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2011年07月30日 17時59分
西田隆維のマラソン見聞録 第6話「走る環境とその対策」
先週、2日だけ過ごしやすい日があったが、相変わらず猛暑続きの毎日。市民ランナーにとってはコンディション維持が大変な時期だと思う。 僕はほぼ毎日、善福寺川(東京・杉並区)若しくはJR中央線・阿佐ヶ谷〜荻窪間の高架下を社長と共にジョギングしているが、さすがにこの季節は肉体的にキツイ。個人的な感想を言わせてもらえば夏は走るものではない−−。 さて、今回は「走る環境とその対策」について綴っていこうと思う。「対策」と聞かれて、市民ランナーはまず「夏は暑さに備えてキャップ着用、給水用マイボトルを常備、サングラスに日焼け止め…」という“自分自身”の対策を口にするだろう。 僕がここで強く訴えたいのは「自分の身の回りよりももっと大事な事があるだろう」と言う事。それは走る環境であり、当然その対策だ。具体的な例を挙げると、僕は前述の通り、善福寺川の堤で走っているが、その場所は夏から秋にかけて大量の蛇(アオダイショウとマムシ)が出没。通行人の行く手を阻んでいる。 実際、僕も幾度となく彼らに遭遇し、仰天。不思議なもので、何度出会っても、驚いてしまう。先日も僕の前を走っていた女性が悲鳴を上げたので近づいてみたところ、よく肥えたアオダイショウが道路をふさいでいたのである。それを見ても少しビックリしたほどだ。 又、僕が実業団(エスビー食品)時代、代々木公園で練習をしていたが、代々木にも蛇は出没していた。ここにはもれなくホームレスも存在しており、蛇とホームレスは上手に共存しているな、と当時、感心したものだ。 このように僕としては、夏場の対策と言えば一も二も無く「蛇」。それだけだ。勿論、これは人によって大きく異なるもの。熊の人もいるかもしれないし、スズメバチの人もいるかもしれない…。 さらに5月末から7月末までにかけてカラスは繁殖期で常に苛立っている、という事を知っているだろうか。繁殖期時はヒトにも攻撃的になるので、カラスを刺激しては間違ってもいけない。カラスのそばを通過する際は「音を立てない」「カラスの眼を見ない」等、様々な“ルール”があるのだ。 それを市民ラインナーは無視して疾走する…すると、カラスがランナーに攻撃をする。これは当たり前だが、問題なのはその周囲にいるヒトにもカラスは襲撃してくる点だ。 ランナー自身が攻撃されるのは自業自得で何とも思わない。が、何もしていないのに被害を受けた周囲のヒトに対して僕は胸が痛くなる。なぜなら絶対ランナーは、自分の事しか考えなく、自らが犯した失態で周囲を困惑させても謝罪の意思を表示しないからだ。 今、「自分が走っていられる環境の対策」を真剣に考えられるランナーこそが僕にとって「ラン仲間」であるという事。これは昨今ブームのランニングチームやランニング雑誌に対する批判となるが、走る事より大事なものを最初に教えられないようでは、単なる「ニワカ」。マスターベーションに過ぎないという訳だ。 補足だが、皇居ランナーを見て思う事がある。僕自身、現役時は皇居で40キロ走などしていたので、あまり他人の事は言えないが、それでも今のランナーは「マナーを考えているのかな」と不思議に思ってしまう。 道一杯に広がって走るランナー(これは皇居ランナーに限った事ではない)、(皇居は)狭い道なのにスピード練習しているランナー、左回りというルールがあるのに右回りで走っているランナー、車道を走るランナー…まだまだあるが、少なくても上記は嫌悪させられる。 道一杯に広がって走るランナーはよく街でも見かけられるだろう。3〜4人が道を占拠し、ぺちゃくちゃ話しながら走っているあれだ。彼ら彼女達によれば「(対向や後ろから)ヒトや自転車が来れば、道を空けるから問題ない」そうだ。果たしてそうだろうか−−。 彼ら彼女達の言い分は「見つからなければいい」「バレなければいい」という小学生的発想と寸分違わない気がしてならない。「道を空けるからいいだろう」…「空ける」「空けない」ではなく「あんた達にはモラルはあるのか」と問いたいのだ。 続いて「スピード練習をしている」輩について。最近では皇居でランニング大会まで実施されているようだが、(皇居は)陸上競技場では無い。基本は御所を見物しに来た観光客の為にある遊歩道だと僕は思っている。もしかしたら(遊歩道の)コンセプトは異なるかもしれないが少なくとも競技場ではない事だけは確かだ。 それにも拘わらず、ランナーは通行人の真横を駆け抜け、ひどい者は(通行人に)ぶつかったり、通行人を倒したりする有様。「ランナーはすべてに優先する」とでも思っているかのようだ。これは右回りで走るランナー、車道ランナーにも当てはまる。冗談ではない。 今、自分が気持よく走れているのは誰のおかげなのか−−。その為には自分は何を配慮すべきなのか−−。 ごく当たり前の事を顧みない市民ランナーが最近、増えているようなので今回、敢えて綴ってみた。これが僕の「ランニングに対する環境(心得)と対策」だ。 最後に、今週水曜日(7月27日)から僕が出演する舞台『mother』が新国立劇場で始まった。9月からFMラジオのメーンパーソナリティが決まり、年内は最後の舞台(予定)。気持ちを入れて熱演するつもりだ。舞台は31日まで。<プロフィール>西田隆維【にしだ たかゆき】1977年4月26日生 180センチ 60.5キロ陸上長距離選手として駒澤大→エスビー食品→JALグランドサービスで活躍。駒大時代は4年連続「箱根駅伝」に出場、4年時の00年には9区で区間新を樹立。駒大初優勝に大きく貢献する。01年、別府大分毎日マラソンで優勝、同年開催された『エドモントン世界陸上』日本代表に選出される(結果は9位)。09年2月、現役を引退、俳優に転向する。
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スポーツ 2011年07月29日 15時30分
PRO-KARATEDO 「達人!」これぞ本物の武の果たし合い!
素手顔面(ノーバンテージ)、頭突き、肘打ち、投げ、立ち関節、金的攻撃、倒れた相手への極め突き、道着を掴んでの攻撃がすべて有効のプロ空手興行「達人」が、8月28日大阪住吉区民センター大ホールで行われる。 組手出場者は空手歴10年以上のキャリアがある各流派の空手全日本王者クラスのみの参加。 荒っぽい喧嘩ファイト的な格闘技イベントではなく、本物の空手家の威力、技術、精神を披露するイベント性も含んだ武道大会。 組手試合の他に演武も充実しており、元伝統派世界空手道選手権女子形の部優勝者の形演武や、修己会拳真館館長によるド迫力試し割り演武、居合術、古武術の演武なども豊富。 メインイベントは過去、ミャンマーラウェイライト級最強の王者と謳われたソーゼーレイと死闘を演じた伝説の天才空手家、理心塾塾長 村井義治が登場。 セミファイナルはミャンマーの地でソウ・ガ・マンとラウェイルールで闘った陣川弘明(和術慧舟會本部)とあらゆるルールで数々の名勝負を繰り広げている理心塾魂、谷口聡との対戦。 内田塾からは正道会館全日本選手権でも準優勝の実績があり、内田塾の総本部師範でもある野本正幸(内田塾)や同じく内田塾の師範代であり、ベッカセームとオープングローブを着用してのラウェイ戦を闘った空手王、山下敦央(内田塾)が参戦。 他に白蓮会館全日本王者、極真館全日本準優勝者の毛利巨樹(義道会館)と理心塾全日本格闘術空手道選手権王者の西村圭生(理心塾)の対戦や、ラウェイのエキスパート、RIKIYA(新宿ジム)、山本武晴(和術慧舟會)そして日本拳法5段の西村哲男など実戦派が勢揃い。 この大会を主催するPRO-KARATEDO連盟会長の村井義治氏は 「このルールは過激に感じますが実際はダウンを伴う出血、鼻や頬骨等の骨折の疑いがある場合などはドクター、レフリーの判断で即TKOになります。 技あり(ダウン)2回もTKO。KOも10カウントではなく、ダウンの様子から審判の判断で決まります。闘犬や闘鶏とは違いますから。崇高な武道の闘いです。防御力も達人の条件だと思いますしね。 あとバンテージもなしで道着を掴んでの攻撃も有効なので空手本来の技を最大限発揮できると思います。 また、回を重ねるごとに技術も他の格闘技とは全く違うものが有効となってくると思います。将来的には格闘技の流行りに関係なく、日本の伝統武術大会にして行きたいと思っております」<出場選手>○メインイベント村井義治(理心塾)88'士道館全日本空手道選手権大会王者誠空会格闘空手全日本無差別大会準優勝元マーシャルアーツ日本キックボクシングフェザー級トップランカーVS調整中○セミファイナル谷口聡(理心塾)格闘空手選手権大会無差別級王者VS陣川弘明(和術慧舟會本部)第二回拳術選手権大会王者○第5試合 85?以下契約野本正幸(内田塾)正道会館第1回ウエイト制全日本空手道選手権大会中量級準優勝VS若林 信人(理心塾)体重別太道選手権大会重量級4位○第4試合 無差別級山下敦央(内田塾)内田塾 第11、13、14回JAPAN GAME王者VS池野榮司(池野道場)極真大阪城杯重量級優勝 ○第3試合 70?以下契約毛利巨樹(義道会館)第23回白蓮会館全日本大会 中量級王者第6回極真館ウエイト制全日本準優勝VS西村圭生(理心塾)理心塾第1回格闘術空手道選手権大会王者覇王フリーファイトルール初代現王者○第2試合 92?以下契約奥田道仁(昇気館)第19回内田塾JAPAN GAME グローブの部優勝VS西村哲男(日本拳法)全日本拳法選手権社会人高段の部3位RIKIYA(新宿ジム)調整中高橋直弘(高橋道場)調整中格闘空手選手権無差別級王者西村哲男(日本拳法)調整中○演武出演者形演武酒居芙美(さかいふみ)第20回セルビア世界空手道選手権大会女子団体形 優勝第9回アジア空手道選手権大会女子団体形 優勝第37回及び38回全日本空手道選手権大会女子形 準優勝○試し割り演武坂本進(修己会拳真館館長)○2011年8月28日(日)会場:住吉区民センター大ホール(大阪府大阪市住吉区南住吉3-15-56)南海高野線「沢の町」下車徒歩5分JR「我孫子町」下車徒歩10分【入場券】SRS席¥20000RS席¥8000指定席¥6000立見¥4500当日¥500アップチケット販売出場選手所属道場問い合わせ先PRO-KARATEDO連盟事務局
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スポーツ 2011年07月29日 15時30分
文京区議レスラー・西村修がリング復帰!
4月24日に投開票された統一地方選挙後半戦で、東京都文京区議に初当選した西村修(39)が、7月28日に会見を開き、全日本プロレス8・13後楽園ホール大会でリングに復帰することを発表した。 西村は選挙に専念するため、2・6後楽園大会を最後にリングから離れており、今回は半年ぶりの復帰となる。所属していた全日本とは同日付で選手契約を解除しており、現在はフリーランス。 今後はスケジュール調整をしながら、スポット的に試合に出場する予定で、全日本以外の団体への参戦も視野に入れる。 西村は「体も精神的な部分も、時が来たなということで復帰となりました。リングの上は急速に進化していると思うんです。そのなかでも、残さなければならないことがあると思う。古き良き伝統のプロレスを、今の若い選手たちに伝えたいと思っています」と意欲を見せた。 過去に議員活動と並行して、プロレスのリングに上がったケースは大仁田厚、馳浩(現衆議院議員)、ザ・グレート・サスケ、若松市政(将軍KYワカマツ=現芦別市議)らの例がある。4月の同日の選挙で埼玉県狭山市議に当選した土方隆司(フリー)は、すでに6月に復帰を果たしている。(最強プロレスサイトBATTLENET/ミカエル・コバタ)※関連記事坂田氏、西村氏、木村氏、土方氏、若松氏が歓喜! 格闘家5人は全勝〜統一地方選挙http://npn.co.jp/article/detail/30473638/
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