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正捕手の扱い方でチーム事情も見えてくる? 混戦セ・リーグ

 正捕手をポジション・チェンジすることの影響は−−。9月3日のヤクルト対巨人戦で衝撃的な守備位置の交代がアナウンスされた。一塁の守備に入っていた高橋信二(33)が『捕手』へ、捕手の阿部慎之助(32)が一塁の守備にまわされた。その瞬間、神宮球場のヤクルト側応援席もざわついた。高橋信がマスクを被ったのは09年8月以来だという。8回から阿部が再びマスクを被り、高橋信はファーストミットを…。「捕手・阿部、一塁・高橋信」に戻したわけだが、一体何のためのポジション・チェンジだったのか、ネット裏の解説者たちもちょっと首を傾げていた。

 試合後の原辰徳監督(53)は「色々考えながら、有事に備えて。信二が(捕手に)入ったことで試合が流れて行きましたよね」と、コメントした。当の高橋信は「違和感? それはあるでしょ。そつなく? 全然」と、戸惑ったことを正直に打ち明けていた。先発マスクの阿部のコメントが興味深い。
 「序盤に点を取られた俺が悪い。ああいうことをした俺のせい」
 先発の東野峻(25)は、3回途中で4失点KO。試合序盤でゲーム主導権を渡してしまった“リードミス”を悔やんでいた。
 原監督の言う『有事』だが、09年9月4日の対ヤクルト戦が思い出される。巨人はベンチ入りさせた3人の捕手を使い切り、故・木村拓也氏の“緊急マスク”に救われている。コメントの通りだとすれば、原監督はアクシデントに備えて「4人目の捕手」を場馴れさせたということになる。しかし、阿部のコメントでは、リードミスに対する懲罰的な意味合いで「いったん一塁にまわされた」とも解釈できる。
 「高橋を相手に投げた投手が越智(大祐)、アルバラデホだったのも気になります。新人・澤村(拓一)が勝てないことについても原因究明がされています。1つの仮説として、『阿部は速球派投手のリードが苦手なのではないか』とも指摘されたそうです」(球界関係者)
 阿部の配球ミス…。巨人ナインは完全否定するだろう。
 また、『一塁・阿部』の約1週間前の8月25日、中日は不振の和田一浩(39)を外し、『5番・一塁』で谷繁をスタメン起用した。報道によれば、プロ23年目、通算2594試合目で「初めての捕手以外」だという。オープン戦では外野守備に付いた経験もあるらしいが、こちらは8月絶好調の打撃力を生かすための前向きな采配だった。

 捕手は『守備の要』と称されることが多い。真弓阪神も事情こそ違うが、第2捕手・藤井彰人がマスクを被ってからチームが上向きになった。阪神は二遊間を守れる内野手が不足したが、レベルの高い第2捕手・藤井の活躍でチームが浮上できた。中日は主軸打者の不振を谷繁の打撃力で補った。『有事』に備える指揮官の采配は間違っていないが、選手を動揺させたポジション・チェンは巨人だけだ。
 正捕手の現状を見れば、そのチームの内情も分かる。阪神、巨人、中日は奇しくも『4番打者の不振』という悩みも共有している。3球団とも決め手に欠いている。原監督の“喝”が吉と出るか否か…。ヤクルトの小川淳司監督(54)は右手親指を負傷した相川亮二(35)を使い続けている。打撃力のある川本良平(29)、将来の正捕手候補・中村悠平(21)も控えているが、優勝に懸けるベテランの意地を尊重したのだろう。ペナントレースの全日程が終了したとき、この“捕手”を巡る起用法が節目になっているかもしれない。(スポーツライター・飯山満)

※原辰徳監督、巨人選手のコメントは共同通信社配信記事より抜粋しました。

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