現在、セ・リーグは首位ヤクルトを巨人、阪神、中日の3チームが追走し、順位が日替わりとなるほどの激しい2位争いを展開中。6日の試合を迎えた時点で、中日は首位まで3.5ゲーム差で、十分優勝の可能性は残っていた。その状況での“ドル箱”巨人との一戦でのワースト観客動員記録に、球団関係者のショックは大きい。
かねて、「落合野球はつまらない」とファンから陰口を叩かれ続けてきた。昨季は4年ぶりのリーグ制覇を果たしたにもかかわらず、観客動員は前年(09年)対比10万人のダウン。強くても客が入らないという状況に陥っていた。今季はチーム状態に比例するかのように、1試合当たりの主催試合の観客動員数は2万9835人(6日現在=52試合)で、昨季の3万460人(72試合)を下回っている。
今季、前半戦で一度は首位に立ったものの、後半戦では大きく失速。5位まで順位を下げるなど低迷していている中日。チーム防御率リーグ1位の好投手陣を誇りながら、12球団最低のチーム打率が示すように、打線は目にあまる貧打で、点を取れず完封負けも多い。打てない、点が入らないではファンがソッポを向くのも当然のなりゆきだ。
折りしも、1日に読売巨人軍の渡辺恒雄球団会長がCS(クライマックスシリーズ)に関して、「阪神、巨人、ヤクルトの3本柱が入ればね。プロ野球(ファン)人口を考えると、ヤクルトと神宮で、東京を二分するのが非常にいい。経済効果としてはね」と発言。東京ドーム、神宮球場でのCS開催を熱望し、中日のCS進出を希望しなかった。
この渡辺発言に中日球団関係者、ファンは怒りを覚えたようだが、ドル箱の巨人戦でワースト観客動員数を記録するようでは、「経済効果」という観点で、とても反論できなくなってしまった。
(落合一郎)