スポーツ
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スポーツ 2015年12月02日 16時00分
Jリーグが2ステージ制の“11月問題”で壊滅危機
11月28日から、サッカー・Jリーグの年間王者を決めるチャンピオンシップが開幕する。しかし、全然盛り上がっていない。 「Jリーグは11年ぶりに前・後期に分けた“2ステージ制”を復活させました。ですが、サポーターの反対を押し切って導入した手前、この“11月問題”が観客動員減を招けば大事になりかねません。盛り上がらない理由は、後期優勝チームがなかなか決まらず、どのチームがいつ出場するか、全部で何チームが出場するかさえ最後まで分からなかったからです」(スポーツ紙記者) 22日に後期最終節(17節)が行われ、ようやく出場する全チームが決定した。 問題は後期の優勝チームが絞り込まれる時期の15〜16節、16〜17節の開催間隔が、それぞれ2週間も空く変則日程となったこと。まさに佳境の時に、ナビスコ杯決勝や日本代表戦といった他の対戦が組み込まれ、チャンピオンシップ進出の可能性を持ったチームの応援サポーターにも水を差してしまったのだ。 「変則日程は、それだけではありません。12月10日からはクラブ世界一を決めるFIFAクラブW杯が日本で開催される。Jリーグ王者も主催国枠で参加するため、それまでにチャンピオンシップ優勝チームを決めなければならない。しかも優勝チームはクラブW杯1日目、つまりチャンピオンシップを戦った5日後に、世界の強豪と戦う強行日程を強いられるのです」(同) また、18チームが戦うJリーグ(J1)で、上位2〜3チームは優勝争いで盛り上がり、下位3〜5チームもJ2への自動降格、入れ換えがあるので注目度は高い。しかし、それ以外の中位約10チームに話題性はゼロ。 「欧州、南米では、Jの後期にあたる秋にリーグ戦を開幕させる。この日程に合わせることで、海外の有名選手との契約もしやすくなり活性化されるのですが、実現にはほど遠い状況です」(関係者) Jリーグの運営下手を露呈した前・後期制の導入。不人気が続けば村井満チェアマンのクビも危ない。
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スポーツ 2015年12月01日 16時00分
球界裏ストーブリーグ マエケン、大谷翔平、中田翔… 野球賭博大混乱にメジャーリーグが日本人選手「青田刈り」
野球賭博で日本球界が揺れるのを幸い、メジャーリーグが仁義無視の日本人選手漁りを始めた。FA有資格者のマエケンどころか、大谷翔平、中田翔もメジャー流出の危機に陥っている。 日本中から悲鳴が漏れたプレミア12の準決勝、韓国戦。侍ジャパンは大谷の完璧なピッチングもあって8回まで3-0でリードしながら、小久保裕紀監督の継投ミスで衝撃的な逆転負け。しかし、テレビ視聴率は平均25.2%を記録。プロ野球人気をあらためて浮き彫りにした。 今年の日本シリーズが最高12.5%。巨人の公式戦も軒並み一桁。その中で韓国戦ばかりか、中田翔の逆転二塁打や中村晃のサヨナラ打のあったベネズエラ戦では瞬間最高35.2%を記録。決勝まで勝ち進んでいれば、平均30%超えは確実だった。 「スポーツ紙の1面も連日侍ジャパン一色で、選手も優勝に必死でしたが、そこには“ある思惑”があったからです。彼らは野球賭博に汚染された日本球界に嫌気が差しており、それならいっそメジャーで、というわけです。賭博とは関係なくても、捜査の中で反社会的人物との交友関係が発覚し、“もらい事故”に遭ったら野球生命にかかわる。少年時代から素行面で問題のある中田翔が別人のように活躍していたのが何よりの証明でしょう」(スポーツ紙デスク) 現行のルールでは、海外FA資格を得るまでメジャー移籍は難しい。しかし、ここにきて事情が大きく変わってきた。ポスティングシステムの再見直しが検討されているのだ。 「青天井だった松坂大輔やダルビッシュ有の頃と違い、田中将大の時からポスティングシステムの入札金上限は20億円になった。来オフにはこれすら撤廃する動きがある。このままでは日本球団には1円も入らず、MLBに取られ損になる。そこで広島は今オフ、前田健太をポスティングにかけるのです。前田にはヤンキース、ドジャースが最高入札金を用意しています」(NY在住のスポーツライター) 中でも選択を迫られているのが、今大会の投打の主役、大谷と中田翔を抱える日本ハムだ。名門復活を急ぐヤンキースが2人の獲得に躍起になっているという。ヤ軍キャッシュマンGMは160キロ右腕の大谷にぞっこんで、200億円の値をつけたという情報もある。 「大谷はまだ入団3年目。海外FAの資格はないが、入団時に『メジャーからオファーがあれば応じる』という約束があったとされ、球団は引き止められません。ヤ軍が『中田翔とセットで総額300億円』の値を付けたとの情報もあり、中田もその気になっているといいます。ある意味、今が売り時。見過ごせば20億円×2=40億円を掴み損ねる可能性があります」(前出・同) 日本球界にとって最大の目標は「2020年東京五輪の金メダル」。東京五輪組織委員会は若いスター選手がメジャーで揉まれることを期待している。これを口実に、選手たちの“海外脱出”はあり得る?
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スポーツ 2015年11月30日 16時20分
プレミア12の視聴率で評価一転 前田健太のMLB人気が上昇か
前田健太(26=広島東洋カープ)が大型契約を勝ち取りそうだ。 11月11日に行われたプレミア12の日本対メキシコ戦は、テレビ視聴率が16.4%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)を記録した。この数字に大きな反応を見せたのは、侍ジャパンを運営するNPBエンタープライズではなく、メジャースカウトの面々だった。ア・リーグの某球団スカウトがこう言う。 「メジャー志望を持つ日本人選手、FAや入札制度での海外移籍が囁かれる選手の調査は継続して行われます。彼らが米球界で通用するかどうかは当然ですが、日本企業からの広告出資などが期待できる選手か否かも、重要な評価ポイントになります」 地上波でのプロ野球中継が激減して久しい。また、たまに中継されたとしても視聴率がイマイチだったりもする。その点からすれば、対メキシコ戦の視聴率はかなり高い数値だった。準決勝までは順調に勝ち進んでいたことなど他にも要因はあるだろうが、米スカウトたちは「前田の人気を改めて評価しなければならない」と語っていた。 「おそらく、前田は大型契約を提示されるはずです」(同) 前田は、今オフ中に入札制度で米球界挑戦することが既定事実のように報じられている。チームOBのなかにも、それを否定しない者もいたほどだ。 これまでの前田に対する米球界の評価は「シーズンを通して、先発ローテーションを守りきる」であろうが、「ダルビッシュや田中将大のようなエース候補ではなく、ローテーションの3番手以降」と、あまり高くはなかった。 また、前田は入札制度での米球界挑戦となるため、最高で2000万ドル(約24億円)の応札金が必要になる。通常、入札制度で日本人選手を獲得するとき、どの米球団もこの落札金2000万ドルを含めた枠内で契約をまとめようとする。したがって、ローテーションの3番手以降である前田は「広島在籍時よりも年俸が落ちる」と目されていた。 その状況がメキシコ戦での高視聴率で一変したのだ。「前田を獲得すれば、球場広告を出す日本企業もある。日本からの観光客も…」と考える球団が出てきたという。 投手出身のプロ野球解説者がこう続ける。 「前田はフルシーズン、中4日で投げた経験はありませんが、完投試合も多いので、スタミナ面では問題ないと思う。メジャーは先発、中継ぎ、クローザーの役割分担がされていますし。今回のプレミア12での前田は、ストレートで力勝負に出たりと、シーズン中とは違うピッチングも見られました。メジャーを意識しての投球でしょう」 西海岸の球団を希望しているようだが、レッドソックス(東海岸)が熱心との声もある。レ軍は昨オフに、先発ローテーション投手5人のうちの4人を入れ換えたが、これが大失敗だった。先発陣の防御率はリーグワーストになり、「今オフは大金を注ぎ込んででも好投手を獲る」と躍起になっている。 誰がどのようにソロバンを弾いて前田の移籍が成立するか、いまから楽しみである。
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スポーツ 2015年11月30日 16時00分
脇谷補強で確信した巨人の組織改革
脇谷亮太(34=埼玉西武)の巨人帰還が決定的となった。脇谷は13〜14年オフ、片岡浩大のFA移籍にともなう人的補償として埼玉西武ライオンズに移籍した。その後も自主トレをともにするなど、高橋由伸との“先輩後輩の友情”が続いていた。その高橋の監督就任が決まり、それに触発され、FA権を行使したのである。 「井端(弘和=40)の引退とコーチ就任も決まり、一軍レベルの内野手の頭数が足らなくなってしまいました」(プロ野球解説者) 脇谷の2015年の推定年俸は2400万円、人的・金銭的補償も発生しない『Cランク選手』でもある。また、打撃面でも期待が持てる。脇谷は今季、西武打線の3番も任されてきた。「打てる内野手」「左の代打」…。巨人の補強ポイントも埋まったと見ていい。だが、この脇谷の帰還について着目すべきは『戦力』の話ではない。脇谷がFA権を行使した後に出た高橋監督と堤辰佳GMのコメントだ。 「球団に(脇谷との交渉は)任せています」 高橋監督は「補強には関与しない」と強調した。各メディアに『脇谷帰還』のことを質問される度に、そう繰り返してきた。堤GMも「補強について、高橋監督と相談しないのか」の問いに、「監督の意向ウンヌンは聞いていない。こちらから脇谷の話を持ち掛けたが、『お任せします』しか…」と答えている。 この両者の発言は意味深い。 高橋政権になって、フロントと現場の関係が確実に深まったと見ていいだろう。前任の原辰徳監督の時代、GMが暴走し、一部案件を巡って裁判沙汰にもなっている。原前監督が“出しゃばり過ぎたとき”もあった。14〜15年オフに獲得した相川亮二、金城龍彦の獲得は原前監督が自ら連絡を入れ、フロントとの正式交渉を段取りしたとされている。フロントが暴走すれば、現場は面白くない。指揮官が自身の要望を押し通せば、フロントは自分たちの仕事を否定されたことになる。戦う集団である以上、熱くならなければウソだ。しかし、組織としてはお互いが一歩譲り合うような関係のほうが理想的だ。 今さらだが、堤GMは高橋監督と同じ慶應義塾大学野球部の出身で、在学当時は主将も務めたという。当然、高橋監督は絶大な信頼を寄せており、堤GMも「カワイイ後輩のため」との思いは誰よりも強いはずだ。 経営陣が求めた巨人の改革とは、フロントと現場の一体感である。 先のプロ野球解説者がこう続ける。 「読売の経営陣がいちばん嫌う報道は巨人フロントのゴタゴタを扱ったものです」 読売首脳陣はこう考えたのではないだろうか。「ヨシノブを監督に選んだのは間違いではなかった」と…。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2015年11月29日 14時00分
プロ野球トライアウト密着取材 戦力外通告から這い上がる選手たち(4)
「NPBの編成は、これまでの普段の試合から見てくれています。トライアウトで抑えた、ヒットが出たとか関係ないんですね。まだ動ける、体のキレもあるんだ、というところが見せられれば…」 そう話す受験選手も多かった。しかし、一般論として、トライアウト選手にお声が掛かるのは、一番最後である。ドラフト、FA、外国人選手の獲得、トレードを終え、予定していた補強ができなかったとき、初めてトライアウト選手に道が開かれるのだ。 彼らの野球に対する思いは熱いが、ドラフトから始まる来季への補強の順番を変えてまでして獲得したい選手が現れないのも、また現実である。 プロ野球解説者で、石川ミリオンスターズの取締役も務める佐野慈紀氏が視察後、こう語ってくれた。 「僕は受験選手にはもっとアピールしてほしかったと思いました。ピッチャーも打者3人にしか投げられませんが、もっと投げさせてあげたら、また違ったものも見えたと思う」 佐野氏の所属するBCリーグからは、今年のドラフト会議で10人近い選手が指名された(育成を含む)。石川で復調した西村の例もある。今回の視察には選手補充の意味合いもあったはずだが、こうも語った。 「西村には頑張ってほしい。だけど、ウチが受験選手を獲るのは最後のほう。NPBから独立に流れて、またNPBに復活した選手は皆無に等しいし、覚悟がないとダメ。だからこそ、受験選手には頑張ってほしかった」 2年連続のトライアウト受験となってしまった北方悠誠(21)が言った。 「むしろ、海外でやってみたい」 北方は昨年オフ、DeNAを解雇されたが、福岡ソフトバンクホークスの育成枠で拾われた。昨年のDeNAは所属投手が支配下登録70人の半分以上を占め、二軍投手は練習すらままならなかった。北方は「いつでも好きなときに、好きなだけ練習できる」というホークスで練習を続け、制球難の課題を克服しつつあった。北方のトライアウトのマウンドで、いきなり投球がバックネットを直撃したが、去年とは別人のように落ち着いていた。 「この1年、結果を出せなかったのは残念ですが、自分の一番良いときに戻りつつある。『NPB以外でも野球を続けるか』と聞かれれば、僕は海外に挑戦してみたい。言葉も通用しないなか、野球だけで勝負して、今の状態なら海外でもやっていける」 去年トライアウトを受けて、今年ホークスで積み重ねてきたものを確認することもできたという。解雇の通告は非情だが、「海外」という、さらに高いステージを自分に課すまで、北方は精神的に強くなっていた。 つらいときこそ、自分にさらに高い課題を課す。この生き方はサラリーマンにも通じるものがある。トライアウトとは、人生を新たに切り開くためのステージでもあるようだ。スポーツライター:美山和也
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スポーツ 2015年11月28日 14時00分
プロ野球トライアウト密着取材 戦力外通告から這い上がる選手たち(3)
前オリックスの榊原諒(30)が、一部メディアから“つらい質問”を浴びせられた。 「新人王にも輝いたのに…」 榊原はひと呼吸おいて、「もう過去のことです。ブルペンでは調子が良かったので、3人にしか投げられませんでしたが、やることはしっかりやれたと思います。(解雇されたので)フェニックスリーグにも行けませんでしたし、チームを離れて個人で練習してきました。室内の狭いところでしか練習できないが、キャッチボールとかランニングをしっかりやってきた。準備としては不十分だったかもしれませんが、チャンスをもらえることを信じて、戦力外通告後すぐトライアウトを受けると決めていた。'11年に肩を怪我したけど、それも良くなってきた」と答えた。 つらい怪我であっても、野球人生の良き転機に変えることもできる。 「今までは勢いだけで投げてきて、低めに投げていればなんとかなると思っていたんですね。だけど、怪我をして考え方を変えました。どういうボールを投げるべきなのか、どんなボールが自分に必要なのか、相手バッターの芯を外すにはどうすればいいのか…。そういうことを考えて自分自身のピッチングを変えて、コーチにも教えてもらい、肩の不安のない投球ができるようになった」 オリックスは昨年オフ、大型補強を敢行したが、チームは機能せず、下位に低迷した。その立て直しを「待つこと」ができなかった。西村のように独立リーグで“再起のインターバル”を取る方法もあるが、榊原は首を振った。 「僕には家族がいるんです。独身なら、独立リーグでも構いません。そのときは家族と相談して…」 独立リーグの選手たちは月20万円程度の報酬しか保証されない。オフシーズンにアルバイトをしなければ暮らせない選手もいる。「野球を続けたい」と思う気持ちはどの選手も一緒だが、「NPBが第一希望」という切実な状況に追い込まれた選手も少なくなかった。 「中断」のハプニングに見舞われた選手もいた。前阪神の藤原正典(27)だ。空模様は前日から危ぶまれていた。19組目、藤原が投げているときに雨足が強まり、一時中断となった。 「自分は“持ってない”のかなと思いましたが、すぐに晴れて、内容も悪くなかった。気持ちで投げた」 トライアウトの舞台が最後のユニホーム姿になる選手もいる。草薙球場に会場を移して以来、3年連続の雨となってしまった。今年はすぐに回復したが、「ベストコンディションで」と思う関係者は少なくない。 今年から2回に分けていたトライアウトを一発勝負にしたのは「一方だけを受ける選手がいて、それをなくすためだ」とNPBは説明していた。雨天順延と改めたのは、選手の側に添った改定だった。
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スポーツ 2015年11月27日 14時45分
DeNAがラミレス監督を招聘した利点
今季、セ・リーグは前年最下位のヤクルトが優勝を勝ち取った。アレックス・ラミレス新監督(41)を迎えたDeNAベイスターズが「最下位から優勝」を再現してくれるかもしれない。 鹿児島県・奄美大島での秋季キャンプ中、ラミレス監督のメモを取る姿が多く見られた。現役時代から“メモ魔”であり、対戦投手の特徴やバッテリーの配球傾向を書き記すなど研究熱心な選手であることは有名だった。気が付いたことはすぐに手帳に書きとめるところは監督になってからも変わらないようだが、ブルペンを視察したときはペンを走らす時間がとくに長かった。 関係者によれば、三嶋一輝(25=5勝5敗)に期待しているそうだ。 「対戦打者のインコースに強いボール(直球)が投げられるか否か、その素質を持っていると称賛していました」 中畑清前監督の言葉が思い出される。「エースを張れる投手と正捕手を補強したら」−−。 DeNAがラミレス監督の就任を発表した際、一部メディアは話題作りと見ていた。観客動員数を伸ばして行けたのは、中畑清前監督によるところが大きい。その明るさと、若い選手たちがマッチし、DeNAは本当に魅力的なチームになった。中畑前監督が底上げした戦力を引き継ぎ、実務的な年長指揮官で優勝を狙う選択肢もあっただろう。進藤達哉ヘッドコーチを昇格させる人事も考えられたはずだ。あえて、いったんチームを離れたラミレス氏を招聘したのは、明るさの継承だけではなく、現有戦力を客観的に見てほしいと思ったのではないだろうか。“客観性”と言えば、ドラフト会議中のラミレス監督の様子が思い出される。 12球団の1位入札選手が全てコールされた後、DeNAの今永昇太(22=駒大)の単独指名が決まった。大学ナンバー1左腕だが、「故障明け」ということで指名を見送った球団が出たようだ。即戦力か否かで見れば疑問符は残るが、チームは左の先発候補を探していた。2014年は先発で勝ち星を上げた左投手はゼロ。今季は新人の石田健大がいたが、学生時代に痛めた左肩の影響で、プロ初勝利は8月になってしまった。そういった状況を考えると、本調子になるまで多少の時間が掛かったとしても、実力に太鼓判が押されている今永の指名は間違っていない。また、その今永の交渉権の獲得が決まったときと、2位で全球団が1位候補リストに入れていた熊原健人(22=仙台大)を指名した際、ラミレス監督は淡々としていた。他球団は「下位チームから指名していくウェバー制の特徴」で好投手を2人も指名できたのを羨んでいたのに、だ。ドラフト候補のアマチュア投手のことはよく分からなかったのだろう。 そう考えると、ラミレス監督は新人投手も“客観的”に評価することになる。いや、先入観がないほうがいい。監督とは、1位指名の投手に過度な期待をしがちである。ヘタな重圧を与えないほうが新人投手のためだ。 ラミレス監督は秋季キャンプ終了後、目立った選手として、投手では山口俊を、そして、野手では捕手の高城俊人を挙げていた。中畑前監督の挙げていた補強ポイントには『正捕手』もあった。また、チームは社会人ナンバー1捕手の呼び声も高かった戸柱恭孝捕手(25=NTT西日本)の指名にも成功している。来季は高城、今季63試合に出場した黒羽根利規、戸柱が正捕手を争う贅沢な布陣になる。そして、ラミレス監督が高城の名前を挙げたということは、来季のDeNAは「優勝圏内で戦える」と見て良いのではないだろうか。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2015年11月27日 14時00分
プロ野球トライアウト密着取材 戦力外通告から這い上がる選手たち(2)
「平常心」を口にした投手もいた。江村将也(28=前ヤクルト)は“トライアウトの宿命”で急造バッテリーとなるが、サインに首を振らなかったという。 「首を振れば、その分、ピッチングのリズムも悪くなりますから。シーズン中も基本的には首は振りません。こちらの意図が伝われば」 打者3人と対戦し、三振も奪ってみせた。江村は「狙った」と言い、チームの優勝後に戦力外通告を受けた悔しさをぶつけたようだ。 江村は'14年オフに左肘にメスを入れている。「ネズミを取る」といった軽度のもので、自身も「これから」と思っていただけに、再起に懸ける思いも強かった。 プロ野球の球団も会社組織である。上司(監督、コーチ)が代われば、戦略も変わる。戦略が変われば、そこに起用される選手も前政権と全く同じというわけにはいかなくなる。また、東京ヤクルトはセ・リーグの覇者となり、当然、来季は連覇を目指した補強をしなければならない。“故障者”を待ってはくれないのだ。 組織から弾き出された選手は江村だけではないだろう。解雇を通告された選手には家族もいれば、住宅ローンなどの返済も残っていただろう。「サラリーマンよりも高い年俸をもらい、華やかな世界にもいたのだから…」と、やっかむファンもいるかもしれないが、果たして、そうだろうか。 彼らは人生の大半を野球に費やし、そのために大きな怪我を負ったこともある。完治しないまま実戦に駆り出され、その影響で怪我を慢性化させてしまった選手もいる。慢性化した怪我を理由に解雇を通告されたとすれば、「一体何のために、自分はチームに尽くしてきたんだ!?」と、恨み言の一つも言いたくなるだろう。 正当な評価をされず、悶々とした思いでベンチを温めた日もあったはずだ。 西村憲(28=元阪神)は'12年オフに右肘関節変形手術を受け、'14年オフに戦力外となった。しかし、その後BCリーグ・石川ミリオンスターズと契約し、復調のきっかけを掴んだ。今季、石川で26試合に登板し、防御率0.00と突出した成績を残してみせた。 「手術は初めてで、回復に時間が掛かってしまいました。不安も痛みもないし、もっとスピードが出ると思います。力加減やバランス感覚も、もっと良くなると実感しています」 西村は自身が登板しない日もブルペンに入り、投げ込みを続けてきた。試合では「ゼロに抑える」と常に自身に課して挑んできた。 独立リーグが再起に繋がるステージとなったのだ。
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スポーツ 2015年11月26日 17時00分
俺たちの熱狂バトルTheヒストリー〈格闘王vs人類最強の男〉
日本のリングに上がった世界的な有名格闘家というと、まず名前が挙がるのはマイク・タイソンやモハメド・アリ、あるいはロベルト・デュランなど、ボクシング史に名を残す世界王者たちになるだろう。 だが、それらと比べて勝るとも劣らないのが、リングスに参戦したアレキサンダー・カレリンだ。このときカレリンは、レスリングのグレコローマンスタイル130キロ超級で五輪3連覇、世界選手権8連覇。翌年にも世界選手権を制し、通算で国際大会12連覇、'13年間無敗の記録を打ち立てている。 '12年に吉田沙保里が国際大会13連覇を果たした際には、“カレリン越え”などと言われたが、やはり女子軽量級と男子最重量級では“強さ”の意味が違う。 「日本では“人類最強”と呼ばれるカレリンですが、海外では“The Experiment(エクスペリメント)”のニックネームがある。直訳すると“実験”ですが、そのニュアンスは“人類がどこまで強くなれるかを体現している”という感じでしょうか」(スポーツ紙記者) その超人的逸話は枚挙にいとまがない。レスリングで試合中に注意を受けた選手が、マットに四つん這いになって相手に背中を取らせるパーテールポジション。伏せた側は懸命にこらえるため、攻める側も簡単には崩せないのが普通だが、カレリンはそこから相手をぶっこ抜いて投げ飛ばす。 これぞ“カレリンズ・リフト”と称される必殺技。一般には俵返しと呼ばれるが、カレリンに限ってその名を冠せられたのは当然だろう。 体重130キロといえば大相撲の日馬富士がこれに近いが、伏せて耐える横綱を後ろから抱え上げ、反り投げする姿を想像すれば、いかに人間離れした力技か分かるだろう。 神話の時代でもあるまいし、記録の残る近現代でそれを現実にやってみせたのは、あとにも先にもカレリンをおいて他にいない。 そんな“生きる伝説”が、唯一、他流試合のマットに上がったのが、前田日明の引退戦であった。 前年にはすでにリングス・ラストマッチと銘打って、引退セレモニーを行っていた前田であったが(対戦相手は弟子の山本宣久で、前田の判定勝利)、最後にもう一戦、大物との戦いを求めて交渉を続けていた。 当初、標的としたヒクソン・グレイシーは、前田ではなくPRIDEでの高田延彦との再戦を選んだ。それと並行してカレリンと交渉していたが、名実ともにヒクソン以上の大物だけに、こちらも難航が伝えられていた。 「相手はレスリング界の神様的存在。まさか出てくるなんて、関係者の誰もが信じていませんでした」(同) 試合形式は5分2R、ダウンとロープエスケープでポイントを失う、いわゆるUWFルールだった。だが、そんな慣れない場にも神はまったく動じず、これからスパーリングでもするかのようなスウエット姿で、笑みを浮かべながら入場した。 試合開始と同時に、前田からキックで攻められるが、これにも表情を変えることなく、レスリングの構えのままにじり寄っていく。 のちに前田本人が「ベストのタイミングだった」と語ったタックルも、まったく通じず、そのままがぶって前田の肉体(体重117キロ、身長191センチ)を、まるで木偶人形のように振り回した。 1Rの中盤になんとか脚関節を取った前田だが、カレリンはあっさりとロープエスケープで難を逃れる。これで先制のポイントは奪ったものの、前田の攻勢はこのときだけだった。 以後はずっとカレリンの独り舞台で、前田をもてあそぶかのようにマットの上に転がすと、こらえる間も与えずにカレリンズ・リフトで投げ飛ばす。関節を極めるわけでもなく、ただヒジをつかんで仰向けの顔面に押しつけると、前田は身じろぎもできず、レフェリーから何度もギブアップをうながされた。 結果、袈裟固めで2度のエスケープを奪われた前田の判定負け。力量の差は歴然であったが、それは前田も最初から分かった上でのことだった。 “世界最強の男はリングスが決める”との言葉通り、前田らしい引退戦であったと言えるだろう。
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スポーツ 2015年11月26日 14時00分
プロ野球トライアウト密着取材 戦力外通告から這い上がる選手たち(1)
再起を懸けた舞台は“一発勝負”だ。 11月11日、『日本プロ野球12球団合同トライアウトin静岡』が草薙球場で行われた。戦力外通告を受けた選手たちが一縷の望みに懸け、12球団編成スタッフたちの前で真剣勝負に挑む。 今年からその内容は少し変更された。実戦形式のシート打撃はノーカウントから始まる。今までは「1ボール1ストライク」からだった。また、事前に登板の順番が公表されるようになった。考えてみれば、当たり前の配慮である。 午前9時に受験受付が始まるが、登板が後の投手は午後3時頃となる。待ち時間が長過ぎても事前に分かっていれば、調整の仕様はいくらでもある。改定は遅過ぎたくらいだ。 シート打撃3組目、加藤康介(37=前阪神)の名前がアナウンスされたとき、ひと際大きな拍手が沸き上がった。加藤は地元静岡県の出身だ。 「これまでは向かい風だったのが、追い風になったのかもしれませんね」 加藤は迷ったという。トライアウトを受験せずにオファーを待つ他球団のベテランもいた。オリックスを自由契約になった坂口智隆外野手(31)は受験せず、東京ヤクルトからのオファーを得ている。しかし、加藤が迷った理由は、ベテランのメンツではない。 「年齢は関係ない。ベストを出せるように今日まで練習してきたつもり。もう一度、マウンドに立つ、そう決めてから『まだやれる』と思う部分と、自分の中で『もういいんじゃない?』みたいな思いがよぎったりした。その葛藤でした。ここまでやって来られたのは自分の力だけではない。たくさんの人に支えてもらいました。そのたくさんの人に支えてもらった以上、自分が勝手に(現役を)辞めるということを決めたくなかった…。辞めるときは野球を続ける場所がなくなったときにすべきだと」 3度目の受験となったベテランもいた。34歳、正田樹だ。日本ハム、阪神、台湾、独立リーグ、ヤクルトなどを渡り歩いた左腕は「何回受けても、凄い緊張感ですよね」と笑った。スピードガンは139キロをマークするなど、ピッチングは全く衰えていない。 「やっぱり野球が好きだから、これまで続けて来られたし、これからも続けていきたい。スライダー、あと、フォークも投げました。球種は増えているんですよね。色々な経験をして、その経験が出せたと思います」
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