スポーツ
-
スポーツ 2015年10月10日 15時35分
今季より好条件! マーリンズに残留したイチローの年俸出来高の全容
MLBレギュラーシーズンが終わったばかりだというのに、早々にイチロー外野手(41)のマーリンズ残留が決定した。契約は1年だが、17年の選択権は球団が持ち、権利を行使しなかった場合には、50万ドル(約6000万円)がイチローに支払われる。 基本年俸は今季と同じ200万ドル(約2億4000万円)。今季、自己最低打率となる.229、1本塁打21打点11盗塁と、MLB移籍後、ワーストのシーズンとなっただけに、年俸が現状維持となっただけでも御の字だ。 気になるのは出来高の中身であるが、成績が悪かったにもかかわらず、今季より好条件だというのだ。今季の出来高は、300打席到達で40万ドル(約4800万円)が支払われ、さらに50打席到達ごとに40万ドルずつが追加。設定されていたのは600打席までで、最大280万ドル(約3億3700万円)が得られる内容だった。 今季、予想を覆して、ヤンキースに在籍した昨季を超える438打席に立ったイチローは、120万ドル(約1億4400万円)の出来高をゲット。ボーナスを含めたトータルの年俸は320万ドル(約3億8500万円)となった。 来季も打席数で出来高が付くが、250打席、300打席に到達した場合、それぞれ30万ドル(約3600万円)が支払われる。その後は、50打席ごとに40万ドルが得られる。設定は600打席までで、最大で300万ドル(約3億6100万円)となる。来季、今季と同等の打席数だった場合、支払われる出来高は140万ドル(約1億6800万円)で、今季のそれを上回る。 “4番手外野手”というイチローの立場を考えると、出来高が付くハードルが300打席から250打席に低くなった点は大きく、今季より好条件だ。 成績は自己ワーストとなったが、球団はイチローの守備、走塁、若手選手への好影響や、故障が少ない点を評価しており、事実上、年俸アップに等しい。ましてや、来季も今季同様のプレーができれば、17年もプレーできる可能性が出てくるわけで、イチローがマーリンズの提示に飛びついたのは当然のこと。 イチローはMLB通算3000安打まで、あと65本と迫っているが、球団は全面バックアップする姿勢。レギュラー外野手に故障者が出なかった際は、休養を与えるなどして、イチローに出場機会を与えるものとみられる。 大記録達成を目前にしているイチローにとって、球団の支援はありがたいかぎり。“控え”との立場ではあるが、心置きなく来季もプレーできそうだ。※為替は現在の相場(落合一郎)
-
スポーツ 2015年10月08日 16時00分
俺たちの熱狂バトルTheヒストリー〈桜庭vsホイス90分の死闘〉
トーナメント戦で1試合だけルールが異なれば、もはや意味をなさない。普通ならそれだけで暴動ものなのだが、この日ばかりは違っていた。東京ドームに詰め掛けた大観衆にとって、誰が優勝するかは二の次。むしろ、そのルールの異なる試合を目当てに集まっていた。 桜庭和志vsホイス・グレイシー。2000年5月1日、全8選手が参加した第1回PRIDEグランプリ決勝トーナメント。同年1月に行われた1回戦に続く2回戦は、他の試合が15分1R制(ドロー判定は延長15分)であるのに対し、この試合のみ判定なし、レフェリーストップなしの無制限ラウンド制。前年にホイラー・グレイシーがレフェリーストップで桜庭に敗れているため、それを不服としたホイス側が要求したルールであった。 日本の格闘技界にグレイシー旋風が吹き荒れる中、桜庭はファンの“希望”そのものだった。師匠の高田延彦がヒクソン・グレイシーに2連敗、ホイスにも同グランプリ1回戦で判定負けする中、桜庭は同じ一族のホイラーをきっちりチキンウイングアームロックに極めて快勝していた。 「体重では10キロ以上も桜庭が上回り、今になって思えば勝って当然だったのかもしれないが、その当然の1勝が日本人の誰にもできなかった」(格闘技ライター) 桜庭は'97年、ケージマッチのUFCジャパンヘビー級トーナメントでも優勝している。 「桜庭が片足タックルに入ったのを、レフェリーが“ヒザを受けてのダウン”と判断。一度は理不尽な判定負けとされたものの、ケージ内に居座って抗議した結果、再戦となり腕十字で勝利。このときの相手だったマーカス・コナンは柔術黒帯で、桜庭は重量級の黒帯相手に勝った初の日本人選手となりました」(同) 桜庭の優勝コメント「プロレスラーは本当は強いんです」は、名言としてファンの心に刻まれた。もちろん、ホイスも第1回UFCで優勝して以降、世界の格闘技シーンをけん引してきた強者ではあるが、それでも多くのファンは桜庭の勝利を信じて疑わなかった。 緊張と興奮に包まれた東京ドーム。おなじみのグレイシートレインで入場したホイスに続き、桜庭の入場テーマが流れると、花道にはストロングマシン風のマスクをかぶった男が3人並んだ。館内のどよめきを気にするわけでもなく、ひょうひょうとリングイン。リングアナのコールとともにマスクを脱いだ桜庭の髪は、イメージカラーのオレンジに染められていた。 ファンサービスのエンタメ精神と同時に、相手の動揺を誘う場外戦の意味もあったのか。しかし、百戦錬磨のホイスもさすがで、眉ひとつ動かすことなく試合開始のゴングを迎えた。 得意の寝技に持ち込もうと引き込みにかかるホイスに対し、桜庭はスタンドのまま背中を向けて腕を取りにかかる。ホイスの腕をつかんだまま、ロープから場外に半身を乗り出し、ニヤリと笑う桜庭の表情が館内モニターに映されると、観客席から大歓声が上がった。 ホイスがグラウンドに誘う隙を突いて、桜庭が膝十字を極めたところで15分が経過。1R終了のゴングが鳴らされた。 「あとになって、このときホイスの脚が壊れたとの情報もありましたが、ともかく以後は、桜庭ペースの試合となりました」(同) ホイスの柔術着を脱がせにかかったかと思えば、モンゴリアンチョップを打ち込む。それもご丁寧に、天山広吉ばりに手刀を切ってからのものだった。さらに、ホイスの帯をつかんで引き上げると、AVでいうところのマングリ返しの体勢に持ち込む“恥ずかし固め”まで、やりたい放題の展開。桜庭の人柄から、どこかユーモラスな印象もあったが、いずれも柔術のセオリーを覆すべく考え抜かれた戦法であった。 結果、試合が6R(90分)に及んだところで、ホイス陣営は脚のダメージから、試合続行は不可能とみてタオルを投入。この瞬間、桜庭は完全なるグレイシー越えを果たし、日本格闘技史上にその名がしっかりと刻み込まれた。
-
スポーツ 2015年10月07日 16時00分
USA発 新聞、テレビではわからないMLB「侍メジャーリーガーの逆襲」 ダル12億円、田中は6億円が“死にガネ”に… 故障率89%! 死屍累々の日本人大リーガーたち
今シーズン、日本人大リーガーは春先から故障者が続出。まずダルビッシュがヒジの腱の断裂でトミージョン手術を受けることになり、開幕前に全休が確定した。 さらに上原浩治と和田毅がハムストリング(大腿二頭筋)、藤川球児が腿の付け根を痛めて開幕時故障者リストに入り出遅れた。 開幕後も故障ラッシュは続き、4月下旬に田中将大が右手首、岩隈久志が肩の広背筋を痛めてDL入り。それにより日本人の先発投手が1人もいない状態がひと月ほど続いた。 その後5月下旬に和田毅が復帰してそれは解消されたが、その和田も6月下旬に左肩の三角巾を痛めて再度故障者リスト入り。同時期に青木宣親も死球を右足に受けて骨折し戦列を離れた。青木は7月下旬に復帰したが8月上旬に今度は死球を頭に受けて昏倒。さらに数日後に守備でフェンスに激突して頭を強打し脳震盪の後遺症に苦しむようになる。 8月にはもう一つ、上原浩治がピッチャー返しの痛烈なゴロを手首に当てて骨折。シーズン終了まで戦列を離れることになった。 9月になると、レッドソックスの田澤純一が登板過多から打ち込まれることが多くなったため、チームはシャットダウンすると発表。それにより、今シーズンはメジャー契約した9選手のうち、フルシーズン無傷でプレーしたのは41歳のイチローだけになった。 これだけ故障者が多いと当然、稼働率が低くなるので、年俸の多くが“死にガネ”になる。今季、メジャー契約をした9人の日本人選手の年俸総額は6075万ドル(72.9億円)だが、死にガネになったのは、その44.4%の2700万ドル(約32.4億円)に達した。 そこまで多くなったのはトミージョン手術でダルビッシュの年俸1000万ドル(12億円)がすべて死に金になったほか、高額年俸選手が次々に故障して、田中将大の年俸(2200万ドル=26.4億円)の25%、上原浩治の年俸(900万ドル=10.8億円)の36%、和田毅の年俸(400万ドル=4.8億円)の75%、岩隈久志の年俸(650万ドル=7.8億円)の40%が死にガネになったからである。選手に支払われたカネの44.4%が死にガネになったことは、大リーグの各球団に日本人選手に対する評価を見直すきっかけを与える可能性がある。球団経営で許容される「死にガネ率」は2割くらいまでで、それ以上になるとGMの資質を問われかねないからだ。 懸念されるのは「日本人投手=ガラスの腕」というイメージが拡散することだ。そうなればこれまでのように日本のトップ投手にメガ・コントラクト(契約規模1億ドル=120億円以上、契約期間6年以上の超大型契約)をオファーする球団が現れなくなる可能性がある。実際、日本人投手に距離を置き始めた球団もある。 「松坂大輔がちゃんと働いたのは6年契約のうち最初の2年だけ。ダルビッシュは2年半フル稼働したが、そのあとの1年半はゼロ稼働だ。田中将大に至ってはフル稼働したのは最初の半年だけだ。しかも松坂とダルビッシュはトミージョン手術を受け、田中も遠からず仲間入りするだろう。次に日本からどんな大物が来ようと、結果は彼らと同じになるだろう。3年5000万ドルくらいの契約ならリスクはないけど、6年1億ドル規模の契約はあまりにもギャンブルだ」(大リーグ球団の幹部スカウト) 日本人投手は投資効率が悪いという認識が広がった場合、被害を受けるのはメジャー挑戦を予定している大物投手たちだ。 その代表格は広島カープの前田健太と日ハムの大谷翔平だが、被害の度合いはマエケンのほうがはるかに大きいと思われる。米国では体の小さい投手は故障しやすく、投手生命も短いと思われがちだからだ。 「大谷翔平は体が大きいし、今のところ故障歴もない。このままいけば2、3年後にメガ・コントラクトでメジャーに来ると思うよ。しかし前田は違う。スライダーは米国でも十分通用すると思うが、骨格が細いうえ、ヒジの故障歴もある。速球の威力も十分とは言えない。もし6年契約を交わしたら、きっと半分以上が死に金になるよ」(同) メガ・コントラクトが難しくなっている要因はほかにもある。 「今オフのFA市場は先発投手のいい出物が例年以上に多く、買い手市場になることが予想されているんです。昨年のオフとは正反対なんです」(スポーツ専門局の記者) 昨年のオフはFAになるエース級、準エース級の先発投手が2、3人しかいなかったため、マエケンは獲得可能な先発投手の2、3番手にランクされていた。ところが今オフはエース級、準エース級が何人もFA市場に出るので、マエケンは5、6番手に下がる可能性が高い。 そうなると契約規模は3年5000万ドルから4年7000万ドルくらいが上限になるが、筆者はそれでいいと思う。 松坂大輔やダルビッシュは1億ドルを超すメガ・コントラクトをゲットすることに成功したが、それが大きなプレッシャーになって1年目は不本意な成績に終わった。マエケンはその轍を踏むべきではない。分相応の契約は身を助けることになるだろう。スポーツジャーナリスト・友成那智ともなり・なち 今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。'04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」(廣済堂出版)は日本人大リーガーにも愛読者が多い。
-
-
スポーツ 2015年10月06日 16時07分
イチロー 自己最低打率更新も、マーリンズ残留が濃厚に!
イチロー外野手が所属するマーリンズが、今季のレギュラーシーズンを終えた。 10月4日(日本時間5日)の最終戦では、ダン・ジェニングズ監督の粋な計らいで、救援投手として、メジャー初マウンドに立ち、1回を2安打1失点だった。 今季は153試合に出場し、438打席に立ち、398打数91安打1本塁打21打点11盗塁、打率.229。メジャー移籍後、14年続けていた100安打はストップ。13年(ヤンキース時代)の打率.262を大きく下回り、自己最低打率を更新してしまった。 打率のみならず、試合数、打席数を除けば、安打、本塁打(ワーストタイ)、打点、盗塁も自己最低。イチローとして、なんとも納得いかない成績に終わってしまった。 守備力、走力は健在だが、打撃面では明らかに衰えが隠せないが、マーリンズはあくまでも“4番手”の控え外野手としての働きを評価。 今オフにFAとなるが、マイケル・ヒル編成本部長は「残ってくれればうれしい」と早くも残留を希望した。 イチローは周囲に「今のところ、残留の可能性が最も高い」と漏らしているといい、相思相愛。 10月22日で42歳となり、2割2分台の打率しか残せなかったイチローに対し、“メジャー契約”でオファーする球団が、マーリンズ以外にあるかどうかは、はなはだ疑問。 メジャー3000安打まで、あと65本。500盗塁まで、あと2と迫っており、イチローにとって、来季は大記録が懸かる重要なシーズンとなる。可能な限り、出場機会が得られるチームでのプレーを望むのは当然のことで、年俸さえ折り合えば、マーリンズに残留する可能性が濃厚になったといえよう。(落合一郎)
-
スポーツ 2015年10月06日 16時00分
プロ野球「弔い合戦」 松原・選手会事務局長の死去で楽天・嶋が中日FA移籍へ
パ・リーグ屈指の好捕手の動きが球界の勢力分布図を変える。 中日・谷繁元信兼任監督(44)が現役引退を表明した。連続試合出場記録を塗り替え、来季からは監督業に専念。誰もが思い描いていた規定路線だ。しかし、谷繁兼任監督の引退表明と前後して、中日グループのドン・白井文吾オーナーから意味シンな発言が飛び出した。 「契約書を調べないといかん。オレが知ってることと違う」(9月14日) 監督・谷繁は来季、4年契約の3年目を迎えると思われていた。その後、同オーナーは「勘違い」とし、自身の発言を撤回。しかし、落合博満GMを中核とした現体制の仕掛け人はオーナー自身である。勘違いするはずもないのだが…。 「戦力補強に関する責任者は落合GMです。最下位に関する責任を問う声が出ないのは、後ろ盾である白井オーナーが来年もドラゴンズのオーナーを続けることが確認され、落合批判がタブーとなったからです。しかし、地元TV局は対巨人戦の視聴率が1ケタ台に落ちており、これに対し何もしないのでは示しが付かない。そこで、落合GMがいったん監督に復帰し、チームを建て直すとも噂されています」(球界関係者) 白井オーナーの不可解な発言はそのためか…。いずれにせよ、今オフのチーム補強も落合GMが仕切ることになる。そこで落合GMはサプライズを温めていたのだ。 「FA権を持つ好捕手が3人います。楽天・嶋基宏、埼玉西武・炭谷銀仁朗、日本ハム・大野奨太です。炭谷の中日移籍は去年も囁かれたが、実現しませんでした。谷繁の後釜となりうる正捕手が育たないのなら、外部から補強するしかない」(ベテラン記者) そこで、急浮上してきたのが、嶋基宏だ。嶋は現職の選手会会長でもある。その選手会を長年支えてきた事務局長の松原徹氏が病死したのは、9月20日。 「松原氏は元ロッテ球団のスタッフでした。落合GMとは現役時代から交流があり、プロ野球選手会とかかわるようになったのも、落合GMによるものなんです。落合GMの人情家な一面、心許した人に対しては面倒見も良いということは、松原氏から嶋も聞かされています」(前出・球界関係者) 昨季FA権を得た嶋は、「このチームでもう一度優勝したい」と言って残留。だが、三木谷浩史オーナーの現場介入にもっとも怒っているとされ、去就が注目されている。 「嶋は東日本大震災の被災者に向けたスピーチをしています。落合GMは表には出ないが、球界の救災チャリティーについて『一過性で終わらせるな!』と後方支援してきました。選手会要人は落合GMを信頼しています」(前出・同) 巨人も阿部に代わる正捕手の補強を考えているが、嶋の世代はメジャーリーグ中継を見て育ったため、「巨人ラブ」のみではない。したがって、嶋争奪は中日の圧勝となりそう。落合GM初のFA交渉も見物だ。
-
-
スポーツ 2015年10月05日 16時00分
楽天・梨田新監督に懸念される楽天フロント人間関係の拗れ
9月29日に楽天グループの取締役会が開かれ、東北楽天ゴールデンイーグルスの来季体制についても承認された。次期監督として招聘するのは、近鉄、日本ハムで指揮を執った梨田昌孝氏(62)である。 立浪和義氏、与田剛氏などの名前も報じられたが、経験豊富な年長者に白羽の矢が立てられたのは「優勝戦線に復帰したい」との思いが強かったからだろう。 「前監督の星野仙一氏が球団副会長に就任したことで(7日)で、星野氏と親しい間柄にある球界OBから来季の監督が選ばれるのではないかとの見方が強まっていました。立浪、与田両氏といった中日OBの名前が出たのはそのためです」(ベテラン記者) 地元ファンが望む監督は、チームOBの山崎武司氏(46)だ。山崎氏は2011年に戦力外通告と同時にコーチ入閣を打診されたが、「まだ燃え尽きていない」とし、退団を表明。その後、古巣中日で2季奮闘して引退したが、東北のファンは「いつか帰って来てくれる」と強い期待を寄せてきた。 「山崎氏は新規参入した05年以降、チームのためにとフロント幹部にも意見するなどし、強い存在感を示してきました。当時から現場、フロントともに信頼の厚い選手だったため、大久保監督が就任する昨年オフも、山崎待望論が出ていました」(チーム関係者) その山崎氏の招聘が今回も見送られた背景に、星野副会長との確執が噂されている。山崎氏は中日時代、星野体制で本塁打王のタイトルを獲得したが、円満な関係ではなかったという。 「99年に中日が優勝したとき、終盤戦で山崎はスタメンを外されました。汚名返上の一発を放ったとき、『オレを使っていれば』と星野監督に吠え、その後も歴代コーチ、監督と衝突を繰り返しています。その点については、山崎氏も若気の至りだったと反省しています」(前出記者) 山崎氏に戦力外の通告をしたのも当時の楽天の監督を務めていた星野副会長だった。星野副会長が意図的に山崎氏を監督候補から外したかどうかは分からない。しかし、今回の梨田氏招聘は星野副会長が仕掛けた人事ではなさそうだ。 「立花球団社長や一部フロントが調査し、梨田氏の名前があがってきた。今回の梨田監督就任は星野副会長に人事権がなかったということを証明したようなもの」(同) 楽天は三木谷オーナーの現場関与が発覚し、各方面から非難を受けた。星野氏が球団副会長に就任し、チームの再建を託されたはずなのだが、人事決定権はフロント幹部による合議制という、従来のスタイルから変わることはなかった。 「三木谷オーナーへの非難を交わすため、星野副会長を担ぎ出しただけでは」(前出・同) 今後、星野副会長は補強面で辣腕を振るうとされているが、中日、阪神時代のように札束で好選手を買うようなやり方は楽天では許されない。ならばいっそ、“仇敵”の山崎武司氏とスクラムを組み、ファンの支持という後ろ楯を得た方が自身の存在感も示すことができたのではないだろうか。 梨田新監督も人間関係の複雑さに苦労させられそうだ。
-
スポーツ 2015年10月04日 16時00分
俺たちの熱狂バトルTheヒストリー〈輪島功一の世界王座奪取〉
プロボクシングにおいて、避けては通れないのが減量。余分な脂肪を落とすことで、自身の動きにキレが増すというだけでなく、階級を下げれば対戦相手が弱くなる…むしろこちらを主目的として過酷な減量に取り組むケースがほとんどだろう。筋肉量や体重の少ない相手であれば、それに伴いパンチ力も減ぜられるのだから、勝利の確率が高まるというのは当然の理屈だ。だが、そんなボクシング界の常識に背を向けて、世界王座にまで上り詰めた日本人ボクサーがいた。 輪島功一。25歳にしてプロデビューという超出遅れのスタートながら、連戦連勝で日本スーパーウエルター級王座を獲得。いよいよ世界挑戦が見えてきたとき、所属ジムは2階級下の世界王者とノンタイトル戦を組んだ。階級を下げなければ、輪島の世界王座獲得は無理との判断だったが、試金石となるはずだった一戦で輪島は初回KO負けを喫してしまう。 「普通ならそこでおしまいですが、輪島は違った。『減量なんて男らしくない』と、元の階級での世界挑戦を目指したのです」(ボクシングライター) だが、スーパーウエルター級の旧称はジュニアミドル級。身長170センチの輪島に対して、180センチ台の強豪がゴロゴロいて、リーチもゆうに10センチは違う。日本では中量級の層が薄く王者になれたが、世界となると話は別だった。 「輪島の世界戦は“引退へ向けての思い出づくり”と、周囲の誰もが思っていました」(同) そうして迎えた1971年(昭和46年)10月31日、対するはWBA・WBC世界スーパーウエルター級統一王者のカルメロ・ボッシ(イタリア)。アマ時代には'60年のローマ五輪で、銀メダルを獲得したテクニシャンである。ボクシング経験は雲泥の差だった。 万に一つも勝機はないとの前評判の中、輪島本人も決して自信があったわけではなかった。だが、諦めてもいなかった。この日のために輪島が用意した秘策が、後々まで伝説として伝わることになる“カエル跳び”である。相手の視界から消えるほど深くしゃがみ込んで、そこから跳び上がって右フックを放つ。まさに捨て身の攻撃だった。 「決してクリーンヒットには見えなかったが、それでもボッシが動揺したのは、以後のリズムの乱れからも明らかでした」(同) カエル跳び戦法に対しては「こんなのはボクシングじゃない」と、評論家たちからの批判もあった。テレビの実況から生まれたそのネーミングはどこかユーモラスで、ファンからは“ネタ”として受け取られもしたが、輪島からすれば懸命の一手だった。 「相手の技術は超一流で、背丈で劣り、リーチも短い。まともに正面から行けば必敗で、どうしても目先を変える必要があった」(同) しかも、試合中盤になってしゃがみ込むことは、足腰への負担が大きく、もしそれでスタミナ切れとなれば、最大の敗因として非難を受けたはずだ。 この試合では、もう一つの輪島伝説“あっち向いてホイ”も披露している。一瞬、相手から目線を切るフェイントは他でも見られるが、世界戦の舞台で完全によそ見をしたのは、後にも先にも輪島だけだろう。自分がよそ見をするのに釣られ、相手が顔を横に向けた隙にパンチを打ち込む戦法である。 しかし、相手が奇策に動じず、逆にパンチを食らえば一撃KO負けは必至。それでも輪島は、世界王者を相手に実行してみせた。 「パンチ力やスタミナでは劣るかもしれないけれど、ボクシング頭脳では誰にも負けない」 のちに輪島はうそぶいてみせたが、決してそれだけではない。戦後、ソ連が侵攻してきた樺太から逃れ、職を転じながらしぶとく生き延びてきた輪島は、この試合に全人生を懸けていた。その結果として、世界王座奪取(15R判定)の奇跡が生まれたのだ。
-
スポーツ 2015年10月04日 10時00分
小塚桃子ゴルフ連載(47) 本格シーズンに備えて・4
前回は、クラブや道具を上手に活用するトレーニングをご紹介しました。今回は、もっと手軽に出来る練習方法と私の課題などについて綴っていきたいと思います。 手軽に出来る練習方法とは以前、少しご紹介しましたが、アイアンのヘッドを持って素振りする、というもの。敢えてグリップを先端にヘッドを手元にする素振りは、スイングスピードの強化に持ってこいなのです。 手打ちの場合はスイング中、風を切る「ビュン!」という音が出ない。腰を入れて上手に回転させながらスイングすると「ビュン!」というキレイな音が出ます。野球の素振りと同じですね。この音を確認すると現在の状況が分かる。調子の良し悪しが分かるのです。 9月から本格的にゴルフシーズンに入りました。月に2回はコースに出る事を心掛け、当面の目標は100切り。やはり、実践から遠ざかっているので、まずは目標を大きく持たず、必ず達成出来る身近なところに照準を絞ります。これは結構、良いと思います。プレーの度に達成感を得られますからね。 9〜10月は、ドライバーを200ヤードしっかり飛ばす。本来でしたら220〜230ヤードは飛ばせますが、ここで力むと手打ちになる。しっかり練習と実践を積んで徐々にベストに持っていく方法を選びます。 この時期は本調子でないため、スライスしやすい。ドローボールを打つ様、意識しています。高く打ち上げるよりもシーズンインは、ドローボールの方が距離は出ます。 尚、プロはワンラウンドの平均パター数は29〜32。私の平均は37〜38。これを35に抑えると80台前半が見えてきます。最終的には、これが私の目標です。
-
スポーツ 2015年10月03日 16時00分
そんな大会は知らないよ MLBは『プレミア12』に我関せず
侍ジャパンが9月10日に国際野球大会『プレミア12』(11月8日開幕)の出場候補選手を45人まで絞り込んだことを発表した。7月16日に発表された65人の候補選手から20選手が外された。侍ジャパンの事業会社であるNPBエンタープライズは、今後も選手を少しずつ絞り込んで行き、ファンの関心を煽ろうとしているのだろう。しかし、この大会は盛り上がりそうもない。オリンピック同様、大リーグ機構にはまるで他人事のようだ。 「プレミア12が開催される件は、全く報じられていません。アメリカの野球ファンは知らない人のほうが多いのでは」(米特派記者) プレミア12の主催は『世界野球ソフトボール連盟』(WBSC)だ。そもそも、プレミア12が創設された背景には、オリンピックの野球・ソフトボールの『実施競技除外』が影響している。 北京五輪を最後に野球競技がオリンピックから消滅することが決定し、野球の国際的統括団体だった『国際野球連盟』(IBAF)は、国際オリンピック委員会(IOC)からの補助金を受けられなくなった。そのため、IBAFは一気に財政難に陥り、国際大会の継続はおろか、組織の存亡危機にまで危ぶまれたのだ。そのとき、IBAFがSOSを出した先が、大リーグ機構だった。 大リーグ機構は財政支援をする見返りとして“ある条件”を突き付けてきた。それは、「自分たちが主催するWBCを、IBAFの世界選手権として公認すること」と、「IBAFが公認(主催)する野球ワールドカップ大会を廃止すること」だった。 「野球のワールドカップは認知度が低かったとはいえ、1938年から始まった歴史があります(2011年終了)。それでも、IBAFが大リーグ機構の条件を受け入れたということは、よほどの財政難に陥っていたのでしょう」(スポーツライター・飯山満氏) その後、IBAFが五輪競技復活を目指し、国際ソフトボール連盟(IFS)と統合してWBSCを結成。復活アピールと競技人口の拡大を目指し、新たな国際大会を創設しなければいけないというところで誕生したのが、今回のプレミア12だった。大リーグ機構にすれば、「WBCを公認しただろ、何それ!?」といった心境だろう。したがって、メジャーリーグのトップ選手を派遣する気など、最初から持っていなかったのである。 「WBCは主催の大リーグ機構しか儲からないシステムになっています。前回大会前、日本が改善を申し出たものの、他国はそれに追随する動きさえ見せませんでした。また、WBCにしても、メジャー30球団のオーナーが主力選手を出し渋り、米国内の盛り上がりもイマイチです」(飯山氏) ライバルとなる韓国、台湾もプレミア12にさほどの関心を示していないため、日本だけがトップレベルの選手を派遣し、アジアのライバル関係をクローズアップできなくなる可能性も高い。7月の第一次候補選手発表のときは、中田翔が中村剛也(西武)や柳田悠岐(ソフトバンク)らとの4番争いについて聞かれると、「くだらない質問するなよ」と、キレ気味に返答していた。メジャーリーグの非協力的な態度を聞かされていたからか、NPBの選手からも「出たい、世界にアピールしてやる」の意気込みは聞かれない。
-
-
スポーツ 2015年10月02日 16時00分
フジテレビが起死回生を狙う『K-1』復活の切り札
視聴率不振にあえぐフジテレビがついにパンドラの箱に手を出すという。 高視聴率が狙えるコンテンツとして、かつて大晦日に放送していたスーパー格闘技『K-1』中継を、再び始めるというのだ。K-1は、空手家の石井和義館長(62)が中心となって立ち上げた打撃系立ち技を中心とする格闘技。1993年に第1回大会が始まり、アンディ・フグ、アーネスト・ホースト、ミルコ・クロコップ、ボブ・サップらスター選手が輩出された。 「'96年にはフジ系のゴールデン&プライム帯で中継するようになり、翌年に行われた東京ドーム決勝戦は平均視聴率20%超えを記録しています。1試合のファイトマネーは数千万円単位で、放映権料も1試合1億円と言われていた」(フジ関係者) ところが“K-1”ブームも時代ともに廃れていく。視聴者が格闘スタイルに飽き始めたのだ。ついには、闇の勢力との接触疑惑が表面化する。 「開催時にいたK-1の主な関係者が、だんだん距離を置くようになったんです。さらに興行権を巡って、警察の指導が入ったこともあった。最終的に局関係者は離れていきました」(夕刊紙記者) そんな背景があったにもかかわらず、なぜフジは今、“K-1”の中継を決断したのか。 「一番は制作費が安いこと。現在の“K-1”は健全化し、闇の勢力との関係性もありません。世界中からいまだ名前の知られていない格闘家を招聘して闘わせれば、ファイトマネーも低く抑えられる」(放送作家) そんな中、フジがスターとして売り出しを目論んでいるのがK-1 WGP-55キロチャンピオンの武尊(チームドラゴン)だ。 「プロデュースもフジが担当する。最近も、BSで彼のドキュメンタリー番組を放送したばかりです」(テレビ関係者) K-1は大晦日に放送予定。果たしてどんな結果を出すか?