スポーツ
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スポーツ 2015年11月04日 16時00分
野球賭博の余波 プロ野球界は不祥事を根絶できるのか(前編)
日本野球機構(NPB)の調査委員会が、巨人・福田聡志(32)以外にも賭博行為を行っていたとし、チームメイトの笠原将生(24)と松本竜也(22)の名前を挙げたのは、10月21日だった。「これで(調査が)おしまいだと思うなよ。今回は一歩も二歩も遅れて(原稿を)書いたほうがいい」 プロ野球関係者は、そうクギをさしてきた。 福田の賭博関与が報じられ、NPBが調査委員会を立ち上げたころの話である。その後、福田に賭博を持ち掛けたとされるA氏との仲を取り持った笠原も、実際に賭けをやっていたという。また、松本の名前も新たに報じられた。松本が“疑惑の対象”となったことは、巨人首脳陣にも衝撃を与えた。松本は2011年ドラフト1位投手である。しかし、関係者の「これでおしまいではない」の言葉は、疑惑対象の選手数が増えることを指していたのではなかった。 「いや、NPBだけの話ではないんだ(NPB内で解決できる話ではないという意味で)。今は言えない」 10月27日、テキサスレンジャーズのダルビッシュ有(29)の実弟、ダルビッシュセファット・ファルボッド翔容疑者(26)が大阪府警に逮捕された。警察発表によれば、スマートフォンの無料通話アプリを使い、1口1万円で勝敗を予想させていたとし、掛け金は1週間で約1900万円。ダルビッシュセファット容疑者らは、そのうちの10%を胴元の取り分として得ていたそうだ。 「今年5月、ダルビッシュセファット容疑者たちは44試合の賭博をしていたとされ、うち16試合がメジャーリーグの試合です。実兄のダルビッシュ有は今年3月に右肘のトミー・ジョン手術を受けています。弟が兄貴の投げる試合を賭けていたなんてことになっていたら、大ごとですよ」(大阪社会部記者) 実弟逮捕のニュースはアメリカでも伝えられたが、ダルビッシュ有との関連性はどこも報じていない。 プロ野球関連の不祥事は東京五輪の追加競技としての復活を目指す野球・ソフトボールの競技そのものにも影響を与えかねない。また、現実性はともかく、政界はスポーツ事業振興の資金集めとして、サッカーのtoto、Bigのような内容での『野球くじ』の導入も検討していた。 NPBは「1か月以内に処分を決める」とも伝えていたが、もうひと波乱起こるかもしれない。ベテラン記者がこう続ける。 「NPBは徹底調査するとしており、警察当局とも連絡を取り合っていると見るべきです。その調査に巨人も全面協力するようですし、厳しい処分が下されるでしょう。NPB、巨人ともに『再発防止に全力を注ぐ』ともしていた」 プロ野球の社会的影響の大きさを考えれば、当然である。 今回の事件が未然に防ぐことができなかったのが悔やまれる。まして、プロ野球界には1969年発覚の『黒い霧事件』を経験している。永久追放を含む19人の選手を処分した八百長事件だ。しかし、こうも考えられなくはないか…。OBを含む大多数のプロ野球関係者はマジメに暮らしている。聖人君子とは言わないが、暴力団関係者との接触には十分注意するよう教育されており、新人選手を対象とした研修会も行ってきた。 前出の球界関係者が『NPB新人選手研修会』について、こう説明する。 「新人選手が必ず受けなければならない講習会です。学校授業の関係などこの研修会に出られなかった選手は、次年度以降必ず受けることになっています」 昨年ドラフト指名された新人を対象としたその研修会の中身を見てみると、『アンチドーピング活動について』、『税の意義と役割』、『薬物乱用防止について』、『暴力団の実態と手口』、『話し方、インタビューへの対応』、『先輩プロ野球選手からプロ野球の後輩へ』の6つの講義が行われていた。午前中には野球殿堂博物館の見学も行われていた。 「社会人として最低限のマナーを教えています。ドーピング、税金のこと、暴力団の手口についてはそれなりに時間を割いていますが」(前出・関係者) 一般企業に就職した学生も社会人研修を受けている。企業組織の一員としての仕事内容も教えられる。企業によってその研修期間はさまざまだが、「たった1日の研修」でNPBが「成すべきことはやった」としているのだとしたら、大間違いだろう。プロ野球選手は“個人事業主”であり、最終的な責任は個人となるが、球団の組織人でもある。NPBと球団が社会人、組織人としての常識を徹底させなければならない。 今年の新人研修でのこと。『先輩プロ野球選手からプロ野球の後輩へ』の講義を行ったのは、山本浩二氏だった。山本氏は現役時代にともに切磋琢磨し、ライバルでもあった衣笠祥雄氏の話を切り出した。しかし、反応が薄かった。山本氏は「皆は若いから知らないかもしれないが…」と言って話を続けたが、本当に知らなかったとしたら、これから自分が働く業界のことを全く勉強していないのも同然だ。また、巨人は球団独自の新人講習も行ったが、チーム創立者であり、プロ野球の父とも称された正力松太郎氏のことを「知らない」「漢字で書けない」といったありさまだった。講師役の大森剛氏が声を荒げたが、プロ野球選手は職業意識が薄く、自分がこれから務める企業、業界の勉強をしようとしない。 スポーツ教育とは心身を鍛えることであり、礼儀作法が重要視される。今回の不祥事は学生球界を含めた野球界全体の問題なのかもしれない。(一部敬称略、スポーツライター・飯山満)*写真イメージ
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スポーツ 2015年11月04日 16時00分
引退・亀田興毅 ジム経営の国内ライセンス資格回復は前途多難
米シカゴでWBA世界Sフライ級王者・河野公平に判定で敗れた元3階級王者で亀田三兄弟の長男・興毅(28)が、試合後に引退を表明した(10月17日)。 「大波乱の試合でした。王者ペースで試合が運ばれ、亀田がブチ切れてラフファイトの応酬となり、レフェリーがいったん試合を止めて立会人と(試合続行を)協議する場面がありました」(TV局スポーツ部員) 亀田兄弟といえば、相手選手への度を越した挑発や、ラフファイトでも有名だった。「亀田らしい最後」とも言えるが、気になるのは“引退後のステージ”だ。 「すでに都内で飲食店を経営しているので、しばらくは何もしないのでは。ただ、将来的にボクシングジムを経営したいとは聞いています」(同) しかし、ジム経営の夢は現時点では叶いそうもない。亀田兄弟は国内選手ライセンスを剥奪されているからだ。昨年2月、三兄弟の拠点だった『亀田ジム』は、度重なる不手際で日本ボクシングコミッション(JBC)が業を煮やし、ジムの会長が持つクラブオーナーとプロモーションのライセンスを剥奪された。これがジム経営にも障壁になるとみられており、その後、亀田側は新会長を申請するなどしてJBC側に処分取り消しを訴えたが、すべて退けられている。 「父・史朗氏との確執と言えます。好き嫌いはともかく、亀田家はボクシングの話題を提供し続けたわけですが、そのボクシング界から除外されてしまった。今後、国内でボクシングに関する活動をしていくのは厳しい」(専門誌記者) 米国に拠点を移した後、史朗氏は息子たちが再起した後、東京ドームで三兄弟のタイトルを打つ大構想も抱いていたという。だが、次男・大毅も無冠状態で、三男・和毅も9月に行われたWBA世界バンタム級タイトルマッチに敗れてしまった。 興毅の引退は亀田家の終焉とも言える。 史朗氏は「ボロボロになるまでやらんほうがええ」と強がっていたが、第2の人生は「勝手気まま」とは行きそうにない。
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スポーツ 2015年11月03日 16時00分
プロ野球ドラフト1位に高校生多数 一軍に残っていける選手は…?
今年のプロ野球ドラフト会議でもっとも盛り上がったのは、東京ヤクルトスワローズの真中満監督が抽選クジを見間違えことが判明したときだった。一方で、ドラフト前に注目されていた高校生選手で、中でも1位指名を受けた選手たちは、これからの育成の課題が多いようだ。 「平沢大河、オコエ瑠偉、高橋純平、小笠原慎之介の1位指名選手は注目度も高いため、一軍キャンプに帯同せざるを得ないでしょうね。そこで、一軍選手のレベルや体力に付いていけなければ、スランプに陥ってしまう」(プロ野球解説者) 今年のドラフト会議は異例と言っていい。通常、1位指名は即戦力投手を指名する。将来、チームの看板選手になって欲しい野手が出た場合は「即戦力投手の補強を諦めてでも」の覚悟が必要となり、将来性の高校生は3位以下に集中する傾向がある。こうした上位と下位の棲み分けを狂わせたのは、甲子園球児に例年以上のスターが登場したからだ。しかし、プロ野球とはビジネスの世界でもある。キャンプやオープン戦に“話題の選手”を帯同させなければ、本拠地球場の年間予約席の売上げにも影響してくる。 こうしたプロ野球界のビジネス理論から、平沢たちの一軍帯同は既成路線と見られているが、彼らはまだ高校生である。育成と将来性だけを考えれば、二軍でじっくり経験を積ませるべきなのだが、そうもいかないようだ。 「千葉ロッテは一軍と二軍のキャンプ地が同じなので、状況に応じて一軍と二軍を行き来させればいい。平沢の育成はそんなふうになると思います」(同) 高橋や小笠原に関しては「ビジネスを無視できる」との声も聞かれた。高橋を獲得した福岡ソフトバンクホークスは選手層が厚い。そのことはファンも認識しており、二軍スタートとなってもブーイングは起こらないだろう。また、中日は落合博満GMが監督時代から「キャンプは人に見せるものではない」の持論で、その腹心である森繁和ヘッドコーチも「一年目の投手に教えても理解できないだろうから」という考え方の持ち主だ。トレード、FA、外国人選手の補強次第では小笠原を一軍昇格を急がないだろう。 しかし、楽天は違う。星野仙一副会長が、野球日本代表チームの監督を務めていたときのことだ。星野代表監督は日本ハムキャンプを視察するなり、当時、新人だった中田翔を見るなり、「何故、使わないんだ。オレなら使うよ」と言い切っている。奇しくも、中田を出し惜しみしていた日本ハムの指揮官が、梨田昌孝楽天新監督というのも皮肉な巡り合わせである。現楽天体制を考えた上で、温厚な梨田監督の性格を考えると、オコエの起用法は星野案に押し切られてしまう可能性も高い。 「守備だけなら、オコエは一軍に付いていけるかもしれない。でも、甲子園とU-18で打撃フォームが違ったように、オコエは成長過程であり、まだ手探り状態なところもあります。昨年1位の安楽智大は二軍スタートでした」(ベテラン記者) 安楽は故障を抱えての入団だっただけに、状況が異なる。同様に、平沢にしてもプロのスピードに付いていけるかどうかの不安は残る。プロ野球のニュースを明るくするためにも高校生たちのキャンプ情報は必要だが、高橋、小笠原は二軍スタート。オコエと平沢は「オープン戦まで」となりそうだ。もっとも、中途半端な一軍帯同なら、営業無視で二軍スタートにしたほうがいいのだが…。
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スポーツ 2015年11月02日 16時00分
メジャーで戦力外の和田毅 古巣ホークス帰還か、それとも…
大リーグ、シカゴカブスの和田毅(34)が自由契約になった。和田は「いまはまだ冷静に考えられない」と語っていたが、すでに古巣の福岡ソフトバンクホークスは帰還させる方向で意見がまとまりつつあるという。 「阪神、ヤクルト、巨人が興味を示しているとの情報もありますが、ホークス帰還は既成事実のように捉えられています」(現地特派員の1人) 帰還の仕掛け人は、王貞治球団会長である。ホークス帰還が既成事実のように捉えられている理由でもあるのだが、王会長は和田がメジャーリーグに挑戦した2011年12月以降、毎オフごとに食事をするなどし、接点を持ち続けていたのだ。王会長は故障に泣いたオリオールズでの2年間も和田を励ますなどし、見守り続けてきた。こうした師弟関係を考えると、やはりホークス帰還は“テッパン”のようだが、すんなりとはまとまらないだろう。 「一発逆転があるとしたら、阪神ですよ。阪神は金本知憲新監督を迎え、ペナントレースの敗戦まで吹っ飛んでしまったような期待論でいっぱいです。その新体制を盛り上げるための第2ロケットとして、和田獲得にシャカリキになってくる可能性も高い」(在阪記者) たしかに、阪神は金本新監督を迎え、異例のドラフトを行った。ドラフト1、2位ともに野手指名である。1位は東京六大学リーグの安打製造機の異名をとった高山俊(22/外野手)、2位も大学ナンバーワン捕手と言われる坂本誠志郎(22)だ。明治大学から1、2位が出たのも意外だったが、阪神はそこから社会人、大学生、高校生の投手を指名し始めた。ほとんどの球団は3位以降の指名は将来性に切り換えていたため、異色のドラフト展開をしたということになる。 「ドラフトの1、2位で消える大学生、社会人投手と、下位に残っている大学生ではスケールが違います。阪神は主力投手陣の高齢化が進み、世代交代の時期に入っているのにビッグネームの即戦力投手を指名しなかったのは、この先の実現可能な補強プランを持っていたのではないか」(他球団職員) 10月22日のドラフト会議時点で、他球団も勘繰っていたという。和田毅を獲るのではないか、と…。 「王会長の性格を考えると、相手が自分の意に反する結論を出しても『頑張れ』と言って、背中を押します。だから、工藤公康監督のように、FA権を行使して他球団に行った選手にも監督就任を要請できるんです」(球界関係者) 和田の「いまは考えられない」という言葉には、メジャー残留のほかにも、「ホークス帰還か、それともタテジマか」の“迷い”も含まれていたのかもしれない。 「巨大戦力のホークスに帰っても、和田の活躍する余地は無いに等しい。工藤監督は若手投手もチャンスをやりたいと思っており、王会長と現場の意思が必ずしも合致しているとは限りません」(同) ソフトバンクが昨年獲得した松坂大輔(34)は全く戦力にならなかった。しかも、手術、リハビリで来季も投げられるかどうか分からない状況だ。和田も松坂と同い年。もしかしたら、王会長が「是非!」と進めた松坂獲得の失敗が、和田帰還の足枷になるかもしれない。
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スポーツ 2015年11月01日 10時00分
小塚桃子ゴルフ連載(49) 最終章・私がゴルフにハマった理由・2
前回に引き続き、今回も「私がゴルフにハマった理由」を綴りたいと思います。 ゴルフの魅力は「思い通りにいかない事」。これは前回、綴りました。あとは「四季を肌で感じられる事」ですね。 晩秋に差し掛かる今の時期は、特にそれを感じます。空気が乾燥していてゴルフには絶好の気候。それが一週毎に風が冷たく芝は冬枯れていく…年末に向けてゴルフをしながら一年を振り返る…大袈裟で無く、こうした気分に浸れるスポーツはそうそう無いと思います。 次にゴルフの「奥深さ」について−−。 かつて本気で取り組んだスポーツは、達成感というか、これ以上の伸び代を感じず、継続しても「なだらかな下り坂」を意識しなければいけない「辛さ」があると思うようになりました。大人になった今現在、そんな「辛い」思いをしてまで、同一競技に執着する必要は無いと考えた時、努力次第でグングン上達するのはゴルフ。ならば、ここを「極めよう」と思ったのですが、これがなかなかの「曲者(くせもの)」でして、なかなか極められない。 如何せんゴルフはクラブとボールの角度が1センチ違うだけで打球はとんでもない方向へ飛んでいく。「真っすぐ200ヤード」と思っても、わずかなズレから右や左へ私の意思とは異なる方向へ。無常にも私の意思は反映されません。 ここがゴルフの奥深さであり、楽しいところ。皆さん、そうですよね。 今後の目標は、「レギュラーティー」いわゆる白ティーと言って一般的なコースで70〜80台を出す事。女性専用の赤ティー(距離が若干、短い。黒ティーはプロ仕様です)でしたら、クリア出来ると思うので、やはりここは「白」で決めたいですね。 現在、ハーフのベストスコアは40。何というのか「40の壁」があって、なかなか30台を出せない。歯痒い現実です。分かりやすく40とはどの程度なのかと言いますとハーフの9ホールでパーが6、ボギーが3です。これで40。パーが6というと難しい気もしますが、逆に考えればボギーを3回叩ける。こちらは大きいです。 何度か「40」を出したのですが、「39」を意識し始めるとゴルフが崩れる。ある日の事、8ホール終了まで34、最後のホールをパーセーブすれば38、ボギーを叩いても39で終われるシチュエーションでした。ところが39を意識した結果、このホールをダブルボギー、終わってみれば40でした。 これは「夢」ですが、シンガポールに超難関なコースがあります。アップダウンが激しく、コースは凸凹。普段、70台で回る人でも100切りは至難の業。ここで70〜80台を出してみたい。そうすれば、国内のコースではコンスタントに70台が出る様になるから。 ゴルフを極めたい気持ちは強いですが、レッスンプロや指導者になる気は今のところありません。未来の旦那さんがゴルフ好きだったら? 趣味が一緒というのはいいですね。
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スポーツ 2015年10月31日 17時04分
北部九州との温度差ありすぎた日本シリーズ 関東地区ではさっぱり盛り上がらず…
常勝軍団・ソフトバンクと、14年ぶりにセ・リーグを制したヤクルトの戦力の差は歴然だった! 3軍を有し、膨大な補強費で有力選手をかき集め、貧乏球団の選手がうらやましくなるほどの高額年俸で、その流出を防ぐソフトバンクの強さは、もはや反則といってもいいほどだ。 両球団による日本シリーズは4勝1敗で、ソフトバンクが完勝し、2年連続日本一を成し遂げた。決戦の舞台が福岡ヤクオク!ドームに戻ることなく、神宮球場での第5戦であっさり決着した。 それにしても、ソフトバンクの地元・北部九州と、ヤクルトの地元・関東との温度差は大きかった。地上波での視聴率を見ると、第1戦(10月24日=TBS)が関東=9.3%、北部九州=29.9%。第2戦(25日=テレビ東京)が関東=7.3%、北部九州=24.4%。第3戦(27日=フジテレビ)が関東=9.4%、北部九州=24.4%。第4戦(28日=フジテレビ)が関東=12.5%、北部九州=31.7%。第5戦(29日=フジテレビ)が関東=12.3%、北部九州=35.5%。ソフトバンクの日本一が決まった第5戦に至っては、北部九州地区の視聴率は関東地区の約3倍だった。 昨年はソフトバンク対阪神のカードで、視聴率は北部九州地区の方が高かったが、阪神の地元・関西地区との差は、それほどなかった。関東地区では最高でも第1戦の11.8%で、低視聴率続きだった。 ヤクルトの系列局であるフジテレビは、ヤクルトが日本シリーズ進出を決めたCS(クライマックス・シリーズ)ファイナルステージ(対巨人)第4戦(17日)を地上波中継したが、その際の視聴率は12.4%(関東地区)。日本シリーズでは2連敗スタートするなど、終始ヤクルトが劣勢となったため、関東では最後まで盛り上がることなく、CSの視聴率とほとんど変わらず。 公式戦では1ケタ台が当たり前となった巨人戦の視聴率だが、こと日本シリーズとなると話は変わってくる。巨人が出場した12、13年は関東地区でも好視聴率を獲っていただけに、日本シリーズを中継するテレビ局側としては、やはり“巨人頼み”となりそうだ。(落合一郎)
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スポーツ 2015年10月31日 16時00分
俺たちの熱狂バトルTheヒストリー〈世界戦連敗を止めた偉業〉
日本人の現役ボクシング世界王者は現在9人(今年10月時点。女子の7人を含めれば計16人)。よほどのマニアでなければ、その全員の名を挙げることはできないだろう。そんな近年の“王者ラッシュ”の一翼を担うのが、元WBC、WBA世界ミニマム級王者の大橋秀行(大橋ボクシングジム会長)だ。 大橋は現役引退後、自身のジムで川嶋勝重、八重樫東、現WBOスーパーフライ級の井上尚弥、10月22日に防衛戦を控えるWBA女子ミニマム級の宮尾綾香と、4人の世界王者を育てた名伯楽。同時に近年では、日本プロボクシング協会会長と同コミッション理事を務め、プロアマ協力体制での業界発展を主導してきた。 大橋がジム会長として、選手の育成だけでなく、世界王座獲りに至るまでのノウハウを確立できたのは、自身の経験に寄るところも大きいようだ。高校2年時のインターハイでモスキート級制覇。強打と絶妙のカウンター技術から、プロデビュー時には具志堅用高の“100年に1人”を越える“150年に1人の天才”のキャッチフレーズが冠せられた。 そんな周囲の期待に違わず、順調にプロとしてのキャリアを積んでいった大橋は、1986年、7戦目にしてWBC世界ライトフライ級王座に挑戦した。相手は最強とうたわれた“韓国の英雄”チャン・ジョング。だが、このときの試合場は敵地の韓国で、4万人の観客が王者に熱狂的な声援を送るアウェイの洗礼を受け、大橋はなすすべもなく5回TKOで敗れた。 '88年に今度は後楽園ホールで、同じチャンに挑むも計7度のダウンを奪われて8回TKO負け。それでも途中、ドンピシャのタイミングでカウンターの右を放ち、王者を大きくぐらつかせる場面もあって、次戦への期待を抱かせる内容ではあった。 そこで大橋は1階級下げる決断をする。 中学の頃から世界王者を目指し、軽量級で闘うために1日1食の生活を続け、健康に不安を抱く学校側から指導が入っても、「自分の夢のためにやっていることだ、邪魔するな」と、これを貫いてきた。 「そうやってギリギリでやってきた大橋が、さらにライトフライ級からミニマム級に下げるとなると、わずか1〜2キロのこととはいえ、もはや一般人には想像が及ばない領域です」(ボクシング記者) しかし、世界奪取は大橋自身の夢であると同時に、当時の日本ボクシング界、そしてファンの要請でもあった。 '88年に井岡弘樹が王座陥落してから1年以上、日本人世界王者の不在が続き、日本人による世界挑戦の失敗は、このとき連続21回にまで達していた。そんな中にあって、大橋は“最後の切り札”とまで期待を集めるまでになっていた。 自身だけでなく日本国民のためにも、どんなかたちであれ世界を獲る。その信念があったからこそ、過酷な減量に耐えられたという側面はあっただろう。 '90年2月7日、後楽園ホールに集まったファンは、主催者発表で3300人! 席数1403、収容最大人数2005人の会場に、消防法無視の大観衆が立錐の余地もないほど集結した。すべては世界王者誕生の瞬間に立ち会うためである。 対するWBC世界ミニマム級王者のチェ・ジュンファン(韓国)は、すでに37歳のベテランではあったが、井岡を倒したナパ・キャット・ワンチャイから王座を奪取しており、決して容易な相手ではない。 試合開始から8Rまでは両者互角の攻防が続く。だが9R、大橋の放った左ボディーブローが王者を捉えてダウンを奪う。辛うじて立ち上がった王者を、ボディーの追撃で再度キャンパスを這わせると、そのまま10カウントが数えられた。 「勝利の決まった瞬間から会場はバンザイの大合唱。隣同士で抱き合って泣いているファンもいたほどでした」(同) この勝利はもちろん、翌日の一般朝刊紙でも大々的に取り上げられた。そのため、いつも通り東横線に乗った大橋を乗客が幾重にも取り囲み、パニック状態となって電車がストップする騒ぎまで起きた。 大橋の劇的な勝利は、ラグビーW杯の日本代表にも似た歓喜のフィーバーを、国民全体にもたらしたのだった。
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スポーツ 2015年10月30日 16時00分
USA発 新聞、テレビではわからないMLB「侍メジャーリーガーの逆襲」 衰えが顕著な元安打製造機に“あり得ない契約”を提示 イチローを厚遇するマーリンズの思惑
マーリンズが公式戦終了直後の10月6日にイチローと年俸200万ドルで再契約した。メジャー球団の契約更改は通常11月から始まるので異例の厚遇である。 日本では、大選手が引退まで大事にされるのは当たり前という感覚があるが、メジャーにはそれがない。同じ実力なら、若手の方が出場機会を与えられるため、将来、殿堂入りの可能性があるような大選手でも野手の場合は30代後半で姿を消すことが多い。 それなのにマーリンズはなぜ、真っ先にイチローと契約したのだろう? 大きな戦力となると見ているわけではなさそうだ。 今のイチローはかつての安打製造機ではない。今季の成績は打率が2割2分9厘でメジャー平均より2分5厘も低い。守備と盗塁に関しては依然平均以上の能力を保持しているものの、選手の貢献度を示すWARはマイナス1.2で、査定は480万ドル(5.8億円)のマイナスになっている。これは平均よりかなり低いレベルの貢献しかできなくなっていることを意味する。 それでもマーリンズがイチローとの契約を最優先にしたのは次の2点を評価したからである。1:ロールモデル効果 ロールモデルというのは「お手本になる人間」という意味である。イチローが持つ(1)誰よりも体を入念に手入れする、(2)誰よりも真摯な態度で練習に取り組む、(3)誰よりも打撃理論に精通している、(4)誰よりも用具に関心を払い大切に扱っているといった姿勢は、若い選手が多いチームにあって生きた手本であり、球団首脳がぜひとも見習わせたいと思っている点である。 チーム内ではすでにその効果が出ていて、今季はシーズンを通してイチローに助言を求めに来る選手が後を絶たなかった。特にイチローの一番弟子のようになっていた一番打者のディー・ゴードンは有益なアドバイスを受け続けた結果、安打製造機に変身。打率3割3分3厘をマークしてナ・リーグの首位打者に輝いた。これは「イチロー効果」の大きさを改めて知らしめることになった。 球団がもう一つ高く評価したのは、今季チーム内で41歳のイチローだけが故障欠場やマイナー落ちがないままフルシーズン無傷でプレーを続けたことだ。今季マーリンズが地区優勝候補と目されながら71勝91敗と大きく負け越したのは、ケガや故障でDL入りする者が続出したからだ。故障しない選手も2、3人いたが、それらもスランプに見舞われてマイナー落ちしたため、終わってみるとフルシーズン稼働した選手はイチローだけ。球団は来季、何が何でも稼働率をアップさせたいので、その意味でもイチローが必要なのだ。2:観客の満足度アップ マーリンズがイチローを残留させた2つ目の要因は、観客離れを防ぐ手段の一つになりうるという読みもあるからだ。 マ軍はメジャーきっての不人気球団で、今季も1試合あたりの観客動員が2万1633人とナ・リーグの最下位だった。しかし、この数字も以前の1万4000〜1万8000人台に比べればかなりアップしているのだ。1〜3割観客動員が増えたのは主砲スタントンの一発を楽しみに来場するファンが多くなったから。 マーリンズはこの客を呼べる主砲を今オフ、他球団にトレードで放出する方針だ。昨年11月に交わした総額3億2500万ドル(390億円)の13年契約がチーム財政を圧迫しているため、高値が付くうちに放出してしまおうという魂胆なのだ。もし、これが成就すると、観客をつなぎとめておけるのは地元出身の若きエース、ホセ・ヘルナンデスの奪三振ショーくらいしかない。それだけでは不十分なのでイチローのメジャー3000本安打を大いに活用しようという算段なのだ。 イチローは今季終盤スイングが鈍くなり、9月は72打数10安打と不振を極めたため、シーズン91安打に終わったが、それでも通算安打数は日米通算で4213になりピート・ローズの世界最多安打記録4256まであと43に迫っている。メジャー3000本安打までは65だ。 この二つのうち日本で大騒ぎになるのは日米通算4256本の方だが、米国では大リーグ3000本安打の方がビッグニュースになる。この記録はあと65本で達成できるが、4人目の外野手として「通常の使われ方」をするだけでは達成できない可能性が出てきた。 4人目の外野手の平均打数は250打数程度なので、打率2割6分をマークしないと65本にならないからだ。しかしマーリンズはチーム方針で3000本達成を後押ししようとしているように見える。来季、チームが熾烈な地区優勝争いを繰り広げるようになれば、そんな数字にこだわっていられなくなるが、いつものように早い段階で地区優勝争いから脱落すれば、イチローの打率が2割2分程度まで落ちても3000本に届くような使い方をしてくれる可能性が高い。 それを考えるとイチローは実にいい球団に入ったと言える。スポーツジャーナリスト・友成那智ともなり・なち 今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。'04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」(廣済堂出版)は日本人大リーガーにも愛読者が多い。
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スポーツ 2015年10月29日 16時00分
古閑美保と同棲中の彼が飛躍 結婚へ向け視界良好
男子ゴルフ『日本オープンゴルフ選手権』で、小平智選手(26)が優勝を果たした。優勝賞金の4千万円を獲得し、インタビューで「優勝はまず自分のためですが、一彼女として、家族やチームと同じように喜びを伝えられるのは嬉しい」と、喜びを表していた。ここで出てくる彼女とは、元プロゴルファーで女子の賞金王にも輝いたことがある、古閑美保(33)のことだ。この日、古閑は仕事で会場には来ていなかったが、小平は誰よりも先に報告したに違いない。 その後も小平は「彼女は、自分からゴルフの話はしない。上を極めた人だから。しかも、彼女は僕が教えてもらうようなことを知らないで実践していたんだから凄い」と話し、そして優勝インタビューの最後には「なんだ、最後は美保の話で終わりですか?」と、苦笑いして会場を沸かせた。 だが、大きなタイトルを獲得した彼の顔には、5年のシード権と来夏の全英オープンの出場権を得た喜び、そしてなんといっても同棲中の古閑との関係に、一歩先の報告が出来る幸せにも溢れていた。 古閑は、酒が入ると「私大好きなの」と話し始め、「彼ね、ショットはいいの。でもね…」と、パットに悩む小平のことを心配し続けていたという。この日は、そんな古閑の杞憂が証明できた日でもあった。 二人の出会いは昨年8月。小平が優勝した『ダンロップ・スリクソン福島オープン』で、大会アンバサダーを務めていたのが古閑だった。そこで意気投合し、今年6月には生活を共にするようになった。そして、小平はプロ10年目で日本一の称号を得た。これで、二人のプロゴルファーとしての実績に差がなくなったことになる。 「古閑はプロだったときの獲得賞金5億円以上を貯金していると公言している。その彼女に追いついたのは大きい。これで晴れて結婚という事になりそうだ。小平は海外進出を狙っていて、伴侶として古閑が付いていくことになるのだろう。彼女は豪快に見えるけど、女性らしいところもたくさんあるから、いい姉さん女房になる」(スポーツ紙記者) また、古閑も結婚願望が強いのだという。 「古閑さんには何度も番組に出演していただいていて、よく話をしますが、結婚願望が強い人です。子供も欲しがっている。年齢も33歳だから、突然結婚発表があるかもしれないです。古閑さんは『小平さんは優しくて、真剣に交際を考えてくれている』と言ってましたから」(バラエティ番組プロデューサー) 古閑が国内賞金ランク3位(10月21日現在)の小平の妻になる日が見えてきた。
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スポーツ 2015年10月28日 16時00分
人気を取るかレベルアップを取るか 協会が悩む清宮パパ監督起用
ラグビーW杯で快進撃を見せた日本代表が10月13日に帰国。一次リーグ敗退ながら、4試合3勝の快挙は世界中が認めている。次回'19年大会の開催国は日本。当然、母国で悲願の“一次リーグ突破”を狙うが、それがかなうか否かは新監督次第だろう。 「今回の快進撃は、エディー・ジョーンズHCのおかげです。大会前からW杯終了後に南アフリカのプロチーム監督に就任することが決まっており、日本のラグビー協会は『'19年大会を成功させるには選りすぐりの次期監督を』と考えていました」(スポーツ紙記者) ラグビー協会は「白紙」とコメントしているが、すでに海外メディアは現フィジー代表監督のジョン・マッキー氏が最有力と報じている。また、日本国内リーグで指揮を執るパナソニックのロビー・ディーンズ監督、元ニュージーランド代表HCで欧州プロリーグの最優秀コーチ賞も受賞した現NTTコム監督のロブ・ペニー氏の名前も挙がっている。しかし、協会の“本命”は、やや異なるようだ。 「ヤマハの清宮監督を推す声も多いんです。エディーHCの退任が決定した直後から『次は清宮サン』といわれていました」(同) 清宮克幸監督(48)は、今夏の甲子園を沸かせた早実の怪物1年生・幸太郎のパパだ。克幸氏の輝かしい経歴を知るラグビーファンからすれば、「幸太郎のパパ」なる言い方は許せないだろうが、ラグビー協会は'19年の開催大会に向け、大きな課題をまだ解消していない。「どれだけ日本国内で観客を集められるのか」が未知数なのだ。 ラグビーW杯の主催国収益は、観戦チケット収益を主とするシステムなので、“幸太郎人気”にも便乗したいというのがホンネ。だが、代表メンバーは今大会で世界のレベルを知り、新しい技術に飢えている。 協会は清宮フィーバーにあやかり、大会運営費を確実にゲットしたいところ。克幸氏も意欲的だというが、一方で代表の1人、田中史朗は「できれば外国人監督がいい」と発言。“カネ”か“指導力”か、果たして協会はどちらを選ぶのか。